顔の乾燥の原因は?よく起こるトラブルや乾燥防止のポイントも

顔の乾燥の原因は、室内の空気の乾燥・スキンケアの問題・紫外線・ターンオーバーの乱れ・加齢などさまざまです。顔の乾燥は、肌トラブルを誘発することもあり、美容にもよくないため、防ぎたいという方が多いでしょう。

この記事では、顔が乾燥する5つの代表的な原因に加え、顔が乾燥することによる肌トラブル・顔の乾燥を防ぐための4つのポイントまでを詳しく解説します。顔の乾燥によるトラブルを防ぎたい方・改善したい方はぜひ参考にしてください。

目次

1.顔の乾燥の原因は?

顔は身体の中でも特に皮膚が薄い部分であり、外部からの刺激や身体の内側のトラブルなどさまざまな原因により乾燥状態に陥りやすいという特徴があります。単純な乾燥であれば、正しいケアをすることで症状を緩和させる事が可能です。

一方、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が原因で肌の乾燥が起こっている場合のセルフケアは、状態を悪化させるリスクがあります。
一般的に「乾燥の原因」といわれる5つの項目を紹介します。

1-1.空気の乾燥?

顔は衣類などで覆われていない分、空気の影響をダイレクトに受けます。乾燥した空気に触れた肌は、内部の水分がどんどんと蒸発して潤いが失われます。
冬の外気だけでなく、冷房や暖房などをきかせた湿度の低い部屋に長時間いることも肌の乾燥につながるため注意が必要です。

1-2.スキンケアの不足・誤り

日々の肌ケアも、方法を間違えると乾燥を誘引する原因となる場合があります。

誤ったスキンケア方法乾燥の理由
熱いお湯を使った洗顔肌に必要な皮脂や保湿成分まで洗い流してしまう。
洗浄力の強いクレンジング剤肌に必要な皮脂や保湿成分まで洗い流してしまう。
力を入れたクレンジング摩擦により肌が傷つき、表面のバリア機能が低下する。これにより乾燥・ターンオーバーの乱れが発生。
洗顔後、タオルでこする摩擦により肌が傷つき、表面のバリア機能が低下する。これにより乾燥・ターンオーバーの乱れが発生。

また、単純に化粧水や乳液の使用料が少ないこと・きちんと塗り広げられていないことなどが原因で乾燥を招くケースも少なくありません。

1-3.紫外線によるダメージ

紫外線の中でも肌の内側にまで影響を及ぼすUVA波は、真皮部分のたんぱく質を変性・減少を引き起こします。コラーゲンやエラスチンといった肌のバランスを保つたんぱく質が失われることで、肌のキメが乱れ乾燥やシワなどのトラブルが誘発されます。

UVA波が、地上まで強く降り注ぐのは夏場だけではありません。1年を通して降り注いでいることに加えて雲やガラス窓も通過する性質を持っているため、気づかないうちにダメージが蓄積しているというケースも少なくありません。

1-4.ターンオーバーの乱れ

ターンオーバーとは「肌細胞が生まれ変わる現象」のことで、一般的には約30日の周期で新しい細胞へと置き換わります。ターンオーバーが正常に行われないと、肌全体のバランスや表面のバリア機能が乱れ、乾燥やシミ・シワが起こりやすい肌となります。

この周期は非常にデリケートで、ストレスや睡眠不足などさまざまな影響から簡単に乱れてしまうため注意が必要です。

1-5.加齢

年齢を重ねるにつれて起こる身体機能の変化は、顔のうるおいにも影響を与えます。

変化肌への影響
皮脂分泌量の低下天然の保湿因子である皮脂が減少し、乾燥しやすくなる
女性ホルモン量の低下肌の弾力や水分維持をになうエストロゲンの分泌量が減少
基礎代謝の低下ターンオーバーが遅くなる
線維芽細胞の機能低下コラーゲンの生成量が減少する

これらの変化は、乾燥だけでなくシミ・シワ・くすみなどさまざまな肌トラブルにもつながるリスクがあります。

2.顔の乾燥によるトラブル

実際に顔が乾燥することで、下記のようなトラブルが起きる可能性があります。

粉ふき肌・皮がむける
肌表面の角質細胞が、乾燥することでめくれ上がってしまうことで発生します。カサつきが酷くなり、白く粉をふいたような見た目が特徴です。
かゆみ・ヒリヒリとした痛み
乾燥状態が進行し炎症が生じかけると、かゆみやヒリヒリとした痛みが出る場合があります。肌に赤みが現れる他、掻くことで出血を伴うケースもあるでしょう。
炎症(湿疹、ニキビ・アレルギー反応など)
乾燥した部分に、空気中の雑菌や花粉・髪の毛などの刺激が加わることで炎症が起きる恐れがあります。

3.顔の乾燥を防ぐためのポイント

冒頭でも解説したように、顔は全身の中でも特に皮膚の薄い部分です。小さなきっかけから肌トラブルを起こしやすいデリケートさがあるため、常に正しいケアをするよう心がけてください。
顔の乾燥を防ぐために、今日から実践できる「4つのポイント」を紹介します。

3-1.スキンケアを見直す

普段使用しているスキンケアアイテムは、直接肌に塗るものであるからこそ、できるだけ無添加の商品を選びましょう。多くの化粧品には、香料や石油系界面活性剤などさまざま添加物が配合されています。化粧品には気をつけているという方でも、乾燥が強い場合、洗髪の際のシャンプーにも気をつけてください。シャンプーには、石油系界面活性剤が多く配合されていますので、髪を洗い流す際に、顔に流れないように気をつけてください。

通常時は特にトラブルの原因にならないケースが多いものの、乾燥してバリア機能が低下した肌には刺激が強く、ダメージにつながることがあるため注意が必要です。また、洗顔やスキンケアの際は、強くこすらず優しく肌に触れましょう。

さらに、紫外線による刺激も肌の乾燥を誘発させるリスクがあります。1年を通して日焼け止めクリームや帽子といった基本的な紫外線ケアも欠かさずに行いましょう。

3-2.保湿を徹底する

保湿の基本は「洗顔後」と「就寝前」ですが、季節や環境に応じて「日中」もケアするとより効果的です。

タイミングポイント
洗顔後・洗顔料によって皮脂や保湿成分が洗い流されるため、朝の洗顔後&夜の入浴後は忘れずに保湿ケア
・化粧水→乳液の順でしっかりと肌をカバー
就寝前・オイルやクリームなどを気になる部分に
・枕元に加湿器を置くのもオススメ
日中・保湿成分が配合されたファンデーションやミネラルパウダー
・ミストを拭きかけての保湿も効果的

加齢や乾燥サインが気になる場合には、フェイスマスクや有効成分の配合された美容液といったケアアイテムとの併用もおすすめです。

3-3.生活習慣に気をつける

食事や睡眠といった生活習慣を整えることも、肌の乾燥予防に一定の効果が期待できます。

ポイント

食事・カフェインの摂りすぎは利尿作用により、身体の水分が失われる
・新陳代謝を促進するビタミンB2やB6を不足させないようにする
睡眠・就寝中に分泌される「成長ホルモン」は、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促進する働きがある
・長さよりも質の高さのほうが重要である

肌を作る基本は、栄養バランスのとれた食事です。必要な栄養素が十分に取れていないと、肌荒れや皮脂不足を招いてしまいます。また、1日の中でしっかりと水分を補給することも意識してください。

加えて、睡眠時間をしっかりと確保することも大切です。生活リズムを見直し、健康的な身体と健やかな肌を目指しましょう。

3-4.部屋の乾燥対策をする

加湿器などの電化製品を活用し、部屋の空気にも気を使いましょう。一般的には、湿度が40%を下回ると肌や喉を傷める原因となると言われています。乾燥肌対策を目的とする場合、部屋全体の湿度を50~60%前後に保つことを意識しましょう。

濡れタオルを干すことや小型のスチーマーを使うことでも室内の湿度を維持できるため、乾燥が気になる時季はぜひ試してみてください。

まとめ

顔の乾燥が進むと、粉ふき・かゆみ・炎症などのトラブルが起きることがあります。顔の乾燥を防ぐためには、原因を把握した上で、スキンケアを見直し保湿を徹底しましょう。また、食事や睡眠などの生活習慣にも注意が必要です。栄養や水分をよくとり、規則正しい生活を送りましょう。

さらに、室内の乾燥も肌の乾燥の原因となるため、エアコンの風に気をつけたり、加湿器を活用したりすることがおすすめです。

この記事を監修したドクター

CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

乾燥肌のかゆみはなぜ起こる?かゆい時の対処法や日頃のケアも紹介

乾燥肌とは、皮膚の「角質層」の水分量と皮脂量が不足し、肌が乾燥している状態を指します。乾燥肌では肌のバリア機能が低下しており、外部刺激で皮膚トラブルを起こしやすくなっています。そのため、乾燥肌の方の中にはかゆみにお悩みの方もいるでしょう。

この記事では、乾燥肌についての基礎知識を踏まえ、かゆみが起きる原因や、かゆい時の対処法、かゆみの改善を目指す方法までを詳しく解説します。かゆみが起きる原因を知って対策したい方、皮膚を傷つけずにかゆみを鎮めたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.そもそも乾燥肌とは?

乾燥肌とは、肌表面を覆う「角質層」の水分量と皮脂量が不足することにより、肌が乾燥している状態のことです。ドライスキンや乾皮症と呼ばれることもあります。入浴後や洗顔後に肌がつっぱる感じがしたり、肌にかさつきやごわつきを感じたりした時は、乾燥肌を疑いましょう。

特に乾燥しやすい部位は、皮脂の分泌量が少ない頬や目の周り、口周り、ひじ、ひざ、すね、足の裏などです。乾燥した肌はバリア機能が低下し、紫外線や花粉などの外部刺激で皮膚トラブルを起こしやすい状態になっています。

さらに、水分不足により肌がくすんで見えてしまうこともあるため、乾燥肌トラブルが気になる場合は、保湿アイテムを使って早めにスキンケアをすることが大切です。

2.乾燥肌にかゆみが起きる原因

乾燥肌のかゆみが気になる方は、原因を知って適切に乾燥対策をすることで、つらいかゆみを和らげられる可能性があります。生活習慣が原因になっているケースも多く、かゆみを抑えるには、意識的に行動や環境を変えることが重要です。
ここでは、乾燥肌にかゆみが起きる原因を、4つのポイントに分けて解説します。

2-1.肌のバリア機能の低下

かゆみの根本的な原因と言えるのが、乾燥による肌のバリア機能低下です。肌のもっとも外側、皮脂膜の下にある角質層は、肌からの水分蒸発を予防し、外部刺激や異物から肌を守るバリア機能を持っています。

バリア機能が正常に働いている肌では、わずかな肌ストレスや刺激でかゆみが出ることはありません。しかし、乾燥などさまざまな要因でバリア機能が低下していると、小さな刺激でも強いかゆみを感じてしまう場合があります。

またかゆみを感じて肌を掻くと、肌状態が悪化し、余計にかゆみが強くなることもあるため注意が必要です。

2-2.生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れが、肌の乾燥・かゆみにつながることもあります。肌のバリア機能を担う角質層は、ターンオーバーと呼ばれる一定のサイクルで、古い細胞を新しい細胞に入れ替えています。

ターンオーバーは、栄養の偏った食生活や運動不足、睡眠不足といった生活習慣の乱れの影響を受けやすいことが特徴です。ターンオーバーが正常に行われない場合、角質層の古い細胞がうまく入れ替わらず、バリア機能の低下につながります。

特に寝不足や飲酒、喫煙、無理なダイエットなどは、ターンオーバーが乱れる原因になるため注意しましょう。

2-3.入浴方法

入浴方法によっても、かゆみが出やすくなることがあります。特に、41℃以上の熱いお湯に浸かったり、毎日10分以上の長風呂を楽しんだりしている方は要注意です。熱すぎるお湯や長時間の入浴は、肌の水分や皮脂を失いやすく、バリア機能の低下につながります。

ただし、浴槽に浸かること自体は問題ありません。38〜40℃程度のぬるま湯で10分程度入浴すれば、血行がよくなりリラックスできる上、入浴後にスキンケア化粧品が肌に浸透しやすくなります。また、保湿成分入りの入浴剤を使うのも方法の1つです。

2-4.エアコンの風

エアコンの風が肌に直接当たると、乾燥してかゆみや肌トラブルを引き起こしやすくなります。また、風が直接当たっていなくても、エアコンで空気が乾燥した部屋に長時間いると、肌の水分が奪われてしまうことがあります。

エアコンの風による乾燥は、冬場の暖房だけでなく、夏場の冷房でも起こる可能性があるため注意が必要です。

肌の乾燥予防のために、自宅ではエアコンの風量や風向を調節して、風が直接当たらないよう気を配ってみてください。また冬場は、加湿器を併用して湿度を上げるのもよいでしょう。

3.乾燥肌のかゆみが強い時の対処法

肌のかゆみが強い時の主な対処法は、下記の3点です。
・掻かない
・保冷剤や氷で冷やす
・保湿する

かゆい部分を掻くと、バリア機能が低下し、肌がさらに敏感になります。掻くことでますますかゆみを悪化させる悪循環に陥ることもあるため、かゆくても肌を掻かないよう気を付けましょう。

どうしてもかゆくて我慢できない時は、保冷剤や氷、濡らしたタオルなどで冷やすと、かゆみが和らぎやすいです。また、かゆみを根本的に改善するには、毎日スキンケアを行い、肌を保湿することが大切です。

4.乾燥肌のかゆみを改善するには?

乾燥肌のかゆみを緩和するには、日頃からスキンケアをして、生活習慣を整えることが大切です。ここでは、乾燥肌のかゆみを改善する方法を3つ解説しますので、ぜひ参考にしてください。

4-1.スキンケアアイテムで日頃からたっぷり保湿する

乾燥肌のかゆみが気になる時は、化粧水や乳液、ボディクリームなどのスキンケア商品を揃えて、毎日しっかりと肌を保湿してください。

バリア機能の回復効果が期待できるケアアイテムを使ったり、化粧水でパックをしたりするのもよいでしょう。特に入浴後や洗顔後は肌が乾燥しやすいため、早めに保湿する必要があります。

また、スキンケアアイテムは商品のパッケージに書かれている使用量を守り、気になる場所にまんべんなく塗り広げるのがポイントです。使用量が少ないと、効果を十分発揮できず乾燥の原因になることもあるため注意しましょう。

4-2.肌への刺激を減らす

肌への刺激をできるだけ減らせるよう、生活に工夫を取り入れることも重要です。肌に刺激を与える要因には、下記のようなものがあります。
・紫外線
・エアコンの風
・メイク用品
・衣類
・毛髪
・汗

日除け対策や自宅のエアコンの設定調節を行うことで、紫外線やエアコンの風による肌負担を減らせます。肌に合わないメイク用品や雑菌が繁殖したパフ、ブラシなどが肌荒れの原因となることもあるため、心当たりがある方はメイク道具を見直してみましょう。

また、肌に触れる衣類や毛髪、汗が気になる場合は、衣類や髪形を変える、こまめに汗を拭くといった対策を行ってください。

4-3.生活習慣を整える

生活習慣は肌のターンオーバーに影響するため、正常なターンオーバーで角質層のバリア機能を維持するには、生活習慣を整える必要があります。

例として、食事の際は栄養が偏らないようタンパク質やビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取することなどが挙げられます。香辛料などの刺激物は、体が温まってかゆみが出やすくなるため、控えましょう。

また、肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンを分泌させるために、夜は質のよい睡眠をとることを心掛けてください。寝る前のスマホやテレビは、睡眠習慣の悪化につながるためできるだけ避けましょう。

まとめ

乾燥肌では肌のバリア機能が低下していることが多く、少しの外部刺激によってもかゆみが引き起こされる傾向にあります。かゆみが気になる場合は、入浴方法やエアコンの風などに問題がないか確認するほか、生活習慣の乱れを改善してみましょう。

かゆみが強い時は、皮膚をこすったり爪を立てたりせず、冷やしたり保湿したりすることが大切です。日頃からスキンケアをしっかり行い、肌への刺激を減らすなどして、乾燥肌そのものの改善を目指すとよいでしょう。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

乾燥肌に欠かせない保湿ケアとは?実践のポイントや保湿剤の選び方も

肌の油分・水分が不足して引き起こされる乾燥肌には、保湿ケアが欠かせません。保湿ケアとは、肌に十分な水分を与えた上で、油分でカバーし水分が逃げないようにするスキンケアのことです。乾燥肌にお悩みの方の中には、肌の水分量をアップさせるために、どのような保湿ケアを行えばよいか迷っている方もいるでしょう。

この記事では、乾燥肌や保湿ケアについての基礎知識に加え、保湿力低下の原因・保湿ケアの4つのポイント・乾燥肌向けの保湿ケア用品の選び方などを詳しく解説します。

目次

1.乾燥肌の方必見!保湿ケアとは?

保湿ケアとは、肌に十分な水分を与え、皮膚の角質層の水分を保持するために油分でカバーすることです。ハリのある肌や、透明感のある肌は、多くの水分が含まれています。肌の水分量は、加齢とともに減少します。そのため、美肌を目指すためには、肌に十分なうるおいを与えることが重要です。

また、人間の肌には、肌荒れやくすみなどの肌悩みの原因となる物質の侵入を防ぎ、肌の水分の蒸発を防ぐ「バリア機能」があります。バリア機能は、ストレスなどのさまざまな要因で崩れてしまいます。バリア機能を回復させ、乾燥肌や肌荒れを防ぐためにも、正しい保湿ケアを知り、毎日のスキンケア方法を見直しましょう。

1-1.紫外線対策を行う

乾燥肌とは、肌の油分と水分が不足し、肌が常に乾燥している状態です。人間の皮膚は3つの層に分けられ、一番外側の層を「表皮」と呼びます。表皮の中でもっとも外側にある「角質層」が十分に保湿されていないと乾燥肌になります。

乾燥肌になると、肌がごわつき、化粧ノリが悪くなったり、白い粉をふいたりなどの症状が現れるのが特徴です。さらに乾燥肌が悪化すると、ピリピリとした痛みを感じたり、かゆみを感じたり、肌がひび割れたりという症状が出ます。


また、乾燥肌の症状は、顔だけでなく、全身に現れます。肘やかかと、膝などは特に乾燥しやすいため注意が必要です。さらに、目の周りや手の甲など、皮脂腺が少ない部位も乾燥しやすいとされています。乾燥が原因で、かゆみが生じたり、角質が厚くなりひび割れてしまったりする前に乾燥予防を行いましょう。

1-2.習慣や環境によって保湿力が低下することも

保湿力は、生活習慣や環境によって低下する場合があります。保湿力が低下する原因の一例は以下の通りです。

保湿力低下の原因
●栄養不足
●飲水量不足
●喫煙
●睡眠不足
●強い摩擦
●乾燥した空気
●紫外線

保湿力が低下する原因の1つである紫外線は、肌のバリア機能を低下させると言われています。バリア機能が低下すると、化粧水などで保湿しても水分を保てなくなります。バリア機能を維持するためには、日傘や日焼け止めを活用しましょう。


上記以外にも、加齢による肌質の変化も保湿力低下を引き起こす原因です。年を重ねると、表皮に含まれる天然のうるおい成分や皮脂が減少し、若い頃と比べると全身を占める水分量も約10%減少するとされています。加齢による皮脂と水分量の変化は、肌のバリア機能を低下させ、肌を乾燥させる原因となり得ます。

2.乾燥肌の保湿ケアのポイント

乾燥肌は、肌が乾燥しやすいため、普通肌の人よりも入念な保湿ケアが必要です。保湿ケアを正しく行うと、皮膚のバリア機能が向上し、肌トラブルがない健康で正常な肌状態になります。

ここでは、乾燥肌ケアのポイントを4つ紹介しますので、乾燥肌対策に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

2-1.洗顔・入浴で肌を清潔にする

保湿ケアをする前に、毎日の洗顔と入浴で余分な皮脂やホコリなどの汚れを落とすことが大切です。顔と身体を洗う際には、3つのポイントを意識してみてください。

●しっかりと泡立てる

洗顔料やボディーソープは、必ず泡立ててから使用しましょう。そのまま使用すると、洗浄力が強く、洗いあがりにつっぱりを感じることがあります。泡立てネットを使用すると、きめ細やかな泡を作り優しく洗浄することが可能です。

●優しく洗う

顔や身体を洗う際には、泡立てた泡を肌の上に滑らせるように優しく洗います。力を入れて擦ると、新しい肌細胞が剥がれ落ち、肌のうるおいを保てなくなることがあるため注意が必要です。

●ぬるま湯ですすぐ

熱すぎるお湯は、肌のバリア機能である皮脂膜を壊す恐れがあります。すすぐ際に使用するお湯は、人肌よりややぬるめの温度にしておきましょう。
また、洗顔後と入浴後には、肌の水分と油分が不足している状態のため、早めにスキンケアを行うことが大切です。柔らかいタオルなどで水気を拭きとり、化粧水や乳液などで保湿ケアを行いましょう。

2-2.化粧水と乳液を正しく使う

化粧水は、肌の水分を補い、きめ細やかな肌にする働きがあります。化粧水を使用すると、乳液の肌なじみが良くなるのがメリットの1つです。乳液は、肌の油分を補充し、うるおいを閉じ込め、乾燥などの外部刺激から肌を守る役割があります。

化粧水と乳液は、コットンまたは手のひらを使って均等に肌に伸ばします。コットンや手の動きは、血流に沿って中心から外側へ、下から上へと丁寧になじませるのがポイントです。 また、化粧水と乳液を使用する際には、化粧水をなじませた後、乳液を重ねるのが一般的です。化粧水でうるおいを与え、乳液でうるおいを閉じ込めるといった流れになります。

2-3.導入液・クリームなどのアイテムを活用する

導入液とは、洗顔後の保湿ケアの際に、最初に使用する美容液です。導入液の美容成分は、固くなった角質層を柔らかくし、化粧水の肌なじみをアップさせる働きがあると言われています。導入液は、適量を手のひらに出し、洗顔後すぐにハンドプレスしながら顔全体になじませて使用します。

フェイスクリームは、乳液よりもオイル成分が多めに含まれているのが特徴です。フェイスクリームは、うるおいを閉じ込め、保湿する役割がありますが、塗りすぎるとベタつきの原因になるため注意が必要です。化粧水、または乳液をなじませた後、乾燥が特に気になる部分にハンドプレスを行いながら浸透させます。

2-4.適切な量・頻度でケアを行う

保湿ケアをする際には、保湿ケア商品の使用方法を守ることが重要です。保湿ケアは、1日2回朝晩に使用するのが効果的とされています。

また、化粧水や乳液に記載がある1回の使用量を守って使用しましょう。化粧水などを多くつけすぎると、肌が吸収しきれなかった化粧水が肌の上に残るときがあります。肌の上に残った化粧水が蒸発する際に、肌になじませた水分と一緒に蒸発するため、肌の乾燥につながります。規定量を使用しても、うるおいが足りないと感じる場合は、種類の違う保湿ケア用品を重ねづけするとよいでしょう。

3.乾燥肌向けの保湿ケア用品の選び方

乾燥肌の方に適した化粧品は、保湿成分が含まれている商品です。保湿成分としてよく知られているのは、ワセリンです。ワセリンは、石油からとれる油脂性の物質で、皮膚に膜を張りうるおいを保ちます。低刺激で、安価で手に入るためスキンケアに取り入れやすいでしょう。その他にも、保湿力を維持するためのバリア機能の働きを助けるセラミドや、アミノ酸を配合した保湿ケア用品も販売されています。

また、肌への刺激が少ない保湿ケア用品を選ぶことも重要です。乾燥肌の方がケア用品を選ぶ際に注意したい成分は、香料です。香料は香りを付けるために利用され、複数の成分が混合しているため、乾燥肌には刺激が強い可能性があります。さらにアルコール配合の商品も注意が必要です。アルコールは、蒸発する際に肌表面の水分も一緒に蒸発するため、肌が乾燥する場合があります。そのため、乾燥肌の人はアルコールフリーのケア化粧品を選ぶことを推奨します。

ケア用品を選ぶ際には、化粧品の成分構成を確認し、まずはトライアルセットなどで自分の肌に合うかどうか確認してから使用しましょう。

まとめ

肌の保湿力は、栄養不足・紫外線によるダメージ・加齢による肌質の変化などが原因で低下すると言われています。肌の水分が失われた状態が続くと、乾燥肌となるため、こまめな保湿ケアが重要となります。

保湿ケアを行う際は、洗顔の仕方や、化粧水・乳液の使用方法など日頃のスキンケアを見直し、適切な量・頻度で手入れすることが大切です。また、乾燥の度合いによっては、導入液やクリームなどのアイテムも活用しましょう。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

30代に適したスキンケア方法|よくあるお肌の悩みやケアのNG例も

25歳がお肌の曲がり角と言われるように、年齢を重ねるにつれて肌の状態は変化します。30代になり肌トラブルを感じるようになったという人も一定数います。30代によくみられるお肌の悩みは間違ったスキンケア方法が原因の場合もあり、お肌の悩みを和らげるにはスキンケア方法の見直しが必要です。

今回は、30代にみられるお肌の悩みと30代のスキンケア方法のNG例を紹介した上で、お肌の悩み別にスキンケア方法を5つご紹介します。

目次

1.30代によくみられるお肌の悩み

お肌の悩みを少しでも目立たなくするためには、肌質と悩みの原因に合ったスキンケアが必要です。肌質は、大きく4つのタイプに分けられます。まずは、自分自身のお肌がどのタイプになるかを確認しましょう。

乾燥肌

乾燥肌はお肌の水分量や皮脂量が低下している状態です。目元・口元の小ジワやカサつきが気になる、洗顔後に肌が突っ張った感じがする場合は乾燥肌の可能性があります。

脂性肌

脂性肌はお肌の水分や皮脂が過剰に分泌されている状態です。テカリが気になる、ニキビができやすいといった場合は、脂性肌の可能性があります。

混合肌

混合肌は乾燥肌と脂性肌の悩みが混在している状態です。Tゾーンはテカっているのに、頬は粉を吹いているといった場合は、混合肌の可能性があります。

普通肌

普通肌は乾燥やテカリが気にならず、お肌の水分と皮脂のバランスが取れた理想的な状態です。

次に、お肌の悩み別に原因を簡単にチェックしましょう。

シミ・そばかす

30代になると10代~20代の間に蓄積された紫外線ダメージが、シミやそばかすとなってお肌表面に現れてきます。また、代謝スピードの低下によってお肌への定着前にメラニンを排出し切れないことも原因の1つです。

黒ずみ

黒ずみは、主に開いた毛穴に溜まった汚れや皮脂が、酸化して黒っぽくなることで目立ちます。

乾燥

お肌の乾燥は、ホルモンバランスが変化したり、保水力が減少したりすることが主な原因です。

たるみ

たるみは主に加齢により、お肌のハリや弾力を保つ成分の生成スピードが低下することで起こります。

お肌の悩みが軽度であれば、スキンケアを見直すだけでも症状の改善が期待できます。

2.30代のスキンケア方法のNG例

お肌によいとされる商品やエイジングケア化粧品を選び、しっかりとスキンケアをしているつもりでも、実際にはあまり効果がないケースは少なくありません。

ここでは、ついやってしまいがちなスキンケア方法のNG例を3つ解説します。
普段のスキンケアで当てはまる項目がないか、チェックしてみましょう。

2-1.洗顔時に肌をこすっている

多くの人が洗顔時についやってしまうのが、こすり洗いです。洗顔ついでにマッサージを行う人もいるでしょう。

ゴシゴシと何度もこするのは、お肌に大きな刺激を与え、肌トラブルを招く行為です。気合を入れてメイクをした後やたっぷり汗をかいた後は、しっかりと汚れを落とす必要があります。しかし過剰なクレンジングや洗顔は汚れだけでなく、お肌に必要な水分や皮脂も洗い流してしまうため、注意しなければなりません。

また、マッサージに使用できるクレンジングや洗顔料もありますが、基本的にお肌への負担になるので避けたほうが無難です。

2-2.化粧水だけ使っている

化粧水は、必ず乳液やクリームとセットで使いましょう。化粧水には、お肌にうるおいを補給して整える役割があります。しかし化粧水の主成分は水であり、基本的に油分は入っていません。そのため、化粧水だけを使いそこでスキンケアを終わると、せっかく補充したはずの水分が蒸発してしまいます。

また、化粧水に含まれる水分が蒸発すると同時に、肌内部のうるおいも蒸発する点にも注意が必要です。化粧水の後に使う乳液やクリームには、お肌に含ませたうるおいを逃さないようフタをする役割があります。

2-3.外出するときだけ日焼け止めを使っている

「日焼け止めを使うのは外出するときだけ」という人は、要注意です。日焼け止めは紫外線対策に有効なアイテムですが、紫外線は直接日が当たる場所だけに降り注いでいるわけではありません。

紫外線は空気で散乱される性質があるため、日陰でも日光によって明るい場所であればお肌は影響を受けます。窓越しでも完全に紫外線を遮断することはできないため、紫外線の影響が気になる人は、屋内であってもしっかりと対策しましょう。

3.【肌の悩み別】30代のスキンケア方法

お肌の悩みを軽くして美肌を目指したいなら、まずはスキンケアを正しく行うことが大切です。下記は基本的なスキンケアの流れとなります。

①クレンジング

クレンジング剤は、メイクの濃さによって使い分けることが大切です。ポイントメイクには専用のリムーバーを使いましょう。朝やノーメイクの日は必要ありません。

②洗顔

洗顔料は8分立て程度にしっかりと泡立て、肌をこすらず馴染ませるようにしながらTゾーン→Uゾーン→全体の順で洗います。すすぎは32~34度程度のぬるま湯を使い、20回程度で泡を落とし切りましょう。

③基礎化粧品

お肌に水分が残っているうちに、まんべんなく化粧水を浸透させます。必要ならパックや美容液などのスペシャルケアアイテムも足しましょう。

④乳液・クリーム

化粧水の水分が飛んでしまう前に、乳液・クリームでフタをします。
上記のスキンケアに加えて、悩みごとに適切なケアを取り入れると効果的です。
ここからは、30代向けの肌悩みに応じたケアを簡単に紹介します。

3-1.シミ・そばかす

シミ・そばかすに悩んでいる人は、有効とされる美白成分配合のアイテムを取り入れてみましょう。

【美白に有効な成分の例】

●ビタミンC誘導体
●アルブチン
●ナイアシンアミド
●トラネキサム酸
●プラセンタエキス

ただし、シミやそばかすができる主な原因は紫外線です。まずは毎日の紫外線対策をしっかりと行いましょう。

3-2.くすみ

くすみの悩みは、原因によって対策が異なります。

乾燥肌・厚くなった角質層が原因の場合

対策保湿に力を入れる
有効な成分の例●ヒト型セラミド
●密着型ヒアルロン酸
●スーパーコラーゲン

メラニンが原因の場合

対策紫外線対策を徹底する・美白有効成分配合のアイテムを選ぶ
有効な成分の例●ビタミンC誘導体
●アルブチン
●ナイアシンアミド
●トラネキサム酸
●プラセンタエキス

お肌の糖化が原因の場合

対策血糖値を上げにくい食事や、抗糖化作用のある食品を取る
有効な成分の例●玄米茶
●野菜
●ハーブ
●ライム
●豆味噌

血行不良が原因の場合

対策血行をサポートする活動を取り入れる
有効な成分の例●マッサージ
●入浴
●適度な運動
●規則正しい生活

くすみの原因に応じた対策を徹底することで、お肌の透明感アップが期待できます。

3-3.乾燥

お肌の乾燥が気になる人は、まず保湿に力を入れましょう。

【保湿に有効な成分の例】

●セラミド
●スクワラン
●ヒアルロン酸
●コラーゲン

ツヤ肌を手に入れるには、化粧水やクリームを使い惜しまないことも大切です。保湿力が高く、かつお肌に合ったアイテムを選び、推奨されている量をやや上回るくらいの量を使うことで効果が期待できます。いつものアイテムだけで物足りなさを感じる場合、導入美容液も併用するとよいでしょう。

3-4.たるみ

たるみの悩みには、お肌の水分不足やハリ不足をケアする成分の入ったアイテムが有効です。

【たるみに有効な成分の例】

●レチノール
●コラーゲン
●抗酸化成分ビタミンC
●ポリフェノール
●ビタミンE

お肌のコラーゲンやエラスチンの減少・変性や、土台となる筋肉の衰えもたるみの原因です。そのため、表情筋を鍛えることもたるみの対策に有効とされます。

3-5.シワ

シワに有効な対策は、原因によって異なります。

血行不良が原因の場合

対策保湿に力を入れる
有効な成分の例●ヒト型セラミド
●密着型ヒアルロン酸
●スーパーコラーゲン

加齢が原因の場合

対策ハリ感アップや弾力アップにアプローチする成分を取り入れる
有効な成分の例●ビタミンC
●レチノール
●リンクルナイアシン

ただしシワの原因が表情グセの場合は、スキンケアによる劇的な改善は期待できません。

まとめ

30代にみられるお肌の悩みは、肌質にスキンケア方法・スキンケアアイテムが合っていないことが原因である場合もあります。

洗顔時は泡で優しく肌を洗い、化粧水に乳液やクリームを被せると、お肌の悩みをある程度落ち着かせることが可能です。また、有効とされる美白成分配合のアイテムを取り入れるのもよいでしょう。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

乾燥肌はシワができやすい?原因や深いシワの予防につながる対策も!

肌にはタイプがあり、乾燥肌・敏感肌・混合肌などがあります。乾燥肌の方は肌の水分が不足している状態のためシワができやすい傾向です。乾燥ジワにも種類があり、それぞれ特徴があります。

当記事では、乾燥肌の方にシワができやすい理由、肌が乾燥する原因を解説します。また乾燥肌向けにシワ対策の方法を5つ紹介しますので、乾燥肌ですでにできたシワに悩んでいる方や、乾燥ジワを予防したい方は、ぜひ当記事をお読みください。

目次

1.乾燥肌だとシワができやすい理由

肌は表皮、真皮、皮下組織から構成されており、表皮は角層(角質層)・顆粒層・有棘層・基底層の4つの層に分かれています。層の中で肌の水分量を保持する重要な役割を担っているのが、表層にある角層です。

十分に潤った肌は角層細胞がセラミドでつなぎとめられ、肌理(キメ)が整っています。しかし、肌の潤いが減り乾燥すると角層細胞が整いにくくなり、肌理が乱れます。その結果できるのが、肌表面の細かなシワです。

乾燥した肌は水分を保持することが難しく、ケアせずに放置していると浅い小ジワが深い大ジワ(真皮シワ)へと変わりやすい状態になります。

もともと皮膚の潤いが不足しがちな乾燥肌の場合、シワに悩まされるケースは少なくありません。日ごろから丁寧に保湿ケアをして、肌に足りない水分と蒸散を防ぐための油分を補う必要があります。

1-1.乾燥ジワ以外のシワの種類

顔にできるシワにはいくつか種類があり、主に表皮ジワ(乾燥ジワ)・真皮シワ・表情ジワの3つがあります。真皮シワと表情ジワの特徴は以下の通りです。

真皮シワ表皮の下にある真皮層に到達した深いシワを指します。真皮はエラスチンがつないだコラーゲン繊維が網の目状に張り巡らされ、隙間をヒアルロン酸が埋めている状態です。加齢や紫外線ダメージによって真皮に含まれる成分が減少・変性し、肌が支えられなくなると真皮シワにつながります。
表情ジワ笑ったときに現れる目尻のシワや、眉を寄せたときにできる眉間の深い縦ジワなど、特定の表情やクセによってできるシワを指します。表情ジワは一時的なシワですが、肌の柔軟性が失われると元に戻りにくくなり、そのまま定着することもあります。

1-2.混合肌や敏感肌の場合も注意が必要!

肌トラブルは、乾燥肌の方にだけ起こるものではありません。混合肌や敏感肌の方も皮膚の乾燥やトラブルによる悪影響を受けやすいため、注意が必要です。 肌質の特徴とケアのポイントは以下の通りです。

混合肌

特徴・皮脂の分泌量が多い一方で、乾燥している部分もある
・額と鼻筋は皮脂でべたつきやすく、ほほやあごはかさつきやすい
・乾燥しやすい部分に表皮ジワができやすい
ケアするときのポイント・皮脂の分泌量が多い部分は、オイルではなくクリームやジェルでケアする
・乾燥しがちな部位は保湿効果の高い美容液などを使う
・肌状態に応じてケアの方法を分ける

敏感肌

特徴・外部刺激に弱く、刺激が弱めの物質に対しても赤みや痒みなどの反応を起こしやすい
・肌のバリア機能が低下しているため乾燥しやすく、表皮ジワができやすい
ケアするときのポイント・肌をお手入れする際はアルコールが配合された基礎化粧品は避ける
・ケアやマッサージの際は、肌に負担をかけないように意識する

2.そもそも肌が乾燥する原因は?

肌が乾燥する主な原因としては、以下の4つが挙げられます。原因別に肌にどのような影響を及ぼすかを知っておくと、乾燥を予防することが可能です。

原因影響
空気の乾燥空気中に含まれる水分量が少なくなると、肌から水分が奪われ乾燥しやすくなります。冬の屋外の他、長時間エアコンの効いた部屋にいる場合も乾燥が進むため注意が必要です。
紫外線によるダメージ紫外線を浴びると肌が炎症を起こし、肌理が乱れる原因になります。乱れた肌理の隙間から水分が蒸発しやすくなり、その結果、肌の乾燥が進みます。
スキンケアの問題日々のスキンケア方法が誤っている場合も乾燥しやすくなる原因です。たとえばお湯で洗顔している場合、必要な皮脂まで落としてしまい、水分を保持しにくくなります。肌をゴシゴシとこすって洗顔すると、バリア機能が低下して乾燥しやすくなります。
生活習慣の乱れ慢性的な睡眠不足や運動不足、過度の飲酒など、生活習慣が乱れていると一定周期で肌が生まれ変わるターンオーバーのリズムが狂いやすくなります。するとバリア機能が低下し、水分の保持が難しくなり乾燥につながります。

3.【乾燥肌向け】シワ対策の方法5つ

表情ジワは浅いシワのため、適切に保湿すれば目立たなくすることはできます。とはいえ、乾燥肌の方は保湿しても長く潤いを保てないこともあるでしょう。乾燥した状態が長く続くと、表情ジワが深く刻まれて真皮シワにいたる恐れがあるため注意が必要です。

特に乾燥肌の方は、日ごろから特に入念にケアすることが大切です。ここでは、乾燥肌の方に向けて、シワの対策方法を5つ紹介します。

3-1.肌質に合ったスキンケアを行う

スキンケアアイテムは、肌質に合った商品を選びましょう。乾燥肌の場合、クレンジングはクリームタイプが適しています。オイルタイプのクレンジングは水分保持に必要な顔の皮脂まで落とす恐れがあります。

また、洗顔の際は力を入れてこすらないようにしましょう。洗顔料をよく泡立て、泡を転がすようにして汚れを落とします。泡を流すときは、ぬるま湯で丁寧にすすぎましょう。 水分は清潔なタオルでそっと吸い取ります。洗顔後は、すぐに保湿力の高い基礎化粧品でケアをすることがポイントです。

3-2.UV対策を徹底する

紫外線は美肌の大敵です。日常生活で飛外線を無防備に浴びていると、シワ以外にもシミやくすみ、肌荒れなどを招きます。そのため、特に肌トラブルのリスクが高い乾燥肌は、入念なUV対策を実施することが大切です。

紫外線は一年を通して降り注いでいるため、季節を問わずUV対策する必要があります。日ごろから日焼け止めはムラなく塗り、外出時は日傘や帽子も併せて使用するとよいでしょう。紫外線は目からも入るため、UVカット効果のあるサングラスや眼鏡をかけるのがポイントです。

化粧下地やファンデーションなどのアイテムは、UVカット効果のあるものを選ぶとよいでしょう。

3-3.水分をしっかりとる

肌の乾燥を防ぐためには、体内の水分量を増やすことも必要です。体内の水分が不足していると、肌へ水分が回らず乾燥を招く恐れがあります。

水分不足を防ぐには、こまめに水分補給をしましょう。水分補給を目的とする場合、水や麦茶、ルイボスティーなどが望ましいです。

利尿作用のある紅茶やコーヒーは、排尿を促すため体内の水分量がより減ってしまう恐れがあります。アルコールも分解時に多くの水分を必要とするため、水分補給には適しません。

3-4.室内の乾燥対策を行う

冬は気温が低いため空気中に含まれる水分量が低く、大気が乾燥する季節です。外の冷たい空気にさらされると、肌の水分はどんどん奪われます。

暖房の効いた暖かい部屋も同じで、空気が乾燥した状態です。室内に加湿器を設置したり水を入れた器を置いたりして、意識的に加湿しましょう。湿度は40~60%が適切といわれています。

出典:東京都福祉保健局「健康・快適居住環境の指針」

また、湿度が高い夏も注意が必要です。夏は汗をかきやすく、水分が失われると皮脂も落ちやすくなります。皮脂が減ると肌の水分の蒸散が防ぎにくくなり、乾燥が進みます。 冬の暖かい部屋と同様、冷房の効いた部屋も乾燥しているため、室内の乾燥対策が欠かせません。

3-5.食生活に気をつける

肌は、毎日の食事で摂取した栄養から作られます。肌が乾燥しやすい方や肌の調子が悪い方は、日々のスキンケアに加えて食生活にも注意しましょう。

基本は、さまざまな食材から身体に必要なたんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル・食物繊維の6つをバランスよく摂取することです。その上で、腸内環境を整えるヨーグルトやチーズ、納豆などの発酵食品を意識的に摂取するとよいでしょう。腸内環境を正常化すれば、ターンオーバーのリズムが整いやすくなります。

まとめ

乾燥肌とは肌の水分が失われた状態の肌を指します。肌の乾燥が進むとシワができやすくなり、ケアを怠るとシワが定着して真皮シワとなります。

乾燥肌の方は、肌質に合ったスキンケアやUV対策、水分や栄養素をバランスよくとることが大切です。室内の乾燥も肌の水分が失われる原因になるため、加湿器などで室内の湿度を保ちましょう。

目立つシワに悩んでいる方は、美容医療によってシワを目立たなくできる可能性があります。できてしまったシワにはハイフ(高密度焦点式超音波)も有効です。

【記事に関する免責事項】
・当記事は未承認医療機器による治療の内容が含まれています。
・記事内で触れている未承認医療機器について、国内に同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
・ハイフ治療の副作用・リスク:感染、熱傷、神経麻痺、色素沈着、毛包炎、紅斑
・治療の効果や痛みの感じ方には個人差があります。

この記事を監修したドクター
CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

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