ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト! vol.5

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト!

連載 vol.5

毎日のケアはもちろん大切だけど、気になる肌悩みがあるのなら、美容医療に頼るのもひとつの手。そこで、肌悩み別に注目の治療をピックアップ。その特徴や効果についてドクターにたっぷり教えてもらいます。

お話を伺ったのは…

CLINICA BellaForma
佐藤 英明 院長

形成外科専門医・レーザー専門医。「北里研究所病院 美容医学センター」のセンター長に最年少で就任(2001年当時)。美容外科手術だけではなく、注入療法などにも精通。

Clinic Data

東京都港区赤坂2-3-5 赤坂スターゲートプラザ16F
TEL 0120-140-220 診察 10:00~19:00 
休日 木曜

今月のテーマ

「二重アゴ」改善

脂肪の増加や加齢によって
二重アゴが目立つように

年齢を重ねるにつれ、顔のたるみと共に二重アゴが気になってきた、という声も多く聞くように。セルフケアでは、なかなか改善しないこともあり、読者アンケートの結果でも、たるみや二重アゴ解消のため、医療ハイフに興味を持つ人が多くいる様子。ここ数年、たるみ改善やリフトアップの治療としてメジャーになったハイフ。二重アゴ改善にも効果があるのでしょうか?
「二重アゴの要因は、体重の増加や加齢による皮膚のたるみ、下アゴ骨の萎縮などが考えられます。医療ハイフは、皮下脂肪の減少と皮膚のたるみ改善に高い期待ができるため、二重アゴ改善にもとても有効です。ただし、一口にハイフといっても担当する医師の知識や技術力、使用するマシンによっても効果は異なる上、ハイフに限らず美容医療には少なからずリスクはあるので、事前にしっかりリサーチをして、受診するクリニックを選びましょう。また、医療機関ではなくエステなどでハイフを受けたことがある人もいると思いますが、2024年の6月7日に厚生労働省より、高密度焦点式超音波(HIFU)利用に関する医師法違反通知に基づく要請があり、ハイフは、医療提供施設においてのみ行うことが義務付けられました。つまり、医療機関ではないエステなどでのハイフ施術は禁止となったのです。エステハイフが禁止されたことをまだ知らない人もいるかもしれないので、改めて周知させていただきます。効果や安全面を考えてもハイフ治療を検討している人は、必ず医療機関で相談をしましょう」
(佐藤先生)。

読者にリサーチ!

Q1.医療ハイフに興味はありますか?

A.

Q1.エステハイフを
受けたことがありますか?

A.

約7割の読者が医療ハイフに興味を持っているものの、まだ未体験の人も多数。特に、顔のたるみや二重アゴ解消のために、ハイフに興味を持っている様子。また、過去にエステハイフを体験したことがある人も。

※現在は、医療提供施設以外でのハイフ施術は禁止となっています。
※2024年10月、宝島社の公式Instagramでのアンケートによる

二重アゴの主な要因

  • 1

    体重増加による
    脂肪の蓄積

    筋肉量が増えずに体重のみ増加した場合は、その分脂肪が増えたことに。脂肪がアゴまわりつくことで目立つように。

  • 2

    加齢による
    皮膚のたるみ

    加齢によってコラーゲンやエラスチンが減少することで皮膚がたるみ、脂肪を支えられなくなり、二重アゴが目立つように。

  • 3

    下アゴ骨の萎縮

    加齢などにより骨密度が低下し、下アゴの骨が縮むことで脂肪を支えられなくなり、二重アゴや首のシワの要因に。

二重アゴ改善の美容医療での解決策!

「医療ハイフ」

二重アゴの要因に
ピンポイントでアプローチ!

「医療ハイフは、皮下組織(脂肪)やSMAS層にもアプローチすることができ、皮下脂肪の減少や皮膚の引き締めに対して有効で、二重アゴの主な要因である、脂肪やたるみを改善する効果に期待ができます。他にも皮下脂肪やたるみを改善する治療はありますが、ダウンタイムがほぼないこともオススメの理由です」

二重アゴ解消の注目治療「医療ハイフ」について深掘り!

医療ハイフとはそもそもどのような治療なのか、また二重アゴに対する治療のメカニズムなどについて、佐藤先生に教えていただきます。

私がレポートします!

Q.そもそもハイフとは、どのような治療?

A.
ハイフとは、High Intensity Focused Ultrasound の略称で、日本語では高密度焦点式超音波治療を指します。ターゲットとなる部位に超音波を照射し、皮膚表面や他の組織を傷つけることなく、熱エネルギーの刺激によって皮膚の引き締めや、コラーゲン・エラスチン産生の活性化を担う施術で、たるみやシワの改善に高い効果が期待できます。皮下組織(脂肪)やSMAS層に対しても非侵襲的に治療が行えるメカニズムから、フェイスリフト(手術)と同等のリフトアップ効果が得られるとも言われています。ドット式とリニア式があり、ドット式は一点に焦点を合わせるので引き締め効果が高く、リニア式は線状に焦点を合わせることで、広い範囲で脂肪を燃焼させる作用や肌質の改善に期待ができます

真皮層よりも深い部分にある皮下組織(脂肪)やSMAS層にもアプローチ可能。

Q.医療ハイフの特長は?

  • 1

    皮下組織(脂肪)やSMAS層に
    アプローチ可能

    レーザーや光(IPL)、高周波(RF)などでは届きにくかった肌の深層にある皮下組織やSMAS層にもアプローチできる点が大きな特長です。コラーゲン生成だけではなく、ハイフのエネルギーを直接的に用いて収縮させることにより、皮膚や皮下組織の引き締めも可能に

  • 2

    目的に応じて、
    深さや出力を調節できる

    肌悩みはもちろん、脂肪や筋肉の状態に合わせて医師が照射深度や出力を細かく調節しながら施術を行うので、高い効果に期待ができます。当院では、最新のハイフマシンを導入しており、0.5mm間隔で照射する深さを調節できるので、より個々に合わせた施術が可能です

  • 3

    ボディの引き締めや脂肪減少も可能

    導入しているマシンにもよりますが、二の腕や太もも、ウエストなどの脂肪の厚い部分への照射もできるため、顔だけではなくボディのリフティングやタイトニング、脂肪減少効果にも期待ができます。また、美容以外にも前立腺肥大などの治療にも使われています

肌の深い層にもアプローチできるから、様々な効果に期待ができるんですね!

Q.二重アゴに対し、どのように作用するの?

A.
肌状態によってアプローチ方法は異なりますが、たるみの要因となるSMAS層に超音波エネルギーをピンポイントで照射し、肌を引き締めつつ、コラーゲンやエラスチンの増生を促進。さらに、皮下組織に広範囲で照射し、脂肪細胞の溶解、排出を促進することで、シャープな輪郭に導きます。ただし、皮膚のたるみが少な過ぎたり、たるみ過ぎている場合は効果に期待できないことも。また、皮下脂肪が少ない方は凹みが強調されてしまう可能性もあるため、事前にしっかり医師と相談をしてから施術を受けましょう

Q.施術を受けたあと、二重アゴはどのように変化する?

A.
個人差はあるものの、施術直後でもハリ・ツヤ感がアップし、肌の引き締まりを実感できると思います。また、コラーゲンなどの生成が促進されることで、2カ月後あたりから、さらに高い引き締め効果を実感でき、6カ月ほど効果は持続します

大きな予定があるときは、より高い効果を実感できる2カ月くらい前に受けるのがベスト

Q.痛みやダウンタイムはどのくらい?

A.
痛みの感じ方には個人差がありますが、わずかに熱感があります。ほとんどの方が麻酔無しで施術を受けていますが、笑気麻酔の併用も可能です。また、ダウンタイムはほぼなく、施術直後からメイクも可能です。人によっては軽度の発赤、ほてり感、腫れ、かゆみを伴うこともありますが、一時的な反応で数時間~数日で落ち着くと思います

Q.他の超音波治療機との違いは?
また、エステハイフとの違いは?

A.
ハイフは焦点式のため、狙った層に直接熱を加えることができ、皮下組織やSMAS層にもピンポイントでアプローチできます。また、表皮にダメージが少ないので、ダウンタイムがほぼないことも他の超音波治療機との大きな違いです。現在は禁止されていますが、一般的にエステハイフは低出力で浅い層に作用することが多いため、望むような効果を得られず、施術回数や費用がかさむことも。また、正しい解剖の知識がないのに施術を行うことで、熱傷や神経麻痺などのトラブルもあったので、ハイフを検討しているのであれば、必ずクリニックで医療ハイフを受けましょう

今月のまとめ

二重アゴの大きな要因である脂肪とたるみの両方にアプローチできるのは心強い! ダウンタイムがほぼなく、効果実感も高いことから人気のハイフ治療。とはいえ、リスクはゼロではないので、しっかりリサーチして、信頼できるクリニックで受けたいですね!

●費用:全顔 ¥220,000(院長が施術する場合、別途¥11,000) ●施術にかかる時間:1回約30~60分 ●痛みの程度:熱感が生じる場合があります。(個人差があります)
●ダウンタイム期間&リスク:ダウンタイムは基本的にありません。まれに、施術後に肌に赤みなどが出る可能性もありますが、通常は数日間で回復します。また、感染、熱痛、神経麻痺、色素沈着、毛包炎、紅斑などの可能性もあります。(個人差があります)
●治療期間・回数:3~6カ月に1回のペースで3~6回 ※全て施術内容により異なります。
〈施術に関するお問い合わせ先〉
CLINICA BellaForma
東京都港区赤坂2-3-5 赤坂スターゲートプラザ16F ☎0120-140-220

illust:NOZOMI YUASA text:AYA MATSUBARA
※画像・文章の転載はご遠慮ください
(©宝島社 &ROSY 2025年2月号掲載)

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト! vol.4

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト!

連載 vol.4

毎日のケアはもちろん大切だけど、気になる肌悩みがあるのなら、美容医療に頼るのもひとつの手。そこで、肌悩み別に注目の治療をピックアップ。その特徴や効果についてドクターにたっぷり教えてもらいます。

お話を伺ったのは…

麻布十番えむスキンクリニック
沼尾 真美 院長

勤務医を経て、2020年に麻布十番えむスキンクリニックを開設。再生医療にも精通し、個々の魅力を最大限に引き出す治療を提案。Instagram(@azabu10mskinclinic)もチェック!

Clinic Data

東京都港区麻布十番4-1-9 麻布十番エムビル7F
TEL 03-6453-6558 診察 9:30~17:30 
休日 日曜

今月のテーマ

「予防美容医療」

早めに予防していくことで、
大きな肌トラブルを回避!

気温や湿度が低下し、ますます乾燥が進むこれからの時期は、肌悩みも加速しがち。読者アンケートの結果からも、たるみや毛穴の開き、シワなどのエイジング悩みを抱える人が多く、肌悩みを予防する手段として、美容医療に興味を持つ人も増加中。ホームケアに力を入れていても、エイジング悩みが加速してしまう要因とは?
「様々な要因はありますが、主に、加齢によるターンオーバーの乱れや細胞の減少、乾燥や紫外線、大気汚染などの外的刺激などが考えられます。ホームケアはもちろん重要ですが、過剰な摩擦や刺激の強い化粧品の使用など、誤った自己流のケアを続けて悩みが悪化しているケースも多いので要注意! 肌悩みが改善しない人は、一度ケア方法を見直してみましょう。また、最近では、予防のために美容医療を受ける人も多く、エイジング悩みが深刻化する前に、信頼できるクリニックで相談してみるのもオススメです。美容医療にも様々な治療があるなか、タイトニングRFは、肌の内側を全体的に加熱することで、肌老化の大きな要因となる、コラーゲンやエラスチンの減少をくい止めると共に、コラーゲンの生成を促進し、弾力性を保つことができるので、予防ケアとして非常に効果的です。定期的に治療を受けることで、たるみやシワを予防し、若々しい肌を維持することに期待ができます。悩みが深刻化してから対処すると時間も労力もかかってしまうので、先手で予防していくことが、未来の肌のためにも重要です」
(沼尾先生)。

読者にリサーチ!

Q1.肌悩みを予防するために、
美容医療を受けてみたいですか?

A.YES … 78% NO … 22%

Q2.いま予防したい肌悩みは?

A.

約8割の読者が、肌悩み予防のために美容医療を受けてみたい、という結果に。特に、たるみや毛穴、シワなど、エイジング悩みの予防策として、美容医療に興味を持つ人が多数。

※2024年8月、宝島社の公式Instagramでのアンケートによる

エイジング悩みが加速する主な要因

  • 1

    ターンオーバー
    の乱れ

    加齢などで肌のターンオーバーが乱れると、不要なメラニンの排出が滞り、シミやくすみが目立つ要因に。

  • 2

    線維芽細胞の
    減少

    線維芽細胞が減少することで、コラーゲンやエラスチンなども減少。ハリが低下し、たるみや小ジワに。

  • 3

    外的要因

    乾燥や紫外線、摩擦や化粧品などの刺激などによって、バリア機能が低下。様々な肌トラブルを招く要因に。

エイジングサイン予防の美容医療での解決策!

「タイトニングRF」

エイジングサインの
根本原因から改善!

「40代以降になると、コラーゲンやエラスチンが皮膚で新しく作られることがほとんどなくなるとも言われています。タイトニングRFは、肌内部を加熱することで、創傷治癒機転を引き起こし、コラーゲンやエラスチンの生成を促進することができるので、たるみやシワを防ぐと共に、肌質の改善にも期待ができます」

エイジングサイン予防の注目治療「タイトニングRF」について深掘り!

タイトニングRFは、どんな肌悩みの予防に効果的なのか、また、治療のメカニズムなどについて、沼尾先生に教えていただきます。

私がレポートします!

Q.そもそもタイトニングRFとは、
どのような治療?

A.
高周波と呼ばれる電磁波のエネルギーを使用して肌内部を加熱することで、創傷治癒機転を引き起こし、コラーゲンやエラスチンなどの生成を促進し、肌の引き締めやシワを改善する治療です。皮膚深部へと高周波を届け、皮膚と皮下の引き締めなど、持続効果を発揮するモノポーラRFと、皮膚の浅い層に高周波を届け、ハリやツヤ、小ジワの改善など、即時効果に期待ができるバイポーラRFがあります。当院でも導入していますが、最近は、モノポーラRFとバイポーラRFを同時に照射できるマシンもあり、一度に皮膚の深い層と浅い層にアプローチできるので、より高い効果に期待ができます

  • 〈 バイポーラRF 〉
    皮膚の浅い層に高周波を照射して、コラーゲンの収縮を促進。肌表面のハリやツヤ、小ジワの改善効果などに期待ができる治療。
  • 〈 モノポーラRF〉
    皮膚の深部に高周波を照射して、コラーゲンやエラスチンの生成を促進。たるみの改善や小顔効果などに期待ができる治療。

年齢と共に減少する、コラーゲンやエラスチンの生成を促進してくれるのは心強い!

Q.タイトニングRF
どんな肌悩みがある人にオススメ?

A.
コラーゲンやエラスチンなどの生成を促進することができるため、たるみやシワ、肌弾力の低下が気になる人にオススメです。また、毛穴を引き締める効果にも期待ができるので、複合的なエイジングサインの予防に適しています

様々な肌悩みをまとめて改善しながら予防できるのが嬉しい!

Q.タイトニングRFを受けたあと、
肌はどのように変化する?

A.
個人差はあるものの、治療直後でも肌の引き締まりやハリ・ツヤ感がアップするのを実感できると思います。また、コラーゲンなどの生成が促進されることで、治療2カ月後あたりから、肌のたるみやシワが改善され、肌全体の質感が向上していきます

Q.予防のために、どのくらいのペースで受けるのがオススメ?

A.
1回の施術でも効果を実感いただけますが、予防美容のためには、初めの数回は3~6カ月に1回ごとに受け、その後は6カ月~1年に1回メンテナンスを行うのがオススメです。ただし、個人差はあるので、肌状態に応じて調整していくことも重要です

Q.痛みやダウンタイムはどのくらい?

A.
多少の熱感はありますが、ほとんどの方が麻酔なしで施術を受けられています。もちろん、照射レベルを調節しながら施術はしますが、痛みに不安のある方は、麻酔をすることも可能です。タイトニングRFは、非侵襲的な治療なのでダウンタイムはほぼありません。そのため、施術後からメイクをして帰宅することも可能です。まれに、一時的な赤みや腫れが生じることもありますが、2~3日で落ち着くと思います

Q.治療の流れを教えて!

A.
当院では、診察で肌の状態や患者様のお悩みを確認し、治療方針を決定します。その後、クレンジングを行い、施術に入ります。施術範囲にもよりますが、30分~1時間程度で終了します

Q.治療後のケア
気をつけるポイントは?

A.
施術部位を強く擦るのはNGですが、基本的に通常のスキンケアで問題ありません。ただし、紫外線を避け、保湿をしっかり行うことが重要です

今月のまとめ

タイトニングRFは、年齢と共に減少してしまう、コラーゲンやエラスチンの生成を促進してくれるので、大人が抱える様々な肌悩みをまとめて改善しながら、予防もできるのが嬉しいポイント! 人生100年時代。美容医療も賢く取り入れながら、健やかな肌を未来へつなげていきたいですね。

●費用:全顔 ¥132,000、目元 ¥55,000 ●施術にかかる時間:1回約30~60分 ●痛みの程度:熱感が生じる場合があります。(個人差があります) ●ダウンタイム期間&リスク:ダウンタイムは基本的にありません。まれに、施術後に肌に赤みや腫れなどが出る可能性もありますが、通常は数日間で回復します。また、腫れ、かゆみ、熱傷、紅斑、皮膚温上昇に伴う不快感などの可能性もあります。(個人差があります) ●治療期間・回数:3~6カ月に1回のペースで3~6回※全て施術内容により異なります。
〈施術に関するお問い合わせ先〉
麻布十番えむスキンクリニック
東京都港区麻布十番4-1-9 麻布十番エムビル7F ☎03-6453-6558

illust:NOZOMI YUASA text:AYA MATSUBARA
※画像・文章の転載はご遠慮ください
(©宝島社 &ROSY 2024年12月号掲載)

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト! vol.3

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト!

連載 vol.3

毎日のケアはもちろん大切だけど、気になる肌悩みがあるのなら、美容医療に頼るのもひとつの手。そこで、肌悩み別に注目の治療をピックアップ。その特徴や効果についてドクターにたっぷり教えてもらいます。

お話を伺ったのは…

五本木クリニック
海 暁子 先生

日本形成外科学会専門医。形成外科専門医としての豊富な経験、確かな技術で、皮膚科処置から美容外科手術まで幅広く手掛ける。スタッフからの信頼も厚い人気医師。

Clinic Data

東京都目黒区中央町2丁目18-14
TEL 0120-70-5929 診察 10:00~18:30 
休日 日・祝
https://gohongi-biyou-clinic.co.jp/

今月のテーマ

「たるみ」治療

フェイスラインのたるみは、
大顔や老け顔の要因に

年齢を重ねるにつれ、気になってくる悩みが顔のたるみ。読者アンケートの結果からも、フェイスラインや目もとのたるみに悩む人が多く、セルフケアだけでは、なかなか改善しないのも事実。顔がたるむ原因とは?
「たるみとは、皮膚の構造のゆるみによって重力で下垂した状態をいいます。食事や睡眠などの生活習慣も関係しますが、主な原因は真皮層のコラーゲンやエラスチンの減少、また、真皮層よりも深い部分にある皮下組織(脂肪)の変性や下垂、SMAS層の緩みや筋肉の低下などがあげられます。加齢とも関係するので、早めにケアしていくことが重要です。毎日のスキンケアは重要ですが、強くこすったり、引っ張ったりすると逆にたるみを加速させることもあるので要注意。ホームケアやエステでは強さや種類に限界がありますが、美容医療では、医師の判断のもと、個々に合わせた適切な治療を受けることができます。特にハイフ治療は、SMAS層にも直接アプローチすることができ、メスを入れずにリフトアップが叶うので、フェイスラインのたるみに悩む人にオススメです。比較的、手軽に受けることができる治療なので、最近は女性のみならず、男性でもハイフ治療を受ける人が増えていて、パートナーと来院されるケースも多数。ただし、手軽とはいえ、熱傷や神経損傷などのリスクもあるので、信頼できる医療機関での治療をオススメします」
(海先生)。

読者にリサーチ!

Q.たるみが気になる部位は?

A.

見た目印象にも大きく関わるたるみ悩み。マスク生活以降、顔のたるみに悩む人が増加していて、約半数近くの人がフェイスラインのたるみを気にしている結果に。リフトアップ系のアイテムでケアをしたり、セルフマッサージを行っていても、なかなか改善しない、という声も多数。

※2024年6月、宝島社の公式Instagramでのアンケートによる

たるみの主な要因

  • 1

    コラーゲンや
    エラスチンの減少

    加齢や紫外線の影響でコラーゲンやエラスチンが減少すると、肌の弾力を支えられなくなり、ハリが低下する要因に。

  • 2

    皮下組織の
    変性・下垂

    皮下組織(脂肪)が減少することで、より重力を受けやすくなったり、深部のボリューム低下につながる要因に。

  • 3

    SMAS層の衰え

    加齢などの影響でSMAS層が衰えることで弾力性などが低下し、重力の影響を受けて、たるみが目立つように。

たるみ悩みの美容医療での解決策!

「ハイフ」

たるみの原因にピンポイントで
アプローチ!

「ハイフは超音波で皮下組織やSMAS層にピンポイントで熱損傷を与え、創傷治癒過程でコラーゲンなどが増生されることで、たるみを引き上げる効果に期待ができます。肌にメスを入れることなくリフトアップが叶ううえ、ダウンタイムも短いので、たるみ予防として受ける人も増えています」

たるみ悩みの注目施術「ハイフ」について深掘り!

ハイフとはどのような治療なのか、また、たるみ改善のメカニズムや、他の治療との違いなどについて、海先生に教えていただきます。

私がレポートします!

Q.そもそもハイフとは、どのような治療?

A.
ハイフとは、High Intensity Focused Ultrasoundの略称で、日本語では高密度焦点式超音波といいます。皮下組織やSMAS層に超音波のエネルギーを一点に集中させ、表面の皮膚を火傷させずに熱で引き締め、コラーゲンの増生を促すことで、メスを使うことなく、肌のたるみを根本的に改善する治療法です。ドット式とリニア式があり、ドット式は一点に焦点を合わせるので引き締め効果が高く、リニア式は線状に焦点を合わせることで、広い範囲で脂肪を燃焼させる作用に期待ができます

ドット式はたるみの大きな原因となるSMAS層にピンポイントでアプローチ。

Q.フェイスラインのたるみに対し、ハイフはどのように作用するの?

A.
SMAS層が衰えることで、その上にある皮膚や皮下脂肪を支えきれなくなり、フェイスラインのたるみが生じます。ハイフはこのSMAS層に超音波エネルギーをピンポイントで照射することで、熱で肌を引き締めつつコラーゲンやエラスチンの増生を促進し、リフトアップを叶えます。当院では最新のハイフマシンを導入しており、0.5mm間隔で照射する深さを調整することが可能です。また、ハイフの施術前にエコー検査も行っており、顔の筋肉やSMAS層の状態を把握し、照射する深さを個々のたるみの状態・部位ごとに適切に合わせることで、効果はもちろん、痛みや施術時間の軽減、安全性にも万全を期しています

  • 超音波エネルギーを照射
    表皮や周りの組織にダメージを与えずに、皮下やSMAS層に狙いを定めて超音波エネルギーを与える。

  • 熱損傷を与える
    タンパク質が凝固し、緩んだ組織がリフトアップ。また、熱損傷を与えることで創傷治癒力を促進。

  • コラーゲンやエラスチンを
    増生

    創傷治癒力によってコラーゲンとエラスチンの増生を促進し、肌の引き締め&リフトアップをサポート。

針やメスを使わずにリフトアップが叶うのは嬉しいですね!

Q.ハイフを受けたあと、
フェイスラインのたるみ
どのように変化する?

A.
個人差はあるものの、施術直後でもハリやツヤがアップし、肌の引き締まりを実感できると思います。熱エネルギーにより、コラーゲンやエラスチンの増生を促すので、施術1カ月後くらいから、さらに高いリフトアップ効果に期待ができます。また、乾燥肌の改善にも期待ができます

治療直後はもちろん、その後の肌の変化も楽しみ

Q.他のたるみ治療との違いは?

A.
従来の温熱治療や光治療では難しい、肌の深部にあるSMAS層にピンポイントでアプローチできるのがハイフの特長です。肌の引き締めやハリの改善であれば他の治療でも叶いますが、ハイフは、たるみの根本改善に期待ができる治療です

Q.痛みやダウンタイムはどのくらい?

A.
個人差はありますが、筋肉痛や打撲痛のような軽度の痛みを感じる場合も。基本的にダウンタイムはないので、治療直後からメイクも可能です。ただし、皮膚の浅い層への照射で、一時的に赤みや熱感、腫れなどが出る可能性もありますが、数日で落ち着くと思います。また、熱傷などのリスクもあるので、信頼できるクリニック選びも重要です。治療後は、保湿ケアを徹底し、肌をこすらないよう注意してください。また、治療後の肌は紫外線の影響を受けやすいので、日焼け止めを必ず使用しましょう

Q.治療の流れを教えて!

A.
当院の場合は、看護師のカウンセリング後、医師が診察をし、洗顔、エコー検査でSMAS 層の深さを確認し、施術に入ります。治療範囲にもよりますが、施術は約20分程度で終了し、施術後からメイクをすることも可能です

今月のまとめ

メスを使うことなく、SMAS層へピンポイントでアプローチできるので、ダウンタイムもほぼなく、土台から、たるみ改善に期待ができるのは嬉しいポイント! ハイフと一口に言っても、クリニックによって導入しているマシンが異なるうえ、当然リスクもあると思うので、メジャーになっている治療だからこそ、信頼できるクリニックを探すことも重要だと、改めて実感!

●費用:全顔¥88,000(初回)、2回目以降¥77,000 ●施術にかかる時間:1回約60分 ●痛みの程度:軽度の筋肉痛や打撲痛などを感じる場合があります。(個人差があります)●ダウンタイム期間&リスク:ダウンタイムは基本的にありません。皮膚の浅い層への照射で、赤み、熱感、腫れなどが出る可能性もありますが、通常は数日間で回復します。また、感染、熱傷、神経麻痺、色素沈着、毛包炎症、紅斑などの可能性も。(個人差があります)●治療期間・回数:3~6カ月に1回のペースで3~6回※全て施術内容により異なります。
〈施術に関するお問い合わせ先〉
五本木クリニック
東京都目黒区中央町2丁目18-14
☎0120-70-5929

illust:NOZOMI YUASA text:AYA MATSUBARA
※画像・文章の転載はご遠慮ください
(©宝島社 &ROSY 2024年10月号掲載)

30代に適したスキンケア方法|よくあるお肌の悩みやケアのNG例も

25歳がお肌の曲がり角と言われるように、年齢を重ねるにつれて肌の状態は変化します。30代になり肌トラブルを感じるようになったという人も一定数います。30代によくみられるお肌の悩みは間違ったスキンケア方法が原因の場合もあり、お肌の悩みを和らげるにはスキンケア方法の見直しが必要です。

今回は、30代にみられるお肌の悩みと30代のスキンケア方法のNG例を紹介した上で、お肌の悩み別にスキンケア方法を5つご紹介します。

目次

1.30代によくみられるお肌の悩み

お肌の悩みを少しでも目立たなくするためには、肌質と悩みの原因に合ったスキンケアが必要です。肌質は、大きく4つのタイプに分けられます。まずは、自分自身のお肌がどのタイプになるかを確認しましょう。

乾燥肌

乾燥肌はお肌の水分量や皮脂量が低下している状態です。目元・口元の小ジワやカサつきが気になる、洗顔後に肌が突っ張った感じがする場合は乾燥肌の可能性があります。

脂性肌

脂性肌はお肌の水分や皮脂が過剰に分泌されている状態です。テカリが気になる、ニキビができやすいといった場合は、脂性肌の可能性があります。

混合肌

混合肌は乾燥肌と脂性肌の悩みが混在している状態です。Tゾーンはテカっているのに、頬は粉を吹いているといった場合は、混合肌の可能性があります。

普通肌

普通肌は乾燥やテカリが気にならず、お肌の水分と皮脂のバランスが取れた理想的な状態です。

次に、お肌の悩み別に原因を簡単にチェックしましょう。

シミ・そばかす

30代になると10代~20代の間に蓄積された紫外線ダメージが、シミやそばかすとなってお肌表面に現れてきます。また、代謝スピードの低下によってお肌への定着前にメラニンを排出し切れないことも原因の1つです。

黒ずみ

黒ずみは、主に開いた毛穴に溜まった汚れや皮脂が、酸化して黒っぽくなることで目立ちます。

乾燥

お肌の乾燥は、ホルモンバランスが変化したり、保水力が減少したりすることが主な原因です。

たるみ

たるみは主に加齢により、お肌のハリや弾力を保つ成分の生成スピードが低下することで起こります。

お肌の悩みが軽度であれば、スキンケアを見直すだけでも症状の改善が期待できます。

2.30代のスキンケア方法のNG例

お肌によいとされる商品やエイジングケア化粧品を選び、しっかりとスキンケアをしているつもりでも、実際にはあまり効果がないケースは少なくありません。

ここでは、ついやってしまいがちなスキンケア方法のNG例を3つ解説します。
普段のスキンケアで当てはまる項目がないか、チェックしてみましょう。

2-1.洗顔時に肌をこすっている

多くの人が洗顔時についやってしまうのが、こすり洗いです。洗顔ついでにマッサージを行う人もいるでしょう。

ゴシゴシと何度もこするのは、お肌に大きな刺激を与え、肌トラブルを招く行為です。気合を入れてメイクをした後やたっぷり汗をかいた後は、しっかりと汚れを落とす必要があります。しかし過剰なクレンジングや洗顔は汚れだけでなく、お肌に必要な水分や皮脂も洗い流してしまうため、注意しなければなりません。

また、マッサージに使用できるクレンジングや洗顔料もありますが、基本的にお肌への負担になるので避けたほうが無難です。

2-2.化粧水だけ使っている

化粧水は、必ず乳液やクリームとセットで使いましょう。化粧水には、お肌にうるおいを補給して整える役割があります。しかし化粧水の主成分は水であり、基本的に油分は入っていません。そのため、化粧水だけを使いそこでスキンケアを終わると、せっかく補充したはずの水分が蒸発してしまいます。

また、化粧水に含まれる水分が蒸発すると同時に、肌内部のうるおいも蒸発する点にも注意が必要です。化粧水の後に使う乳液やクリームには、お肌に含ませたうるおいを逃さないようフタをする役割があります。

2-3.外出するときだけ日焼け止めを使っている

「日焼け止めを使うのは外出するときだけ」という人は、要注意です。日焼け止めは紫外線対策に有効なアイテムですが、紫外線は直接日が当たる場所だけに降り注いでいるわけではありません。

紫外線は空気で散乱される性質があるため、日陰でも日光によって明るい場所であればお肌は影響を受けます。窓越しでも完全に紫外線を遮断することはできないため、紫外線の影響が気になる人は、屋内であってもしっかりと対策しましょう。

3.【肌の悩み別】30代のスキンケア方法

お肌の悩みを軽くして美肌を目指したいなら、まずはスキンケアを正しく行うことが大切です。下記は基本的なスキンケアの流れとなります。

①クレンジング

クレンジング剤は、メイクの濃さによって使い分けることが大切です。ポイントメイクには専用のリムーバーを使いましょう。朝やノーメイクの日は必要ありません。

②洗顔

洗顔料は8分立て程度にしっかりと泡立て、肌をこすらず馴染ませるようにしながらTゾーン→Uゾーン→全体の順で洗います。すすぎは32~34度程度のぬるま湯を使い、20回程度で泡を落とし切りましょう。

③基礎化粧品

お肌に水分が残っているうちに、まんべんなく化粧水を浸透させます。必要ならパックや美容液などのスペシャルケアアイテムも足しましょう。

④乳液・クリーム

化粧水の水分が飛んでしまう前に、乳液・クリームでフタをします。
上記のスキンケアに加えて、悩みごとに適切なケアを取り入れると効果的です。
ここからは、30代向けの肌悩みに応じたケアを簡単に紹介します。

3-1.シミ・そばかす

シミ・そばかすに悩んでいる人は、有効とされる美白成分配合のアイテムを取り入れてみましょう。

【美白に有効な成分の例】

●ビタミンC誘導体
●アルブチン
●ナイアシンアミド
●トラネキサム酸
●プラセンタエキス

ただし、シミやそばかすができる主な原因は紫外線です。まずは毎日の紫外線対策をしっかりと行いましょう。

3-2.くすみ

くすみの悩みは、原因によって対策が異なります。

乾燥肌・厚くなった角質層が原因の場合

対策保湿に力を入れる
有効な成分の例●ヒト型セラミド
●密着型ヒアルロン酸
●スーパーコラーゲン

メラニンが原因の場合

対策紫外線対策を徹底する・美白有効成分配合のアイテムを選ぶ
有効な成分の例●ビタミンC誘導体
●アルブチン
●ナイアシンアミド
●トラネキサム酸
●プラセンタエキス

お肌の糖化が原因の場合

対策血糖値を上げにくい食事や、抗糖化作用のある食品を取る
有効な成分の例●玄米茶
●野菜
●ハーブ
●ライム
●豆味噌

血行不良が原因の場合

対策血行をサポートする活動を取り入れる
有効な成分の例●マッサージ
●入浴
●適度な運動
●規則正しい生活

くすみの原因に応じた対策を徹底することで、お肌の透明感アップが期待できます。

3-3.乾燥

お肌の乾燥が気になる人は、まず保湿に力を入れましょう。

【保湿に有効な成分の例】

●セラミド
●スクワラン
●ヒアルロン酸
●コラーゲン

ツヤ肌を手に入れるには、化粧水やクリームを使い惜しまないことも大切です。保湿力が高く、かつお肌に合ったアイテムを選び、推奨されている量をやや上回るくらいの量を使うことで効果が期待できます。いつものアイテムだけで物足りなさを感じる場合、導入美容液も併用するとよいでしょう。

3-4.たるみ

たるみの悩みには、お肌の水分不足やハリ不足をケアする成分の入ったアイテムが有効です。

【たるみに有効な成分の例】

●レチノール
●コラーゲン
●抗酸化成分ビタミンC
●ポリフェノール
●ビタミンE

お肌のコラーゲンやエラスチンの減少・変性や、土台となる筋肉の衰えもたるみの原因です。そのため、表情筋を鍛えることもたるみの対策に有効とされます。

3-5.シワ

シワに有効な対策は、原因によって異なります。

血行不良が原因の場合

対策保湿に力を入れる
有効な成分の例●ヒト型セラミド
●密着型ヒアルロン酸
●スーパーコラーゲン

加齢が原因の場合

対策ハリ感アップや弾力アップにアプローチする成分を取り入れる
有効な成分の例●ビタミンC
●レチノール
●リンクルナイアシン

ただしシワの原因が表情グセの場合は、スキンケアによる劇的な改善は期待できません。

まとめ

30代にみられるお肌の悩みは、肌質にスキンケア方法・スキンケアアイテムが合っていないことが原因である場合もあります。

洗顔時は泡で優しく肌を洗い、化粧水に乳液やクリームを被せると、お肌の悩みをある程度落ち着かせることが可能です。また、有効とされる美白成分配合のアイテムを取り入れるのもよいでしょう。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

40歳のたるみに効果的な予防法3選|ハイフ治療のメリット

年齢を重ねるごとに顔が変化することは分かっていても、鏡を見たときに目につくしわやたるみを何とかしたいと悩む人は少なくありません。特に、40代を迎えたころからは、顔全体のたるみが目立ち始める傾向にあります。顔のたるみを改善・予防したい場合は、たるみの原因に応じた予防法を実施することが大切です。

この記事では、40歳から目立ちだすたるみの原因と効果的な予防法を解説します。自分の顔がたるんできたかを判断する基準もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

1.40歳から目立つたるみの原因とは?

人によってたるみが発生するタイミングや原因は異なりますが、おおむね40歳前後から目立ち始めるケースが一般的です。40歳ごろから目立ち始めるたるみには特有の原因があります。たるみの発生源を知ることで、自分にとって適切なケア方法を見つけることができるでしょう。
ここでは、40歳ごろから目立つたるみの原因を3つ解説します。

1-1.加齢による表情の衰え

皮膚と皮下組織の下にある表情筋が衰えて皮膚や脂肪の重みを支えきれなくなり、垂れ下がることが顔にたるみができる原因の1つです。加齢によって身体の筋肉が落ちやすくなるように、顔の表情筋も衰えやすくなります。さらに、筋肉は日常的に使用していないと衰えるものであるため、普段からあまり表情を動かさない人は要注意です。

平均的な日本人が日頃から動かしている表情筋は、全体の3割程度と言われています。デスクワークが多い人や、マスクをつける機会が多い人は特に表情を動かさない傾向にあるため、意識的なトレーニングが重要です。また、普段から同じような表情ばかりを浮かべるクセがある人も、表情筋の発達具合が偏るため皮膚にたるみや歪みが生じます。

1-2.紫外線・乾燥による肌のダメージ

加齢によって皮膚の新陳代謝や回復力が低下した状態で、紫外線や乾燥による肌ダメージが蓄積することも、皮膚がたるむ原因の1つです。

紫外線は皮膚の奥まで達し、活性酸素を発生させることで真皮を形成するコラーゲン繊維を硬くします。さらに、肌のハリや弾力を保つために必要なコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの成分を生成する細胞への悪影響も少なくありません。真皮が硬くなった上にこれらの成分が減少するとハリを失った皮膚がしぼみ、たるみとして現れます。

また、肌が乾燥するとコラーゲンなどを維持するために必要な水分量が減少してハリが失われやすくなる上、皮膚の新陳代謝も低下します。剥がれにくくなった古い角質が表面の水分を奪い、さらに乾燥を招く悪循環に陥るケースも珍しくありません。

1-3.頭皮のハリの弱まり

頭皮のハリが弱まることも、顔にたるみが生まれる原因です。頭皮と顔の皮膚はつながっているため、頭皮がたるむとその下にある皮膚も同時に垂れ下がります。頭皮のハリが弱まる原因も、顔と同じく加齢や紫外線の影響が大きいと言えるでしょう。

頭皮のマッサージをしたりシャンプーなどを見直したりすることで、頭皮環境の改善は期待できますが、紫外線による頭皮へのダメージまでは防げません。頭皮に日焼け止めを塗ることは難しいため、日頃から帽子や日傘などを使用しできるだけ紫外線を防ぐことがポイントです。

2.【40歳以上】顔のたるみの判断基準

加齢とともに顔の変化が気になってきたものの、実際にどこまで変われば「たるんでいる」と言えるか分からない人も多いでしょう。一般的には、下記のような症状が見られると「顔にたるみがある」と判断することができます。

・目の下や涙袋が目立つようになった
若いときと比べて涙袋が大きくなった・目の下がぷっくりと膨らんできた場合、たるみが生じていると言えるでしょう。目の下のたるみは、皮膚のたるみが原因の場合と、まぶたを開ける眼瞼挙筋が原因の場合があります。

・まぶたが重く見えるようになった、二重の幅が曖昧になってきた
上まぶたの位置が下がって目が細く見える、二重の幅が狭くなってきたという場合も、たるみが生じた状態です。目の上のたるみは、主に「眼瞼挙筋」が衰えて皮膚と脂肪の重さを支えきれなくなり、上まぶたが下がることで生じます。

・ほうれい線、マリオネットラインが強くなった
ほうれい線やマリオネットラインが強くなる原因の多くは、顔のたるみです。頬や口まわりの筋肉が衰えたり伸びたりすることで重さを支えきれなくなり、皮膚や脂肪が垂れ下がることで生じます。仰向けになって鏡を覗いたとき、ほうれい線やマリオネットラインが薄くなっていればたるみが生じている状態です。

3.40代のたるみに効果的な予防法

加齢に伴って生じるたるみを完全になくすことはできません。しかし、40歳をすぎてからでも生活習慣の見直しやたるみに特化したケアを行うことで、できてしまったたるみの進行を緩やかにすることが可能です。

ここでは、40代に見られるたるみの進行をセルフケアで防ぎつつ、今後の発生を抑えたい場合に効果的な方法を紹介します。

3-1.顔回りの筋肉を意識して動かす

加齢による表情筋の衰えが原因でたるみが生じている場合、顔周りの筋トレで進行を抑えられるケースもあります。目元周りが気になる場合は「眼輪筋」、頬のたるみが気になる場合は「頬骨筋」、口周りが気になる場合は「口輪筋」を中心に鍛えるとよいでしょう。

初めのうちは、日頃から意識して表情を豊かにする、食事中に噛む回数を増やすといったことだけでも表情筋を鍛えることが可能です。表情筋を鍛えることでしっかりと皮膚や脂肪の重みを支えられるようになり、たるみの改善に加えて表情のクセが改善される可能性もあります。

3-2.肌質に適したスキンケア・頭皮ケアをする

紫外線や乾燥による肌ダメージが原因でたるみが生じている場合、しっかりと紫外線を防いで保湿をすれば進行を遅らせることが可能です。日光に含まれる紫外線は一年中降り注いでいるため、季節にかかわらず日焼け止めを塗り、帽子や日傘などを活用しましょう。

また、普段のスキンケアや頭皮ケアにも保湿力の高い成分が配合され、かつ肌質に合ったアイテムを選ぶことで乾燥を防ぐ効果が期待できます。ヘッドスパや頭皮マッサージなどもおすすめです。

3-3.生活習慣を見直す

日頃の生活習慣を見直すことでも、顔のたるみ改善が期待できます。例えば、身体が必要とするだけの睡眠時間を確保すると、自律神経やホルモンバランスを整え、肌の新陳代謝を正常化できます。

また、適度な運動により肥満を抑制すれば、顔についた脂肪が原因で起こるたるみの防止につながります。また、偏りのない食事で身体に必要な栄養素をしっかりと摂り込むと、顔の若々しさも維持しやすい傾向です。

4.40歳からのたるみには「ハイフ」でのアプローチも!

40歳から目立ち始めるたるみへの対策として、美容医療の1つである「ハイフ治療」も選択肢に挙げられます。ハイフ治療とは、肌の上から超音波を照射して皮下組織を熱エネルギーで刺激する治療方法です。40代以降の顔がたるむ主な原因の1つである、SMAS筋膜を収縮させることで、たるみ改善効果やリフトアップ効果が期待できます。また、コラーゲンの生成が促されることによる、肌のハリ感アップなども期待できるとして人気です。

ただし、ハイフ治療の効果が感じられるかには個人差があります。たるみの原因や持って産まれた肌質なども影響するため、必ずしもすべての人に納得できる効果が表れるわけではありません。

まとめ

40歳を超えたころから、加齢に伴った表情筋の衰えや紫外線・乾燥による肌ダメージ、頭皮のハリ低下が顔のたるみとして目立ってきます。立って鏡を見たときと、仰向けになって鏡を見たときの印象が変わるのであれば、たるみケアを考えてみてもよいでしょう。

この記事を監修したドクター
CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

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