肌のうるおいを保つには?肌の乾燥対策の方法も紹介

肌のうるおいが不足すると、乾燥が進み、肌の質感が悪化しやすくなります。また、美容の観点だけでなく肌の機能の面でも重要です。肌のうるおいが不足すると、バリア機能が低下し、肌トラブルを誘発する恐れがあります。

この記事では、肌のうるおいの重要性などを踏まえ、うるおい不足のサインやうるおいを保つための6つのポイントを詳しく解説します。うるおいアップにつながる保湿成分についても触れるため、スキンケアアイテムを購入する際は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.肌のうるおいが重要な理由

人間の体の約70%は水でできており、そのうちの約15〜20%の水分は肌に蓄えられていると言われています。肌のうるおいは、美容の観点だけでなく、皮膚の機能面においても重要な要素です。肌の角層の水分量が少ない状態だとバリア機能が低下し、外部からの刺激に弱くなります。その結果、皮膚表面が乾燥したり、くすみやごわつきなどの肌トラブルが発生したりする原因となります。

肌トラブルが起こることによりターンオーバーが乱れ、さらに肌が乾燥してしまうという悪循環に陥ってしまう場合もあるため、乾燥はすべての肌悩みにつながると言えるでしょう。また、肌の水分量は加齢とともに減少してしまうため、若々しい肌を保つためには日々のスキンケアで保湿を行い、乾燥を防ぐことが重要です。

2.肌のうるおい不足のサイン

本来の健康な肌は、みずみずしくしっとりとした状態であることが正常です。しかし、肌のうるおいが不足すると肌の油分と水分量が少なくなり、表皮が乾燥し始めます。肌が乾燥すると、ファンデーションのノリが悪くなったり、洗顔後に肌がつっぱる感じがしたりと、全体的に肌ツヤが失われた状態になります。

さらに乾燥状態が進むと、少しの刺激でもヒリヒリと感じたり、かゆみやひび割れが起きたりなどの症状が出る場合もあるため、適切なケアを行い、乾燥を防ぐことが重要です。また、肌が乾燥していると、肌自身が不足している水分を補おうと油分を過剰に分泌してしまうため、ニキビの原因になってしまうこともあります。

肌の不調は、うるおい不足によるものであることも少なくないため、肌質に変化があった場合は早めに対処しましょう。

3.肌のうるおいを保つためにポイント

肌の乾燥を防ぎ、うるおいを保つためには、季節や環境に合った適切なケアを行うことが重要です。

以下では、肌のうるおいを保つためのポイントについて詳しく解説します。乾燥による肌トラブルに悩んでいる人や、これから本格的に肌のケアを始めたいという人は、ぜひ参考にしてください。

3-1.過剰なクレンジングや洗顔を避ける

肌のうるおいを保つためには、過剰なクレンジングや洗顔を避けましょう。クレンジングや洗顔では、汚れを十分に落とすことに意識が向き、ケアが過剰となってしまいがちです。特に、ゴシゴシと肌をこするようなケアは、必要なうるおいを落とすだけでなく摩擦が起こって肌にダメージを与えてしまいます。

クレンジング剤・洗顔料は適量を使って行います。特に洗顔は、摩擦が起きないように優しく丁寧に、手ではなく泡で肌を洗うことを意識してください。またクレンジング剤は、メイクの濃い日は洗浄力の強いものを選んだり、乾燥が気になる日は乾燥肌向けのものを選んだり、肌の状態に応じて変えるのもよいでしょう。

3-2.保湿のためにスキンケアを行う

洗顔後、何もつけない状態だと肌は急速に乾燥してしまうため、素早くスキンケアを行います。化粧水で水分を補給した後、乳液類を使って油分でふたをし、水分の蒸発を防ぎます。化粧水と乳液類だけではうるおいが足りないと感じる場合は、美容液やナイトクリームを使用しましょう。

保湿剤は適量を守り、肌の負担にならないように優しく丁寧に塗布することが肝心です。目元や口元などのカサつきやすいゾーンは重ね付けをし、塗り残しがないようにしましょう。また、顔だけでなく体も乾燥しやすいため、全身くまなく保湿を行うことが大切です。

3-3.紫外線対策を行う

外出するときの紫外線対策も重要なケアの1つです。紫外線は日が出ている間は常に降り注いでいるため、季節や天気に関係なく毎日対策を行いましょう。日やけ止めクリームをこまめに塗り直したり、帽子や日傘、長袖の服を着たりして日差しを遮断します。また、紫外線は目からも入ると言われているため、サングラスを有効活用しましょう。

3-4.日中のケアを欠かさない

朝晩のスキンケアに加え、日中のこまめなお手入れも肌のうるおいを保つためには欠かせません。日常生活の中には、空調や紫外線、PCのブルーライトといった、肌のうるおいが失われる要因が多くあり、肌トラブルにつながる恐れがあります。そのため、お手洗いに行った際、メイク直しと一緒にケアを行うことを習慣にするとよいでしょう。

具体的には、メイク直しの前にティッシュやあぶらとり紙で皮脂をオフしてから、メイクの上から使える保湿ケアアイテムを使ってうるおいを補給してください。分泌された皮脂を放置すると、メイクの油分が混ざり合って肌がくすんだ印象となります。皮脂をオフすることで、保湿ケアアイテムの肌なじみが良くなり、メイクの仕上がりもよくなります。

3-5.室内の湿度を保つ

室内の湿度を保つことも重要なポイントです。空気の乾燥は、肌の水分の蒸発を促し、うるおいを奪う原因となります。一般的に、湿度が30%以下だと肌が乾燥し始めると言われているため、部屋の湿度を保つために加湿器の使用を推奨します。

また、冬だけでなく夏でもエアコンの使用などで部屋の湿度が低下してしまうことが多いため、季節を問わず乾燥肌対策を心掛けましょう。

3-6.内側からのケアも行う

肌のケアというと、スキンケアなどの肌表面へのアプローチばかりが重視されやすい傾向にあります。一方で、健康的な食事を摂取して体内からうるおいを補給することも欠かせません。

食生活が乱れていると、肌のターンオーバーに影響を及ぼし、肌のうるおいが失われることがあります。特にファストフードなどの栄養バランスの悪い食事は、ビタミンやミネラルが少ないため肌のターンオーバーが乱れやすく、乾燥肌のリスクを高めると言われています。

肌のターンオーバーを正常に戻すには、タンパク質やビタミンAやビタミンB、ミネラルといった肌のうるおいを保つために必要な栄養素を摂取することが重要です。タンパク質は肉や魚、ビタミン群やミネラルは野菜や海藻類などに豊富に含まれているため、日々の食事に積極的に取り入れましょう。

また、全身にうるおいを巡らせるために、水分補給をすることも重要です。喉が渇いた時は、お茶やジュース、コーヒーなどを飲むのではなく、水を飲みましょう。

4.肌のうるおいアップにつながる保湿成分

セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸は肌のうるおいアップにつながる3大保湿成分と言われています。
以下では、それぞれの保湿成分についてそれぞれ詳しく解説します。

●セラミド
セラミドは、肌の角層細胞の隙間を埋めている成分です。保湿力が非常に高く、肌内部の水分蒸発を防ぐだけでなく、紫外線やちりや埃などの雑菌の外部刺激から肌を守るバリア機能もあります。

●コラーゲン
タンパク質の一種で、表皮の下の真皮に存在する成分です。肌にハリを与えるだけでなく、肌表面に膜を作り水分を抱え込む性質も持っています。

●ヒアルロン酸
コラーゲンとともに真皮に存在する成分です。多量の水分を蓄えられる性質を持ち、みずみずしい肌をつくる役割を担います。
スキンケア用品や化粧品を選ぶ際は、上記が含まれているかどうかをチェックするとよいでしょう。

まとめ

肌の表面が乾燥し、化粧のノリが悪くなったり、洗顔後に肌がつっぱる感じがしたりする場合、肌のうるおいが不足している可能性が高いでしょう。乾燥が進むと、ヒリつき・かゆみなどのトラブルが起きる可能性があるため、早めに対処することが大切です。

肌のうるおいを保つためには、クレンジングや洗顔のしすぎに注意し、保湿のためのスキンケアをしっかり行いましょう。また、紫外線対策や室内の乾燥対策も重要です。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

シワがない人の3つの特徴|シワ予防・改善のために心がけたい習慣も!

老けた印象を与える顔のシワをなくしたい・防ぎたいと考える方は多いでしょう。一方で、同じ年代でも、シワがあまりなく、若々しい印象を保っている方を見かけた際に、どのような習慣や共通点があるか気になるのではないでしょうか。

この記事では、シワができにくい人の3つの特徴から、シワができやすい人の5つの特徴、シワ防止・改善のためのアプローチ4選までを紹介します。シワを防ぎ、いきいきとした素肌を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.シワができにくい人の3つの特徴

シワのできやすさには生活習慣や肌質が大きく関係しています。シワができやすい人とできにくい人の違いはどこにあるのでしょう。シワが少なく見た目年齢が若く見える人には、以下の3つの特徴があります。

・肌にハリがある
・健康的な体型をしている
・姿勢がよい

ここからは、シワが少ない人の特徴とシワが少ない理由について詳しく説明します。

1-1.肌にハリがある

シワが少ない人の肌にはハリがあります。ハリのある肌とは、赤ちゃんの肌のような、みずみずしく滑らかな肌のことを指します。乾燥肌になりバリア機能が弱まると、毛穴の開きや赤みなどの肌トラブルを起こす原因になり、肌ツヤが失われます。肌のツヤやハリを保つためには、乾燥対策をしっかり行いバリア機能低下を防ぐことが大切です。乾燥やシミの原因になる紫外線ケアも心がけましょう。

1-2.身体が引き締まっている

痩せすぎず、太りすぎず、健康的な体型をしていることもシワが少ない人の特徴です。顔がふっくらしているとシワは目立ちにくいですが、加齢によってたるんでくることもあります。一方、痩せすぎていると、不健康で老けている印象を与えやすくなります。

また、体重の大幅な増減を経験すると皮膚が伸びて元に戻らず、シワやほうれい線の原因になることもあります。適度な運動と正しい食習慣を心がけ、自分の体に合った体重をキープすることが大切です。

1-3.姿勢がよい

シワが少なく若々しい印象の人は、姿勢がよいことが多い傾向があります。姿勢が悪いと、見た目の印象が老けて見えるだけでなく、顔まわりの血行が悪くなりシワの原因になります。特に、スマホやパソコンを長時間しているとなりやすい「巻き肩」の姿勢は注意が必要です。首が前に出る巻き肩の状態では、耳下から首に向かう胸鎖乳突筋が緊張して硬くなり、血流やリンパ液の流れが悪くなります。

また、スマホを見ていると伏し目がちになることが多いので、目を開けるときに使う眼瞼挙筋が弱くなります。その結果、額をあげてまぶたを開けるようになり、額にシワができやすくなります。

2.シワができやすい人の5つの特徴

シワができにくい人がいる一方で、シワができやすい人もいます。シワができやすくなるNG習慣は主に以下の5つです。

・肌が乾燥している
・喫煙している
・暴飲暴食をすることがある
・不規則な生活をしている
・表情に癖がある

肌質や体質による個人差もありますが、適切なスキンケアやエクササイズ、生活習慣の見直しによって改善できる可能性があります。ここからは、シワができやすくなる原因について説明します。

2-1.肌が乾燥している

皮膚の一番上にある角質層には、肌に水分を蓄える保湿機能と肌を保護するバリア機能が備わっています。乾燥により、角質層の保湿機能が低下すると肌の水分が蒸発し水分不足になります。乾いた土がひび割れるのと同じように、肌も水分不足になるとハリが失われシワができてしまいます。乾燥が進行しシワが角質層よりも奥の真皮層に到達してしまうと、シワが肌に深く刻まれるため対処が難しくなります。

2-2.喫煙習慣がある

喫煙は健康だけでなく美容にも悪影響があることは医学的に証明されています。タバコが美容に与える影響には以下のようなものがあります。

・血管が収縮し血行の悪い顔になる
・老化の原因になる活性酸素が発生する
・コラーゲンやエラスチンの生産量が減る
・ビタミンCが不足し、シミやシワが増加する
・タールの影響で肌が黒ずむ、歯が黄ばむ

喫煙者の肌トラブルには、シワやシミ、くすみの他にニキビが治りにくいなども挙げられています。

2-3.暴飲暴食をすることがある

暴飲暴食は胃腸へ負担がかかるうえに、肌トラブルの原因になります。脂肪や糖質を多く摂りすぎると皮脂の分泌が活発になり、ニキビや肌荒れなどの肌トラブルを引き起こします。また、アルコールを分解するためには水分が必要であるため、お酒の飲みすぎは乾燥の原因にもなると言われています。

2-4.不規則な生活を送っている

不規則な生活で睡眠不足やストレスが多くなると、肌状態に悪影響を及ぼします。睡眠不足は目の下のクマなど見た目の変化だけではなく、新陳代謝(ターンオーバー)を妨げます。ストレスも同様に、肌の新陳代謝を乱す要因です。新陳代謝が乱れると、肌のバリア機能が低下し、肌荒れやシワができやすくなります。

2-5.表情に癖がある

無意識にしてしまう表情の癖も、シワができやすくなる要因になるので注意が必要です。表情ジワができやすい部位は以下の通りです。

・目を見開くとできる、額の横ジワ
・笑ったときにできる、目尻の笑いジワ
・目を細めるとできる、眉間の縦ジワ
・笑うと顎にできる、梅干しのようなシワ

また、スマホを見る時間が長くうつむき姿勢が多い、同じ方向ばかり向いて寝ている場合も重力によって頬がたるみ、ほうれい線が目立つ傾向にあります。

3.シワを防ぐ・改善にアプローチするための4つの習慣

シワを防ぎ改善するためには、シワの少ない人の習慣を見習い取り入れることが大切です。肌質やライフスタイルには個人差があり、取り入れるのが難しい場合もあるものの、日々の習慣を見直すことで健康的でシワのできにくい体質に近づくことができます。シワ改善にアプローチするために見直すべき習慣は以下の4つです。

・保湿ケア
・紫外線対策
・規則正しい生活/食事
・エクササイズ

ここからは、シワ改善に効果的な習慣について詳しく説明します。

3-1.保湿ケア

乾燥によってできる乾燥ジワは、皮膚の表面に細かいちりめん状となって出てきますが、しっかり保湿することで、改善が期待できます。乾燥予防には、セラミドやヒアルロン酸など保湿効果が高いと言われている成分を含む化粧水などの使用がおすすめです。また、年齢を感じさせやすい目もとや口もとは、専用のスキンケア用品を使用した手入れが大切です。

3-2.紫外線対策

紫外線のUVA波は、肌の奥の真皮層にまで到達し、ハリや潤いを保っているコラーゲンやエラスチンなどの組織を破壊します。真皮層に届いた紫外線ダメージは、シワを深く刻むため、自力での改善が難しくなります。

季節を問わず日焼け止めを塗り、肌のバリア機能を保つために保湿ケアも怠らないようにしましょう。また、効果が高い日焼け止めは肌への負担も大きいため、状況に合わせて使い分けることも大切です。

3-3.規則正しい生活

栄養バランスのよい食事は、シワの予防対策には欠かせません。以下の成分を多く含む食材を積極的に摂りましょう。

・牛すじなどコラーゲンを多く含む食品
・ひじきやレバーなど鉄分を含む食品
・ビタミンCが豊富な果物や野菜
・魚に含まれるオメガ3脂肪酸
・大豆製品に多いイソフラボン

便秘は肌荒れの原因になるため、発酵食品を食べて腸内環境を整えることが大切です。また、肌の再生は寝ている間に行われるため、質のよい睡眠を心がけましょう。

3-4.エクササイズ

表情筋の衰えは、たるみやほうれい線の原因になります。顔のエクササイズは手軽にできるものが多いため、日々の習慣に取り入れることがおすすめです。

例えば、口を大きく開けて、「あ・い・う・え・お」と発声する、固いものやガムをよく噛むだけでも表情筋を鍛えられます。また、表情筋は首や背中の筋肉ともつながっているため、僧帽筋のマッサージやストレッチもたるみやほうれい線予防に効果的です。

まとめ

シワが目立たない人は肌にハリがあり、健康的な体型で良い姿勢であることが多い傾向です。一方で、しわができやすい人の多くには、肌の乾燥・喫煙・不規則な生活・表情の癖などの特徴や習慣が見られます。シワの防止や改善を目指したい方は、保湿ケア・紫外線対策・規則正しい生活に加え、表情筋を鍛えるエクササイズなども行いましょう。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

真皮シワとは?シワができる原因やシワ予防につながる習慣も紹介!

年齢を重ねると目立ち始める深いシワに悩む方は少なくありません。真皮シワは加齢により減少する成分以外に、表情のクセでも発生します。真皮シワの発生や悪化を防ぐためには、原因と原因に応じた対処法を知ることが大切です。

当記事では、真皮シワの原因やその他シワの種類について紹介します。真皮シワの予防につながる習慣や、すでにできた真皮シワを目立たなくする効果が期待できる成分についてもまとめているので、深いシワの原因や予防法を知りたい方はぜひご一読ください。

目次

1.真皮シワとは?

真皮シワとは、真皮まで達した深いシワのことです。ほうれい線やまぶたの下・額のシワなど、広い場所にできやすく、シワと同時にたるみが生じることもあります。真皮シワはくっきりとした深いシワのため、一度できたシワを元に戻すことは困難です。

真皮シワが生じる大きな原因は、加齢に伴う真皮内部のコラーゲンやエラスチンなどの減少です。そのため、20代の若いうちはあまり見られません。真皮シワは、40代、50代の方に多い悩みと言えます。

1-1.真皮シワの原因

肌組織は、表皮・真皮・皮下組織に分かれています。肌の表層にある表皮の役割は、異物の侵入や内部にある水分の蒸散を防ぎ、肌を保護することです。肌組織の大部分を占める真皮は、肌を支える役割があります。

真皮はコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などから成ります。エラスチンによって結びつけられたコラーゲンが網目状に張り巡らされ、網目の隙間には水分をたっぷり含んだヒアルロン酸が存在する状態です。

コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸は年齢を重ねるうちに次第に減少・変性します。皮膚の大部分を占める真皮が衰えると、肌はハリを保てません。ハリが失われた肌は、浅いシワがついても元の状態に戻らなくなり、やがて深くくぼんで固定化し真皮シワとなります。

1-2.真皮シワ以外のシワの種類

顔にできるシワには、真皮シワ以外にも以下のような種類があります。

乾燥シワ肌の水分が失われたときに肌表面にできる薄い線状のシワで、目元や口元などに現れやすいです。シワが細かいため「ちりめんじわ」「小じわ」などと呼ばれることもあります。乾燥によってできた浅いシワのため、丁寧な保湿ケアを続ければ目立たなくすることは可能です。乾燥シワを放置しているとシワが固定し、深いシワにつながるため注意が必要です。
表情ジワ表情のクセにより、皮膚が強く折りたたまれてできるシワで、笑ったときに目尻に現れるシワや眉をひそめたときにできる眉間のシワが代表例です。表情を浮かべたときにできる一時的なシワですが、加齢により肌から柔軟性が失われると元に戻りにくくなり、定着する恐れがあるため、早い段階での対処が必要となります。
ほうれい線・目の下のたるみジワ皮膚がたるんだことで起こる深いシワです。たるみは加齢や紫外線ダメージにより、顔の筋力が衰えたりコラーゲンやエラスチンが減少・劣化することで起こります。代表例は、ほうれい線や目の下のたるみジワが挙げられます。

シワの種類と特徴を見極め、それぞれのタイプに合わせたお手入れをすることが重要です。

2.真皮シワの予防につながる習慣

真皮シワは、表皮を越えて真皮層まで達した深いシワです。コラーゲンやエラスチンなど肌内部の成分の減少や劣化が関係しているため、一度できてしまうと元に戻すことは容易ではありません。そのため、日頃から予防を意識したケアをすることが大切です。

ここでは、真皮シワの予防につながる習慣を紹介します。

2-1.保湿をする

まずは、スキンケアの基本である保湿ケアを徹底しましょう。朝の洗顔後やお風呂上りは、特に肌が乾燥しやすい状態です。化粧水や乳液、美容液、フェイスクリームなどの基礎化粧品で肌に十分な潤いを与えましょう。

真皮シワの予防を意識するなら、ケアアイテムに含まれる成分にも注目してください。保湿効果が高い成分やエイジングケア成分、線維芽細胞を活性化する成分を含む商品を選ぶとよいでしょう。線維芽細胞とは、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった真皮の成分を生成する細胞です。

2-2.UVケアを行う

真皮シワができる原因は加齢だけではありません。紫外線も大きく影響しています。紫外線を浴びると波長の長いUV-Aが肌の奥まで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊します。

真皮シワの予防には、紫外線対策が欠かせません。季節を問わず日焼け止めを塗り、外出時には帽子や日傘を使用して紫外線による肌ダメージを防ぎましょう。UV-Aは窓ガラスを通過するため、室内にいても日焼け止めを塗ることがポイントです。

2-3.摩擦を避ける

洗顔後にごしごしと顔を拭いたり強い力でマッサージしたりなど、肌に摩擦を起こすことは肌トラブルの原因です。

真皮で肌を支えるコラーゲン繊維は、年を重ねるごとに柔軟性を失っていきます。強いマッサージなどで肌に大きな負担を与えると、コラーゲン繊維が損傷しかねません。コラーゲン繊維の損傷はたるみを招き真皮シワの原因につながるため、洗顔やケアの際は摩擦を避け、優しく触れましょう。

2-4.食生活に注意する

肌や身体は食べた物に含まれる成分から作られます。毎日の食事には、良質な動物性たんぱく質を豊富に含む肉・魚・卵、栄養豊かな大豆製品、ビタミンやミネラルを多く含む野菜・きのこをバランスよく取り入れましょう。

たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、肌や髪、筋肉を作る材料になります。コラーゲン繊維を生成する際にも欠かせません。大豆には、植物性たんぱく質の他、女性ホルモンと類似の働きをすると言われているイソフラボンも含まれています。

ビタミンやミネラルは、肌の調子を整えたりコラーゲンの合成をサポートしたりする働きがあります。体内ではほとんど生成できないため、食事から摂ることが不可欠です。

3.真皮シワを目立たなくする効果が期待できる成分

化粧品に含まれる成分が浸透するのは表皮の角層までのため、真皮への影響はほとんど期待できません。一方で、医薬部外品(薬用化粧品)の中には、真皮シワを目立たなくする作用が認められた成分が配合されているものがあります。日々の保湿ケアに加えることで、真皮シワの緩和が期待できるでしょう。

厚生労働省より認可を受けている3つの有効成分として、以下の3つがあります。

ナイアシンアミド肌の表層にある角層の状態を整え、コラーゲンやセラミドの産生を促します。コラーゲンやセラミドで肌のハリにアプローチすることで、シワを目立ちにくくすることが可能です。気になる部分を中心に丁寧になじませ、良好な角層を目指します。顔全体のケアに使える点が特徴です。
純粋レチノール肌のターンオーバーを促し、真皮の再構築をサポートする働きがあります。ヒアルロン酸の産生を促すことで、肌が保持する水分量を増やす働きも期待されます。純粋レチノールは、気になる部分への集中ケアに適しています。
ニールワン真皮成分を分解してダメージを与え、シワを作る酵素・好中球エラスターゼを発見し働きを抑制する成分として生み出された成分です。真皮成分の分解を抑え、シワが生成されるのを防ぐ効果が期待できます。純粋レチノールと同様に、気になる部分へ集中的に使いたい場合に適しています。

3-1.美容医療でシワを目立たなくできる場合も

有効成分が配合された美容液を使ったケアを行うことで、シワを目立たなくする効果を期待することはできます。しかし、自分で行うケアには限界があり、真皮にいたる深いシワを和らげることは難しいケースがほとんどです。

たとえば高密度焦点式超音波(ハイフ)は、皮膚表面より深い皮下組織にアプローチするもので、たるみに用いられることもあります。

まとめ

真皮シワは深いシワのため、一度できると元に戻すことができません。真皮シワは乾燥や表情のクセの悪化が主な原因です。自身のシワの原因を知り適切なケアを実施することで、真皮シワの悪化を防ぐことは可能です。保湿ケアやUVケア、食生活の見直しなどで、真皮シワを目立ちにくくする効果を期待できます。

できてしまったシワには、高密度焦点式超音波(ハイフ)が有効です。高密度焦点式超音波は皮下組織にアプローチすることでシワやたるみの緩和を目指す方法です。

この記事を監修したドクター
CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

エイジングケアとは?代表的な方法や効果的に行うポイントも

エイジングケアとは、加齢による肌の衰えを化粧品や生活習慣の改善などにより補うことや、事前に防ぐことなどを指します。エイジングケアを始めるタイミングに決まりはなく、肌の変化が気になり始めた時が適切です。

この記事では、エイジングケアの意味や必要性に加え、エイジングケアの6つの基本的な方法、効果が期待できる美容医療の種類などを解説します。年齢が気になり始めた方、以前より肌の調子が悪くなり悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.エイジングケアとは?

エイジングケアとは、「エイジング(加齢)」による肌の変化に応じた「ケア(お手入れ)」をすることです。加齢によって分泌量や生成力が減少する成分を、化粧品などで外部から補ったり、生活習慣の改善などで内部から強化したりします。また紫外線や乾燥といった、肌老化や肌トラブルを招く原因を可能な限り取り除く努力も、エイジングケアの1つです。

ここでは、エイジングケアに関して知っておきたい情報を3つ紹介します。

1-1.加齢により肌はどうなる?

まずは、年を重ねると肌にどのような変化が生じる恐れがあるかを把握しておきましょう。個人の体質や生活習慣などによっても差はあるものの、おおむね下記のような変化が起きる可能性が高くなります。

【加齢による肌の変化の例】
●代謝が落ちて古い角質が溜まりやすくなる
●ハリや弾力を作り出すコラーゲンの生成量が減少する
●保湿力を高めるヒアルロン酸の分泌量が減少する
●バリア機能が落ちて外部からの影響を受けやすくなる

1-2.エイジングケアを始めるタイミングは?

エイジングケアを検討する際は、年齢ではなくそのときの肌状態に合わせて、自分自身に必要なケアを見極めることが大切です。一般的には、20代の中ごろになると少しずつ肌の衰えを示す「エイジングサイン」が表れやすくなります。

【エイジングサインの例】
●肌が乾燥しやすくなる
●夕方になると肌がくすむ
●シミ・そばかすが目立ちだす
●目元・口元に小じわが生じる
●肌のふっくら感が減る
●毛穴が縦に伸びる
●口角が下がり気味になる
●ほうれい線がくっきり見えてくる
●ファンデーションのノリが悪くなる
●化粧が崩れやすくなる

肌の状態に少しでも変化が出たと感じたら、エイジングケアの始めどきと言ってよいでしょう。

1-3.若い頃と同じケアでは不十分なことが多い

10代~20代前半の頃は、「軽い肌荒れなら時間が経てば治る」「乳液やクリームがなくても大丈夫」という経験がある人もいるでしょう。しかし年齢を重ねるとともに身体の代謝は低下し、肌細胞の保水力や皮脂の分泌量も減少するケースが一般的です。

若い頃と同じケアでは、肌ダメージの修復が遅れたり水分量・油分量が不足したりして一気に老化が進みかねません。スキンケアは年齢に応じた方法・アイテムを選ぶことが大切です。

2.エイジングケアの基本

「肌の変化が気になるから、早めにエイジングケアを取り入れたい」と考えても、何から手をつければよいか分からない人もいるでしょう。エイジングケアは思い出した時にやるのではなく、基本を押さえた上で習慣的に行うことが大切です。

ここでは、エイジングケアの基本を解説します。

2-1.正しいスキンケアを行う

正しいスキンケアの継続は、エイジングケアに欠かせません。スキンケアを行う際は、できる限り肌に刺激を与えないことと手順を省略しないことを意識しましょう。

【正しいスキンケアのポイント】
●「肌の変化が気になるから、早めにエイジングケアを取り入れたい」と考えても、何から手をつければよいか分からない人もいるでしょう。エイジングケアは思い出した時にやるのではなく、基本を押さえた上で習慣的に行うことが大切です。
●メイクをした日は必ずクレンジングを行う
●洗い流せるタイプのクレンジングを使う
●洗顔料は8分立て程度に泡立てたっぷり使う
●すすぎは32~34℃のぬるま湯を使う
●化粧水などはハンドプレスで優しくなじませる
●化粧水や乳液などはできるだけライン使いする
●化粧品はメーカーの推奨する量以上を使う

2-2.内側からのケアを行う

肌は日々の食事からできています。正しいスキンケアを継続していても、肌が必要とする栄養素が補充できなければ望む効果は得られないでしょう。肌の若々しさを保つためには、食生活に気をつけて身体の内側からケアすることも大切です。

【内側からのケアする際のポイント】
●栄養バランスのよい食事を心がける
●抗酸化作用を持つビタミンA・C・Eを多く含む食べものを摂る
●コラーゲンを作り出すたんぱく質を摂る
●のどに渇きを感じる前に十分な水を飲む
●サプリメントも活用する
●添加物や油を摂りすぎないよう気をつける
●過度な飲酒・喫煙は避ける

2-3.紫外線対策を行う

紫外線はメラニンの生成を促してシミやくすみを招き、肌のハリ成分を傷つけることでシワやたるみを引き起こす原因となります。紫外線は太陽光が当たる場所であればどこでも影響があると考えてよいため、常に対策を怠らないことが大切です。

【紫外線対策のポイント】
●季節や天候、屋内外に関わりなく一年中対策する
●日焼け止めは数時間おきに塗り直す
●UVカット効果のある化粧品や服を選ぶ
●日傘なども活用する

2-4.睡眠をよく取る

傷ついた肌の修復やターンオーバーの正常化に必要な成長ホルモンは睡眠中、特に入眠後90程度経過し深い眠りが訪れた時に多く分泌されると言われています。若々しく美しい肌の維持や実現を目指すなら、良質な睡眠が欠かせません。

【良質な睡眠のポイント】
●快適に眠れる空間を整える
●身体にあった寝具や寝間着を使用する
●生活のリズムを整える
●睡眠時間を一定に保つ
●睡眠時間は6時間以上確保する
●寝る1.5時間程度前に、39~40℃のお湯へ10~15分浸かる

2-5.肌の悩みに合わせたアイテムを使う

エイジングケアでは、アイテム選びも重要です。肌の乾燥対策には保湿ケア成分、くすみやごわつきには角質ケア成分といったように、改善したい悩みに対応したエイジングケア成分が配合されたアイテムを選びましょう。

肌悩みの種類効果が期待できる構成成分の例
乾燥・キメの粗さ●セラミド
●ヒアルロン酸
●コラーゲン
●植物エキス
シミ・くすみ・黒ずみ●ビタミンC誘導体
●プラセンタエキス
●アルブチン
●トラネキサム酸
シワ・たるみ・ほうれい線●レチノール
●ナイアシンアミド
●ビタミンC誘導体
●ペプチド

また、化粧水や乳液といった通常のケアにブースターオイルや美容液を加えたり、フェイスパックなどのスペシャルケアをプラスしたりする方法もおすすめです。

2-6.適度な運動を行う

若々しく見える肌を目指すためには、顔だけでなく全身を若々しく健康に保つことが望ましいと言われています。日々の生活に適度な運動を取り入れ継続することで、身体の血流を改善し代謝を高める効果や、ストレスを解消する効果が期待できるでしょう。

【運動のポイント】
●軽く息が上がる程度の運動を継続する
●運動中の紫外線対策は徹底する
●排気ガスの少ないところで行う
●下半身の筋肉を意識して鍛える

まとめ

年齢を重ねると、肌の保水力や皮脂の分泌量が少なくなったり、身体の代謝が低下したりするため、以前よりも肌の調子を保つことが難しくなります。若いころと同じを続けるのではなく、年齢や肌の状態に合わせたエイジングケアを行うことが大切です。

エイジングケアの基本は、基本的なスキンケアを正しく行う他、食事など内側からのケアや紫外線への対策などが挙げられます。


この記事を監修したドクター
CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

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