【医師監修】若々しい肌をめざすリジュビネーションとは?おすすめ施術も解説

リジュビネーションという言葉をあまり聞き慣れない方もいるかもしれません。
「Rejuvenation(リジュビネーション)」とは「若返り」という意味で、美容医療の分野では加齢によって起こる肌質の劣化を食い止める技術や施術のことを指します。
この記事では、リジュビネーションの仕組みや加齢による肌の変化について詳しく解説します。さらに、肌の若々しさを取り戻したいときにおすすめの美容医療施術も紹介します。
年齢を重ねて肌の衰えが気になり始めた方、ハリ・ツヤのある健康的な肌質をめざしている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

若々しい肌はどうなっている?

若々しい肌とは、うるおい・ハリ・なめらかさがあり健康的に整っている状態のことです。肌は大きく表皮(浅い層)と真皮(深い層)に分かれていますが、それぞれが具体的にどういう状態だと「整っている」と言えるのか見ていきましょう。

表皮の状態

表皮は、肌の浅い層で目に見える部分です。この表皮の水分と油分がバランスよく整っていると、みずみずしく透明感のある肌になります。そのためには、紫外線や外的刺激から肌を守り、水分が出ていくのを防ぐ「バリア機能」が正常に働いていることが欠かせません。また、メラニンなどの不要な物質が自然と排出され肌の細胞が生まれ変わる「ターンオーバー」が正しい周期で行われることも大切な要素です。

真皮の状態

真皮は、コラーゲンなどの繊維状のタンパク質で構成され、その隙間にヒアルロン酸が水分を抱え込んでいます。真皮が良好な状態だとハリがありなめらかな、若々しい肌になります。この状態には、コラーゲンの生成を担う線維芽細胞の働きが欠かせません。線維芽細胞が刺激を受けコラーゲンの生成が促進されると真皮のボリュームが向上するだけでなく、表皮の細胞分裂や新陳代謝も活発化します。

加齢によって肌はどう変化するのか

年を取れば誰しも肌に様々な変化が現れます。その要因は単に加齢だけなく長年にわたり浴び続けた紫外線ダメージの影響、つまり光老化などの環境的要因も考えられます。
以下では、年齢とともに起こる主な肌の変化と、そのメカニズムを解説します。

しみ

しみは、メラノサイトがメラニン色素を生成し、それが肌に沈着することで起こります。主に紫外線や加齢、ホルモンバランスの変化が原因でメラノサイトが活性化されるとメラニンが過剰につくられます。本来、ターンオーバーでこのメラニンは自然に排出されますが、ターンオーバーが乱れると排出が不十分になり、溜まったメラニンがしみとなって定着します。

しわ

しわは、真皮(肌の深い層)のコラーゲンやエラスチンといった弾力のもととなる成分が減少し、皮膚の支えが弱くなることで起こります。さらに、表情筋の動きで皮膚が繰り返し伸縮することで、徐々に溝が深まります。加齢や外的要因で皮膚の新陳代謝が遅れると、肌が柔軟性を失い、しわが固定化されてしまいます。

たるみ

たるみは、真皮(肌の深い層)のコラーゲンやエラスチンが減少し、弾力とハリが失われることで起こります。また、皮下脂肪が重力に引っ張られ、支えきれなくなった皮膚が下垂します。さらに、加齢によって筋力が低下し、顔の土台である表情筋が弱まることで、肌が支えを失いたるみが進行します。ターンオーバーの遅れも影響し、肌が引き締まりにくくなり、たるみが定着する原因となります。

リジュビネーションができる施術

肌の若返りを目的とした施術は、主に皮膚科や美容皮膚科で受けることができます。
クリニックにより施術の内容が異なるのでホームページなどを参考にして調べてみましょう。インターネットで「リジュビネーション」と検索しても、たくさんの施術が見つかりますよ。

リジュビネーションができる施術は、年齢を重ねた方だけでなく、美肌を目的とした美容医療を試してみたい方や肌質の改善を求める方にもおすすめです。

フラクショナルCO₂レーザー

フラクショナルCO₂レーザーとは、レーザーを細かく分割してまばらに照射する方法です。まばらに照射することで周辺組織への熱影響を抑えられるので、痛みの少ない施術が可能となります。
レーザーの熱影響により一時的に組織が損傷をうけますがそれを修復しようとする力が肌の再生を促します。この創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)を利用し、コラーゲン産生を活性化してさまざまな肌悩みの改善を図ります。

  • レーザーを細かく分割して照射

  • 一時的に組織が破壊され肌再生を促進

  • 数日かけてかさぶたがはがれ健康的な肌へ

創傷治癒反応により、真皮(肌の深い層)を構成するコラーゲンやエラスチンが増生すると肌の弾力が増し、肌のキメが整い、小じわもふっくらと、目立ちにくくなる効果が期待できます。また施術の回数を重ねることで毛穴の開きやニキビ痕なども徐々になめらかに整っていくでしょう。

フラクショナルCO₂レーザーをまだら、または格子状に照射することで熱による肌への負担を抑え、比較的痛みの少ない施術が可能です。照射後の赤みは2~3日でひくことがほとんどですが、レーザーの出力が高いと赤みが続きやすいでしょう。照射後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。治療後はていねいに保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、10億分の1秒という非常に短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊する美容医療の施術です。レーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。
到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(肌の浅い層)から真皮(肌の深い層)まで各層に届きます。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

さらに、リジュビネーションを目的とした照射方法を搭載する機器もあり、真皮(皮膚の深い層)の熱影響による美肌効果も期待できます。熱でコラーゲンが刺激され、コラーゲンの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

Qスイッチレーザーは照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。照射する際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。
照射後はかさぶたができることがありますが、自然に剥がれ落ちるまではテープで保護することが一般的です。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という、極端に短い時間でレーザーを照射し、しみの濃淡に関わらず狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、色素沈着の改善を図る美容医療施術です。衝撃波は強力ですがピンポイントに照射できるので、肌への負担が少ないのが特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

さらに、真皮(皮膚の深い層)にレーザーが届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲン産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いので、痛みや炎症が生じにくいとされています。
ただし、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、特殊な光を照射することで、さまざまなお肌のトラブルの改善を期待できる美容医療の施術です。肌の色ムラの原因となるメラニン色素やヘモグロビン色素をIPLの熱で刺激することで、肌のトーンを均一にする効果が見込めます。照射を繰り返すことでくすんだ肌も徐々に明るくなっていくでしょう。

  • IPLの光がメラニン色素を熱で分解

  • メラニン色素はかさぶたのように浮上

  • メラニン色素を老廃物として体外に排出

また、熱エネルギーが線維芽細胞を刺激し、真皮を構成しているコラーゲンやエラスチンの生成を促進して肌のハリや弾力を向上させる効果も期待できます。その結果、キメの乱れや小じわがなど、加齢による肌の変化にも改善をもたらすことができるでしょう。

照射時の痛みには個人差がありますが、輪ゴムで軽く弾かれた程度の痛みで、我慢できないほどの痛みをともなうことは少ないです。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感などが生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、肌内部に強力な熱エネルギーを伝える美容医療施術です。

皮膚が傷つけられると、傷を治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。また、熱エネルギーで皮膚内のタンパク質を凝固させるため、肌の引き締めやリフトアップ効果も期待できます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みをともないますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみてください。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減するでしょう。

HIFU(ハイフ)

HIFU(ハイフ)は、「High Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波)」の略で、高密度の超音波によって真皮、皮下脂肪、SMAS筋膜などあらゆる皮膚層の狙った部分に熱エネルギーを届けて、たるみの引き締めや脂肪の溶解を図る美容施術です。
「高密度焦点式超音波」という名前の通り、熱を届けたい層に焦点をあてて照射することができるのが特徴です。

  • 皮膚のさまざまな層に超音波をピンポイントに照射

  • 焦点を当てた層に熱エネルギーを生じさせる

  • 照射した層により、コラーゲンやエラスチンの生成、脂肪溶解、筋膜の収縮を引き起こす

HIFU(ハイフ)の熱で変性した部分を修復するために皮膚の創傷治癒反応が働き、真皮層のコラーゲンやエラスチンの生成を促すため肌の弾力やしわ改善などが見込めます。また、照射を繰り返していくと徐々に真皮の密度が高まり、肌のリフトアップやタイトニングにも効果が期待できます。さらに、肌深部の血流が改善することで肌のトーンアップも感じられるでしょう。

皮下脂肪に照射することで、脂肪細胞を溶解します。溶解された脂肪細胞は、血管やリンパ腺を通じて排出され、ボリュームダウンが期待できます。二重あごの改善や、二の腕のタイトニングが可能です。

HIFU(ハイフ)施術は医療行為となっており、クリニックでのみ施術を受けることができます。

HIFU(ハイフ)は正しく照射すれば表皮にダメージを与えることはありませんが、皮膚の内部は高温となるため、痛みを感じる場合があります。感じ方には個人差があり、ピリピリした違和感から神経痛や筋肉痛のような痛みまでさまざまです。
施術後は、熱による影響で軽い赤みや腫れが出ることがまれにあります。ほとんどの場合は数日から数週間で引いていくでしょう。しばらくは肌が乾燥しやすく刺激に敏感なため、保湿ケアはいつもより念入りにして、紫外線対策もしっかりと行ないましょう。

まとめ

肌の老化は誰にでも訪れる自然な現象ですが、放っておくと進行していくだけです。
リジュビネーション施術は加齢によって衰えた肌の機能を高めて、しみ・くすみやハリ、毛穴の開きなど、さまざまな肌トラブルの改善に期待できます。美容医療によるリジュビネーションを上手に取り入れ、いつまでも若々しい肌を保って周りに差をつけましょう!

【医師監修】肝斑はどうしたら改善できる?原因を知って正しい対策をしよう

肝斑ができると全体的に肌がくすんで暗く見えます。悪化させないためにも、肝斑ができる原因や肝斑の特徴を知って対策をはじめましょう。本記事では、肝斑の特徴や原因を解説し、肝斑を改善したい方に向けて皮膚科や美容医療でできる施術を紹介します。

目次

肝斑の特徴

肝斑を改善したいなら、自分の顔にできているしみやそばかすが肝斑かどうかチェックしてみましょう。肝斑の持つ特徴を知り、しみやそばかすと見分けることで自分に合うケアが分かります。

左右対称に現れる

肝斑はしみと同じように薄い茶色で、左右対称的な形をしているのが特徴です。しかし、必ずしも左右対称ではなく、形が異なるものもあります。肝斑は顔の広い範囲に現れるため、肌の色がくすんで見えてしまい、不健康な印象を与えてしまいます。

頬骨のあたりにできる

肝斑の多くは頬骨の高い位置に現れますが、額や鼻、口元などにできることもあります。ただし、目の周りには肝斑はできないため、目の周りだけ白く抜けたようになります。同じく左右の頬に対称的に現れるしみに「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」があり、肝斑と見分けがつきづらいとされています。

30代~50代の女性

妊娠・出産する方の多い30代から更年期を迎える40代・50代の女性は肝斑ができやすい傾向にあります。また、10代・20代でもピルを服用しているとホルモンバランスの変化によって肝斑を発症することがあり、ほかにもストレスを放っておいたり、不規則な生活を続けたりしていると、肝斑を悪化させる可能性があります。
閉経後、肝斑は自然と薄くなるため、悩む方は少なくなるでしょう。

肝斑ができる原因

実は、肝斑の原因についてはまだはっきりとしたことは解明されていません。
しかし、メラニン色素が増えると肝斑につながるということは分かっています。以下に、メラニン色素が増えてしまう原因や、肝斑が現れるメカニズムについて解説します。

紫外線

紫外線は肌にとって刺激のひとつです。日光を浴びると、肌を守るため表皮(皮膚の浅い層)のメラノサイトが活性化されてメラニンが大量に生成されます。とくに頬は日焼けしやすい部分なので、過剰に増えたメラニンが代謝で排出しきれなくなると肌に蓄積されて濃くなり肝斑につながることがあります。肝斑は紫外線が強くなる春から夏にかけて濃くなり、逆に秋冬には徐々に薄くなる傾向にあります。

女性ホルモン 

女性ホルモンのバランスが乱れると、肝斑の発症や悪化につながることがあります。妊娠中から出産後、更年期を含む閉経時、さらにピルの影響などによりホルモンバランスが崩れると、メラノサイトが活発に働きメラニン色素が大量に生成されてしまいます。また、生活リズムの乱れやストレスの蓄積などでもホルモンバランスは乱れるため、普段の生活にも注意が必要です。

物理的な刺激

洗顔やクレンジング時のゴシゴシ洗いやマッサージの繰り返しで摩擦が生じると、慢性的な炎症を引き起こしてメラニン色素が増加し肝斑ができやすくなります。
毎日のスキンケアに使うのは、刺激が強い成分やスクラブ入りは避け、肌負担の少ないアイテムを選びましょう。毎日のスキンケア時の摩擦もダメージになって肝斑を悪化させてしまうことがあります。

肝斑はどうやったら改善するの?

肝斑を改善するには自宅でのスキンケアや生活習慣の改善だけでは薄くしたり消したりするのは難しいケースもあります。
すでに現れている肝斑を改善したいと思っているなら、医療機関で肝斑治療を受けるという選択もあります。肝斑には内服薬と外用薬の有効性が認められていて、いくつかある治療方法の中でも第一選択肢とされています。
また第二の選択肢として、美容医療も考えられます。肝斑はしみやそばかすと見分けがつきづらいため、必ず医師の診断を仰いだうえで肌の状態に合った施術を受けるようにしましょう。

肝斑の改善をめざす方におすすめの薬や施術

肝斑を改善するためにはさまざまな方法がありますが、皮膚科や美容皮膚科の内服薬や外用薬を用いた治療が第一選択肢であることを覚えておきましょう。それでも肝斑が気になるようであれば、美容医療施術を受けることを検討しましょう。
美容医療には、肝斑やしみを改善させるための施術がいくつもありますが、しみには適しているけれど、肝斑には適していない施術もあります。決して自己判断で選ぶのではなく、まずは医師に相談して診断を受けてからにしましょう。

内服薬

医療機関で肝斑の治療をする際には、まず「トラネキサム酸」が配合された内服薬が選択されますが、外用薬や、美容医療施術などと組み合わせると相乗効果も期待できます。
「トラネキサム酸」だけでも肝斑を薄くする効果が期待できますが、ほかの内服薬と併用する場合が多く、代表的なものに「L-システイン」「シナール」「ユベラ」があります。
「L-システイン」には肌に蓄積されたメラニンの色素を薄くする還元作用があります。メラニンを作るのを邪魔し、肌のターンオーバーを活発にしてメラニン色素の排出を促します。
「シナール」はビタミンCとパントテン酸カルシウムが主成分です。メラニンの生成を抑えながら肌に蓄積されたメラニン色素を薄くする働きがあり、抗酸化作用も認められています。
「ユベラ」は主成分であるビタミンEが肌の代謝を促し、メラニンの排出を助けて肌を白くする効果が期待できます。

外用薬

肝斑の治療に処方される外用薬は「ハイドロキノン」と「トレチノイン」です。どちらも市販されている化粧品よりも濃度が高く作用も強い傾向があり、使用には医師の処方が必要です。
「ハイドロキノン」はメラニン色素を作るメラノサイトを弱らせ、肝斑やしみの色素を薄くする効果が期待できます。ただし使用中は赤みやかゆみが出ることがあり、炎症を起こして肝斑やしみを悪化させないためにも紫外線対策は必須です。
「トレチノイン」はビタミンA誘導体です。肝斑やしみはもとより、ニキビの治療やしわ改善にも用いられる成分です。古い角質をはがして肌のターンオーバーを促し、蓄積しているメラニン色素を排出する作用があります。「ハイドロキノン」と併用することもありますが、肌への刺激が強く、赤みや皮むけなどの副作用にも注意が必要です。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒(1秒の10億分の1)という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、肝斑やしみ、あざなどの改善を図る美容医療施術です。
Qスイッチレーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

一般的に肝斑治療に推奨されるQスイッチヤグレーザー(Nd:YAGレーザー)は、到達深度の異なる長短2種類の波長を持ち、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。
長い波長は肝斑や深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。

照射の際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減するでしょう。照射後はかさぶたができる場合がありますが、自然に剥がれ落ちるまでの10~14日間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーはピコ秒(1秒の1兆分の1)という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、肝斑やしみなどの色素沈着の改善を図る美容医療施術です。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えません。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは濃いしみにも薄いしみにもダメージを与えることができるため、表皮(皮膚の浅い層)の肝斑やしみ、あざだけでなく、真皮(皮膚の深い層)のADM(後天性メラノサイトーシス)にも働きかけ改善を図ることができるでしょう。
さらに、メラニン色素の黒や茶色だけでなく青や緑など他の色素にも反応するため、タトゥーやアートメイクの除去治療にも利用されています。

また、真皮(皮膚の深い層)にレーザーが届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲン産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いため、痛みや炎症が生じにくい施術とされています。
ただし、照射後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、肌内部に強力な熱エネルギーを伝える美容医療施術です。

上記の記述でもある通り、肝斑の原因についてはまだはっきりとしたことは解明されていません。しかし、メラニン色素が増えると肝斑につながるということは分かっています。
肝斑は、表皮(皮膚の浅い層)メラニン生成が進んでいるだけでなく、真皮(皮膚の深い層)のメラノサイトも活性化している状態です。韓国やタイにてニードルRFが肝斑に対して有用であったとの報告がありますが、実際のところは機序などについてはわかっていない部分も多い治療方法です。

ニードルRFによる効果はそれだけではありません。
皮膚は傷つくと治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられる場合があります。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減するでしょう。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を顔全体に塗ることで表面の古い角質を剥がしやすくして、肌のターンオーバーを促す美容医療施術です。

ターンオーバーを健康的な肌の周期に近づけると、肝斑やしみの原因であるメラニン色素の排出がスムーズになり、改善を促すことができるでしょう。
肝斑は外的な刺激によって悪化しやすいと言われており、刺激の少ないケミカルピーリングを内服薬や外用薬やほかの美容医療施術と組み合わせて受けることで、メラニン色素の排出を助けることが可能です。
ターンオーバーの正常化にともない、肌のキメが整ってバリア機能も高まるため肌荒れが起こりにくい肌質への変化も期待できます。

まとめ

肝斑を改善するには、皮膚科の外用薬・内服薬を用いた治療を受けながら、その時の肌の状態に応じた美容医療施術を受けるのがいいでしょう。まずは医師に相談し、スキンケアや生活習慣についてもアドバイスを受けながら自分に合った施術を選択しましょう。

【医師監修】肌の赤みを薄くしたい方におすすめの施術は?赤みの原因も解説

肌荒れではないのに肌の一部や顔全体が赤くなっているなら、赤ら顔や酒さかもしれません。肌の赤みが目立つとメイクでも隠すのが難しく、本来の肌の色を取り戻したいと考えるのは当然です。本記事では、肌の赤みの種類や原因、そして赤みを薄くする美容医療による施術を解説します。

目次

肌の赤みにも種類がある?

赤ら顔と酒さはどちらも鼻や頬、額などが赤くなる症状です。よく混同されることもありますが、正確には異なるものです。赤ら顔は慢性的な皮膚炎と間違われることもありますが、さまざまな要因が組み合わさってできていて、皮膚科医でも見分けるのが難しく診断に時間がかかることがあります。

赤ら顔

赤ら顔は顔全体に赤みが生じている状態で、肌トラブルがないのに赤みがあるタイプとニキビや皮膚炎などの肌トラブルで赤みができているタイプがあります。一般的に赤ら顔として知られているのは前者で、顔に広がっている毛細血管の拡張による赤みが肌表面から透けて赤く見えている状態です。

酒さ(しゅさ)

酒さは赤ら顔のひとつで、中高年に起こりやすいのが特徴です。酒さの肌は刺激にかなり敏感で、ちょっとしたことでもヒリヒリ感やかゆみを伴うことがあります。顔の中でも、とくに鼻や頬、口の周り、額に多くみられます。
肌の赤みやほてりがあるのに放置していると、毛細血管が広がって赤みが持続するようになり症状が進行していきます。さらに、皮膚炎や二キビではないのに毛穴が赤く盛り上がって膿をもったブツブツができることもあります。

肌の赤みを引き起こす原因

肌の赤みを引き起こす原因は、 おもに3つあります。

皮膚炎

ニキビや皮膚炎があると、炎症によって肌の赤みが起こります。肌には外部からの刺激を防ぐバリア機能がありますが、乾燥などによってうまく働かなくなると、わずかな刺激で炎症を起こしやすくなり赤みがでます。赤みが長く続いているなら慢性的な皮膚炎を起こしている可能性があり、かゆみやザラザラ感も生じているでしょう。

毛細血管の拡張

毛細血管拡張による赤みは、広がった血管に大量の血液が流れ込み、その赤さが皮膚の上から透けて見えている状態です。長期間血管が拡張したまま元に戻らず、 網目状に広がっていることもあります。ほてりを伴う場合には血管拡張の可能性が高く、急激な温度変化や飲酒、運動によって血流が増加すると頬や鼻のあたりが一気に赤くなります。

生まれつきの肌質

肌がもともと薄い方や色白の方は、通常は透けて見えるはずのない毛細血管や血流の赤みが見えやすくなっています。寒暖差や緊張などのちょっとした刺激でも顔が赤くなるという方は、生まれつきの肌質による可能性が高いでしょう。

肌の赤みを悪化させない対処方法

肌の赤みを簡単に改善することは難しいですが、悪化させないようにすることは可能です。日常生活の中でできる対処方法を紹介します。

肌トラブルの治療

皮膚炎やニキビなどが原因で生じている肌の赤みは、医療機関で必要な治療を受けましょう。推奨される治療を受けて赤みが落ちついたら、保湿ケアなどで肌を健康な状態に整えて、再発させないようにしましょう。

生活習慣の見直し

肌トラブルが原因ではない血管性の肌の赤みに対しては、日常生活の中で血管を拡張させる要因が少なくなれば、赤みが薄くなることがあります。
たとえば、アルコールや辛い食べ物を摂取すると血管の拡張や血流増加につながるので避けるのが無難です。また、 紫外線や乾燥、摩擦などの刺激から肌を保護する日焼け止めや保湿ケアアイテムは、なるべく低刺激性のものを選びましょう。

他にも、ストレスやホルモンバランスの乱れも、肌のバリア機能を低下させてニキビや肌荒れを招きかねません。きちんと休息を取りながら生活リズムを崩さないことが大切です。

肌の赤みを薄くするおすすめの美容施術

炎症によって肌に赤みが生じている場合には、皮膚科などで炎症に対する治療を行います。それでも肌の赤みが消えないときには、美容医療の施術を検討してみましょう。美容医療には毛細血管の拡張やニキビによる肌の赤みを抑える施術があります。以下を参考にしてみてください。

ロングパルスダイレーザー

ロングパルスダイレーザーは「色素レーザー」とも呼ばれ、血液中のヘモグロビンへの吸収率が高い施術です。血管腫や血管拡張、赤あざ、ニキビやニキビ痕の赤みなどさまざまな赤みに対して用いられます。
ロングパルスダイレーザーがヘモグロビンに吸収されると熱を発し、その熱で血管が凝固されます。繰り返し施術を受けることで、徐々に血管拡張による赤ら顔や、酒さの赤みが薄くなっていくでしょう。
照射による痛みは冷却機能や麻酔クリームによって抑えられますが、内出血が生じた場合には7〜14日間ほど続くことがあります。赤みや腫れは数日で軽減が見込めます。
照射した部位にかさぶたが生じた時にはテープ保護をする場合があります。数日間は過度な洗顔や患部への摩擦刺激を避け、日焼け止めなどで紫外線対策を続けましょう。

ロングパルスヤグレーザー

ロングパルスヤグレーザーは、波長が長いため、真皮(皮膚の深い層)まで達する高い深達性を持ち、広範囲に熱影響を及ぼす特徴があります。
赤いホクロのような老人性血管腫や血管拡張などに用い、ロングパルスダイレーザーなどでは難しい皮下静脈の治療も期待できる美容医療施術です。1回でも効果を感じやすいですが、複数回施術が必要になる場合もあります。
ピンポイントに高いエネルギーを照射することができるため、周囲の組織への熱影響を抑えた施術が可能です。照射時の痛みは多少ありますが、ヒリヒリ感が続くのは数時間でしょう。照射後は赤みが生じることがあり、反応が強いとかさぶたができる場合があります。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、 特殊な光を照射することで、さまざまなお肌のトラブルの改善を期待できる美容医療の施術です。
IPLの光はヘモグロビンに吸収されて、熱影響によって血管が凝固します。その働きが赤ら顔や酒さの改善につながり、さらに赤みのあるニキビ痕を落ち着かせる効果も期待できます。
照射時の痛みには個人差がありますが、肌を冷やしながら行うため我慢できないほどの痛みを伴うことは少ないでしょう。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感などが生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。
ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、真皮(皮膚の深い層)へダイレクトに熱エネルギーを届ける美容医療施術です。高周波の熱エネルギーによって炎症を抑えたり、新たな血管を作るのを抑えたりして、赤みを改善する効果が期待できると言われています。
ニードルRFは針を刺すため多少の痛みをともないますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみてください。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減するでしょう。

まとめ

肌の赤みはメイクで隠すことは難しく、悪化させないためにも外的刺激に気をつけながら日常生活を過ごしていくことが求められます。ただし、生活改善やスキンケアの見直しに励んでも赤ら顔や酒さの症状を改善することが難しいケースがあります。
本格的に肌の赤みを薄くしたいなら、しかるべき医療機関にかかり、医師の診断のもと美容医療などの施術を検討してみましょう。

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト! vol.2

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト!

連載 vol.2

毎日のケアはもちろん大切だけど、気になる肌悩みがあるのなら、美容医療に頼るのもひとつの手。そこで、肌悩み別に注目の施術をピックアップ。その特長や効果についてドクターにたっぷり教えてもらいます。

お話を伺ったのは…

鼻岡けいこ皮フ科クリニック
鼻岡佳子 院長

医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・指導医。日本皮膚科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医。コミュニケーションを重視した丁寧な診察・治療に定評あり。

Clinic Data

広島県広島市中区三川町7-1 香月メディカルビル2F
TEL 082-533-6333
診察 9:30~13:00、15:00~18:00
休日 第4水曜・日・祝日(水・土は午後休診)

今月のテーマ

「ニキビ」治療

誤ったセルフケアは、
ニキビを悪化させる要因に

気温の上昇と共に、汗や皮脂の分泌量も増えてくるこの時期は、ニキビに悩む人も急増中。読者アンケートの結果からも、同じ場所に繰り返しできる、一度できると治りにくい、という声も相次ぎ、ニキビ対策に困っている人も多い様子。ニキビの改善策とは?
「大人ニキビの場合、ホルモンバランスの乱れやストレス、メイクによる悪化なども関係しますが、ニキビの主な原因としては、皮脂分泌の増加、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖です。ニキビを改善するための近道は、この3つの原因に対し、適切な治療を行うことです。誤った自己治療は、ニキビの悪化やニキビ痕の要因になることも。ニキビ痕がクレーターのようになってしまうと、平らに戻すのに時間がかかってしまいます。美容医療では、保険診療ではよくならないニキビの改善や、数多くあるニキビをより早く治療し、跡にならないように導くことができます。特にニードルRFは、皮膚の下にある皮脂腺をRFによって凝固させることができるので、新しいニキビや、繰り返すニキビ、また、ニキビ痕の治療にも有効です。ニキビ痕を残さずキレイに治すためにも、ニキビができたら早めに皮膚科を受診することをオススメします」
(鼻岡院長)。

読者にリサーチ!

Q.ニキビで気になることは?

A.

スキンケアを丁寧に行っていても、同じ部分に繰り返しニキビができる、という声が多数。特に、アゴまわりのニキビに悩む人が多い模様。また、年齢と共にニキビが治りにくくなった、という声も。マスク生活の影響もあってか、ここ数年で急にニキビができやすくなった、という人も。

※2024年5月、宝島社の公式Instagramでのアンケートによる

ニキビの主な要因

  • 1

    皮脂分泌の増加

    皮脂が過剰に分泌されるとスムーズに排出できなくなり、毛穴詰まりの要因に。ストレスにより皮脂が増えることも。

  • 2

    毛穴の詰まり

    皮脂や古い角質が毛穴に詰まることで、白ニキビに。また、皮膚の内側では、アクネ菌が増殖し始めている状態に。

  • 3

    アクネ菌の増殖

    肌の常在菌のひとつであるアクネ菌は、皮脂をエサに増殖し、炎症を引き起こすことで、赤ニキビや黄ニキビに進行。

ニキビ悩みの美容医療での解決策!

「ニードルRF」

ニキビの3大原因にアプローチ!

「ニードルRFは、ニキビに極細の針を刺し、皮膚の下にある皮脂腺をRFで凝固させ、その後、皮膚の下を再生させる治療です。皮脂腺自体を凝固させるので、過剰な皮脂分泌をおさえることができ、毛穴の詰まりや、アクネ菌の増殖も防ぐことができます」

ニキビ悩みの注目施術「ニードルRF」について深掘り!

ニードルRFとはどのような治療なのか、また、ニキビ改善のメカニズムや、他の治療との違いなどについて、鼻岡先生に教えていただきます。

Q.そもそもニードルRFとは、
どのような治療?

A.
マイクロニードルと呼ばれる微細な針(1本または複数本)で肌表面に小さな穴をあけ、真皮層に到達した針先からRFを照射することで、表皮に過度な熱損傷を与えることなく、真皮層に直接熱エネルギーを加えることができる治療です。肌の創傷治癒機能を刺激して、線維芽細胞の活性を促す作用が。また、皮脂腺の焼灼作用などもあるので、ニキビやニキビ痕、毛穴や小ジワなど、様々な肌悩みの改善に期待ができる治療です

  • 〈 ニードル効果 〉
    マイクロニードルで肌に微細な穴をあける。

  • 〈 RF効果 〉
    針先からRF(高周波)を照射。

ニードルRFは、幅広い肌悩みに対応した治療なのですね

Q.ニキビに対し、ニードルRF
どのように作用するの?

A.
ニキビの始まりは、毛穴の詰まりです。毛穴の詰まりを改善しない限り、ニキビは繰り返しできてしまいます。ニードルRFは、微細な針をニキビひとつひとつに刺し、真皮層にある皮脂腺にピンポイントでRFを照射します。皮脂腺をRFの熱で凝固させると、皮脂腺自体が縮小し、皮脂の分泌量が減少。結果、毛穴が詰まりにくくなります。また、それに伴いアクネ菌も増殖しにくくなるため、いまあるニキビの改善だけではなく、ニキビができにくい肌へ導くことができます

  • 皮脂腺を熱で凝固

Q.ニードルRFを受けたあと、
ニキビはどのように変化する?
また、どのくらいのペースで受けるのがオススメ?

A.
小さなニキビであれば、1回でもなくなると思います。大きいものであればサイズが小さくなります。受けるペースは、ニキビの種類や数にもよりますが、1カ月に1回、3~6回程度受けていただくのがオススメです

1回でも、目に見える効果を実感できるのは嬉しいですね!

Q.他のニキビ治療との違いは?

A.
表皮に過度なダメージを与えることなく、真皮にある皮脂腺にピンポイントでアプローチできる点が、他の治療との違いです。ニキビの縮小だけではなく、皮脂腺の縮小も期待できます

Q.治療の流れを教えて!

A.
洗顔、写真撮影、医師の診察のあと、1ニードルであれば麻酔クリームなしで施術に入ります。ニキビが広範囲にできていたり、数が多い場合は、複数のニードルがついたチップを使用するので、麻酔クリームを塗って30分ほど置いてから施術に入ります。施術にかかる時間は20分ほどで、最後に肌をクーリングして終了です

Q.痛みやダウンタイムはどのくらい?

A.
極細の針を使用するので、針を刺す痛みはほぼ感じないと思います。RFを照射した際に、やや熱さを感じる程度だと思います。施術後、赤みが出る場合もありますが、大抵1週間程度で落ち着くと思います。施術当日は、ニキビの外用薬はお休みしていただいていますが、翌日からメイクも可能です

ダウンタイムが比較的短く、翌日からメイクができるのは、嬉しいですね!

今月のまとめ

ニードルとRFで皮脂腺に直接アプローチできるので、いまあるニキビの改善はもちろん、ニキビができにくい肌に導いてくれるのが嬉しいポイント! 年齢を重ねるにつれ、ニキビが治りにくくなっている気がするので、悪化させないためにも、ニキビができたら、クリニックで相談してみるのがよさそうですね!

●費用:¥33,000~93,500(チップにより変動) ●施術にかかる時間:1回約60分~90分 ●痛みの程度:RF照射の際、熱による痛みを感じる場合があります。(個人差があります) ●ダウンタイム期間&リスク:一時的に赤みや腫れ、むくみ、内出血等が起こることがありますが、通常は数日から数週間で回復します。(個人差があります)●治療期間・回数:1カ月に1回のペースで3~6回 ※全て施術内容により異なります。
〈施術に関するお問い合わせ先〉
鼻岡けいこ皮フ科クリニック
広島県広島市中区三川町7-1 香月メディカルビル2F ☎082-533-6333

illust:NOZOMI YUASA text:AYA MATSUBARA
※画像・文章の転載はご遠慮ください
(©宝島社 otonaMUSE 2024年8月号掲載)

【医師監修】たるみ毛穴の原因は?原因や施術を解説

「たるみ毛穴が気になる」
このようにお悩みの方がいるのではないでしょうか。

たるみ毛穴は目元や頬、ほうれい線などに起こります。放置すると、毛穴が広がり、目立ってしまう可能性があるでしょう。

本記事では、たるみ毛穴の原因や改善できるおすすめの美容医療による施術について解説します。自分に合った施術を受け、気になるたるみ毛穴を改善しましょう。

目次

1.たるみ毛穴とは

たるみ毛穴とは、皮膚の重みによって毛穴が引っ張られ、楕円形に広がっている状態です。放置すると、毛穴同士がつながり、帯状のしわになって目立つおそれがあります。

たるみ毛穴は、おもに目元や頬、ほうれい線や首周りなどのたるみが起きやすい箇所で発生します。

気になる箇所の皮膚を持ち上げてみて、毛穴が目立たなくなる場合は、たるみ毛穴に該当しているおそれがあるでしょう。

一方で、皮膚を持ち上げても毛穴が目立つ場合は、毛穴の開きが進行している可能性があると判断できます。

2.たるみ毛穴の原因

たるみ毛穴の原因は、加齢や外的要因によって起こります。気になる方は、まずたるみ毛穴が発生している原因を把握しましょう。

加齢

加齢によって肌の弾力が低下したり、水分量が減ったりして、たるみ毛穴が起こるおそれがあります。

また、表情筋の衰えによって肌のハリが失われたり、皮膚が重力の影響を受けやすくなったりしても、たるみ毛穴につながる場合があります。

特に、肌の弾力がなくなると、毛穴が大きく見えてしまうケースもあるでしょう。

皮脂の過剰分泌

皮脂が過剰分泌すると、毛穴を押し広げてしまい、たるみ毛穴につながるおそれがあります。

毛穴に白い角栓が詰まっている場合、皮脂が過剰分泌しているおそれがあるので、気になる方はチェックしてみましょう。

乾燥

肌が乾燥すると、バリア機能が低下して弾力性が維持できず、たるみ毛穴につながるおそれがあります。

エアコンがきいた部屋に長時間いたり、紫外線をたくさん浴びたりすると、ビタミン不足やターンオーバーの乱れなどによって乾燥が起こりやすくなります。

3.たるみ毛穴が改善できる施術方法

昨今、さまざまなスキンケア方法が話題になりますが、根本的にたるみ毛穴を改善させるために有効なのが美容医療による施術です。その中でも、特におすすめの施術を解説します。

フラクショナル CO₂レーザー

フラクショナルCO₂レーザーとは、レーザーを細かく分割してまばらに照射する方法です。まばらに照射することで周辺組織への熱影響を抑えられるので、痛みの少ない施術が可能となります。
レーザーの熱影響により一時的に組織が損傷をうけますがそれを修復しようとする力が肌の再生を促します。この創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)を利用し、コラーゲン産生を活性化してさまざまな肌悩みの改善を図ります。

  • レーザーを細かく分割して照射

  • 一時的に組織が破壊され肌再生を促進

  • 数日かけてかさぶたがはがれ健康的な肌へ

コラーゲンは皮膚の真皮(肌の深い層)を構成しています。コラーゲンが増生されると肌の弾力性が増し、肌のキメが整い、毛穴の開きや黒ずみ、小じわが目立ちにくくなる効果が期待できます。さらに、くすみを取り除き、肌のトーンアップも見込めます。そして、施術を重ねることで皮膚の深い部分にもアプローチできるため、クレーター状の深いニキビ痕や肌の凹凸なども徐々になめらかに整っていくでしょう。

フラクショナルCO₂レーザーを照射後、赤みは2~3日でひくことがほとんどですが、レーザーの出力が高いと赤みが続きやすいでしょう。照射後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。治療後はていねいに保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、真皮(皮膚の深い層)へダイレクトに熱エネルギーを届ける美容医療施術です。

皮膚が傷つけられると、傷を治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。また、熱エネルギーで皮膚内のタンパク質を凝固させるため、肌の引き締めやリフトアップ効果も期待できます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ここで、ニードルRFの効果をまとめておきます。まず、コラーゲンやエラスチンが増え、肌が厚みを増すため、キメが整い開いた毛穴や小じわの改善が期待できます。施術を定期的に繰り返すことで、クレーター状のニキビ痕にも対応できるでしょう。

ニキビに対しては、RF(高周波)の熱エネルギーで皮脂腺を焼き、皮脂の分泌が減少することで、新たなニキビの発生を抑制できるでしょう。

そして、穿孔とRF(高周波)の照射に加え、ニードルを通して肌の奥に均等に薬剤を届けるドラッグデリバリーシステムが搭載されているものもあります。肌悩みに合わせた薬剤を選べば、さらに効果を実感しやすくなります。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • マイクロニードルの先からRF(高周波)を照射

  • マイクロニードルの穴から薬剤をデリバリー

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減します。

マイクロニードリング

マイクロニードリングは、皮膚に針(ニードル)を刺し、真皮(皮膚の深い層)のコラーゲン産生を促進する美容医療施術です。
皮膚の創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)が促進されることで、毛穴の黒ずみの改善や色素沈着の軽減をはじめ、ニキビ痕の改善も期待できます。さらに、肌の弾力やハリ、毛穴の引き締め効果を引き出し、年齢肌の悩み全般に効果が期待できます。
施術直後から数日間は、赤みや腫れ、わずかな出血が発生することがあります。
リスク・副作用としては、上記に加え、感染症やアレルギー反応などが生じる可能性があります。

イオン導入

イオン導入は、肌に微弱な電流を流し、イオンバランスを調整することでビタミンCをはじめとした、さまざまな有効成分を肌の奥に届ける施術方法です。

プラスとマイナスのように、同じものが反発する性質を利用し有効成分の浸透を促進します。

たとえばビタミンCなどのマイナスに荷電する有効成分の場合、マイナス極に反発して皮膚の深層に移動します。このように有効成分が浸透することでたるみ毛穴・ニキビ・しみ・しわなどの改善につながります。

施術後は数日間、赤みや腫れ、痛みなどが続くおそれがあるでしょう。リスク・副作用としては、上記に加え、かゆみや蕁麻疹などが生じる場合があります。

4.たるみ毛穴につながる悪習慣

たるみ毛穴は、日々の生活習慣によって引き起こされる場合があります。原因となる行動をしていないか下記でチェックしてみてください。

過度に洗顔する

頻繁に洗顔すると、うるおいを保つ皮脂を落としすぎてしまい、肌のバリア機能が弱まるためたるみ毛穴につながるおそれがあります。

皮脂を適度に保つためにも、洗顔は朝と夜の2回に留めることをおすすめします。目安として、起床後と入浴のタイミングで洗顔する習慣を心がけましょう。

油の多い食事を取る

油っぽい食事が多くなると、肌の皮脂量も増加し、皮脂が毛穴を押し広げてたるみ毛穴が起きやすくなります。

たとえば、ラーメン・スイーツ・揚げ物・スナック菓子・ファストフードなどは脂質が非常に多く含まれています。
頻繁に食べると、たるみ毛穴を引き起こす原因になるため、注意が必要ですね。

保湿対策を怠る

洗顔後に保湿対策をしないと、肌が乾燥してたるみ毛穴ができやすくなります。特に、洗顔直後は肌が敏感になっていて肌のバリア機能が低下するため、乾燥が進みやすい状態です。

洗顔後はできるだけ早く化粧水や乳液、クリームなどを活用し、保湿対策をおこなうことが大切です。

紫外線対策を怠る

紫外線を浴び続けると肌のコラーゲンやエラスチンなどの美容成分が破壊され、乾燥につながり、たるみ毛穴が起こりやすくなります。

特に、日中外出する際は、日焼け止めだけでなく日傘なども使って紫外線対策の徹底を心がけましょう。

まとめ

たるみ毛穴は加齢や皮脂の過剰分泌、乾燥などによって起こります。また、洗顔のし過ぎや保湿・紫外線対策ができていない場合、たるみ毛穴が起こるリスクが高まるでしょう。

たるみ毛穴が気になる方は原因となる悪習慣に注意し、適切な美容施術を受け、改善を図っていきましょう。

【医師監修】ニキビ痕の種類と原因は?ニキビ痕をキレイにするための施術を解説

「ニキビ痕ってどうやったら治せるのかな?」
ニキビがよくなっても実は元通りの肌が取り戻せる方は少なく、ニキビ自体が小さなものであっても痕に残ることが多くため、多くの方が悩んでいると思います。

ニキビ痕を治すには時間と手間がかかり、ひどいニキビ痕の場合は改善するのが困難になるケースがあるでしょう。

本記事では、ニキビ痕の種類や原因、改善につながるおすすめの美容医療による施術を解説します。ニキビ痕を改善する手段を学び、きれいな肌を取り戻しましょう。

目次

1.ニキビ痕の種類

ニキビ痕の種類はおもに以下の4つです。ご自分のニキビ痕がどれに該当するか確認してみましょう。

赤いニキビ痕

赤みのあるニキビ痕は炎症後紅斑(こうはん)と呼ばれます。ニキビが軽快していく過程で起こり、炎症により皮膚が薄くなり、血管が透けていることで赤みが目立つようになった状態です。

茶色いニキビ痕

しみのように見える茶色いニキビ痕は炎症後色素沈着と呼ばれ、メラニン色素の沈着が原因で起こります。炎症を起こすと、メラニンが過剰に生成されるため、ニキビ痕が茶色く残る場合があります。

クレーター状のニキビ痕

クレーター状のニキビ痕は陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)と呼ばれ、ニキビを潰してしまったり、放置したりすると肌の表面が陥没して起こります。皮膚の深いところまで傷がついてしまっているため、なかなか治りにくいのが特徴です。

盛り上がったニキビ痕

赤や白に盛り上がったニキビ痕は、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と呼ばれます。炎症が続くと、傷ついた組織を修復するためにコラーゲンが過剰に産生され盛り上がりが生じます。さらに悪化するとケロイド状になるおそれがあります。

2.ニキビ痕をキレイにする施術

ニキビ痕は、症状が深刻になると、スキンケアで解決するのが難しくなります。そこでおすすめなのが美容医療による施術です。以下の施術の中で自分に合うものを見つけ、ニキビ痕の改善につなげましょう。

フラクショナルCO₂レーザー

フラクショナルCO₂レーザーとは、レーザーを細かく分割してまばらに照射する方法です。まばらに照射することで周辺組織への熱影響を抑えられるので、痛みの少ない施術が可能となります。
レーザーの熱影響により一時的に組織が損傷をうけますがそれを修復しようとする力が肌の再生を促します。この創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)を利用し、コラーゲン産生を活性化してさまざまな肌悩みの改善を図ります。

  • レーザーを細かく分割して照射

  • 一時的に組織が破壊され肌再生を促進

  • 数日かけてかさぶたがはがれ健康的な肌へ

コラーゲンは皮膚の真皮(肌の深い層)を構成しています。コラーゲンが増生されると肌の弾力性が増し、肌のキメが整い、毛穴の開きや黒ずみ、小じわが目立ちにくくなる効果が期待できます。さらに、くすみを取り除き、肌のトーンアップも見込めます。そして、施術を重ねることで皮膚の深い部分にもアプローチできるため、クレーター状の深いニキビ痕や肌の凹凸なども徐々になめらかに整っていくでしょう。

フラクショナルCO₂レーザーを照射後、赤みは2~3日でひくことがほとんどですが、レーザーの出力が高いと赤みが続きやすいでしょう。照射後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。治療後はていねいに保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、真皮(皮膚の深い層)へダイレクトに熱エネルギーを届ける美容医療施術です。

皮膚が傷つけられると、傷を治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。また、熱エネルギーで皮膚内のタンパク質を凝固させるため、肌の引き締めやリフトアップ効果も期待できます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ここで、ニードルRFの効果をまとめておきます。まず、コラーゲンやエラスチンが増え、肌が厚みを増すため、キメが整い開いた毛穴や小じわの改善が期待できます。施術を定期的に繰り返すことで、クレーター状のニキビ痕にも対応できるでしょう。

ニキビに対しては、RF(高周波)の熱エネルギーで皮脂腺を焼き、皮脂の分泌が減少することで、新たなニキビの発生を抑制できるでしょう。

そして、穿孔とRF(高周波)の照射に加え、ニードルを通して肌の奥に均等に薬剤を届けるドラッグデリバリーシステムが搭載されているものもあります。肌悩みに合わせた薬剤を選べば、さらに効果を実感しやすくなります。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • マイクロニードルの先からRF(高周波)を照射

  • マイクロニードルの穴から薬剤をデリバリー

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減します。

イオン導入

イオン導入は、肌に微弱な電流を流し、イオンバランスを調整することでビタミンCをはじめとした、さまざまな有効成分を肌の奥に届ける施術方法です。
プラスとマイナスのように、同じものが反発する性質を利用し有効成分の浸透を促進します。

たとえばビタミンCなどのマイナスに荷電する有効成分の場合、マイナス極に反発して皮膚の深層に移動します。このように有効成分が浸透することでたるみ毛穴・ニキビ・しみ・しわなどの改善につながります。

施術後は数日間、赤みや腫れ、痛みなどが続くおそれがあるでしょう。リスク・副作用としては、上記に加え、かゆみや蕁麻疹などが生じる場合があります。

3.ニキビ痕を作る悪習慣

ニキビ痕は以下の習慣によって作り出される場合があります。心当たりのある方は、ご自分の生活習慣を見直してみましょう。

ニキビを潰す

自分でニキビを潰すと、周囲の組織を傷めてしまい、結果的にニキビ痕が生じるおそれがあります。

また、潰さなくても気になって触りすぎると炎症が進行してニキビ痕が大きくなる場合があるでしょう。

過剰に洗顔する

力を入れてゴシゴシと洗顔すると、ニキビが潰れてニキビ痕になったり、肌が傷つくおそれがあります。
また、肌が乾燥しやすくなり、新たなニキビができる原因にもなります。

熱い湯で洗顔する

熱い湯で洗顔すると、肌に必要な皮脂まで落としてしまうため乾燥し、ニキビ痕ができるおそれがあります。

まとめ

ニキビ痕は、種類によっては自然に消えていくこともありますが、元の肌に戻すには時間を要する場合があります。
また、放置して症状が悪化すると日々のスキンケアでは改善が難しくなるでしょう。

気になるニキビ痕をキレイにしたい方は、自分に合った美容施術を選択肢に入れ、改善をめざしてみてください。

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト! vol.1

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト!

連載 vol.1

毎日のケアはもちろん大切だけど、気になる肌悩みがあるのなら、美容医療に頼るのもひとつの手。そこで、肌悩み別に注目の施術をピックアップ。その特長や効果についてドクターにたっぷり教えてもらいます。

お話を伺ったのは…

天神竹井皮膚科・美容皮膚科
竹井賢二郎 院長

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。一人ひとりに合わせたカスタマイズ治療に定評があり、美容医療のメカニズムなどを解説するInstagram(@kenjirooooooooo)も大人気。

Clinic Data

福岡県福岡市中央区天神2-3-37 TENJIN249ビル3F
TEL 092-738-2844
診察 9:30~13:00、14:30~18:30(平日)、9:30~13:00、14:30~17:30(土日祝) 
休日 毎月変動 ※完全予約制

今月のテーマ

「毛穴」治療

自分の毛穴タイプに合わせた治療が必須!

読者の肌悩みでも常に上位に上がるのが、毛穴トラブル。特に、開き毛穴や、たるみ毛穴、黒ずみ毛穴に悩む人が多く、ホームケアだけではなかなか改善しないのも事実。そもそも、毛穴が目立つ要因とは?
「さまざまな要因がありますが、開き毛穴や黒ずみ毛穴は、皮脂の過剰分泌や、それに伴う炎症が大きな要因に。たるみ毛穴は加齢などによる肌のハリ・弾力の低下が考えられます。悩みを改善するには、それぞれの毛穴タイプに合わせた治療が必要となってきます。美容医療では、痛みやダウンタイムなどを伴う場合もありますが、医療機器を使って皮膚に適度な侵襲や熱を加えることで、修復機転を働かせ、効果的に悩みを改善することができます。さまざまな施術があるなか、ニードルRFは、皮脂量のコントロールや、真皮層のボリュームにアプローチできるので、毛穴の開きやたるみ、黒ずみに悩む人に最適です。特に治療が難しい、たるみ毛穴に対しても、高い効果実感を得られると思います。一口に毛穴といっても、人によって悩みは異なるので、まずはクリニックで、気軽に相談してみてください」
(竹井院長)。

読者にリサーチ!

Q.一番気になる毛穴悩みの種類は?

A.

  • 1位 開き毛穴 ‥‥ 38%
  • 2位 たるみ毛穴‥‥ 37%
  • 3位 黒ずみ毛穴‥‥ 25%

ベースメイクでカバーしていても目立ってくる、開き毛穴とたるみ毛穴に悩む人がほぼ同数という結果に。また、小鼻など部分的な黒ずみ毛穴に悩む人も多く、複合的な毛穴悩みを抱える人も。

※2024年1月、オトナミューズのInstagramでのアンケートによる

毛穴が目立つ主な要因

  • 1

    皮脂

    黒ずみ毛穴

    皮脂や古い角質などが混ざってできる角栓が、毛穴に詰まり酸化することで黒ずんで見えるようになります。

  • 2

    炎症

    開き毛穴

    皮脂が酸化し、炎症が起きることで毛穴周辺の皮膚が腫れ、すり鉢状に毛穴が広がって目立つようになります。

  • 3

    加齢

    たるみ毛穴

    加齢によりハリや弾力が低下すると、皮膚が下方向に
    引っ張られ、毛穴も楕円形に広がるようになります。

毛穴悩みの美容医療での解決策!

「ニードルRF」

毛穴に悩んでいる人は注目!

「ニードルRFは、細い針で皮膚の表面に小さな穴をあけ、真皮に到達した針先からRF(高周波)を照射します。そのため、肌表面に過剰な熱を加えることなく、真皮層に対し、ピンポイントでのアプローチが叶います。他の毛穴治療で効果を感じにくかった人にもオススメです」

毛穴悩みの注目施術「ニードルRF」について深掘り!

ニードルRFとはどのような施術なのか、また、気になるダウンタイムや痛みなどについて、竹井先生に教えていただきます。

Q.毛穴悩みに対してニードルRFはどのように作用するの?

A.
マイクロニードルで肌表面に小さな穴をあけ、真皮層に到達した針先からRF(高周波)を照射することで、線維芽細胞の活性化や皮脂腺の焼灼作用に期待ができます。さらに、ドラッグデリバリー機能が搭載されている機器もあり、薬剤をターゲット層に直接届けることができるので、真皮層の骨格的な役割を担うコラーゲンの増生を効率的に誘導できます。これらの作用によって、悩みを改善しつつ、毛穴の目立ちにくい肌へと導きます。

ニードルRFのメカニズムを解説!

肌に針を刺し、真皮層に熱を加えることで創傷治癒作用がはたらき、コラーゲンの生成が促されるのですね。さらに、薬剤の効果もプラスされるから、期待大!

  • 〈 ニードル効果 〉
    マイクロニードルで肌に微細な穴をあける。

  • 〈 RF効果 〉
    針先からRF(高周波)を照射。

  • 〈 ドラッグデリバリー効果 〉
    針によってできた穴に薬剤をデリバリー。

Q.痛みの程度は?

A.
麻酔クリームを塗って施術を行いますが、皮膚に細い針を刺し、熱を加えるので、深く刺して強いレベルで行うと、それなりの痛みはあります。もちろん、我慢できる範囲でコントロールしながら行うので安心してください。

個人差もあると思うので、痛みに弱い人は事前に相談しておくと安心ですね

Q.ダウンタイムはどの位?

A.
他のニードル治療などに比べ、ニードルRFのダウンタイムは短い部類に入りますが、施術直後に赤みや腫れ、皮むけが起こる場合も。通常、赤みや腫れは1~2日、皮むけも1週間程度で落ち着くと思います。洗顔やシャワーは当日から、メイクは翌日から可能です。

Q.ダウンタイム中のスキンケアのポイントは?

A.
赤みなどが落ち着くまでは、ピーリング剤など、刺激の強い成分を使用することは控えてください。また、肌のバリア機能が一時的に低下するので、刺激を感じないアイテムを使い、保湿をしっかり行ってください。

Q.どの位のペースで受けるのがオススメ?

A.
個人差はありますが、RF(高周波)はやり過ぎると肌が硬くなってしまう可能性も。適度な肌の柔らかさを保ちつつ、効果を実感するために、最初の3回は、1カ月に1回、4回目以降は3カ月おきに受けることをオススメします。

早く効果を出したいからと、やり過ぎるのもよくないんですね

Q.ニードルRFの特長は?

  • 1

    真皮層へピンポイントでアプローチ

    マイクロニードルで肌表面に微細な穴をあけ、針先からRF(高周波)を照射することで、表皮に過度な熱損傷を与えることなく、真皮層にピンポイントでアプローチが可能。

  • 2

    薬剤を適切に肌へデリバリー

    ドラッグデリバリー機能によって、薬剤を正確かつ安全にターゲット層へ届けることができるので、治療効果をさらに高めることができます。

  • 3

    コラーゲンの生成を促進!

    マイクロニードルとRF(高周波)で肌の創傷治癒力を刺激することで、真皮層のコラーゲンの生成を促進。真皮層にふっくらとしたボリュームが出るので、たるみ改善にも期待大。

今月のまとめ

ニードル、RF(高周波)、薬剤の3つのアプローチで、効率よく毛穴悩みを改善できそう。特に、真皮層のコラーゲン生成を促し、真皮層にボリュームを持たせることができるので、年齢と共に気になる、たるみ毛穴の改善にも期待大。毛穴悩みがあるのなら、クリニックに頼るのも美肌への近道ですね!

●費用:全顔¥43,800~ ¥99,000 ●施術にかかる時間:顔全体1回約60分 ●痛みの程度:肌に微細な針を刺すので、それなりの痛みはあります。(個人差があります) ●ダウンタイム期間&リスク:一時的に赤みや腫れ、むくみ、内出血等が起こることがありますが、通常は数日から数週間で回復します。(個人差があります) ●治療期間・回数:1カ月に1回のペースで3~4回 ※全て施術内容により異なります。
〈施術に関するお問い合わせ〉
天神竹井皮膚科・美容皮膚科
福岡県福岡市中央区天神2-3-37 TENJIN249ビル3F ☎092-738-2844

illust:NOZOMI YUASA text:AYA MATSUBARA
※画像・文章の転載はご遠慮ください
(©宝島社 otonaMUSE 2024年7月号掲載)

【医師監修】しわの種類と原因は?しわを取りたい方におすすめの施術を解説

年齢を重ねるとともに、しわをコンプレックスに感じる方がいるのではないでしょうか。しかし、原因がわからず、どう対処してよいかわからない方もいるでしょう。

本記事では、しわの種類と原因、おすすめの美容医療による施術を解説します。自分に合った施術を受け、気になるしわの改善をめざしましょう。

目次

1.しわの種類

しわの種類はおもに以下の4つです。ご自分の気になるしわがどの種類に属するかを確認してみましょう。

表情じわ

表情じわとは、筋肉の動きに連動して形成され、表情を作らなくても残っているしわです。笑ったり、怒ったり、顔をしかめたりするときにできるしわを指します。
おもに目元や口元、額や眉間などにできることが多いでしょう。

たるみじわ

たるみじわとは、加齢により肌がたるんでしまうことで生じるしわです。おもに、目の下のくぼみや首の下など、老化による衰えの目立つ箇所に現れやすいとされています。
大きく深いしわ、あるいは指で押し上げるとなくなるしわは、たるみじわに該当します。

ちりめんじわ

ちりめんじわとは、肌の表面に現れる細かいしわです。小じわとも呼ばれています。とくに目元や目尻に現れやすく、若い方の肌にも見られます。
また、ちりめんじわは乾燥しわとも呼ばれ、乾燥や紫外線などが原因となり生じるケースが多いでしょう。

真皮性じわ

真皮性じわとは、しわが真皮層まで達し、V字型に陥没している深いしわです。しわの最終形であり、大じわとも呼ばれています。

額や目の下のくぼみなどに現れ、保湿などのケアをしても元に戻りにくいのが特徴です。肌に小じわが蓄積していき、表情じわが形成されることで、真皮性じわへと進行していきます。

2.しわの原因

しわの原因はおもに以下の4つです。ご自分のしわがなぜ起きているかを確認してみましょう。

紫外線

紫外線は肌を老化させ、しわを作る原因になります。とくに紫外線A波は、真皮(肌の深い層)まで届き肌の弾力のもとになるコラーゲンやエラスチンを破壊します。
また、線維芽細胞(エラスチンやコラーゲンを産生するための細胞)の生産能力が落ちることも、しわの形成につながるでしょう。

加齢

年齢を重ねると、肌のハリを維持するコラーゲンやエラスチンの性質が変わり、細胞を作り出す力が弱くなります。
また、女性の場合は30代から女性ホルモンが徐々に減少していき、皮膚の弾力が失われていきます。そのため、たるんだ皮膚が重なり、深いしわができるでしょう。

乾燥

湿度が低いと、肌表面の水分が蒸発し、乾燥してしわになるケースがあります。とくに表情を作る目元や口元は皮膚が薄くできており、皮脂の分泌が比較的少ないのが特徴です。
そのため、乾燥が進行すると皮膚が剥がれて内側の水分が失われ、しわができやすくなるでしょう。

脂肪の減少

皮膚の深い部分にある皮下脂肪には、皮膚の弾力を維持する役割があります。一方で、無理なダイエットをすると肌を支える脂肪が急激に失われ、しわができる原因になります。

3.しわを取りたい方におすすめの施術

しわは、保湿などのケアを行ってもなかなか元に戻らないものです。そのため、根本的にしわを改善させるためには美容医療による施術が有効です。しわをコンプレックスに感じる方は、以下の施術を検討してみてください。

HIFU(ハイフ)

HIFU(ハイフ)は、「High Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波)」の略で、超音波によって表皮、真皮だけでなく皮下脂肪やSMAS筋膜に熱エネルギーを届け、皮膚のリフトアップを図る美容医療施術です。

「高密度焦点式超音波」という名前の通り、皮膚の深いところまで達する超音波を、高密度に集束させることができるのが特徴です。狙った部分にピンポイントで熱エネルギーを与え、高温で組織を焼灼、収縮させて、たるみを改善する効果が期待できます。

  • 皮膚のさまざまな層に超音波をピンポイントに照射

  • 皮膚の深い部分に熱を集中的に生じさせる

  • コラーゲン線維の収縮やコラーゲンやエラスチン産生の活性化で皮膚の内側から引き締め

また、HIFU(ハイフ)の熱で変性した部分を修復するために皮膚の創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)が働き、コラーゲンやエラスチンが活発に増生されます。その結果、肌の内側から引き締まり、弾力やしわの改善が見込めるでしょう。肌深部の血流が改善することで肌のトーンアップも感じられるでしょう。

HIFU(ハイフ)施術は医療行為となっており、クリニックでのみ施術を受けることができます。

HIFU(ハイフ)は高温が発生するため、どうしても痛みが生じやすい施術です。感じ方には個人差があり、ピリピリした違和感から神経痛や筋肉痛のような痛みまでさまざまです。
施術後は、熱による影響で軽い赤みや腫れが出ることがあります。ほとんどの場合は数日から数週間で引いていくでしょう。しばらくは肌が乾燥しやすく刺激に敏感なため、保湿ケアはいつもより念入りにして、紫外線対策もしっかりと行ないましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、真皮(皮膚の深い層)へダイレクトに熱エネルギーを届ける美容医療施術です。

皮膚が傷つけられると、傷を治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康的な肌へと導きます。また、熱エネルギーで皮膚内のタンパク質を凝固させるため、肌の引き締めやリフトアップ効果も期待できます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ニードルRF機器の中には、先端のニードルチップが多彩に備わっているものがあります。特殊なチップを使用することで治療が難しいとされる肝斑にもアプローチします。
そして、穿孔とRF(高周波)の照射に加え、ニードルを通して肌の奥に均等に薬剤を届けるドラッグデリバリーシステムが搭載されているものもあります。肌悩みに合わせた薬剤を選べば、さらに効果を実感しやすくなります。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • マイクロニードルの先からRF(高周波)を照射

  • マイクロニードルの穴から薬剤をデリバリー

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減します。

フラクショナルCO₂レーザー

フラクショナルCO₂レーザーとは、レーザーを細かく分割してまばらに照射する方法です。まばらに照射することで周辺組織への熱影響を抑えられるので、痛みの少ない施術が可能となります。
レーザーの熱影響により一時的に組織が損傷をうけますがそれを修復しようとする力が肌の再生を促します。この創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)を利用し、コラーゲン産生を活性化してさまざまな肌悩みの改善を図ります。

  • レーザーを細かく分割して照射

  • 一時的に組織が破壊され肌再生を促進

  • 数日かけてかさぶたがはがれ健康的な肌へ

コラーゲンは皮膚の真皮(肌の深い層)を構成しています。コラーゲンが増生されると肌の弾力性が増し、肌のキメが整い、毛穴の開きや黒ずみ、小じわが目立ちにくくなる効果が期待できます。さらに、くすみを取り除き、肌のトーンアップも見込めます。そして、施術を重ねることで皮膚の深い部分にもアプローチできるため、クレーター状の深いニキビ痕や肌の凹凸なども徐々になめらかに整っていくでしょう。

フラクショナルCO₂レーザーを照射後、赤みは2~3日でひくことがほとんどですが、レーザーの出力が高いと赤みが続きやすいでしょう。照射後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。治療後はていねいに保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、 特殊な光を照射することで、さまざまな(お肌のトラブル)の改善を期待できる美容医療の施術です。
単一波長、高エネルギーを用いて一点突破を狙うレーザー照射に比べると、広域波長のマイルドな光を顔全体に当てられるので、広範囲にわたる効果を期待できます。

IPLにはいくつかの働きがあり、幅広い肌悩みに対応します。

まず代表的なのは、過剰に生成されたメラニン色素への働きです。
IPLの光は、しみやそばかすの原因であるメラニン色素に熱影響を与え分解します。分解されたメラニン色素はターンオーバーとともに、数日をかけて皮膚の外へ排出されます。このサイクルを繰り返すことで、しみやそばかす、毛穴の黒ずみを徐々に薄くする効果が期待できます。

  • IPLの光がメラニン色素を熱で分解

  • メラニン色素はかさぶたのように浮上

  • メラニン色素を老廃物として体外に排出

さらにIPLは、肌の赤みのもとである毛細血管のヘモグロビンへも働きます。
IPLの光がヘモグロビンに吸収されると、熱影響によって微小血管が凝固されるので、赤ら顔や酒さの改善につながるとともに、赤みのあるニキビを落ち着かせる消炎効果も期待できます。

ニキビそのものにも、IPLは有効なケースがあります。IPLによりアクネ菌が熱せられ、アクネ菌を抑えることで、赤みや炎症を抑える効果を期待できます。また、皮脂腺に熱影響を与えることで皮脂分泌が抑制されるので、ニキビ自体ができにくくなるでしょう。

熱でコラーゲンが刺激され線維芽細胞が刺激されると、真皮の構成要素であるコラーゲンなどの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

IPL照射時の痛みには個人差がありますが、肌を冷やしながら行うため我慢できないほどの痛みをともなうことはほとんどないでしょう。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感などが生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。
ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

Q スイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、しみやあざなどの改善を図る美容医療施術です。

レーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

Qスイッチレーザーは、到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。

短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。同様に、毛穴の黒ずみにも効果を発揮するでしょう。

長い波長は深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。数回の照射が必要ですが、タトゥー、アートメイクや刺青などの顔料にも反応するので、皮膚を切開することなく、色素を薄くすることができます。

さらに、真皮(皮膚の深い層)の熱影響による美肌効果も期待できます。熱でコラーゲンが刺激され、コラーゲンの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

Qスイッチレーザーを照射する際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。照射後はかさぶたができますが、自然に剥がれ落ちるまでの10日~2週間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

まとめ

しわは、加齢や日々の生活を送るうえで自然と生じてくるものです。また、乾燥や紫外線の影響を受けると、しわが増えるおそれがあります。

美容医療の施術を受けると、加齢や乾燥、たるみによるしわの改善が期待できます。今までコンプレックスに感じていた箇所が気にならなくなり、キレイな肌が実現できるでしょう。
それぞれの施術の特徴を把握し、自分に合った施術を受け、しわの改善を目指しましょう。

【医師監修】ニキビの原因は?ニキビを治すための施術を解説

ニキビの原因がわからず、なかなか改善できずに困った経験はないでしょうか。ニキビを改善するためには、肌の状態に応じた適切なケアが必要です。

ニキビを放置すると、症状が悪化してニキビ痕になるおそれがあります。本記事では、ニキビの種類や原因、美容医療による施術を解説します。自分に合ったニキビの解決法を知り、根本的な改善をめざしましょう。

目次

1.ニキビの種類

ニキビの種類は以下の4つに分かれます。自身のニキビがどれに該当するかを確認しましょう。

白ニキビ

白ニキビは、毛穴に溜まった皮脂や角質などが小さな白い塊として見える状態であり、閉鎖面皰(へいさめんぽう)と呼ばれます。

熱感や痛みを感じることはほとんどなく、適切なケアを行えば比較的早期に治るとされています。

黒ニキビ

黒ニキビは、白ニキビのてっぺんが酸化してほくろやしみのように黒っぽく見える状態であり、開放面皰(かいほうめんぽう)と呼ばれます。

白ニキビと同じように炎症が起きていないため、痛みはほとんどないとされています。

赤ニキビ

赤ニキビは、アクネ菌やその他の細菌が炎症を起こして赤くなった状態であり、紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)と呼ばれます。腫れや痛み、かゆみなどをともなう場合があります。

放置すると、ニキビ痕になりやすいため、早めのケアを行うことが重要です。

黄ニキビ

黄ニキビとは、赤ニキビからさらに症状が進行し、真皮まで炎症が進んでしまったニキビの状態です。別名、膿疱(のうほう)と呼ばれます。

炎症によって広がった毛穴の隙間に黄色い膿が溜まり、腫れや痛みをともないます。放置すると、クレーター状のニキビ痕になる場合があるでしょう。

2.ニキビの原因

ニキビが起こるおもな原因は以下のとおりです。
日々の生活の中で、ニキビを引き起こす要因がないかチェックしましょう。

肌の乾燥

肌が乾燥すると、皮脂の分泌が過剰になり、皮脂が毛穴に詰まってニキビの原因になります。

とくに大人になってからのニキビの場合、肌の乾燥が原因になることが多いとされています。

ストレス

過剰なストレスがかかると、ホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンであるアンドロゲンが分泌されます。

アンドロゲンは、肌を固くして皮脂を分泌させる作用があるため、毛穴が詰まってニキビの原因になります。

睡眠不足

睡眠時間が少ないと、肌の回復に時間が足りなくなり、ターンオーバーが乱れてニキビができる原因になります。

また、ホルモンバランスの乱れにもつながり、ニキビを引き起こす要因になるでしょう。

偏った食生活

脂質や糖質の多い食事は、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を招くおそれがあります。また、栄養不足につながり、肌のターンオーバーが乱れてニキビができやすくなるでしょう。

不適切なスキンケア

洗顔時に洗いすぎたり、メイク落としを長時間つけたりしていると乾燥や汚れの蓄積につながり、ニキビの原因になります。

3.ニキビを治す施術・薬

ニキビを治す方法として、日常生活のケアなどが挙げられますが、根本的に改善するためにはまず薬の内服、その後美容医療がおすすめです。自分に合ったものを取り入れ、試してみてください。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、真皮(皮膚の深い層)へダイレクトに熱エネルギーを届ける美容医療施術です。

皮膚が傷つけられると、傷を治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。また、熱エネルギーで皮膚内のタンパク質を凝固させるため、肌の引き締めやリフトアップ効果も期待できます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ここで、ニードルRFの効果をまとめておきます。まず、コラーゲンやエラスチンが増え、肌が厚みを増すため、キメが整い開いた毛穴や小じわの改善が期待できます。施術を定期的に繰り返すことで、クレーター状のニキビ痕にも対応できるでしょう。

ニキビに対しては、RF(高周波)の熱エネルギーで皮脂腺を焼き、皮脂の分泌が減少することで、新たなニキビの発生を抑制できるでしょう。

そして、穿孔とRF(高周波)の照射に加え、ニードルを通して肌の奥に均等に薬剤を届けるドラッグデリバリーシステムが搭載されているものもあります。肌悩みに合わせた薬剤を選べば、さらに効果を実感しやすくなります。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • マイクロニードルの先からRF(高周波)を照射

  • マイクロニードルの穴から薬剤をデリバリー

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減します。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、肌に塗布した薬剤によって皮膚表面の硬い角質の一部を溶かす美容医療施術です。薬剤が皮膚に浸透することで、肌のターンオーバーを整え、新しい皮膚の再生を促進し、ニキビやニキビ痕、毛穴の開きや黒ずみなどを改善する効果が期待できます。
施術後は、肌の赤みやかゆみ、ピリピリした痛みなどが2〜3日程度続く場合があるでしょう。リスク・副作用としては、上記に加え、皮むけや乾燥などが生じるおそれがあります。

内服薬

抗生剤や漢方などの内服薬を服用すると、抗菌作用や抗炎症作用、ターンオーバー促進などの効果が期待でき、ニキビの根本的な治療へとつながります。内服薬は全身に作用するため、顔以外のニキビの治療も同時に行えるのが特徴と言えます。リスク・副作用としては、下痢やめまい、腸炎や不整脈などが起こる場合があります。

外用薬

ニキビができている箇所に塗ることで、ニキビの原因菌(アクネ菌やブドウ球菌)を殺菌・除去し、炎症を抑える効果が期待できます。リスク・副作用としては、ヒリヒリとした痛みや赤み、皮むけなどが起こる場合があります。

まとめ

ニキビの原因は、乾燥やストレス、偏食や不適切なスキンケアなどさまざまです。そのまま放置すると凹凸の目立つニキビ痕になってしまうおそれもあり、そうなると生活習慣を見直すだけでは改善が難しくなるでしょう。

一方で、皮膚科での診療が受けられますが、薬剤耐性菌であったりする場合もあり、その際美容医療にてニキビやニキビ痕の改善が期待できます。
適切な施術を受け、ニキビを根本的に改善していきましょう。

【医師監修】毛穴の黒ずみの原因とは?おすすめの施術を解説

「毛穴の黒ずみが気になるけど、原因がわからない」このように悩んでいる方がいるのではないでしょうか。

毛穴の黒ずみを放置すると、ニキビや肌荒れの原因になります。また、毛穴が徐々に広がり、黒ずみが余計に目立ちやすくなることもあるでしょう。

本記事では、毛穴の黒ずみを改善できるおすすめの美容医療による施術を解説します。自分に合った施術を選択し、綺麗な肌を取り戻しましょう。

目次

1.毛穴の黒ずみの原因


毛穴の黒ずみの原因はおもに以下の4つです。それぞれ詳しく解説します。

メラニン色素の沈着

メラニンが過剰に生成されると、肌の毛穴部分がしみのように黒く見えるようになるため、黒ずみの原因になります。

紫外線によるダメージ・皮膚の酸化・スキンケアで肌を強く刺激することにより、毛穴周りの皮膚に炎症が生じ、メラニンが過剰に生成されます。

産毛

頬や小鼻の周りに産毛が生えていると、毛の断面によって毛穴が黒ずんで見えるようになります。特に毛が濃い方の場合、よく見られる原因です。

寿命がきた産毛は、角栓がなければ抜け落ちて毛穴の外へ出ていきます。一方で、角栓が毛穴をふさいでいると、産毛が中に詰まって黒く見えます。

毛穴が開いている状態で光が当たると、影が生じて黒ずんで見えることがあります。おもに頬で生じることがあり、実際には毛穴の中に汚れが溜まっていない場合がほとんどです。
皮脂が多い脂性肌(水分・油分ともに多い肌質)や、保湿がうまくいっていない乾燥肌にも見られることがあります。

角栓の酸化

皮脂が毛穴に溜まることで生じる角栓が徐々に酸化していくと、黒ずみの原因になります。摩擦やターンオーバーの乱れなどにより、毛穴周りの角質が厚くなると、角栓が溜まりやすくなるでしょう。

2.毛穴の黒ずみを改善させる施術

毛穴の黒ずみを改善する手段としてスキンケアを選ぶ方もいますが、根本的な解決を求めるならば美容医療が適しています。その中でも特におすすめの施術を紹介します。

フラクショナルCO₂レーザー

フラクショナルCO₂レーザーとは、レーザーを細かく分割してまばらに照射する方法です。まばらに照射することで周辺組織への熱影響を抑えられるので、痛みの少ない施術が可能となります。
レーザーの熱影響により一時的に組織が損傷をうけますがそれを修復しようとする力が肌の再生を促します。この創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)を利用し、コラーゲン産生を活性化してさまざまな肌悩みの改善を図ります。

  • レーザーを細かく分割して照射

  • 一時的に組織が破壊され肌再生を促進

  • 数日かけてかさぶたがはがれ健康的な肌へ

コラーゲンは皮膚の真皮(肌の深い層)を構成しています。コラーゲンが増生されると肌の弾力性が増し、肌のキメが整い、毛穴の開きや黒ずみ、小じわが目立ちにくくなる効果が期待できます。さらに、くすみを取り除き、肌のトーンアップも見込めます。そして、施術を重ねることで皮膚の深い部分にもアプローチできるため、クレーター状の深いニキビ痕や肌の凹凸なども徐々になめらかに整っていくでしょう。

フラクショナルCO₂レーザーを照射後、赤みは2~3日でひくことがほとんどですが、レーザーの出力が高いと赤みが続きやすいでしょう。照射後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。治療後はていねいに保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、 特殊な光を照射することで、さまざまな(お肌のトラブル)の改善を期待できる美容医療の施術です。
単一波長、高エネルギーを用いて一点突破を狙うレーザー照射に比べると、広域波長のマイルドな光を顔全体に当てられるので、広範囲にわたる効果を期待できます。

IPLにはいくつかの働きがあり、幅広い肌悩みに対応します。

まず代表的なのは、過剰に生成されたメラニン色素への働きです。
IPLの光は、しみやそばかすの原因であるメラニン色素に熱影響を与え分解します。分解されたメラニン色素はターンオーバーとともに、数日かけて皮膚の外へ排出されます。このサイクルを繰り返すことで、しみやそばかす、毛穴の黒ずみを徐々に薄くする効果が期待できます。

  • IPLの光がメラニン色素を熱で分解

  • メラニン色素はかさぶたのように浮上

  • メラニン色素を老廃物として体外に排出

さらにIPLは、肌の赤みのもとである毛細血管のヘモグロビンにも働きます。
IPLの光がヘモグロビンに吸収されると、熱影響によって微小血管が凝固されるので、赤ら顔や酒さの改善につながるとともに、赤みのあるニキビを落ち着かせる消炎効果も期待できます。

ニキビそのものにも、IPLは有効なケースがあります。IPLによりアクネ菌が熱せられ、アクネ菌を抑えることで、赤みや炎症を抑える効果を期待できます。また、皮脂腺に熱影響を与えることで皮脂分泌が抑制されるので、ニキビ自体ができにくくなるでしょう。

熱でコラーゲンが刺激され線維芽細胞が刺激されると、真皮の構成要素であるコラーゲンなどの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

IPL照射時の痛みには個人差がありますが、肌を冷やしながら行うため我慢できないほどの痛みをともなうことはほとんどないでしょう。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感などが生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。
ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、真皮(皮膚の深い層)へダイレクトに熱エネルギーを届ける美容医療施術です。

皮膚が傷つけられると、傷を治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。また、熱エネルギーで皮膚内のタンパク質を凝固させるため、肌の引き締めやリフトアップ効果も期待できます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ここで、ニードルRFの効果をまとめておきます。まず、コラーゲンやエラスチンが増え、肌が厚みを増すため、キメが整い開いた毛穴や小じわの改善が期待できます。施術を定期的に繰り返すことで、クレーター状のニキビ痕にも対応できるでしょう。

ニキビに対しては、RF(高周波)の熱エネルギーで皮脂腺を焼き、皮脂の分泌が減少することで、新たなニキビの発生を抑制できるでしょう。

そして、穿孔とRF(高周波)の照射に加え、ニードルを通して肌の奥に均等に薬剤を届けるドラッグデリバリーシステムが搭載されているものもあります。肌悩みに合わせた薬剤を選べば、さらに効果を実感しやすくなります。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • マイクロニードルの先からRF(高周波)を照射

  • マイクロニードルの穴から薬剤をデリバリー

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減します。

Q スイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、しみやあざなどの改善を図る美容医療施術です。

レーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

Qスイッチレーザーは、到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。

短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。同様に、毛穴の黒ずみにも効果を発揮するでしょう。

長い波長は深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。数回の照射が必要ですが、タトゥーやアートメイクなどの刺青粒子にも反応するので、皮膚を切開することなく薄くすることができます。

さらに、真皮(皮膚の深い層)の熱影響による美肌効果も期待できます。熱でコラーゲンが刺激され、コラーゲンの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

Qスイッチレーザーを照射する際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。照射後はかさぶたができますが、自然に剥がれ落ちるまでの10日~2週間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

マイクロニードリング 

マイクロニードリングは、皮膚に針(ニードル)を刺し、真皮(皮膚の深い層)のコラーゲン産生を促進する美容医療施術です。
皮膚の創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)が促進されることで、毛穴の黒ずみの改善や色素沈着の軽減をはじめ、ニキビ痕の改善も期待できます。さらに、肌の弾力やハリ、毛穴の引き締め効果を引き出し、年齢肌の悩み全般に効果が期待できます。
施術直後から数日間は、赤みや腫れ、わずかな出血が発生することがあります。
リスク・副作用としては、上記に加え、感染症やアレルギー反応などが生じる可能性があります。

マッサージピール

マッサージピールはTCA(トリクロロ酢酸)を使用したピーリングです。手で優しく肌をマッサージしながら深部に浸透させることで、肌の奥からハリと質感を高める美容医療施術です。
従来のピーリング剤と違って肌の剥離を起こしにくい薬剤を使用するため、肌への負担を抑えることができます。
肌のターンオーバーが正常化され、キメが整うので毛穴が目立ちにくくなり、黒ずみにも効果が期待できます。また、肌のハリ感がアップし、たるみの改善も図れるでしょう。TCA(トリクロロ酢酸)を使用したピーリングはほかにも、ミラノリピール、ペパーミントピールなどがあります。
施術後は、翌日から数日間は薄い皮むけが起こる場合があります。また、肌の状態によっては、赤みが少し続くおそれがあります。リスク・副作用としては、上記に加え、熱感やかゆみ、色素沈着やひりつきなどが生じる可能性があります。

ウォーターピーリング

ウォーターピーリングは、水の力で毛穴の汚れを吸引、洗い流し、まっさらな肌に整えた後、美容有効成分を導入する美容医療施術です。
強力な水流により、洗顔だけでは落とせない毛穴の汚れや角質を取り除き、毛穴の黒ずみを目立ちにくくする効果が期待できます。リスク・副作用としては、赤み・痛み・乾燥などが生じるおそれがあります。

3.毛穴の黒ずみにつながる悪習慣

何気ない生活習慣によって、知らず知らずのうちに毛穴の黒ずみにつながっているおそれがあります。
以下の悪習慣に該当する方は、毛穴の黒ずみの原因を作っている可能性があるため、注意が必要です。

強い力でクレンジング・洗顔する

クレンジングの際に強い力でゴシゴシと肌を擦ったり洗顔したりすると、刺激が加わり、色素沈着の原因になります。

メイク汚れを丁寧に落とすことは大事ですが、あまり力を入れすぎないことが大切です。

ファンデーションを厚塗りする

毛穴の黒ずみが気になる箇所にファンデーションで厚塗りすると、かえってファンデーションが入り込み、黒ずみが悪化するおそれがあります。

また、クレンジングの手間が増えてメイクが落としきれなくなり、毛穴に汚れが残る原因にもなります。

ファンデーションは何度も塗り重ねるのではなく、毛穴を補正する下地なども利用して薄めに塗るのがおすすめです。

強い力で角栓を押し出す

角栓を圧出する道具を使用したり爪を立てたりして角栓を押し出すと、肌が傷つき、黒ずみの原因になります。

また、毛穴に雑菌が入り、炎症が起こる可能性があります。
角栓は無理に押し出すのではなく美容皮膚科などで負担をかけずに除去してもらいましょう。

吸着力の強いパックを頻回に使用する

角栓を剥がして取り除くタイプのパックを頻繁に使用すると、角栓だけでなく角質まで剥がれてしまうおそれがあります。

場合によっては毛穴が傷つき、黒ずみの原因になります。

まとめ

毛穴の黒ずみは、紫外線によるメラニン色素の沈着や角栓の蓄積・酸化などによって起こります。

また、日々のクレンジングや洗顔などのケアが適切でない場合、毛穴の黒ずみが余計に悪化して目立つ場合があります。
毛穴の黒ずみが起こっている原因を把握し、自分に合った美容医療施術を受け、改善をめざしましょう。

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