【医師監修】後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)とは?おすすめの施術も解説

「「あれ、このしみ、いつもと違うかも?」ある日鏡を見て、そんな風に思ったことはありませんか?
若いころからある顔のしみや、美白ケアを頑張ってもなかなか薄くならないしみは、もしかしたら後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)という、少し聞き慣れない名前の皮膚の病気かもしれません。
本記事では、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の症状や原因について説明します。また、よく似たしみとの見分け方、治療を受けるときの注意点なども解説しています。
この記事を読めば、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)について深く理解し、治療の選択肢が広がるでしょう。ぜひ参考にしてください。

目次

※以下、本文中の「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)」は「ADM」と表記します。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)とは?

ADMは10代後半〜30代の、日本などアジア人の女性に多く見られる顔の色素沈着の一種です。米粒大から数ミリ程度の小さな色素斑が、左右対称に顔に現れるのが特徴です。色は、灰色がかったものから青みがかったものまで様々です。発症しやすい部位は、頬骨を中心に、頬、額、まぶた、鼻などで、特に、両頬は点状に左右対称に現れることが多いと言われています。ただし、個人の症状にはばらつきがあり、顔の様々な部位に発症するケースも少なくありません。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の原因は?

ADMができるメカニズムは完全には解明されていませんが、遺伝的な理由で真皮(皮膚の深い層)に残ってしまったメラノサイトが、女性ホルモン、紫外線、炎症などの外的な刺激によってメラニン色素を生成すると考えられています。真皮(皮膚の深い層)に存在するメラノサイトに対しては、スキンケアなどの外側からのケアでは効果が期待できないでしょう。そのため医療機関でレーザー治療などを選択する必要がありますが、肝斑、そばかすと見た目が非常によく似ているため、十分な知識と経験を持った皮膚科医に診てもらうことをおすすめします。

後天性真皮メラノサイトーシスと見た目が似ているしみ

ADMは、一般的なしみや肝斑、そばかすなどと現れる部位が似ているため、間違われるケースが多々あります。典型的なADMの特徴を備えていれば見分けはつきますが、ADMと肝斑、そばかすが混ざって現れることもあり、その場合はなおさら判断がつきづらくなります。治療法もそれぞれ異なるため、自己判断で対処しようとすると、かえって悪化することもあるでしょう。気になる場合は、必ず皮膚科を受診するようにしてください。

肝斑

肝斑とは、女性ホルモンと関係があり、妊娠中や出産後にできやすいと言われるしみの一種です。頬骨周囲や額など、左右対称に現れることが多く、ADMと似たような色合いの場合があるため、見分けが難しいとされています。しかし、ADMに比べて境界がぼやけていることが多く、識別のポイントとなっています。
治療には内服薬や外用薬を筆頭に、レーザー治療などが取り入れられています。

そばかす(雀卵斑)

そばかす(雀卵斑)とは、おもに鼻や頬に現れる、小さな茶色の点状のしみの一種です。遺伝的な要素が強く、幼少期から現れはじめ、思春期に濃くなる傾向があります。そのため、10代後半から発症すると言われるADMとは出現時期が異なります。しかし、同じように、頬上部に左右対称に現れる場合があるため、見分けが難しいとされています。ADMとそばかすの大きな違いは色合いです。 ADMはおもに灰色や褐色をしていますが、そばかすは茶褐色です。そばかすに対しては、メラニン色素に反応するレーザー治療が取り入れられています。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)におすすめの施術

ADMは表皮性のしみに対する一般的な美白施術では改善しにくい傾向があります。そのため、皮膚科や美容皮膚科で受けられるレーザー治療がおすすめです。ADMの改善をめざす方は、以下の施術を検討してみてください。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒(1秒の10億分の1)という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊する美容医療レーザーで、ADMを含めたしみ治療によく用いられます。
Qスイッチレーザーは、色素に吸収され、ターゲットを破壊します。その後、破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。レーザーの照射時間はナノ秒と一瞬なので、皮膚の周囲組織への熱影響が抑えられ肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

一般的にADM治療に推奨されるQスイッチヤグレーザー(Nd:YAGレーザー)は、到達深度の異なる長短2種類の波長を持ち、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的で、長い波長は肝斑や深在性のメラニン色素であるADMや太田母斑(青あざ)の改善が期待できるでしょう。
照射の際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減するでしょう。照射後はかさぶたができる場合がありますが、自然に剥がれ落ちるまでの10~14日間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーはピコ秒(1秒の1兆分の1)という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊する美容医療レーザーです。破壊されたメラニン色素は、徐々に体外に排出されるため、結果としてADM、しみなどの色素沈着の改善を図ることができるでしょう。
ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えず、肌への負担が最小限に抑えられることも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは表皮(皮膚の浅い層)の肝斑やしみ、あざだけでなく、真皮(皮膚の深い層)のADMにも働きかけることができます。さらに、メラニン色素の黒や茶色だけでなく、赤や橙、青や緑といった多様な色素にも反応するため、タトゥーやアートメイクの除去治療にも利用されています。
また、真皮(皮膚の深い層)にレーザーが届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲン産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善も期待できるでしょう。
ピコ秒レーザーは照射時間が短いため、痛みや炎症が生じにくい施術とされています。
ただし、照射後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

まとめ

ADMは識別が難しかったり、メカニズムに不明な点が多かったりと、診断も治療もなかなか難しい病気のひとつですが、粘り強く取り組むことで改善させることができるでしょう。ADMに対するレーザー治療は、ADM、老人性のしみ、肝斑、そばかすなど色素沈着の種類や、状態によって異なります。決して自己判断はせず、皮膚の専門家である医師に相談して診断をあおぎましょう。また、ADMは症状によって複数回の照射が必要となります。回数や料金についても医師に相談してみてください。納得できる治療を受けて悩みを解消し、あなたの毎日がもっと輝くことを祈っています。

【医師監修】アートメイクを消したいときに頼れる施術を紹介

すっぴんでも、きちんと感を演出できるアートメイクは、日々のメイク時間を短縮し、生活を快適にしてくれます。しかし、仕上がりがイメージと違ったり、流行に左右されてデザインが似合わなくなったりすると、「消したい」と感じることもあります。
アートメイクはタトゥーと比較すると、皮膚の浅い層に色素を入れるため、数年で目立たなくなるケースもありますが、必ずしも完全に消えるとは限りません。そのような場合、美容医療による除去を検討することで、修正が可能です。
本記事では、アートメイクを消したい方へ美容医療施術の選び方や注意点について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

目次

アートメイクとは?

アートメイクは、眉・アイライン・リップなどに専用の色素を注入し、半永久的なメイク効果をもたせる施術です。表皮(皮膚の浅い層)に色素を入れるため、通常のメイクのように汗や水で落ちてしまうことなく、毎日のメイク時間短縮に役立ちます。近年は技術や色素が進化し、さらに自然でリアルな仕上がりが可能になったことで、性別問わず人気が広がっています。

アートメイクとタトゥーの違い

針を使って色素を入れる方法は同じですが、アートメイクはタトゥーよりも浅い部分に色素を入れるため、時間とともに色素が薄くなりやすい点が特徴です。ターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)に伴い、色素は徐々に退色し、数年経つとかなり目立たなくなることもあります。しかし、完全に消えずにわずかに残る場合もあり、個人差があります。一方、タトゥーはより深い真皮層に色素を入れるため、基本的には自然には消えず、長期間残存します。

アートメイクを消したくなる理由

せっかく入れたアートメイクも、色々な理由で消したいと思うことがあります。ここでは、アートメイクのデメリットを見ていきましょう。

肌質に合わなかった

汗や皮脂の分泌が多い方は色素が定着しづらく、にじみが出たり、薄くなりやすいこともあります。また、アレルギー反応や炎症が起きて継続を断念する場合も。まれですが、針の刺激や色素へのアレルギー反応などで、施術した部分に赤みや腫れ、かゆみなど肌トラブルを起こしてしまうこともあるので、注意が必要です。

不自然な仕上がり

施術者の技術不足で左右非対称になったり、色が濃すぎて浮いて見えたりと、納得のいかない結果になることがあります。アートメイクは目元、口元など視線が集まりやすい場所に施すため、仕上がりが悪いとなんとか修正したくなってしまいます。

デザインが似合わなくなった

はじめは気に入っていたデザインでも、流行やライフスタイルの変化によって、数年後にはデザインが合わなくなり、「消して新たにやり直したい」と感じる場合もあります。

アートメイクを消したいときに頼れる施術

アートメイクは時間経過で自然に薄くなることが多いですが、「なるべく早く消したい」「イベントなどを控えていて待てない」場合には、美容医療クリニックや皮膚科での除去施術を検討できます。代表的な方法としては、専用のレーザー治療で色素を薄くしていく方法があり、施術を重ねることで目立たなくすることが期待できます。レーザーの種類や回数、費用、ダウンタイムはクリニックによって異なるため、カウンセリングでよく相談しましょう。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーはピコ秒(1秒の1兆分の1)という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙った色素を音響衝撃波で細かく破壊する美容医療レーザーです。おもにしみ治療に用いられますが、アートメイクの除去にも利用されています。レーザーに破壊された色素は、徐々に体外に排出されるため色が薄くなっていきます。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えず、肌への負担が最小限に抑えられることも特徴です。

  • レーザーがインクに反応

  • 衝撃波で色素を細かく粉砕

  • 粉砕した色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは表皮(皮膚の浅い層)にも、真皮(皮膚の深い層)にも届きます。そのため、アートメイクだけでなく、タトゥーの除去にも効果が見込めます。黒や茶色だけでなく、赤や橙、青や緑といった多様な色素にも反応するため幅広く活用されています。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いため、痛みや炎症が生じにくい施術とされています。
ただし、照射後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒(1秒の10億分の1)という極めて短い時間でレーザーを照射し、色素を破壊する美容医療レーザーで、しみ治療にも用いられます。
Qスイッチレーザーは、色素に吸収され、ターゲットを破壊します。その後、破壊された色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。レーザーの照射時間はナノ秒と一瞬なので、皮膚の周囲組織への熱影響が抑えられ肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがインクに反応

  • 光破壊作用により、色素を破壊

  • 破壊した色素を老廃物として体外に排出

Qスイッチヤグレーザー(Nd:YAGレーザー)は、到達深度の異なる長短2種類の波長を持ち、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらの色素にも届きます。つまり、アートメイクとタトゥーどちらにも効果が見込めるということです。
また、短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的で、長い波長は肝斑や深在性のメラニン色素であるADMや太田母斑(青あざ)の改善が期待できるでしょう。
照射の際、待ち針で軽く突つくような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減するでしょう。照射後はかさぶたができる場合がありますが、自然に剥がれ落ちるまでの10~14日間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

まとめ

アートメイクは、タトゥーと比べて浅い層に色素を入れるため、数年単位で徐々に薄くなりますが、必ずしも完全に消えるとは限りません。もし仕上がりに満足できず早く除去したい場合には、美容医療のレーザー治療などを検討することも可能です。ただし、完全除去が難しいケースもあるため、美容皮膚科や皮膚科を受診して医師と十分に相談してから決めましょう。

【医師監修】若々しい肌をめざすリジュビネーションとは?おすすめ施術も解説

リジュビネーションという言葉をあまり聞き慣れない方もいるかもしれません。
「Rejuvenation(リジュビネーション)」とは「若返り」という意味で、美容医療の分野では加齢によって起こる肌質の劣化を食い止める技術や施術のことを指します。
この記事では、リジュビネーションの仕組みや加齢による肌の変化について詳しく解説します。さらに、肌の若々しさを取り戻したいときにおすすめの美容医療施術も紹介します。
年齢を重ねて肌の衰えが気になり始めた方、ハリ・ツヤのある健康的な肌質をめざしている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

若々しい肌はどうなっている?

若々しい肌とは、うるおい・ハリ・なめらかさがあり健康的に整っている状態のことです。肌は大きく表皮(浅い層)と真皮(深い層)に分かれていますが、それぞれが具体的にどういう状態だと「整っている」と言えるのか見ていきましょう。

表皮の状態

表皮は、肌の浅い層で目に見える部分です。この表皮の水分と油分がバランスよく整っていると、みずみずしく透明感のある肌になります。そのためには、紫外線や外的刺激から肌を守り、水分が出ていくのを防ぐ「バリア機能」が正常に働いていることが欠かせません。また、メラニンなどの不要な物質が自然と排出され肌の細胞が生まれ変わる「ターンオーバー」が正しい周期で行われることも大切な要素です。

真皮の状態

真皮は、コラーゲンなどの繊維状のタンパク質で構成され、その隙間にヒアルロン酸が水分を抱え込んでいます。真皮が良好な状態だとハリがありなめらかな、若々しい肌になります。この状態には、コラーゲンの生成を担う線維芽細胞の働きが欠かせません。線維芽細胞が刺激を受けコラーゲンの生成が促進されると真皮のボリュームが向上するだけでなく、表皮の細胞分裂や新陳代謝も活発化します。

加齢によって肌はどう変化するのか

年を取れば誰しも肌に様々な変化が現れます。その要因は単に加齢だけなく長年にわたり浴び続けた紫外線ダメージの影響、つまり光老化などの環境的要因も考えられます。
以下では、年齢とともに起こる主な肌の変化と、そのメカニズムを解説します。

しみ

しみは、メラノサイトがメラニン色素を生成し、それが肌に沈着することで起こります。主に紫外線や加齢、ホルモンバランスの変化が原因でメラノサイトが活性化されるとメラニンが過剰につくられます。本来、ターンオーバーでこのメラニンは自然に排出されますが、ターンオーバーが乱れると排出が不十分になり、溜まったメラニンがしみとなって定着します。

しわ

しわは、真皮(肌の深い層)のコラーゲンやエラスチンといった弾力のもととなる成分が減少し、皮膚の支えが弱くなることで起こります。さらに、表情筋の動きで皮膚が繰り返し伸縮することで、徐々に溝が深まります。加齢や外的要因で皮膚の新陳代謝が遅れると、肌が柔軟性を失い、しわが固定化されてしまいます。

たるみ

たるみは、真皮(肌の深い層)のコラーゲンやエラスチンが減少し、弾力とハリが失われることで起こります。また、皮下脂肪が重力に引っ張られ、支えきれなくなった皮膚が下垂します。さらに、加齢によって筋力が低下し、顔の土台である表情筋が弱まることで、肌が支えを失いたるみが進行します。ターンオーバーの遅れも影響し、肌が引き締まりにくくなり、たるみが定着する原因となります。

リジュビネーションができる施術

肌の若返りを目的とした施術は、主に皮膚科や美容皮膚科で受けることができます。
クリニックにより施術の内容が異なるのでホームページなどを参考にして調べてみましょう。インターネットで「リジュビネーション」と検索しても、たくさんの施術が見つかりますよ。

リジュビネーションができる施術は、年齢を重ねた方だけでなく、美肌を目的とした美容医療を試してみたい方や肌質の改善を求める方にもおすすめです。

フラクショナルCO₂レーザー

フラクショナルCO₂レーザーとは、レーザーを細かく分割してまばらに照射する方法です。まばらに照射することで周辺組織への熱影響を抑えられるので、痛みの少ない施術が可能となります。
レーザーの熱影響により一時的に組織が損傷をうけますがそれを修復しようとする力が肌の再生を促します。この創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)を利用し、コラーゲン産生を活性化してさまざまな肌悩みの改善を図ります。

  • レーザーを細かく分割して照射

  • 一時的に組織が破壊され肌再生を促進

  • 数日かけてかさぶたがはがれ健康的な肌へ

創傷治癒反応により、真皮(肌の深い層)を構成するコラーゲンやエラスチンが増生すると肌の弾力が増し、肌のキメが整い、小じわもふっくらと、目立ちにくくなる効果が期待できます。また施術の回数を重ねることで毛穴の開きやニキビ痕なども徐々になめらかに整っていくでしょう。

フラクショナルCO₂レーザーをまだら、または格子状に照射することで熱による肌への負担を抑え、比較的痛みの少ない施術が可能です。照射後の赤みは2~3日でひくことがほとんどですが、レーザーの出力が高いと赤みが続きやすいでしょう。照射後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。治療後はていねいに保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、10億分の1秒という非常に短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊する美容医療の施術です。レーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。
到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(肌の浅い層)から真皮(肌の深い層)まで各層に届きます。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

さらに、リジュビネーションを目的とした照射方法を搭載する機器もあり、真皮(皮膚の深い層)の熱影響による美肌効果も期待できます。熱でコラーゲンが刺激され、コラーゲンの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

Qスイッチレーザーは照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。照射する際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。
照射後はかさぶたができることがありますが、自然に剥がれ落ちるまではテープで保護することが一般的です。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という、極端に短い時間でレーザーを照射し、しみの濃淡に関わらず狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、色素沈着の改善を図る美容医療施術です。衝撃波は強力ですがピンポイントに照射できるので、肌への負担が少ないのが特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

さらに、真皮(皮膚の深い層)にレーザーが届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲン産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いので、痛みや炎症が生じにくいとされています。
ただし、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、特殊な光を照射することで、さまざまなお肌のトラブルの改善を期待できる美容医療の施術です。肌の色ムラの原因となるメラニン色素やヘモグロビン色素をIPLの熱で刺激することで、肌のトーンを均一にする効果が見込めます。照射を繰り返すことでくすんだ肌も徐々に明るくなっていくでしょう。

  • IPLの光がメラニン色素を熱で分解

  • メラニン色素はかさぶたのように浮上

  • メラニン色素を老廃物として体外に排出

また、熱エネルギーが線維芽細胞を刺激し、真皮を構成しているコラーゲンやエラスチンの生成を促進して肌のハリや弾力を向上させる効果も期待できます。その結果、キメの乱れや小じわがなど、加齢による肌の変化にも改善をもたらすことができるでしょう。

照射時の痛みには個人差がありますが、輪ゴムで軽く弾かれた程度の痛みで、我慢できないほどの痛みをともなうことは少ないです。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感などが生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、肌内部に強力な熱エネルギーを伝える美容医療施術です。

皮膚が傷つけられると、傷を治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。また、熱エネルギーで皮膚内のタンパク質を凝固させるため、肌の引き締めやリフトアップ効果も期待できます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みをともないますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみてください。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減するでしょう。

HIFU(ハイフ)

HIFU(ハイフ)は、「High Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波)」の略で、高密度の超音波によって真皮、皮下脂肪、SMAS筋膜などあらゆる皮膚層の狙った部分に熱エネルギーを届けて、たるみの引き締めや脂肪の溶解を図る美容施術です。
「高密度焦点式超音波」という名前の通り、熱を届けたい層に焦点をあてて照射することができるのが特徴です。

  • 皮膚のさまざまな層に超音波をピンポイントに照射

  • 焦点を当てた層に熱エネルギーを生じさせる

  • 照射した層により、コラーゲンやエラスチンの生成、脂肪溶解、筋膜の収縮を引き起こす

HIFU(ハイフ)の熱で変性した部分を修復するために皮膚の創傷治癒反応が働き、真皮層のコラーゲンやエラスチンの生成を促すため肌の弾力やしわ改善などが見込めます。また、照射を繰り返していくと徐々に真皮の密度が高まり、肌のリフトアップやタイトニングにも効果が期待できます。さらに、肌深部の血流が改善することで肌のトーンアップも感じられるでしょう。

皮下脂肪に照射することで、脂肪細胞を溶解します。溶解された脂肪細胞は、血管やリンパ腺を通じて排出され、ボリュームダウンが期待できます。二重あごの改善や、二の腕のタイトニングが可能です。

HIFU(ハイフ)施術は医療行為となっており、クリニックでのみ施術を受けることができます。

HIFU(ハイフ)は正しく照射すれば表皮にダメージを与えることはありませんが、皮膚の内部は高温となるため、痛みを感じる場合があります。感じ方には個人差があり、ピリピリした違和感から神経痛や筋肉痛のような痛みまでさまざまです。
施術後は、熱による影響で軽い赤みや腫れが出ることがまれにあります。ほとんどの場合は数日から数週間で引いていくでしょう。しばらくは肌が乾燥しやすく刺激に敏感なため、保湿ケアはいつもより念入りにして、紫外線対策もしっかりと行ないましょう。

まとめ

肌の老化は誰にでも訪れる自然な現象ですが、放っておくと進行していくだけです。
リジュビネーション施術は加齢によって衰えた肌の機能を高めて、しみ・くすみやハリ、毛穴の開きなど、さまざまな肌トラブルの改善に期待できます。美容医療によるリジュビネーションを上手に取り入れ、いつまでも若々しい肌を保って周りに差をつけましょう!

【医師監修】タトゥーはどうしたら消せる?美容医療による除去施術について詳しく解説

過去におしゃれで入れたタトゥーを「だんだんと後悔するようになってきた」という方が増えています。日本では、まだタトゥーに対する社会的なイメージが厳しく、タトゥーをしているだけでも「怖い」「不快」といった印象が根強いものです。そのため、就職や結婚などのライフステージの変化をきっかけに、これからの人間関係を考えてタトゥーを消したいと考える方も少なくありません。しかし、一度入れたタトゥーを完全に消すのは難しいとされています。
本記事では、身体に入れたタトゥーを消したい方のために、美容医療で行っているタトゥー除去施術について詳しく解説します。

目次

タトゥー・刺青・アートメイクの違いは?

身体にデザインした絵柄や文字を入れる方法は、タトゥーのほかにも刺青(いれずみ)やアートメイクがありますが、いずれも皮膚に針を使って色素を入れていくものです。

アートメイクはタトゥーや刺青とは目的が少し異なり、基本的には眉や唇などに色素を入れてメイクアップのひとつとしておこないます。また、一番大きな違いは色素を入れる深さです。アートメイクの場合は浅い皮膚層の表皮までしか針を刺しませんが、タトゥーや刺青はさらに深い皮膚層の真皮まで針を刺します。タトゥーや刺青のように針を刺す位置が深い施術は、痛みが強くリスクも大きいです。

タトゥーが消えない理由

一度入れると消せないのが、タトゥーを入れる最大のデメリットです。アートメイクは日が経つにつれて徐々に薄くなっていきますが、タトゥーの場合はほぼ永久に残ります。なぜなら、タトゥーの色素が入る真皮ではターンオーバーが起こらないからです。

入れた当時はずっと残しておきたいと思って入れたはずの文字やお気に入りの絵柄も、年数が経つにつれて考え方や生活が変わって「デザインを変えたい」「タトゥーそのものを消したい」と思うのは自然な成りゆきでしょう。しかし、真皮に入れた色素は自然に消えることはなく、自分で消すこともできません。

自力で消すのは危険!

身体からタトゥーを消すには、真皮に入れた色素を除去する必要がありますが、自力では不可能です。タトゥーの消し方をインターネットで検索すると、シールやスプレーなどで一時的に隠す商品は見つかりますが、タトゥーの色素を消すことはできません。
タトゥーを薄くすると謳っている海外製のクリームも見かけますが、市販の製品は真皮に働きかけることができないため当然ながら効果はないでしょう。

タトゥーを皮膚ごと削り取るという過激なやり方をする方もいますが、傷跡が残るため身体にも大きな負担がかかります。タトゥーを自力で消すのはとても危険なので絶対にやめましょう。

タトゥーは皮膚科で消える?

皮膚科や美容皮膚科では、タトゥー除去ができます。皮膚から完全に色素をなくすには、タトゥーの入った部分を切除する「切除術」や、切除したあとにほかの部位の皮膚を移植する「皮膚移植術」、色素のある皮膚を削り取る「剥削法(はくさくほう)」などの手術が必要です。しかし、手術は傷跡が残るリスクがあり、ダウンタイムなど身体への負担も大きく、さまざまなデメリットが生じます。

近年ではレーザーの性能が向上し、肌へのダメージを抑えながら特定の色素だけに作用して破壊できるようになりました。広範囲のタトゥーも比較的少ない回数で効率的に色素を除去することが可能です。また、皮膚の伸びが少ない部位や太い血管が近くにある部位など、手術には不向きな所に入れているタトゥーでもレーザーなら対応できるでしょう。

レーザーによるタトゥー・刺青除去施術

タトゥーには赤や青、オレンジ、緑などさまざまなカラーバリエーションがありますが、反応しやすい色調はレーザーによって異なります。自分が入れているタトゥーのカラーとレーザーの相性を確認しておくことで、より少ない施術回数でタトゥーを目立ちにくくできるでしょう。
レーザーではタトゥーの色素を完全に取りきることはできませんが、繰り返し照射することでほぼわからないレベルまで薄くすることはできます。ただし、インクにプラスチック素材が使用されている場合にはレーザーが反応しないので注意が必要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙った色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出する美容医療施術です。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えないのが特徴です。

  • レーザーがインクに反応

  • 衝撃波で色素を細かく粉砕

  • 粉砕した色素を老廃物として体外に排出

通常、しみやあざの治療に用いられますが、タトゥー除去に効果が期待できます。ただし、レーザーが持つ波長の種類によって、除去できる色が異なります。目で見えないほど薄くするためには、定期的に数回の照射が必要なうえ、痛みをともないますが現時点ではほかのレーザーと比べても効率のよい治療が可能です。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いので、痛みや炎症が生じにくいとされています。ただし、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、10億分の1秒という非常に短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊する美容医療の施術です。

  • レーザーがインクに反応

  • 光破壊作用により、色素を破壊

  • 破壊した色素を老廃物として体外に排出

レーザーが持つ波長の種類によって、除去できる色が異なります。

Qスイッチレーザーを照射する際、待ち針で軽く突つくような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。照射後はかさぶたができますが、自然に剥がれ落ちるまでの10日~2週間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

まとめ

今まで、タトゥーを完全に除去するには手術が唯一の選択肢とされていました。しかし、近年のレーザー技術の向上により、その選択肢は大きく広がっています。従来のレーザーでは消しきれなかったカラータトゥーの除去も可能になり、より多くの方のお悩みに対応できるようになりました。

痛みや傷跡のリスクを抑えてタトゥーを消すなら、美容皮膚科医にレーザーによるタトゥー除去方法を相談してみましょう。タトゥーをしっかり薄くしたい場合には、あらかじめ必要な施術回数や経過などを聞いておくと、消すまでにかかる期間や費用の目安を知ることもできます。これから大切なイベントが控えているなら、スケジュールを逆算して早めに施術をスタートしましょう。

【医師監修】生まれつきのあざは消せる?原因や種類からおすすめの施術まで

顔など目につきやすい部位にあざがあって、つらい思いをしたことはありませんか?あざは濃いものや大きいものもあり、カバー力のあるファンデーションでもなかなか隠せないもの。
本記事ではあざへの理解を深めてもらうために、原因や種類を解説します。あざにおすすめの施術も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

あざは病気?

結論から言うと、あざは病気ではありません。生まれつきのものや、生後まもなくから色の変化が現れるもの、大人になってから現れるものなど、さまざまなタイプがあり、色や形も多様ですが、身体に害を及ぼすことはほとんどありません。ただし、目立つので見た目が気になり、コンプレックスに感じてしまう方も多いでしょう。

あざの正体

あざは肌の表面に現れる色素斑のひとつです。真皮のメラニンが局所的に増えている場合や、表皮の血管が増えて血液中のヘモグロビンが透けて見えている場合があります。
それぞれの特徴を以下にまとめます。

真皮のメラニン

メラニンを生成するメラノサイトは通常、肌の浅い層である表皮に存在しますが、あざの場合は、真皮(肌の深い層)にメラノサイトが含まれています。メラニンが過剰に生成されると、肌に茶色や青色、黒色の色素沈着が現れます。色味の違いは、メラニンが溜まっている深さによって異なり、深ければ深いほど青く見え、浅いところだと茶色く見えます。

血液中のヘモグロビン

血液の中には赤色のもととなるヘモグロビンが豊富に含まれています。通常なら血液の赤色は肌表面に見えることはありませんが、皮膚の浅いところで毛細血管が異常に増殖していると、血液の赤みが透けて見えるようになり、赤いあざになります。赤いあざは、医学的には「血管腫(けっかんしゅ)」と呼ばれています。

あざの種類

あざは色味によって4つの種類にわけることができます。
自分のあざと特徴が近いものがあるか、チェックしてみましょう。

青あざ

青あざは、真皮の深いところに溜まっているメラニンが青く見えている状態です。
生まれつきのものや思春期以降にできるものがあり、形状はさまざまです。
顔によく生じるのは点状ですが、手足やお腹など身体にできるものは大きさも形もバラバラです。
代表的な青あざは赤ちゃんの「蒙古斑(もうこはん)」で、生まれる前になくなるはずのメラノサイトが生後も残っていることが原因で、ほとんどが成長とともに消えていきます。
また、「太田母斑(おおたぼはん)」という青や茶の色むらがある点状の青あざもあります。生まれつきのものと思春期以降に顔の片側に現れるものがあり、自然に消えることはありません。
「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)」も青あざのひとつです。思春期以降の女性に多く、左右対称に現れるのが特徴です。紫外線やホルモンの乱れが影響していると考えられていますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。

茶あざ

茶あざは、表皮(肌の浅い層)に過剰なメラニンが生成されている状態です。しみとよく似ていますが、医学的には別物とされています。多くは生まれつきのものですが、思春期になって発生する場合もあります。

代表的なのは「カフェオレ斑」という境界がはっきりとしていて、コーヒー牛乳のような色をしたあざです。遺伝疾患などの病気と無関係なものは「扁平母斑(へんぺいぼはん)」と呼ばれます。

「ベッカー母斑」という表面が少しざらざらしていて、境界はギザギザしている特徴的な形状のあざもあります。「遅発性扁平母斑(ちはつせいへんぺいぼはん)」とも呼ばれ、思春期にできるのが特徴です。

黒あざ

黒あざは、小さいものがいわゆるほくろで、大きいものは黒あざに分類されます。母斑細胞が肌の表面近くに集まって色素をつくるので黒っぽくなります。多くは生まれつきのものですが、3〜4歳頃からできる後天性のものもあります。

赤あざ

赤あざは、顔や頸部に多く見られますが、お腹や腕、足など身体にも現れます。はっきりとした原因はわかっていませんが、血管が異常に拡張したり増殖することで生じます。赤あざは種類によって形状が異なります。
代表的なものは、「単純性血管腫」と呼ばれる生まれつきの平らな赤あざです。「老人性血管腫」は、鮮やかな赤いほくろです。加齢とともに現れることが多いのですが、若い方にも見られます。また、「いちご状血管腫」は、肌表面で血管が増殖してできたあざで、いちごのようにブツブツした盛り上がりが特徴です。

あざを消したい方におすすめの施術

生まれつきのあざも思春期以降にできたあざも、美容皮膚科や皮膚科、形成外科で治療ができます。どんな治療が適しているかは症状によって異なりますので、まずは医師の診察を受けましょう。
皮膚科では保険適用となる範囲でしか治療できませんが、美容皮膚科は自由診療が多く、見た目を変える、より幅広い治療が可能です。
以下に皮膚科や美容皮膚科で受けられる施術をご紹介しますので参考にしてみてください。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、10億分の1秒という非常に短い時間でレーザーを照射し、あざやしみの原因であるメラニンを破壊して改善を図る美容医療の施術です。レーザーがメラニンに吸収されると、その組織を破壊し、数日をかけて廃物として代謝され、体外へ排出されます。
照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を最小限に抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

Qスイッチレーザーには、到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(肌の浅い層)から真皮(肌の深い層)まで各層に届きます。あざは真皮に存在するため、長い波長を使うことで青あざ(太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシス[ADM]、蒙古斑)、黒あざなどの改善が期待できます。
レーザー照射時にゴムで弾かれたような痛みを感じることがありますが、痛みや赤みは数日で軽減します。また、照射後はかさぶたができることがありますが、自然に剥がれ落ちるまでの間はテープで保護することが一般的です。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という極端に短い時間でレーザーを照射することができる美容医療の施術です。狙ったメラニンを、衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、あざなどの色素斑の改善を図ることができます。衝撃波は強力ですがピンポイントに照射できるので、肌への負担が少ないのが特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは、色の濃いあざにも薄いあざにもダメージを与えることができます。真皮の青あざ(太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシス[ADM]、蒙古斑)、黒あざにも効果が見込めます。
照射はわずかな時間で終わるので痛みは少ないですが、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けましょう。

ロングパルスダイレーザー

ロングパルスダイレーザーは、「色素レーザー」とも呼ばれる美容医療の施術です。血液中のヘモグロビンに吸収されやすく、赤あざや酒さ、ニキビ痕など、さまざまな赤みに対応します。
レーザーがヘモグロビンに吸収されると、熱を発生し、その熱が血管を凝固、もしくは破壊します。繰り返し照射を行うことで、単純性血管腫や老人性血管腫のような赤あざだけでなく、毛細血管拡張によるいちご状血管腫の改善も期待できます。
照射による痛みは冷却機能や麻酔クリームによって抑えられますが、内出血が生じた場合には7〜14日間ほど続くことがあります。赤みや腫れは数日で軽減を見込めます。
照射した部位にかさぶたが生じた時にはテープ保護をする場合があります。数日間は過度な洗顔や患部への摩擦刺激を避け、日焼け止めなどで紫外線対策を続けましょう。

ロングパルスヤグレーザー

ロングパルスヤグレーザーは、波長が長いため、真皮(皮膚の深い層)まで達する高い深達性を持ち、広範囲に熱影響を及ぼす特徴があります。
赤いほくろのような老人性血管腫や血管拡張などに用いられるほか、ロングパルスダイレーザーなどでは難しい皮下静脈の治療も期待できる美容医療施術です。
血液中のヘモグロビンに吸収されやすい性質を持ち、赤みのあるあざ全般に効果が期待できます。
ピンポイントに高いエネルギーを照射することができるため、周囲の組織への熱影響を最小限に抑えた施術が可能です。照射時の痛みは多少ありますが、ヒリヒリ感が続くのは数時間でしょう。照射後は赤みが生じることがあり、反応が強いとかさぶたができる場合があります。

まとめ

目立つ場所にあざがあると、見た目に自信が持てなくなったりオシャレを楽しめなかったりと、コンプレックスにつながることがあります。子どもの頃に治療した方が治りやすいあざもありますが、大人になってから治療をはじめても遅くはありません。待っていても自然に消えることはほとんどないので、あきらめずに皮膚科や美容皮膚科の医師に相談してみましょう。

【医師監修】肝斑はどうしたら改善できる?原因を知って正しい対策をしよう

肝斑ができると全体的に肌がくすんで暗く見えます。悪化させないためにも、肝斑ができる原因や肝斑の特徴を知って対策をはじめましょう。本記事では、肝斑の特徴や原因を解説し、肝斑を改善したい方に向けて皮膚科や美容医療でできる施術を紹介します。

目次

肝斑の特徴

肝斑を改善したいなら、自分の顔にできているしみやそばかすが肝斑かどうかチェックしてみましょう。肝斑の持つ特徴を知り、しみやそばかすと見分けることで自分に合うケアが分かります。

左右対称に現れる

肝斑はしみと同じように薄い茶色で、左右対称的な形をしているのが特徴です。しかし、必ずしも左右対称ではなく、形が異なるものもあります。肝斑は顔の広い範囲に現れるため、肌の色がくすんで見えてしまい、不健康な印象を与えてしまいます。

頬骨のあたりにできる

肝斑の多くは頬骨の高い位置に現れますが、額や鼻、口元などにできることもあります。ただし、目の周りには肝斑はできないため、目の周りだけ白く抜けたようになります。同じく左右の頬に対称的に現れるしみに「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」があり、肝斑と見分けがつきづらいとされています。

30代~50代の女性

妊娠・出産する方の多い30代から更年期を迎える40代・50代の女性は肝斑ができやすい傾向にあります。また、10代・20代でもピルを服用しているとホルモンバランスの変化によって肝斑を発症することがあり、ほかにもストレスを放っておいたり、不規則な生活を続けたりしていると、肝斑を悪化させる可能性があります。
閉経後、肝斑は自然と薄くなるため、悩む方は少なくなるでしょう。

肝斑ができる原因

実は、肝斑の原因についてはまだはっきりとしたことは解明されていません。
しかし、メラニン色素が増えると肝斑につながるということは分かっています。以下に、メラニン色素が増えてしまう原因や、肝斑が現れるメカニズムについて解説します。

紫外線

紫外線は肌にとって刺激のひとつです。日光を浴びると、肌を守るため表皮(皮膚の浅い層)のメラノサイトが活性化されてメラニンが大量に生成されます。とくに頬は日焼けしやすい部分なので、過剰に増えたメラニンが代謝で排出しきれなくなると肌に蓄積されて濃くなり肝斑につながることがあります。肝斑は紫外線が強くなる春から夏にかけて濃くなり、逆に秋冬には徐々に薄くなる傾向にあります。

女性ホルモン 

女性ホルモンのバランスが乱れると、肝斑の発症や悪化につながることがあります。妊娠中から出産後、更年期を含む閉経時、さらにピルの影響などによりホルモンバランスが崩れると、メラノサイトが活発に働きメラニン色素が大量に生成されてしまいます。また、生活リズムの乱れやストレスの蓄積などでもホルモンバランスは乱れるため、普段の生活にも注意が必要です。

物理的な刺激

洗顔やクレンジング時のゴシゴシ洗いやマッサージの繰り返しで摩擦が生じると、慢性的な炎症を引き起こしてメラニン色素が増加し肝斑ができやすくなります。
毎日のスキンケアに使うのは、刺激が強い成分やスクラブ入りは避け、肌負担の少ないアイテムを選びましょう。毎日のスキンケア時の摩擦もダメージになって肝斑を悪化させてしまうことがあります。

肝斑はどうやったら改善するの?

肝斑を改善するには自宅でのスキンケアや生活習慣の改善だけでは薄くしたり消したりするのは難しいケースもあります。
すでに現れている肝斑を改善したいと思っているなら、医療機関で肝斑治療を受けるという選択もあります。肝斑には内服薬と外用薬の有効性が認められていて、いくつかある治療方法の中でも第一選択肢とされています。
また第二の選択肢として、美容医療も考えられます。肝斑はしみやそばかすと見分けがつきづらいため、必ず医師の診断を仰いだうえで肌の状態に合った施術を受けるようにしましょう。

肝斑の改善をめざす方におすすめの薬や施術

肝斑を改善するためにはさまざまな方法がありますが、皮膚科や美容皮膚科の内服薬や外用薬を用いた治療が第一選択肢であることを覚えておきましょう。それでも肝斑が気になるようであれば、美容医療施術を受けることを検討しましょう。
美容医療には、肝斑やしみを改善させるための施術がいくつもありますが、しみには適しているけれど、肝斑には適していない施術もあります。決して自己判断で選ぶのではなく、まずは医師に相談して診断を受けてからにしましょう。

内服薬

医療機関で肝斑の治療をする際には、まず「トラネキサム酸」が配合された内服薬が選択されますが、外用薬や、美容医療施術などと組み合わせると相乗効果も期待できます。
「トラネキサム酸」だけでも肝斑を薄くする効果が期待できますが、ほかの内服薬と併用する場合が多く、代表的なものに「L-システイン」「シナール」「ユベラ」があります。
「L-システイン」には肌に蓄積されたメラニンの色素を薄くする還元作用があります。メラニンを作るのを邪魔し、肌のターンオーバーを活発にしてメラニン色素の排出を促します。
「シナール」はビタミンCとパントテン酸カルシウムが主成分です。メラニンの生成を抑えながら肌に蓄積されたメラニン色素を薄くする働きがあり、抗酸化作用も認められています。
「ユベラ」は主成分であるビタミンEが肌の代謝を促し、メラニンの排出を助けて肌を白くする効果が期待できます。

外用薬

肝斑の治療に処方される外用薬は「ハイドロキノン」と「トレチノイン」です。どちらも市販されている化粧品よりも濃度が高く作用も強い傾向があり、使用には医師の処方が必要です。
「ハイドロキノン」はメラニン色素を作るメラノサイトを弱らせ、肝斑やしみの色素を薄くする効果が期待できます。ただし使用中は赤みやかゆみが出ることがあり、炎症を起こして肝斑やしみを悪化させないためにも紫外線対策は必須です。
「トレチノイン」はビタミンA誘導体です。肝斑やしみはもとより、ニキビの治療やしわ改善にも用いられる成分です。古い角質をはがして肌のターンオーバーを促し、蓄積しているメラニン色素を排出する作用があります。「ハイドロキノン」と併用することもありますが、肌への刺激が強く、赤みや皮むけなどの副作用にも注意が必要です。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒(1秒の10億分の1)という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、肝斑やしみ、あざなどの改善を図る美容医療施術です。
Qスイッチレーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

一般的に肝斑治療に推奨されるQスイッチヤグレーザー(Nd:YAGレーザー)は、到達深度の異なる長短2種類の波長を持ち、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。
長い波長は肝斑や深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。

照射の際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減するでしょう。照射後はかさぶたができる場合がありますが、自然に剥がれ落ちるまでの10~14日間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーはピコ秒(1秒の1兆分の1)という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、肝斑やしみなどの色素沈着の改善を図る美容医療施術です。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えません。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは濃いしみにも薄いしみにもダメージを与えることができるため、表皮(皮膚の浅い層)の肝斑やしみ、あざだけでなく、真皮(皮膚の深い層)のADM(後天性メラノサイトーシス)にも働きかけ改善を図ることができるでしょう。
さらに、メラニン色素の黒や茶色だけでなく青や緑など他の色素にも反応するため、タトゥーやアートメイクの除去治療にも利用されています。

また、真皮(皮膚の深い層)にレーザーが届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲン産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いため、痛みや炎症が生じにくい施術とされています。
ただし、照射後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、肌内部に強力な熱エネルギーを伝える美容医療施術です。

上記の記述でもある通り、肝斑の原因についてはまだはっきりとしたことは解明されていません。しかし、メラニン色素が増えると肝斑につながるということは分かっています。
肝斑は、表皮(皮膚の浅い層)メラニン生成が進んでいるだけでなく、真皮(皮膚の深い層)のメラノサイトも活性化している状態です。韓国やタイにてニードルRFが肝斑に対して有用であったとの報告がありますが、実際のところは機序などについてはわかっていない部分も多い治療方法です。

ニードルRFによる効果はそれだけではありません。
皮膚は傷つくと治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられる場合があります。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減するでしょう。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を顔全体に塗ることで表面の古い角質を剥がしやすくして、肌のターンオーバーを促す美容医療施術です。

ターンオーバーを健康的な肌の周期に近づけると、肝斑やしみの原因であるメラニン色素の排出がスムーズになり、改善を促すことができるでしょう。
肝斑は外的な刺激によって悪化しやすいと言われており、刺激の少ないケミカルピーリングを内服薬や外用薬やほかの美容医療施術と組み合わせて受けることで、メラニン色素の排出を助けることが可能です。
ターンオーバーの正常化にともない、肌のキメが整ってバリア機能も高まるため肌荒れが起こりにくい肌質への変化も期待できます。

まとめ

肝斑を改善するには、皮膚科の外用薬・内服薬を用いた治療を受けながら、その時の肌の状態に応じた美容医療施術を受けるのがいいでしょう。まずは医師に相談し、スキンケアや生活習慣についてもアドバイスを受けながら自分に合った施術を選択しましょう。

【医師監修】くすみの種類や原因は?くすみを取りたい方におすすめの施術を解説

「洗顔をちゃんとしているのに顔が汚く見える」
「朝はツヤツヤなのに、夕方になるとどんより…」
こんなくすみ肌にお悩みではないですか?
くすみとは、顔全体が本来の明るさよりも暗く見える状態です。
透明感やツヤが失われ、不健康で暗い印象を与えてしまいます。

原因は、さまざまですが、自分のくすみの状態を把握し、それに合った対策を行うことが重要です。
この記事では、くすみの種類や原因、美容医療によるおすすめの施術について解説します。

目次

くすみの種類と原因

くすみの種類はおもに以下の5つです。原因は生活習慣や外的要因など、さまざまなものがあります。

メラニンによるくすみ

紫外線の影響で肌がダメージを受けるとメラニンが過剰に生成され、その蓄積がくすみの原因となります。
また、洗顔やスキンケアで起こる摩擦もメラニン生成を招きやすく、結果として肌全体が茶褐色にくすんだ状態をつくりだす場合があります。

乾燥によるくすみ

肌の乾きがひどいとバリア機能が低下し、それを補うために角質が厚くなります。角質そのものは黒ずんでいるため、くすんで見えるおそれがあります。また、水分不足で毛穴がぽっかり開くと、そこが影になり顔色が悪く見えます。

血行不良によるくすみ

睡眠不足やストレス、運動不足などの影響で血流が滞り血行不良になると、毛細血管が目立つ青みがかったくすみにつながります。冷え性の方も血行が悪くなりやすいため、生活環境の改善も含めて対策を考えましょう。

糖化によるくすみ

食事などで糖分をたくさん摂ると、余分な糖がたんぱく質と結合しAGEs(終末糖化産物)を生成します。このAGEs(終末糖化産物)がコラーゲンを破壊し皮膚の細胞に沈着するため、肌が黄色くくすんだ状態をつくりだします。

角質によるくすみ

加齢やストレスなどでターンオーバーが乱れると、古い角質が肌の表面にとどまるだけでなく、角質はどんどん厚くなります。放っておくと肌はゴワつき透明感が失われ、肌がグレーががった状態になります。

くすみを取りたい方におすすめの施術

くすみは、生活習慣の改善や、スキンケアの見直しによって抑えることが可能ですが、美容医療による施術も有効です。くすみの気になる方は、以下の施術を検討してみてください。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、 特殊な光を照射することで、さまざまな(お肌のトラブル)の改善を期待できる美容医療の施術です。
単一波長で高エネルギーを用いて一点突破を狙うレーザー照射に比べると、広域波長のマイルドな光を顔全体に当てられるので、広範囲にわたる効果を期待できます。

IPLにはいくつかの働きがあり、幅広い肌悩みに対応します。

まず代表的なのは、過剰に生成されたメラニン色素への働きです。
IPLの光は、しみやそばかすの原因であるメラニン色素に熱影響を与え分解します。分解されたメラニン色素はターンオーバーとともに、数日かけて皮膚の外へ排出されます。このサイクルを繰り返すことで、しみやそばかす、毛穴の黒ずみを徐々に薄くする効果が期待できます。

  • IPLの光がメラニン色素を熱で分解

  • メラニン色素はかさぶたのように浮上

  • メラニン色素を老廃物として体外に排出

さらにIPLは、肌の赤みのもとである毛細血管のヘモグロビンへも働きます。
IPLの光がヘモグロビンに吸収されると、熱影響によって微小血管が凝固されるので、赤ら顔や酒さの改善につながるとともに、赤みのあるニキビを落ち着かせる消炎効果も期待できます。

ニキビそのものにも、IPLは有効なケースがあります。IPLによりアクネ菌が熱せられ、アクネ菌を抑えることで、赤みや炎症を抑える効果を期待できます。また、皮脂腺に熱影響を与えることで皮脂分泌が抑制されるので、ニキビ自体ができにくくなるでしょう。
熱でコラーゲンが刺激され線維芽細胞が刺激されると、真皮の構成要素であるコラーゲンなどの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

IPL照射時の痛みには個人差がありますが、肌を冷やしながら行うため我慢できないほどの痛みをともなうことはほとんどないでしょう。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感など生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。
ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、しみやあざなどの改善を図る美容医療施術です。

レーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

Qスイッチレーザーは、到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。

短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。
同様に、毛穴の黒ずみにも効果を発揮するでしょう。

長い波長は深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。数回の照射が必要ですが、タトゥー、アートメイクや刺青などの顔料にも反応するので、皮膚を切開することなく、色素を薄くすることができます。

さらに、真皮(皮膚の深い層)の熱影響による美肌効果も期待できます。熱でコラーゲンが刺激され、コラーゲンの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

Qスイッチレーザーを照射する際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。照射後はかさぶたができますが、自然に剥がれ落ちるまでの10日~2週間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、しみやあざなどの色素沈着の改善を図る美容医療施術です。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えません。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは、濃いしみにも薄いしみにもダメージを与えることができます。そのため、表皮(皮膚の浅い部分)のしみやあざはもちろん、真皮(皮膚の深い部分)のADM(後天性メラノサイトーシス)も働きかけ改善を図ることができるでしょう。

また大きな特徴として、メラニン色素の黒や茶色だけでなく青や緑など他の色素にも反応することが挙げられます。その特性は特にタトゥー除去に効果的とされ、アートメイクを薄くする治療にも利用されています。タトゥーやアートメイクの除去には定期的に数回の照射が必要なうえ、痛みをともないますが現時点ではほかのレーザーと比べても効率のよい治療が可能です。

さらに、ピコ秒レーザーが真皮(皮膚の深い層)に届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲンが刺激され、コラーゲンなどの産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いので、痛みや炎症が生じにくいとされています。
ただし、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、肌に塗布した薬剤によって皮膚表面の硬い角質の一部を溶かす美容医療施術です。薬剤が皮膚に浸透することで、肌のターンオーバーを整え、新しい皮膚の再生を促進し、ニキビやニキビ痕、毛穴の開きや黒ずみなどを改善する効果が期待できます。
施術後は、肌の赤みやかゆみ、ピリピリした痛みなどが2〜3日程度続く場合があるでしょう。リスク・副作用としては、上記に加え、皮むけや乾燥などが生じるおそれがあります。

エレクトロポレーション

機器が発する電気を利用して皮膚に一時的な小さな穴を開け、有効成分を浸透させる施術です。
イオン化されない物質も導入できるため、有効成分の選択の幅が広いことが特徴です。
例えば、トラネキサム酸やビタミンCを導入させることで、メラニンの影響によるくすみやしみ、肝斑などの改善に効果が期待できます。
針などで皮膚を傷つける施術と比べて、痛みやダウンタイムが少ないのがメリットですが、まれに施術後、ピリピリ感や赤み、かゆみが数日間続く場合があります。

まとめ

くすみは、紫外線や乾燥、血行不良や過剰な糖質摂取などによって起こる場合があります。しかし、スキンケアを徹底したり、生活習慣の改善を試みたりしても解決に至るのが難しいケースがあります。

そんなときは、美容医療による施術を検討してみてはいかがでしょうか。
くすみの改善が期待できる施術を受け、理想の肌を取り戻しましょう。

【医師監修】しみの原因や種類は?しみを取りたい方におすすめの施術を解説


気がついたらできているしみをどうにかしたいと思っても、原因や対処法がわからず困っていないでしょうか。
一度気になり始めると、鏡を見るのが億劫になる方もいるかもしれません。

本記事では、しみの原因や種類、しみを取りたい方におすすめの美容医療による施術を解説します。

美容医療による施術を受け、今まで改善できなかったしみを解消し、キレイな肌を取り戻しましょう。

目次

1.しみができる原因

しみができる原因はおもに以下の3つです。原因を把握し、どう対策していくかを考えましょう。

紫外線

紫外線を浴び続けると、大量のメラニン色素が生成され、しみができやすくなります。また、肌のターンオーバーが正常に機能していない場合、メラニン色素の排出が追いつかなくなりしみができます。

女性ホルモン

女性ホルモンのバランスが崩れると、一時的にメラニン色素の生成が高まり、しみが増える場合があります。
とくに妊娠中や出産後、閉経時(更年期)は、女性ホルモンのバランスが崩れやすいため、対策が必要です。

活性酸素

活性酸素(体内に入って外の物質と反応しやすい状態に変化した酸素)はメラノサイト(メラニンを産生する色素細胞)を刺激するため、過剰にメラニン色素が産生されます。

そのため、しみができる原因になるでしょう。活性酸素が発生する原因は、ストレスや喫煙、紫外線や大気汚染などが挙げられます。

2.しみの種類

しみの種類はさまざまです。ご自分のしみが以下のいずれに該当するか、確認してみてください。

老人性色素斑

老人性色素斑とは、一般的なしみのことで、紫外線による影響により顔・腕・手の甲など、日光によく当たる部分にできる茶色いしみです。
しみができた当初は色が薄いため目立ちませんが、徐々に濃くなって境目がはっきりしていく傾向があります。

肝斑

肝斑とは、目の下から頬骨の高い位置にかけて左右対称にできやすい薄茶色のしみです。女性ホルモンのバランスが乱れたり、日焼けによる紫外線ダメージを受けたりすることでできる場合があります。

そばかす(雀卵斑)

そばかすとは、両頬から鼻背にかけて淡い茶色の小さな斑点が広がるしみです。遺伝によってできるケースが多く、5〜6歳の幼児期から生じることが多いでしょう。
成長とともに増え、思春期に濃くなるものの、それ以降は徐々に薄くなる傾向があります。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

10代後半〜30代の女性に多く見られるしみです。頬骨〜下まぶたの部分に左右対称性があるしみで褐色や灰色になり、くすんで見える場合があります。原因は遺伝や女性ホルモン、紫外線などが絡み合っていると言われていますが、まだはっきりとわかっていません。

老人性イボ(脂漏性角化症)

20〜30代から出現し、加齢とともに増加する茶色いできものです。原因は、紫外線の影響とされており、2〜20mmぐらいの類円形で少し盛り上がっているのが特徴です。

炎症後色素沈着

さまざまな炎症性疾患(ニキビや火傷、日焼け後、怪我の後)にできるしみです。
軽微なものであれば、時間の経過によって自然に治るとされています。一方で、体質や生活習慣などによっては治癒するのが難しいケースがあります。

3.しみを取りたい方におすすめの施術

しみは、日々の生活習慣の改善やスキンケアなどでは改善が難しいケースがあります。そのため、近年では美容医療による施術を受けることでしみの改善をめざす方が増えています。しみを改善したい方は、以下の施術を検討してみてください。

Q スイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、しみやあざなどの改善を図る美容医療施術です。

レーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

Qスイッチレーザーは、到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。

短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。
同様に、毛穴の黒ずみにも効果を発揮するでしょう。

長い波長は深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。数回の照射が必要ですが、タトゥー、アートメイクや刺青などの顔料にも反応するので、皮膚を切開することなく、色素を薄くすることができます。

さらに、真皮(皮膚の深い層)の熱影響による美肌効果も期待できます。熱でコラーゲンが刺激され、コラーゲンの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

Qスイッチレーザーを照射する際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。照射後はかさぶたができますが、自然に剥がれ落ちるまでの10日~2週間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、 特殊な光を照射することで、さまざまな(お肌のトラブル)の改善を期待できる美容医療の施術です。
単一波長、高エネルギーを用いて一点突破を狙うレーザー照射に比べると、広域波長のマイルドな光を顔全体に当てられるので、広範囲にわたる効果を期待できます。

IPLにはいくつかの働きがあり、幅広い肌悩みに対応します。

まず代表的なのは、過剰に生成されたメラニン色素への働きです。
IPLの光は、しみやそばかすの原因であるメラニン色素に熱影響を与え分解します。分解されたメラニン色素はターンオーバーとともに、数日をかけて皮膚の外へ排出されます。このサイクルを繰り返すことで、しみやそばかす、毛穴の黒ずみを徐々に薄くする効果が期待できます。

  • IPLの光がメラニン色素を熱で分解

  • メラニン色素はかさぶたのように浮上

  • メラニン色素を老廃物として体外に排出

さらにIPLは、肌の赤みのもとである毛細血管のヘモグロビンへも働きます。
IPLの光がヘモグロビンに吸収されると、熱影響によって微小血管が凝固されるので、赤ら顔や酒さの改善につながるとともに、赤みのあるニキビを落ち着かせる消炎効果も期待できます。

ニキビそのものにも、IPLは有効なケースがあります。IPLによりアクネ菌が熱せられ、アクネ菌を抑えることで、赤みや炎症を抑える効果を期待できます。また、皮脂腺に熱影響を与えることで皮脂分泌が抑制されるので、ニキビ自体ができにくくなるでしょう。

熱でコラーゲンが刺激され線維芽細胞が刺激されると、真皮の構成要素であるコラーゲンなどの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

IPL照射時の痛みには個人差がありますが、肌を冷やしながら行うため我慢できないほどの痛みをともなうことはほとんどないでしょう。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感などが生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。
ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、しみやあざなどの色素沈着の改善を図る美容医療施術です。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えません。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは、濃いしみにも薄いしみにもダメージを与えることができます。そのため、表皮(皮膚の浅い部分)のしみやあざはもちろん、真皮(皮膚の深い部分)のADM(後天性メラノサイトーシス)も働きかけ改善を図ることができるでしょう。

また大きな特徴として、メラニン色素の黒や茶色だけでなく青や緑など他の色素にも反応することが挙げられます。その特性は特にタトゥー除去に効果的とされ、アートメイクを薄くする治療にも利用されています。タトゥーやアートメイクの除去には定期的に数回の照射が必要なうえ、痛みをともないますが現時点ではほかのレーザーと比べても効率のよい治療が可能です。

さらに、ピコ秒レーザーが真皮(皮膚の深い層)に届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲンが刺激され、コラーゲンなどの産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いので、痛みや炎症が生じにくいとされています。
ただし、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

まとめ

しみは加齢だけでなく、紫外線や女性ホルモンの乱れ、活性酸素などの影響など、さまざまな原因が考えられます。

しみを改善するためには生活習慣の見直しやスキンケアに頼るだけでは難しい場合があります。ご自分のしみに応じた美容医療による施術を受けることをおすすめします。
しみの種類に応じて、適切な施術を受け、気になる箇所を改善していきましょう。

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