【医師監修】肝斑はどうしたら改善できる?原因を知って正しい対策をしよう

肝斑ができると全体的に肌がくすんで暗く見えます。悪化させないためにも、肝斑ができる原因や肝斑の特徴を知って対策をはじめましょう。本記事では、肝斑の特徴や原因を解説し、肝斑を改善したい方に向けて皮膚科や美容医療でできる施術を紹介します。

目次

肝斑の特徴

肝斑を改善したいなら、自分の顔にできているしみやそばかすが肝斑かどうかチェックしてみましょう。肝斑の持つ特徴を知り、しみやそばかすと見分けることで自分に合うケアが分かります。

左右対称に現れる

肝斑はしみと同じように薄い茶色で、左右対称的な形をしているのが特徴です。しかし、必ずしも左右対称ではなく、形が異なるものもあります。肝斑は顔の広い範囲に現れるため、肌の色がくすんで見えてしまい、不健康な印象を与えてしまいます。

頬骨のあたりにできる

肝斑の多くは頬骨の高い位置に現れますが、額や鼻、口元などにできることもあります。ただし、目の周りには肝斑はできないため、目の周りだけ白く抜けたようになります。同じく左右の頬に対称的に現れるしみに「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」があり、肝斑と見分けがつきづらいとされています。

30代~50代の女性

妊娠・出産する方の多い30代から更年期を迎える40代・50代の女性は肝斑ができやすい傾向にあります。また、10代・20代でもピルを服用しているとホルモンバランスの変化によって肝斑を発症することがあり、ほかにもストレスを放っておいたり、不規則な生活を続けたりしていると、肝斑を悪化させる可能性があります。
閉経後、肝斑は自然と薄くなるため、悩む方は少なくなるでしょう。

肝斑ができる原因

実は、肝斑の原因についてはまだはっきりとしたことは解明されていません。
しかし、メラニン色素が増えると肝斑につながるということは分かっています。以下に、メラニン色素が増えてしまう原因や、肝斑が現れるメカニズムについて解説します。

紫外線

紫外線は肌にとって刺激のひとつです。日光を浴びると、肌を守るため表皮(皮膚の浅い層)のメラノサイトが活性化されてメラニンが大量に生成されます。とくに頬は日焼けしやすい部分なので、過剰に増えたメラニンが代謝で排出しきれなくなると肌に蓄積されて濃くなり肝斑につながることがあります。肝斑は紫外線が強くなる春から夏にかけて濃くなり、逆に秋冬には徐々に薄くなる傾向にあります。

女性ホルモン 

女性ホルモンのバランスが乱れると、肝斑の発症や悪化につながることがあります。妊娠中から出産後、更年期を含む閉経時、さらにピルの影響などによりホルモンバランスが崩れると、メラノサイトが活発に働きメラニン色素が大量に生成されてしまいます。また、生活リズムの乱れやストレスの蓄積などでもホルモンバランスは乱れるため、普段の生活にも注意が必要です。

物理的な刺激

洗顔やクレンジング時のゴシゴシ洗いやマッサージの繰り返しで摩擦が生じると、慢性的な炎症を引き起こしてメラニン色素が増加し肝斑ができやすくなります。
毎日のスキンケアに使うのは、刺激が強い成分やスクラブ入りは避け、肌負担の少ないアイテムを選びましょう。毎日のスキンケア時の摩擦もダメージになって肝斑を悪化させてしまうことがあります。

肝斑はどうやったら改善するの?

肝斑を改善するには自宅でのスキンケアや生活習慣の改善だけでは薄くしたり消したりするのは難しいケースもあります。
すでに現れている肝斑を改善したいと思っているなら、医療機関で肝斑治療を受けるという選択もあります。肝斑には内服薬と外用薬の有効性が認められていて、いくつかある治療方法の中でも第一選択肢とされています。
また第二の選択肢として、美容医療も考えられます。肝斑はしみやそばかすと見分けがつきづらいため、必ず医師の診断を仰いだうえで肌の状態に合った施術を受けるようにしましょう。

肝斑の改善をめざす方におすすめの薬や施術

肝斑を改善するためにはさまざまな方法がありますが、皮膚科や美容皮膚科の内服薬や外用薬を用いた治療が第一選択肢であることを覚えておきましょう。それでも肝斑が気になるようであれば、美容医療施術を受けることを検討しましょう。
美容医療には、肝斑やしみを改善させるための施術がいくつもありますが、しみには適しているけれど、肝斑には適していない施術もあります。決して自己判断で選ぶのではなく、まずは医師に相談して診断を受けてからにしましょう。

内服薬

医療機関で肝斑の治療をする際には、まず「トラネキサム酸」が配合された内服薬が選択されますが、外用薬や、美容医療施術などと組み合わせると相乗効果も期待できます。
「トラネキサム酸」だけでも肝斑を薄くする効果が期待できますが、ほかの内服薬と併用する場合が多く、代表的なものに「L-システイン」「シナール」「ユベラ」があります。
「L-システイン」には肌に蓄積されたメラニンの色素を薄くする還元作用があります。メラニンを作るのを邪魔し、肌のターンオーバーを活発にしてメラニン色素の排出を促します。
「シナール」はビタミンCとパントテン酸カルシウムが主成分です。メラニンの生成を抑えながら肌に蓄積されたメラニン色素を薄くする働きがあり、抗酸化作用も認められています。
「ユベラ」は主成分であるビタミンEが肌の代謝を促し、メラニンの排出を助けて肌を白くする効果が期待できます。

外用薬

肝斑の治療に処方される外用薬は「ハイドロキノン」と「トレチノイン」です。どちらも市販されている化粧品よりも濃度が高く作用も強い傾向があり、使用には医師の処方が必要です。
「ハイドロキノン」はメラニン色素を作るメラノサイトを弱らせ、肝斑やしみの色素を薄くする効果が期待できます。ただし使用中は赤みやかゆみが出ることがあり、炎症を起こして肝斑やしみを悪化させないためにも紫外線対策は必須です。
「トレチノイン」はビタミンA誘導体です。肝斑やしみはもとより、ニキビの治療やしわ改善にも用いられる成分です。古い角質をはがして肌のターンオーバーを促し、蓄積しているメラニン色素を排出する作用があります。「ハイドロキノン」と併用することもありますが、肌への刺激が強く、赤みや皮むけなどの副作用にも注意が必要です。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒(1秒の10億分の1)という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、肝斑やしみ、あざなどの改善を図る美容医療施術です。
Qスイッチレーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

一般的に肝斑治療に推奨されるQスイッチヤグレーザー(Nd:YAGレーザー)は、到達深度の異なる長短2種類の波長を持ち、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。
長い波長は肝斑や深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。

照射の際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減するでしょう。照射後はかさぶたができる場合がありますが、自然に剥がれ落ちるまでの10~14日間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーはピコ秒(1秒の1兆分の1)という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、肝斑やしみなどの色素沈着の改善を図る美容医療施術です。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えません。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは濃いしみにも薄いしみにもダメージを与えることができるため、表皮(皮膚の浅い層)の肝斑やしみ、あざだけでなく、真皮(皮膚の深い層)のADM(後天性メラノサイトーシス)にも働きかけ改善を図ることができるでしょう。
さらに、メラニン色素の黒や茶色だけでなく青や緑など他の色素にも反応するため、タトゥーやアートメイクの除去治療にも利用されています。

また、真皮(皮膚の深い層)にレーザーが届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲン産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いため、痛みや炎症が生じにくい施術とされています。
ただし、照射後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、肌内部に強力な熱エネルギーを伝える美容医療施術です。

上記の記述でもある通り、肝斑の原因についてはまだはっきりとしたことは解明されていません。しかし、メラニン色素が増えると肝斑につながるということは分かっています。
肝斑は、表皮(皮膚の浅い層)メラニン生成が進んでいるだけでなく、真皮(皮膚の深い層)のメラノサイトも活性化している状態です。韓国やタイにてニードルRFが肝斑に対して有用であったとの報告がありますが、実際のところは機序などについてはわかっていない部分も多い治療方法です。

ニードルRFによる効果はそれだけではありません。
皮膚は傷つくと治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられる場合があります。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減するでしょう。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を顔全体に塗ることで表面の古い角質を剥がしやすくして、肌のターンオーバーを促す美容医療施術です。

ターンオーバーを健康的な肌の周期に近づけると、肝斑やしみの原因であるメラニン色素の排出がスムーズになり、改善を促すことができるでしょう。
肝斑は外的な刺激によって悪化しやすいと言われており、刺激の少ないケミカルピーリングを内服薬や外用薬やほかの美容医療施術と組み合わせて受けることで、メラニン色素の排出を助けることが可能です。
ターンオーバーの正常化にともない、肌のキメが整ってバリア機能も高まるため肌荒れが起こりにくい肌質への変化も期待できます。

まとめ

肝斑を改善するには、皮膚科の外用薬・内服薬を用いた治療を受けながら、その時の肌の状態に応じた美容医療施術を受けるのがいいでしょう。まずは医師に相談し、スキンケアや生活習慣についてもアドバイスを受けながら自分に合った施術を選択しましょう。

【医師監修】くすみの種類や原因は?くすみを取りたい方におすすめの施術を解説

「洗顔をちゃんとしているのに顔が汚く見える」
「朝はツヤツヤなのに、夕方になるとどんより…」
こんなくすみ肌にお悩みではないですか?
くすみとは、顔全体が本来の明るさよりも暗く見える状態です。
透明感やツヤが失われ、不健康で暗い印象を与えてしまいます。

原因は、さまざまですが、自分のくすみの状態を把握し、それに合った対策を行うことが重要です。
この記事では、くすみの種類や原因、美容医療によるおすすめの施術について解説します。

目次

くすみの種類と原因

くすみの種類はおもに以下の5つです。原因は生活習慣や外的要因など、さまざまなものがあります。

メラニンによるくすみ

紫外線の影響で肌がダメージを受けるとメラニンが過剰に生成され、その蓄積がくすみの原因となります。
また、洗顔やスキンケアで起こる摩擦もメラニン生成を招きやすく、結果として肌全体が茶褐色にくすんだ状態をつくりだす場合があります。

乾燥によるくすみ

肌の乾きがひどいとバリア機能が低下し、それを補うために角質が厚くなります。角質そのものは黒ずんでいるため、くすんで見えるおそれがあります。また、水分不足で毛穴がぽっかり開くと、そこが影になり顔色が悪く見えます。

血行不良によるくすみ

睡眠不足やストレス、運動不足などの影響で血流が滞り血行不良になると、毛細血管が目立つ青みがかったくすみにつながります。冷え性の方も血行が悪くなりやすいため、生活環境の改善も含めて対策を考えましょう。

糖化によるくすみ

食事などで糖分をたくさん摂ると、余分な糖がたんぱく質と結合しAGEs(終末糖化産物)を生成します。このAGEs(終末糖化産物)がコラーゲンを破壊し皮膚の細胞に沈着するため、肌が黄色くくすんだ状態をつくりだします。

角質によるくすみ

加齢やストレスなどでターンオーバーが乱れると、古い角質が肌の表面にとどまるだけでなく、角質はどんどん厚くなります。放っておくと肌はゴワつき透明感が失われ、肌がグレーががった状態になります。

くすみを取りたい方におすすめの施術

くすみは、生活習慣の改善や、スキンケアの見直しによって抑えることが可能ですが、美容医療による施術も有効です。くすみの気になる方は、以下の施術を検討してみてください。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、 特殊な光を照射することで、さまざまな(お肌のトラブル)の改善を期待できる美容医療の施術です。
単一波長で高エネルギーを用いて一点突破を狙うレーザー照射に比べると、広域波長のマイルドな光を顔全体に当てられるので、広範囲にわたる効果を期待できます。

IPLにはいくつかの働きがあり、幅広い肌悩みに対応します。

まず代表的なのは、過剰に生成されたメラニン色素への働きです。
IPLの光は、しみやそばかすの原因であるメラニン色素に熱影響を与え分解します。分解されたメラニン色素はターンオーバーとともに、数日かけて皮膚の外へ排出されます。このサイクルを繰り返すことで、しみやそばかす、毛穴の黒ずみを徐々に薄くする効果が期待できます。

  • IPLの光がメラニン色素を熱で分解

  • メラニン色素はかさぶたのように浮上

  • メラニン色素を老廃物として体外に排出

さらにIPLは、肌の赤みのもとである毛細血管のヘモグロビンへも働きます。
IPLの光がヘモグロビンに吸収されると、熱影響によって微小血管が凝固されるので、赤ら顔や酒さの改善につながるとともに、赤みのあるニキビを落ち着かせる消炎効果も期待できます。

ニキビそのものにも、IPLは有効なケースがあります。IPLによりアクネ菌が熱せられ、アクネ菌を抑えることで、赤みや炎症を抑える効果を期待できます。また、皮脂腺に熱影響を与えることで皮脂分泌が抑制されるので、ニキビ自体ができにくくなるでしょう。
熱でコラーゲンが刺激され線維芽細胞が刺激されると、真皮の構成要素であるコラーゲンなどの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

IPL照射時の痛みには個人差がありますが、肌を冷やしながら行うため我慢できないほどの痛みをともなうことはほとんどないでしょう。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感など生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。
ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、しみやあざなどの改善を図る美容医療施術です。

レーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

Qスイッチレーザーは、到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。

短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。
同様に、毛穴の黒ずみにも効果を発揮するでしょう。

長い波長は深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。数回の照射が必要ですが、タトゥー、アートメイクや刺青などの顔料にも反応するので、皮膚を切開することなく、色素を薄くすることができます。

さらに、真皮(皮膚の深い層)の熱影響による美肌効果も期待できます。熱でコラーゲンが刺激され、コラーゲンの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

Qスイッチレーザーを照射する際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。照射後はかさぶたができますが、自然に剥がれ落ちるまでの10日~2週間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、しみやあざなどの色素沈着の改善を図る美容医療施術です。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えません。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは、濃いしみにも薄いしみにもダメージを与えることができます。そのため、表皮(皮膚の浅い部分)のしみやあざはもちろん、真皮(皮膚の深い部分)のADM(後天性メラノサイトーシス)も働きかけ改善を図ることができるでしょう。

また大きな特徴として、メラニン色素の黒や茶色だけでなく青や緑など他の色素にも反応することが挙げられます。その特性は特にタトゥー除去に効果的とされ、アートメイクを薄くする治療にも利用されています。タトゥーやアートメイクの除去には定期的に数回の照射が必要なうえ、痛みをともないますが現時点ではほかのレーザーと比べても効率のよい治療が可能です。

さらに、ピコ秒レーザーが真皮(皮膚の深い層)に届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲンが刺激され、コラーゲンなどの産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いので、痛みや炎症が生じにくいとされています。
ただし、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、肌に塗布した薬剤によって皮膚表面の硬い角質の一部を溶かす美容医療施術です。薬剤が皮膚に浸透することで、肌のターンオーバーを整え、新しい皮膚の再生を促進し、ニキビやニキビ痕、毛穴の開きや黒ずみなどを改善する効果が期待できます。
施術後は、肌の赤みやかゆみ、ピリピリした痛みなどが2〜3日程度続く場合があるでしょう。リスク・副作用としては、上記に加え、皮むけや乾燥などが生じるおそれがあります。

エレクトロポレーション

機器が発する電気を利用して皮膚に一時的な小さな穴を開け、有効成分を浸透させる施術です。
イオン化されない物質も導入できるため、有効成分の選択の幅が広いことが特徴です。
例えば、トラネキサム酸やビタミンCを導入させることで、メラニンの影響によるくすみやしみ、肝斑などの改善に効果が期待できます。
針などで皮膚を傷つける施術と比べて、痛みやダウンタイムが少ないのがメリットですが、まれに施術後、ピリピリ感や赤み、かゆみが数日間続く場合があります。

まとめ

くすみは、紫外線や乾燥、血行不良や過剰な糖質摂取などによって起こる場合があります。しかし、スキンケアを徹底したり、生活習慣の改善を試みたりしても解決に至るのが難しいケースがあります。

そんなときは、美容医療による施術を検討してみてはいかがでしょうか。
くすみの改善が期待できる施術を受け、理想の肌を取り戻しましょう。

【医師監修】ニキビの原因は?ニキビを治すための施術を解説

ニキビの原因がわからず、なかなか改善できずに困った経験はないでしょうか。ニキビを改善するためには、肌の状態に応じた適切なケアが必要です。

ニキビを放置すると、症状が悪化してニキビ痕になるおそれがあります。本記事では、ニキビの種類や原因、美容医療による施術を解説します。自分に合ったニキビの解決法を知り、根本的な改善をめざしましょう。

目次

1.ニキビの種類

ニキビの種類は以下の4つに分かれます。自身のニキビがどれに該当するかを確認しましょう。

白ニキビ

白ニキビは、毛穴に溜まった皮脂や角質などが小さな白い塊として見える状態であり、閉鎖面皰(へいさめんぽう)と呼ばれます。

熱感や痛みを感じることはほとんどなく、適切なケアを行えば比較的早期に治るとされています。

黒ニキビ

黒ニキビは、白ニキビのてっぺんが酸化してほくろやしみのように黒っぽく見える状態であり、開放面皰(かいほうめんぽう)と呼ばれます。

白ニキビと同じように炎症が起きていないため、痛みはほとんどないとされています。

赤ニキビ

赤ニキビは、アクネ菌やその他の細菌が炎症を起こして赤くなった状態であり、紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)と呼ばれます。腫れや痛み、かゆみなどをともなう場合があります。

放置すると、ニキビ痕になりやすいため、早めのケアを行うことが重要です。

黄ニキビ

黄ニキビとは、赤ニキビからさらに症状が進行し、真皮まで炎症が進んでしまったニキビの状態です。別名、膿疱(のうほう)と呼ばれます。

炎症によって広がった毛穴の隙間に黄色い膿が溜まり、腫れや痛みをともないます。放置すると、クレーター状のニキビ痕になる場合があるでしょう。

2.ニキビの原因

ニキビが起こるおもな原因は以下のとおりです。
日々の生活の中で、ニキビを引き起こす要因がないかチェックしましょう。

肌の乾燥

肌が乾燥すると、皮脂の分泌が過剰になり、皮脂が毛穴に詰まってニキビの原因になります。

とくに大人になってからのニキビの場合、肌の乾燥が原因になることが多いとされています。

ストレス

過剰なストレスがかかると、ホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンであるアンドロゲンが分泌されます。

アンドロゲンは、肌を固くして皮脂を分泌させる作用があるため、毛穴が詰まってニキビの原因になります。

睡眠不足

睡眠時間が少ないと、肌の回復に時間が足りなくなり、ターンオーバーが乱れてニキビができる原因になります。

また、ホルモンバランスの乱れにもつながり、ニキビを引き起こす要因になるでしょう。

偏った食生活

脂質や糖質の多い食事は、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を招くおそれがあります。また、栄養不足につながり、肌のターンオーバーが乱れてニキビができやすくなるでしょう。

不適切なスキンケア

洗顔時に洗いすぎたり、メイク落としを長時間つけたりしていると乾燥や汚れの蓄積につながり、ニキビの原因になります。

3.ニキビを治す施術・薬

ニキビを治す方法として、日常生活のケアなどが挙げられますが、根本的に改善するためにはまず薬の内服、その後美容医療がおすすめです。自分に合ったものを取り入れ、試してみてください。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、真皮(皮膚の深い層)へダイレクトに熱エネルギーを届ける美容医療施術です。

皮膚が傷つけられると、傷を治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。また、熱エネルギーで皮膚内のタンパク質を凝固させるため、肌の引き締めやリフトアップ効果も期待できます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ここで、ニードルRFの効果をまとめておきます。まず、コラーゲンやエラスチンが増え、肌が厚みを増すため、キメが整い開いた毛穴や小じわの改善が期待できます。施術を定期的に繰り返すことで、クレーター状のニキビ痕にも対応できるでしょう。

ニキビに対しては、RF(高周波)の熱エネルギーで皮脂腺を焼き、皮脂の分泌が減少することで、新たなニキビの発生を抑制できるでしょう。

そして、穿孔とRF(高周波)の照射に加え、ニードルを通して肌の奥に均等に薬剤を届けるドラッグデリバリーシステムが搭載されているものもあります。肌悩みに合わせた薬剤を選べば、さらに効果を実感しやすくなります。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • マイクロニードルの先からRF(高周波)を照射

  • マイクロニードルの穴から薬剤をデリバリー

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減します。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、肌に塗布した薬剤によって皮膚表面の硬い角質の一部を溶かす美容医療施術です。薬剤が皮膚に浸透することで、肌のターンオーバーを整え、新しい皮膚の再生を促進し、ニキビやニキビ痕、毛穴の開きや黒ずみなどを改善する効果が期待できます。
施術後は、肌の赤みやかゆみ、ピリピリした痛みなどが2〜3日程度続く場合があるでしょう。リスク・副作用としては、上記に加え、皮むけや乾燥などが生じるおそれがあります。

内服薬

抗生剤や漢方などの内服薬を服用すると、抗菌作用や抗炎症作用、ターンオーバー促進などの効果が期待でき、ニキビの根本的な治療へとつながります。内服薬は全身に作用するため、顔以外のニキビの治療も同時に行えるのが特徴と言えます。リスク・副作用としては、下痢やめまい、腸炎や不整脈などが起こる場合があります。

外用薬

ニキビができている箇所に塗ることで、ニキビの原因菌(アクネ菌やブドウ球菌)を殺菌・除去し、炎症を抑える効果が期待できます。リスク・副作用としては、ヒリヒリとした痛みや赤み、皮むけなどが起こる場合があります。

まとめ

ニキビの原因は、乾燥やストレス、偏食や不適切なスキンケアなどさまざまです。そのまま放置すると凹凸の目立つニキビ痕になってしまうおそれもあり、そうなると生活習慣を見直すだけでは改善が難しくなるでしょう。

一方で、皮膚科での診療が受けられますが、薬剤耐性菌であったりする場合もあり、その際美容医療にてニキビやニキビ痕の改善が期待できます。
適切な施術を受け、ニキビを根本的に改善していきましょう。

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