日焼けは老化の原因?紫外線が肌に与える影響と予防・ケア方法

シミ・たるみ・しわは、加齢によって増える肌の悩みと思われがちです。しかし、シミ・たるみ・しわといった肌の衰えは、年齢による自然老化だけでなく光老化による影響も大きいと言われています。光老化は、日に焼けて肌がダメージを受けることで起こる老化です。

この記事では、光老化と普通の老化との違いや、光老化を防ぐ日焼け対策のポイントなどを解説します。日焼けのダメージは、繰り返すごとに蓄積されていくものです。正しい知識をもとに、毎日のUV対策を行ってください。

目次

1.日焼けによる老化「光老化」って?

光老化とは、肌が太陽光線を浴びることでダメージを受け、シミ・たるみ・しわなどが増える老化現象です。長時間・長期間浴び続けることによって、皮膚がんが生じる恐れがあるとも言われています。

太陽光線に含まれる紫外線は、皮膚の組織を破壊する力を持つ目に見えない光線です。肌のハリや弾力を保つために必要なコラーゲンやエラスチンなどの成分が減少すると、しわやたるみなどが生じやすくなります。そのため、同じ年齢でも日光に当たる時間が多い人のほうが、肌の老化が進みやすい傾向です。

1-1.普通の老化との違い

光老化と普通の老化、どちらも「老化」ではあるものの、皮膚に現れる変化は大きく異なります。光老化は、紫外線障害による慢性的な皮膚の変化です。一方普通の老化は、身体の生理的機能低下によって起こる皮膚の変化を指します。

下記は、光老化と普通の老化でそれぞれ見られる変化の特徴です。

◯見た目

光老化 普通の老化
●深いしわが見られる
●濃いシミが生じる
●肌がごわつく
●浅いしわが見られる
●ハリ・弾力が低下する

◯肌のキメ

光老化普通の老化
著しく変形するほぼ正常な形を保つ

◯表皮

光老化 普通の老化
角質層●厚さが不均一になる
●厚く硬くなる
●正常な厚さを保つ
●薄くなる傾向が見られる
メラノサイト●増加する
●メラニンの生成力が亢進される
●形態が不均一になる
●減少する
●メラニンの生成力が低下する
●形態はほぼ均一を保つ

◯真皮

光老化普通の老化
コラーゲン弾性線維の破壊により光線性弾性線維症が起こる繊維束の太さや配向性がわずかに変化する

光老化の影響は、浴びた紫外線の強さと時間に比例すると言われており、普通の老化に上乗せする形で変化が現れます。例えば、日に当たる機会が多い手の甲と、ほとんど日光に当たらない内ももやおしりの肌を見比べてみるとその差がよく分かるでしょう。光老化を起こしやすい手の甲に比べて、内ももやおしりの肌のほうが滑らかさや柔らかさを保ちやすい傾向にあります。
出典:皮膚科Q&A「Q5光老化は普通の老化とどう違うのですか?」

1-2.UVAとUVB

光老化は、太陽光に含まれる紫外線が大きな原因です。人体に影響を与える紫外線にはUVAとUVBの2種類があり、それぞれ下記のような特徴を持っています。

UVA●波長:320~400nm
●真皮層や皮下組織に到達し、ダメージを与える
●体内の分子に吸収されて活性酸素を発生させる
●細胞の膜脂質・たんぱく質・DNAなどに酸化的損傷を与える
●シワ・たるみなどの原因となる
UVB●波長:280~320nm
●主に表皮へ大きなダメージを与える
●日焼けを起こす力はUVAよりも強い
●細胞の核にあるDNAに直接吸収され、損傷や自壊をもたらす
●シミ・しわ・皮膚がんなど慢性皮膚障害の原因となる
●活性酸素を介した細胞障害性を引き起こす

出典:皮膚科Q&A「Q3UVBとUVAはどう違いますか?」」

1-3.光老化を防ぐには?

光老化を防ぐには、肌に紫外線が当たらないようにすることや、当たっても皮膚の奥まで浸透しない対策を行うことが大切です。紫外線対策の基本は日焼け止めですが、それに加えてさまざまな紫外線対策グッズを活用しましょう。

また、紫外線は直接太陽から降り注ぐ「直達光」以外に、地面や壁に反射した「反射光」や大気中で散乱した「散乱光」にも多く含まれています。紫外線対策を行う際は、全方位からの光を防げるように複数の対策を組み合わせることが効果的です。日傘・帽子・サングラスなどは、手軽に用意できてすぐに取り入れられるアイテムです。

2.老化を防ぐ日焼け対策のポイント

老化は年齢を重ねることで進行しますが、加齢による衰えだけでなく、光老化が原因の症状も少なくありません。光老化のリスクを抑えるためには、常日頃から日焼け予防対策を欠かさないことが重要です。
ここでは、光老化の影響を抑えるために押さえておきたい日焼け対策のポイントを解説します。

2-1.年中対策を行う

季節や天候によって降り注ぐ紫外線の強さや量は変化します。例えば、冬になればUVBは夏の5分の1程度、UVAは2分の1程度といった具合です。しかし、日光が出ている限り紫外線がなくなることはありません。紫外線による肌のダメージは蓄積しやすいため、光老化を抑えるには、1年中対策を欠かさないことが大切です。

紫外線が増える春~夏にかけてはもちろん、日差しが和らぐことで油断しがちになる秋や冬は、意識的な紫外線対策が重要となります。秋や冬は夏のダメージが残っているケースが多いため、紫外線対策を行いつつ保湿を欠かさないようにしましょう。また、雪国に住んでいる人や冬のレジャーが好きな人は、雪面に反射する紫外線にも注意が必要です。

2-2.外出しない日や曇りの日も対策する

紫外線量自体は少なくても、長期間浴び続ければ次第に肌へのダメージは蓄積されます。外出しない日や曇りの日でも、しっかりと紫外線対策を継続することが大切です。

室内で浴びる紫外線には、主に反射光や散乱光などが挙げられます。これらを防ぐためには、UVカット効果のあるレースカーテンやフィルムなどが有効です。窓ガラス自体をUVカットガラスに変えてもよいでしょう。

また、紫外線に加えてパソコンやスマホなどから発せられるブルーライトも、光老化の原因になると言われています。こちらの対策としては、電子機器のカット機能に加えてメガネやフィルム、日焼け止めなどと併用するとよいでしょう。

2-3.適切な種類の日焼け止めを適量塗る

日焼け止めは、利用シーンに合わせて使い分けることが重要です。日焼け止めに記載されているSPF値はUVB、PA値はUVAへの効果を示しており、数値が大きく+の数が多いほど効果が高くなります。だし、効果が高いほど肌への負担も大きくなる傾向です。

下記の例を目安に、適切な値の日焼け止めを選ぶとよいでしょう。

SPF10~20
PA+~++
散歩や買い物などの日常生活
SPF10~30
PA++~+++
屋外での軽いスポーツやレジャー
SPF30~50
PA++~++++
炎天下でのレジャーやリゾート地でのマリンスポーツ

クリームタイプやジェルタイプなど、テクスチャーは自分の好みで選べば問題ありませんが、商品によって適量は異なるため必ず説明書を確認することが大切です。

3.日焼け後のケアも重要

日焼け対策を意識していても、紫外線を完全に防ぎ切れるとは限りません。長時間日の当たる場所で活動した・日焼けしてしまったという場合には、適切なケアが必要です。

冷やす

日に焼けて赤くなったりほてったりしている肌は、炎症を起こした状態にあります。流水や冷たいタオルなどで冷やし、炎症の進行を抑えましょう。氷や保冷剤を使用する際はガーゼやハンカチで包み、直接肌に当てないことが大切です。ただし、冷やしすぎると血流が悪くなるケースや凍傷を起こすケースもあるため、ある程度ほてりが治まった時点で、冷やすのをやめましょう。

保湿する

日に焼けた肌は、皮膚の水分が失われて乾燥した状態です。脱水状態の肌はバリア機能が低下し肌トラブルを起こしやすいため、保湿力の高い化粧水や乳液でしっかりと水分を補いましょう。

まとめ

光老化は、太陽光に含まれる紫外線を浴び続け、肌ダメージが蓄積されることによって引き起こされる老化現象です。日頃から紫外線対策を習慣づけ、日に焼けてしまったときは入念なスキンケアでダメージを軽減することで、老化の進行を抑えられる可能性が高まります。

紫外線による肌の老化は、シミだけでなくたるみやしわができる原因の1つです。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

UVケアの基礎知識|正しいケア方法&効果が半減するNG行動

紫外線は、皮膚に大きなダメージを与える肌の大敵です。日やけで赤くなったり黒くなったりするUVケアの基礎知識|正しいケア方法&効果が半減するNG行動けでなく、ダメージが蓄積されることでシミ・たるみ・しわができる原因にもなります。紫外線による肌ダメージを予防するためには、UVケアの正しい知識を持つことが大切です。

この記事では、UVケアの基礎知識やUVカットとの違い、UVケアの必要性などを解説します。UVケアの効果を高める正しいやり方や、反対に効果を下げてしまうNG行動も紹介するので、UVケアの正しい知識を得たい人はぜひご一読ください。

目次

1.UVケアの基礎知識

UVケアとは、紫外線や紫外線のダメージから肌を守るために行うスキンケア、もしくはケアに使う専用商品のことです。UVケアの代表例としては、日やけ止めが挙げられます。日やけ止めは、肌の奥に紫外線が到達しないよう、紫外線を散乱させたり吸収したりする機能を持つ化粧品です。

日やけ止めには、クリーム・ジェル・乳液・ウォータープルーフなどさまざまなタイプがあり、紫外線を防ぐ効果の高さはSPFとPAの値で示されています。
●SPF:主にUV-Bの影響を防ぐ効果を「SPF20」「SPF50」など数値で表す
●PA:主にUV-Aの影響を防ぐ効果を「PA+」「PA+++」など+で表す

どちらも数値が高い・+が多いほど紫外線を防ぐ効果が高いものの、肌への負担も大きくなるため、季節や利用シーン別に商品を選ぶことが重要です。

1-1.UVケアとUVカットの違い

UVケアとよく似た使われ方をする言葉に、「UVカット」があります。UVカットとは、紫外線を吸収したり遮断したりして、肌に届かなくする機能です。例えば、SPF・PA効果のある日やけ止めや化粧品は紫外線を吸収するため、UVカット機能があると言えるでしょう。日傘や帽子、ラッシュガードなどのアイテムも同様です。

一方、UVケアは紫外線の影響から肌を守るお手入れすべてを指します。つまりUVケアはUVカットに加えて、日やけ後に行うアフターケアなども含めて使われる言葉です。

1-2.UVケアの必要性

紫外線は皮膚のコラーゲンやエラスチンといった、肌のハリや弾力を保つために必要な成分へ悪影響を及ぼすことで、たるみやしわを引き起こします。また、紫外線はメラノサイトを活性化する作用もあり、過剰に分泌されるメラニン色素がシミやそばかすに変化するケースも少なくありません。

肌の状態を美しく保つためには、できるだけ肌に届く紫外線量を減らしつつ、紫外線を浴びてしまった後はフォローが必要です。

2.UVケアが必要な紫外線の種類

紫外線には全部で3つの種類がありますが、UVケアが必要となるのは以下の2つです。
●UV-A
UV-Aは、メラノサイトを活性化して色素沈着を誘発し、シミの原因になります。また、肌の真皮まで到達して線維芽細胞を破壊することで、肌のハリや弾力を失わせる恐れも高い紫外線です。UV-Bに比べると人体への影響が少ないとされるものの、長時間浴びた場合は肌への悪影響が懸念されています。
●UV-B
UV-Bは、大部分が成層圏で大気に吸収され地表への到達は少ないものの、人体への影響が大きい紫外線です。皮膚や目にとって有害であり、皮膚がんの原因にもなります。一般的に、日やけと言われる症状を引き起こす主な原因はこのUV-Bのほうです。ひどい場合は水ぶくれを引き起こし、表皮細胞や免疫細胞を変質させたり壊死させたりします。

屋内でも日の光が差し込んでいれば紫外線の影響を受けるため、注意が必要です。また、曇りの日や日陰でも大気中に散乱する光には、多くの紫外線が含まれています。

3.効果を高めるUVケアの正しい方法

UVケアには、正しいやり方があります。どれほど高い効果のあるグッズを使用しても、やり方を間違うと期待する効果を得られません。UVケアの効果を十分に引き出したいのであれば、塗り方やタイミングなどを押さえておきましょう。
ここでは、UVケアの効果を高めるやり方を解説します。

3-1.【日やけ止め】規定量をスポンジでムラなく塗る

日やけ止めは、商品ごとに規定されている適量を守り、ムラなく塗ることがポイントです。パッケージの商品情報や説明書をチェックし、どの程度の量を使えばよいかを確認しましょう。

規定量が分からない場合、顔に対してクリームタイプの日やけ止めはパール粒2個分、液状の日やけ止めは1円硬貨2枚分が目安です。2回に分けて重ね塗りすると、まんべんなく塗りやすくなります。

3-2.【日やけ止め】2~3時間ごとに塗りなおす

外出中は汗をかいたり衣服に肌が擦れたりすることで、知らず知らずのうちに自然と日やけ止めが落ちます。目安としては2~3時間程度に1回、あるいは汗をかいたと自覚した時点で塗りなおしましょう。

SPF値・PA値が高い商品や、ウォータープルーフの商品であっても塗りなおしは必要です。外出先で顔の日やけ止めを塗りなおす場合、パウダータイプやスプレータイプの日やけ止めを使用すると、化粧を崩さずに塗りなおすことができます。

3-3.【グッズ】UVカット加工の衣服・帽子・日傘を使う

日やけ止めに加えて、UVカット加工が施された衣服や帽子、日傘を併用することも、紫外線対策には有効です。いずれも、基本的に編み目が詰まった生地で色調が濃いもののほうがUVカット効果は高い傾向にあるものの、通気性が悪く熱の吸収率も高い欠点があります。

最近は、薄手でもUVカット率の高い商品があるため、気候に合ったものを選びましょう。帽子のつばは広めのほうが、顔への日差しを遮ることができます。日傘の内側が明るい色だと、光を反射して顔に紫外線が集まるため注意が必要です。

4.UVケアの効果が半減するNG行動

UVケアの正しいやり方が分かった後も、油断は大敵です。正しい方法でUVケアをしても、NG行動を取るとUVケアの効果は落ちてしまいます。NG行動を知り、UVケアの効果を十分に受けられるようにしましょう。

4-1.開封後半年を過ぎた日やけ止めを使う

適切な環境下で保存した場合、一般的な化粧品と同じく日やけ止めの使用期限も開封済みは1年、未開封であれば3年は持つと言われています。しかし、一度開封した日やけ止めを半年以上経ってから使用することは推奨されていません。

開封後の日やけ止めは徐々に中身の劣化が進み変質したり、日やけ止めとしての効果自体が薄れたりすることもあります。また、ホコリが混じっていたり雑菌が繁殖していたりすると肌トラブルを起こすこともあるため、開封後半年を経過した日やけ止めは使わないほうが無難です。日やけ止めはたっぷりと使用し、ワンシーズンで使い切りましょう。

4-2.洗髪後すぐに外出する

洗髪後すぐの外出は、髪の毛や頭皮が傷みやすくなる要注意行動です。通常時であれば、頭皮や髪の毛は薄い皮脂の膜によって守られています。しかし、シャンプーで皮脂の防御膜を洗い流してしまうと、外出中に頭を守ってくれるはずのバリア機能が働きません。

バリア機能が低下すると、紫外線の影響をそのまま髪の毛や頭皮が受けることになり、日やけだけでなく抜け毛や白髪といったダメージとして現れることもあります。可能であれば洗髪は夜に行い、外出前に洗髪する場合は、頭や髪の毛にも日やけ止めを使った上で日傘と帽子でしっかりとガードしましょう。

まとめ

UVケアは、紫外線から肌を守るUVカットに加え、紫外線ダメージを受けた肌を労わるケアも含めたUV対策全般を指す言葉です。紫外線に含まれるUV-AやUV-Bは肌のハリを緩ませたり、シミ・たるみ・しわの原因になったりするため、美肌を保つためにはUVケアが欠かせません。

UVケアの基本は、日やけ止めとUVカット加工が施されたグッズの併用です。日やけ止めは用法容量を守りムラなく小まめに塗りなおすことを心がけ、ワンシーズンを目安に使い切るようにしましょう。毎日のUVケアを怠らない意識が、美しい肌を保つことにつながります。

この記事を監修したドクター
CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

くすみ肌とは?種類と原因に応じた予防・改善方法5つ

メイクののりが悪く、思うようなメイクができない、すぐに崩れてしまうといった悩みを抱えている方は多いでしょう。メイクののりは、肌のくすみが原因の可能性もあります。
肌のくすみは、日々のスキンケアによって予防することが可能です。ただし、くすみの原因によって適切な方法が異なるため、まずはくすみの種類や原因について知っておきましょう。

当記事では、くすみ肌の種類と原因、予防方法を紹介します。肌のくすみにお悩みの方は、ぜひ当記事をご覧ください。

目次

1.くすみ肌とは?

くすみ肌とは、透明感がなく顔全体が暗く見える肌のことです。鏡を見たときに、疲れているような印象や、不健康そうに見えた場合は、くすみ肌の可能性があります。くすみ肌になると肌の明るさやツヤが失われる他、メイクのりが悪くなったり、周りの人に不健康そうという印象を与えたりなどのデメリットがあります。

くすみ肌には種類があり、くすみのタイプによって肌の見え方が違います。灰色に見えたり、茶色っぽく見えたり、青黒くなったりと、さまざまな現われ方があるため、タイプに合った対策方法が必要です。

肌のくすみは、老化のサインの1つとも言われています。くすみを放置すると、シワやシミなどの肌トラブルを引き起こす恐れがあるため、早期に対策しましょう。

2.くすみ肌の種類と原因

乾燥

乾燥によるくすみは、ツヤがなくなり、肌が灰色がかった色になるのが特徴です。

過剰な洗顔や湿度が低下しやすい時期は、肌の水分量と油分量とのバランスが崩れやすく、「バリア機能」が低下します。バリア機能が低下すると肌表面のきめが荒くなり、なめらかさが失われます。
メラニン
メラニンが原因のくすみは、肌が茶黒がかるのが特徴です。

メラニンとは、紫外線や摩擦などで肌が傷ついた際に生成される黒色の色素のことで、UVケアを怠ったり、洗顔などで顔を強く擦ったりした肌に生成されやすいです。メラニンが体外に排出されず色素沈着すると、くすみ肌の原因となります。
運動不足、冷え
運動不足や身体の冷えによるくすみ肌は、青暗い肌色になり、目の下に頻繁にクマができるのが特徴です。

運動量が少ないと血行不良を起こし、血液中の酸素濃度が低くなるとヘモグロビンの鮮やかさがなくなります。毛細血管が青白く目立ち、顔色が悪い印象を与えます。
糖化の蓄積
糖化が原因のくすみ肌は、黄色っぽく透明感がなくなるのが特徴です。

糖化とは、白米や麺類に含まれる糖質と肌のタンパク質が結びつき、AGEs(最終糖化生成物)を生成することです。AGEsが蓄積すると肌が黄色っぽく見え、くすんだ印象を与えます。
ターンオーバーの遅れ、乱れ
ターンオーバーの遅れや乱れが原因のくすみ肌は、透明感がなく、肌が厚くごわついているのが特徴です。

ターンオーバーとは、古い角質が剥がれ落ち、肌の細胞が新しく生まれ変わる周期のことです。疲れや睡眠不足が原因でターンオーバーの周期が乱れると、古い角質が肌に残り角質が蓄積されていきます。角層が厚くなると、透明感が失われる要因になります。

3.【原因別】くすみ肌の予防方法

くすみ肌の原因に応じ、正しいスキンケアを行うことでくすみ肌の緩和を期待できます。くすみ肌の原因は人により異なり、また肌質もそれぞれ違うため自分に合った予防方法を見つけることが大切です。

ここでは、くすみ肌の原因別に予防方法を紹介します。くすみ肌を緩和したい方や、透明感のある肌を維持したい方は参考にしてください。

3-1.【乾燥】洗顔・化粧品を正しく使用する

乾燥が原因のくすみは、洗顔方法を見直し、化粧品を正しく使用するのがポイントです。洗顔をする際に、強く擦ったり洗顔回数が多かったりすると、肌の水分や皮脂が必要以上に流れ、乾燥の原因になります。

洗顔は朝と晩の1日2回に行い、洗顔料はしっかりと泡立ててから優しく洗いましょう。
すすぐ際はぬるま湯を使用し、泡の流し残しがないように丁寧に洗い流します。

洗顔後は、水分が蒸発する前に化粧水と乳液で保湿しましょう。
洗顔後の肌は油分が減少しており、肌表面の水分が蒸発しやすい状態になっています。化粧水で水分を補充し、フタをするように乳液を重ねると、肌の水分が蒸発するのを防げます。

3-2.【メラニン】日焼け止めなどで紫外線対策をする

メラニンによる肌くすみを予防するためには、原因となるメラニンが生成されないよう紫外線を防ぐことが大切です。紫外線量が多い夏だけでなく、春・秋・冬にも日焼け止めを使用して肌へのダメージを防ぎましょう。

紫外線には、UVAとUVBの2種類あり、メラニンの生成に大きく関係するのはUVBです。晴れの日のUVBを100%とした場合、曇りの日は50~80%、雨の日は20~30%ほどのUVBが肌に届きます。
そのため、晴れの日以外でも紫外線ケアをすることは大切です。

屋内の場合、窓ガラスの厚さが5mm以上あり、UVコーティング加工が施されていると室内にUVBは届かないとされています。しかし、シワなどの原因であるUVAは、窓ガラスでは防げません。建物の中で過ごす場合も、日焼け止めを塗っておきましょう。

3-3.【運動不足・冷え】運動・入浴で身体を内側から温める

運動不足や冷えが原因の場合は、運動や入浴などで身体を内側から温めましょう。
運動は、軽いランニングやウォーキングなどの有酸素運動が適しています。運動は習慣として毎日短時間でも取り入れることがポイントです。

また、入浴はシャワーだけで済まさず、湯船に浸かるのを習慣化しましょう。シャワーだけで身体を内側から温めることはできません。ぬるま湯にじっくり時間をかけて浸かると、身体の芯から温まります。

3-4.【糖化】抗糖化作用を期待できる化粧品を使用する

糖化が原因のくすみ肌は、生成されたAGEsが体内に蓄積することが原因です。一度糖化すると肌の再生は難しいとされています。

糖化を防ぐためには、抗糖化作用を期待できる化粧品を使用しましょう。抗糖化作用を期待できる成分には、ビタミンAやビタミンC、カルノシンなどが挙げられます。ビタミンCは、ビタミンBやグルタチオンなどの成分と併用して摂取すると、より効果が高まるとされています。

3-5.【ターンオーバー】生活習慣を見直す

ターンオーバーの乱れが原因のくすみは、生活習慣を見直すことが必要です。ターンオーバーの乱れは、睡眠の質や食生活などが関係しています。

生活習慣の見直しとして、具体的には規則正しい生活を送る、バランスのとれた食事をすることが挙げられます。食事の際には、ビタミンやタンパク質など、肌を生成する栄養源を必要量摂取することを意識しましょう。

また、ストレスを溜めこまないことも大切です。ストレスが溜まると自律神経が乱れ、ターンオーバーに影響します。趣味に没頭できる時間やリラックスできる時間を作ると、ストレスが溜まりにくくなります。

まとめ

肌のくすみは原因によって特徴が異なります。乾燥やメラニン、運動不足・冷え、糖化、ターンオーバーの乱れにより肌の色味が違い、くすみのタイプに応じた予防が重要になります。

肌のくすみを予防する方法として、正しいスキンケアに加えて、生活習慣の見直しや適度な運動、入浴などがあります。運動や入浴、食事に関しては、習慣化することでターンオーバーの乱れを予防することが可能です。

この記事を監修したドクター
CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

日焼け止めを塗るタイミングは?塗り直しの必要性や塗る時の注意点も

紫外線は、真夏はもちろん、冬や曇りの日にも肌に降り注いでいます。UV対策をして肌を守るために、日焼け止めは必須アイテムです。しかし、日焼け止めを深く考えずに塗っている人も多いのではないでしょうか。日焼け止めは、塗り方によっては最大限の効果を引き出すことができません。

この記事では、日焼け止めを塗るタイミングや塗り直しの必要性、日焼け止めを塗る時の注意点などを解説します。日焼け止めを塗る際のコツも紹介するので、ぜひご一読ください。

目次

1.日焼け止めを塗るタイミング

日焼け止めの効果を引き出すには、適切なタイミングで塗ることが大切です。誤ったタイミングで日焼け止めを塗ると、日焼け止めの効果が薄まり、UV対策がうまくいかず肌に負担をかけることになってしまいます。

ここでは、日焼け止めを塗るのに適切なタイミングについて解説します。

1-1.朝のスキンケアと同時に塗る

日焼け止めは、朝起きてからなるべく早く塗るのがベストです。紫外線は窓を通して家の中にも入ってくるため、太陽が昇った後、人の体は常に紫外線の影響を受ける可能性があります。UV対策をして肌を守るためにも、日焼け止めは朝に塗りましょう。

ただし、洗顔した直後の顔に日焼け止めを塗ると肌に負担がかかりやすいです。日焼け止めの成分には肌を乾燥させる作用があります。そのため、洗顔した後にいきなり日焼け止めを塗ると、乾燥肌を引き起こし、肌荒れの原因につながります。

肌の乾燥を防ぎつつ紫外線から守るためには、日焼け止めを朝のスキンケアと同時に塗るとよいでしょう。スキンケアと日焼け止めを同時に塗ると、肌に潤いを与えると同時に、バリア機能を高めることができます。スキンケア直後はまだコスメが肌になじんでいないため、スキンケアの後5分くらい置いてから日焼け止めを塗りましょう。

1-2.出掛ける30分前までがベスト

日焼け止めが肌に定着し、効果を発揮し始めるのは、肌に塗って30分ほど経ってからといわれています。日焼け止めは出掛ける30分前までに塗るのがベストです。

また、日焼け止めを塗った直後の肌に衣服を重ねると、日焼け止めが服につくことがあります。日焼け止めが服につくと、服が汚れる上に肌に塗った日焼け止めの効果も半減します。日焼け止めの効果を十分に発揮させ、衣服を清潔に保つためにも、日焼け止めは余裕を持って、出掛ける30分前までに塗りましょう。

1-3.メイクする場合のタイミング

特にメイクをする日の朝は、顔に塗布するものが多いため、どのタイミングで日焼け止めを塗ればいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。メイクをする場合は、「スキンケアの後、化粧下地の前」に日焼け止めを塗るのがベストです。具体的な順番は以下の通りです。

・洗顔
・化粧水
・乳液
・日焼け止め
・化粧下地
・ファンデーション

スキンケアの後に日焼け止めを塗ることで肌の乾燥を防ぎ、ベースメイクの前に塗るとメイク崩れを予防できます。

最近では化粧下地を兼ねた日焼け止めも多く販売されています。化粧下地を兼ねた日焼け止めを使用する場合は、スキンケアの後に日焼け止めを塗り、その上からファンデーションを塗っても構いません。

ただし、日焼け止めは通常の化粧下地よりもオイリーな場合が多く、日焼け止めの上に直接メイクをすると、時間が経った後にメイクが浮く可能性があります。日焼け止めを塗った後の肌表面にベタつきがある場合は、ティッシュなどで軽く押さえてからメイクをするとよいでしょう。

2.日焼け止めは塗り直しが必要?

日焼け止めは、朝塗っておけば1日中効果を発揮してくれるわけではありません。日焼け止めは、汗を流したり、人や衣服と接触したりすることで簡単に落ちます。日焼け止めが落ちれば、その分UVカット効果は失われます。せっかく塗った日焼け止めの効果を持続させるためにも、日焼け止めは定期的に塗り直しをしましょう。

耐水性に優れた日焼け止めも、水で全く流れないというわけではないため、塗り直しが必要です。日常生活はもちろん、海や屋外プールなど水に接する場では特に日焼け止めが流れ落ちやすいため、忘れずに塗り直しましょう。

では、日焼け止めの塗り直しは具体的にいつ行えばいいのでしょうか。ここからは、日焼け止めを塗り直すタイミングについて解説します。

2-1.日焼け止めを塗り直すタイミング

日焼け止めは、朝塗ってから2~3時間置きに塗り直しをするのがベストです。屋外で過ごす場合や運動する時はもちろん、屋内で過ごす場合でも、汗や衣服との接触などによって、知らず知らずのうちに日焼け止めは落ちていきます。日焼け止めが落ちて紫外線防止効果が弱まれば、その分日焼けやシミ、シワなど肌トラブルのリスクが高まるため、日焼け止めはこまめに塗り直しましょう。

日中はもちろん、夕方になってからも紫外線は発生します。昼にメイク直しをするタイミングや、14時~15時頃にも一度日焼け止めを塗り直すと肌への負担がかかりにくいです。外出先でも塗り直し用の日焼け止めは携帯しておきましょう。

3.日焼け止めを塗る時の注意点

日焼け止めを塗る際に大切なのは、タイミングだけではありません。日焼け止めの選び方や塗り方にも注意が必要です。

ここからは、日焼け止めを塗る時の注意点を3つ紹介します。日焼け止めは、適切に塗れば効果的に肌へのダメージを抑えることができます。注意すべきポイントをしっかりと押さえて、日焼け止めの効果を引き出しましょう。

3-1.適した種類を選ぶ

日焼け止めには、SPF・PAという表記があります。SPFの数値が大きければUVB(紫外線B波)を、PAの数値が大きければUVA(紫外線A波)を防ぐ効果が大きいです。

しかし、SPF・PAの数値が大きい日焼け止めほど、肌への負担が大きくなるというデメリットもあります。そのため、SPF・PAの数値は季節やシーンによって使い分けるのがベターです。たとえば、夏に屋外で過ごす場合やレジャー・スポーツの場ではSPF50・PA++++の日焼け止めを、日常生活や屋内で過ごす場合はSPF10前後・PA+程度の日焼け止めを選ぶとよいでしょう。

また、日焼け止めには、クリームタイプやスプレータイプ、ローションタイプなど、さまざまな種類があります。たとえば、ポピュラーなクリームタイプの日焼け止めは、保湿力が高く日焼け止め効果の持続性も高いですが、オイリーなため肌荒れにつながりやすいデメリットもあります。一方で、肌に優しいローションタイプは敏感肌の人に向いていますが、簡単に落ちやすい点には注意が必要です。日焼け止めの特徴を比べて、自分の肌質や行動に適した商品を選びましょう。

なお、日焼け止めはほとんどの場合、パッケージに適量の表記があります。パッケージに記載された「適量」は、その日焼け止めがもっとも効果を発揮する量です。日焼け止めはむやみに出しすぎず、使用量を守って塗りましょう。

3-2.ムラなく均一に塗る

日焼け止めは、肌に隙間なく均一に塗られている状態が最も効果を発揮します。しかし、日焼け止めを一度に多量に付けたり、後から少しずつ付け足したりすると、ムラができて効果が半減します。日焼け止めを体に塗る際には、適量の日焼け止めを手のひらに取り、手を大きく動かしながら優しく塗り広げていきましょう。

日焼け止めを顔にムラなく塗る際のコツを紹介します。
まず、日焼け止めを手のひらに適量出し、額・両頬・鼻・顎の5点に乗せます。次に中指と薬指を使って、頬・額・鼻・口周辺・フェイスライン・目の周辺の順に丁寧になじませていきましょう。小鼻や耳の後ろなどは特に塗りムラができやすいため注意してください。

3-3.塗り残しがないようにする

日焼け止めの塗り残しがあると、その部分は紫外線から守られなくなります。特に、ヘアラインや眉間、小鼻や耳、フェイスラインは塗り忘れやすい部位です。塗り残しのないよう意識して日焼け止めを塗りましょう。

体全体でいえば、体の側面や膝、膝裏、手足の甲などが塗り残ししやすい場所です。露出する際には気を付けて日焼け止めを塗ってください。

まとめ

日焼け止めは適切なタイミングで塗り、2~3時間ごとに塗り直しをすることで高い効果を発揮します。また、肌の状態やシーンによって、適切な種類の日焼け止めを選ぶことも大切です。日焼け止めでUVカットするためにも、ムラなく均一に、塗り残しがないよう意識しながら塗りましょう。

ハイフはダウンタイムがほとんどなく、その日にメイクをして帰れる治療です。日中に治療を受けた場合は、施術後に最低限日焼け止めを塗って帰りましょう。

【記事に関する免責事項】

  • ・当記事は未承認医療機器による治療の内容が含まれています。
  • ・記事内で触れている未承認医療機器について、国内に同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

紫外線は何種類ある?UVA・UVBによる影響と対策方法

太陽光線の一種である紫外線には、人間にとってプラスの影響となる側面もありますが、お肌にとっては有害性が高く、負担が大きいものでもあります。紫外線にはいくつか種類があり、種類によって特徴やお肌への影響も異なるため、紫外線の種類について理解した上で対策を講じることが大切です。

当記事では、紫外線の3つの種類とその特徴、種類によって異なるお肌への影響について解説します。種類別の紫外線対策も併せて確認し、紫外線によるお肌へのダメージをなるべく予防しましょう。

目次

1.紫外線は3種類!それぞれの特徴を解説

太陽から発せられる「紫外線(UV;Ultravioret)」は、波長の長さによって下記の3種類に分けられます。

■紫外線の種類
●UVA(Ultravioret A)
●UVB(Ultravioret B)
●UVC(Ultravioret C)

「UVA」「UVB」「UVC」は、それぞれ紫外線が届く範囲やエネルギーの度合いなどが異なります。それでは、それぞれの紫外線の種類にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、「UVA」「UVB」「UVC」の3種類の紫外線について、それぞれの特徴を解説します。

1-1.UVA(ultraviolet A)

UVAは「紫外線A波」「生活紫外線」ともよばれる紫外線の一種です。UVAの波長は315~400nmと紫外線の中で最も長く、大気による吸収もそれほど受けないため、比較的多くの量のUVAが地表に到達します。地表に届く紫外線量の9割程度はUVAと考えてよいでしょう。

UVA自体のエネルギーは比較的小さく、短期的なダメージはそれほど大きくありません。しかし、UVAは地表に届く量が多いため影響を受ける機会が多く、生体へのダメージが少しずつ蓄積されます。中長期的には大きなダメージとなる可能性がある点に注意しましょう。

また、UVAは1年を通して照射量が多く、くもりの日や室内にも届きやすい紫外線でもあります。日常生活においても油断せず、常に対策を考えておく必要があるでしょう。

1-2.UVB(ultraviolet B)

UVBは「紫外線B波」「レジャー紫外線」ともよばれる、波長280~315nmの紫外線です。太陽から発せられるUVBの大部分は、地球の上空(成層圏)に存在するオゾン層で吸収されますが、残りは地表に到達します。この量は、地表に到達する紫外線の約1割に相当します。

UVBは比較的波長の短い紫外線であり、エネルギーも大きいことから、短期間で大きなダメージを人体に与えやすいとされています。地表に到達する量は多くありませんが、特に4~9月は地表に届くUVB量が多くなるため、十分な対策が必要となるでしょう。

1-3.UVC(ultraviolet C)

UVCは「紫外線C波」ともよばれる紫外線の一種です。波長は100~280nmと紫外線の中で最も短く、エネルギーも非常に高い紫外線であるため、殺菌灯などとして利用されることがあります。

太陽から発せられるUVCは非常に強度の高い紫外線であるものの、UVAやUVBとは異なり成層圏のオゾン層で吸収されます。UVCを利用した殺菌灯などに近づかない限りは、太陽光からUVCを人体に受けることはないと考えられます。

ただし、南極付近などの地域では季節によってはオゾン層が薄くなることがあるため、UVCによる影響を受ける危険性があります。旅行などで該当地域に滞在する場合には事前に十分な対策を整えておきましょう。

2.紫外線は種類によってお肌への影響が異なる

紫外線は種類によって波長やエネルギーの大きさなどの特徴があり、お肌への影響も種類によってそれぞれ異なります。美肌を保つためには、紫外線の種類に応じた対策が求められるでしょう。

ここでは、太陽から発せられた紫外線のうち、地表に届いて人体に影響を及ぼす可能性がある「UVA」「UVB」がお肌に与える影響をそれぞれ紹介します。種類によって異なる紫外線の影響をふまえた上で、紫外線対策を考えてみましょう。

2-1.【UVA】しわ・たるみの原因

UVAは、UVBほどお肌に対して短期的な影響を与えません。しかし、表皮よりも奥にある真皮まで到達し、お肌の弾力をキープするために重要な働きを担うコラーゲンやエラスチンなどの物質を破壊する可能性があることには注意が必要です。

真皮に存在するコラーゲンやエラスチンといった物質が破壊されると、お肌の弾力が失われ、重力によってお肌がたるみやすくなります。その結果お肌がたるみ、皮膚が特定の場所に寄りやすくなると、その部分にしわが形成されることも考えられます。

UVAによりお肌のたるみや皮膚のしわが形成されると、実年齢よりも老けた印象になりやすいです。

2-2.【UVB】シミ・赤みの原因

UVBはUVAよりも高いエネルギーをもつ紫外線であり、お肌に対して短期間で大きなダメージを与えることがあります。太陽光を長時間浴びることによってお肌が炎症を起こして赤くなる「サンバーン」や、メラニン色素の沈着「サンタン」の主な原因は、UVBと考えてよいでしょう。

また、UVBはお肌の表面にある細胞の細胞膜やDNAを傷つける作用があります。細胞膜やDNAへの刺激によってメラニン色素の合成を行うメラノサイトが活性化されると、メラニン色素の生成・色素沈着が促進されることがあります。シミやそばかすの原因となる紫外線は、主にUVBであると言えるでしょう。

3.【種類別】紫外線の対策方法

紫外線は、種類によってその特徴や性質、起こる可能性がある肌トラブルの種類が異なります。これと同様に、紫外線の対策方法も種類によって異なることを押さえておきましょう。気になる肌トラブルや季節・天候などに応じて、臨機応変に紫外線対策を講じることが大切です。

紫外線の種類によって適切なUVケアは異なるものの、UVA・UVBともに日焼け止めの使用は必須となります。それぞれの紫外線にベストな日焼け止めは異なりますが、日焼け止めを活用した上で、それぞれの種類の紫外線に対する対策を行いましょう。ここでは、UVA・UVBのそれぞれについて、適切な紫外線のケア方法を紹介します。

3-1.UVA…UVカットのアイテムを使う

UVAは、季節や天候(天気)を問わず1年中地表へ降り注いでいるため、日常的な対策が必要となります。「日焼け止めはPA値の+の数に注目して選ぶ」「UVカット(紫外線カット)効果の高い化粧品を活用する」など、UVカットのアイテムを上手に活用しましょう。

また、屋外ではさらに多くのUVAを受ける可能性があるため、UVカット効果が期待できる帽子や日傘、アームカバーなどでUV対策するのもポイントです。目から入った紫外線はメラニン色素の合成を促すため、サングラスやメガネをかけるなどの対策を行いましょう。目の周りの皮膚も保護できるため、目の周りのたるみやしわの発生も防げます。

UVAは窓ガラスを通過して室内にも届くことにも注意が必要です。UVカット効果が高く透明なUVカットシールを貼ったり、UVカット率が高いカーテンを取りつけたりして、窓ガラス越しに入るUVAの量を減らすための対策を行いましょう。

3-2.UVB…濡れタオルで冷やしたりビタミンを摂取したりする

UVBによる紫外線ダメージを予防するためには、「SPF」の数値に注目して日焼け止めを選ぶことが大切です。ただし、SPF値が高いものは防御効果も高いと言われている一方で、お肌への負担も大きくなる傾向があるとも言われています。使用シーンに合わせて適切な日焼け止めを選びましょう。

UVBを体に受け続けるとお肌が熱くなり、炎症や痛みが発生したりお肌の水分が失われて乾燥したりする恐れがあります。お肌が熱っぽいと感じたら、濡れタオルで冷やすなどしてお肌の状態を落ち着かせましょう。お肌の水分を補給するため、化粧水などでしっかりと保湿することも大切です。

また、必要なビタミンを摂取するなど、体の内側から紫外線ケアを行うことも重要です。紫外線の予防対策として重要なビタミンA、C、Eは以下のような食材に含まれているため、積極的に食事に取り入れましょう。

■ビタミンA、C、Eが豊富な食材

食材の例
ビタミンAにんじん、モロヘイヤ、かぼちゃ、うなぎ、モロヘイヤ など
ビタミンCトマト、ピーマン、ブロッコリー、キウイ、イチゴ など
ビタミンEアーモンド、アボカド、かぼちゃ、うなぎ など

まとめ

紫外線には「UVA」「UVB」「UVC」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。特にUVAはしわ・たるみの原因に、UVBはシミ・赤みの原因になりやすいため注意しましょう。それぞれの特徴をふまえた上で、紫外線への対策を講じることが大切です。

お肌は紫外線の影響を受けやすく、日焼けによってお肌は老化しやすくなります。シミやそばかすだけでなく、たるみの原因になる場合もあるため注意しましょう。たるみには美容医療の一種である「ハイフ」が効果的です。お肌のたるみに悩んでいる人は、ぜひハイフの施術を検討してみましょう。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

美容医療クリニック紹介

自分に合った美容の「かかりつけ医」を探そう!
こちらからお近くの美容医療クリニックを検索できます。

クリニックを検索

LINE公式アカウント
友だち登録

LINE公式アカウントを友だちに追加しませんか?

最新のコラム記事
旬の美容医療
オトクなキャンペーン

ひとつ上のキレイをめざすなら
キャッチしておきたい情報配信中!

友だち登録する

For CLINIC

美容医療クリニックの関係者の方はこちらから
ご登録をお願いいたします。
動画素材をご希望の方はご登録後に
ダウンロードができるようになります。

クリニック登録のお申し込み 動画素材ダウンロードのお申し込み
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。