ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト! vol.5

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト!

連載 vol.5

毎日のケアはもちろん大切だけど、気になる肌悩みがあるのなら、美容医療に頼るのもひとつの手。そこで、肌悩み別に注目の治療をピックアップ。その特徴や効果についてドクターにたっぷり教えてもらいます。

お話を伺ったのは…

CLINICA BellaForma
佐藤 英明 院長

形成外科専門医・レーザー専門医。「北里研究所病院 美容医学センター」のセンター長に最年少で就任(2001年当時)。美容外科手術だけではなく、注入療法などにも精通。

Clinic Data

東京都港区赤坂2-3-5 赤坂スターゲートプラザ16F
TEL 0120-140-220 診察 10:00~19:00 
休日 木曜

今月のテーマ

「二重アゴ」改善

脂肪の増加や加齢によって
二重アゴが目立つように

年齢を重ねるにつれ、顔のたるみと共に二重アゴが気になってきた、という声も多く聞くように。セルフケアでは、なかなか改善しないこともあり、読者アンケートの結果でも、たるみや二重アゴ解消のため、医療ハイフに興味を持つ人が多くいる様子。ここ数年、たるみ改善やリフトアップの治療としてメジャーになったハイフ。二重アゴ改善にも効果があるのでしょうか?
「二重アゴの要因は、体重の増加や加齢による皮膚のたるみ、下アゴ骨の萎縮などが考えられます。医療ハイフは、皮下脂肪の減少と皮膚のたるみ改善に高い期待ができるため、二重アゴ改善にもとても有効です。ただし、一口にハイフといっても担当する医師の知識や技術力、使用するマシンによっても効果は異なる上、ハイフに限らず美容医療には少なからずリスクはあるので、事前にしっかりリサーチをして、受診するクリニックを選びましょう。また、医療機関ではなくエステなどでハイフを受けたことがある人もいると思いますが、2024年の6月7日に厚生労働省より、高密度焦点式超音波(HIFU)利用に関する医師法違反通知に基づく要請があり、ハイフは、医療提供施設においてのみ行うことが義務付けられました。つまり、医療機関ではないエステなどでのハイフ施術は禁止となったのです。エステハイフが禁止されたことをまだ知らない人もいるかもしれないので、改めて周知させていただきます。効果や安全面を考えてもハイフ治療を検討している人は、必ず医療機関で相談をしましょう」
(佐藤先生)。

読者にリサーチ!

Q1.医療ハイフに興味はありますか?

A.

Q1.エステハイフを
受けたことがありますか?

A.

約7割の読者が医療ハイフに興味を持っているものの、まだ未体験の人も多数。特に、顔のたるみや二重アゴ解消のために、ハイフに興味を持っている様子。また、過去にエステハイフを体験したことがある人も。

※現在は、医療提供施設以外でのハイフ施術は禁止となっています。
※2024年10月、宝島社の公式Instagramでのアンケートによる

二重アゴの主な要因

  • 1

    体重増加による
    脂肪の蓄積

    筋肉量が増えずに体重のみ増加した場合は、その分脂肪が増えたことに。脂肪がアゴまわりつくことで目立つように。

  • 2

    加齢による
    皮膚のたるみ

    加齢によってコラーゲンやエラスチンが減少することで皮膚がたるみ、脂肪を支えられなくなり、二重アゴが目立つように。

  • 3

    下アゴ骨の萎縮

    加齢などにより骨密度が低下し、下アゴの骨が縮むことで脂肪を支えられなくなり、二重アゴや首のシワの要因に。

二重アゴ改善の美容医療での解決策!

「医療ハイフ」

二重アゴの要因に
ピンポイントでアプローチ!

「医療ハイフは、皮下組織(脂肪)やSMAS層にもアプローチすることができ、皮下脂肪の減少や皮膚の引き締めに対して有効で、二重アゴの主な要因である、脂肪やたるみを改善する効果に期待ができます。他にも皮下脂肪やたるみを改善する治療はありますが、ダウンタイムがほぼないこともオススメの理由です」

二重アゴ解消の注目治療「医療ハイフ」について深掘り!

医療ハイフとはそもそもどのような治療なのか、また二重アゴに対する治療のメカニズムなどについて、佐藤先生に教えていただきます。

私がレポートします!

Q.そもそもハイフとは、どのような治療?

A.
ハイフとは、High Intensity Focused Ultrasound の略称で、日本語では高密度焦点式超音波治療を指します。ターゲットとなる部位に超音波を照射し、皮膚表面や他の組織を傷つけることなく、熱エネルギーの刺激によって皮膚の引き締めや、コラーゲン・エラスチン産生の活性化を担う施術で、たるみやシワの改善に高い効果が期待できます。皮下組織(脂肪)やSMAS層に対しても非侵襲的に治療が行えるメカニズムから、フェイスリフト(手術)と同等のリフトアップ効果が得られるとも言われています。ドット式とリニア式があり、ドット式は一点に焦点を合わせるので引き締め効果が高く、リニア式は線状に焦点を合わせることで、広い範囲で脂肪を燃焼させる作用や肌質の改善に期待ができます

真皮層よりも深い部分にある皮下組織(脂肪)やSMAS層にもアプローチ可能。

Q.医療ハイフの特長は?

  • 1

    皮下組織(脂肪)やSMAS層に
    アプローチ可能

    レーザーや光(IPL)、高周波(RF)などでは届きにくかった肌の深層にある皮下組織やSMAS層にもアプローチできる点が大きな特長です。コラーゲン生成だけではなく、ハイフのエネルギーを直接的に用いて収縮させることにより、皮膚や皮下組織の引き締めも可能に

  • 2

    目的に応じて、
    深さや出力を調節できる

    肌悩みはもちろん、脂肪や筋肉の状態に合わせて医師が照射深度や出力を細かく調節しながら施術を行うので、高い効果に期待ができます。当院では、最新のハイフマシンを導入しており、0.5mm間隔で照射する深さを調節できるので、より個々に合わせた施術が可能です

  • 3

    ボディの引き締めや脂肪減少も可能

    導入しているマシンにもよりますが、二の腕や太もも、ウエストなどの脂肪の厚い部分への照射もできるため、顔だけではなくボディのリフティングやタイトニング、脂肪減少効果にも期待ができます。また、美容以外にも前立腺肥大などの治療にも使われています

肌の深い層にもアプローチできるから、様々な効果に期待ができるんですね!

Q.二重アゴに対し、どのように作用するの?

A.
肌状態によってアプローチ方法は異なりますが、たるみの要因となるSMAS層に超音波エネルギーをピンポイントで照射し、肌を引き締めつつ、コラーゲンやエラスチンの増生を促進。さらに、皮下組織に広範囲で照射し、脂肪細胞の溶解、排出を促進することで、シャープな輪郭に導きます。ただし、皮膚のたるみが少な過ぎたり、たるみ過ぎている場合は効果に期待できないことも。また、皮下脂肪が少ない方は凹みが強調されてしまう可能性もあるため、事前にしっかり医師と相談をしてから施術を受けましょう

Q.施術を受けたあと、二重アゴはどのように変化する?

A.
個人差はあるものの、施術直後でもハリ・ツヤ感がアップし、肌の引き締まりを実感できると思います。また、コラーゲンなどの生成が促進されることで、2カ月後あたりから、さらに高い引き締め効果を実感でき、6カ月ほど効果は持続します

大きな予定があるときは、より高い効果を実感できる2カ月くらい前に受けるのがベスト

Q.痛みやダウンタイムはどのくらい?

A.
痛みの感じ方には個人差がありますが、わずかに熱感があります。ほとんどの方が麻酔無しで施術を受けていますが、笑気麻酔の併用も可能です。また、ダウンタイムはほぼなく、施術直後からメイクも可能です。人によっては軽度の発赤、ほてり感、腫れ、かゆみを伴うこともありますが、一時的な反応で数時間~数日で落ち着くと思います

Q.他の超音波治療機との違いは?
また、エステハイフとの違いは?

A.
ハイフは焦点式のため、狙った層に直接熱を加えることができ、皮下組織やSMAS層にもピンポイントでアプローチできます。また、表皮にダメージが少ないので、ダウンタイムがほぼないことも他の超音波治療機との大きな違いです。現在は禁止されていますが、一般的にエステハイフは低出力で浅い層に作用することが多いため、望むような効果を得られず、施術回数や費用がかさむことも。また、正しい解剖の知識がないのに施術を行うことで、熱傷や神経麻痺などのトラブルもあったので、ハイフを検討しているのであれば、必ずクリニックで医療ハイフを受けましょう

今月のまとめ

二重アゴの大きな要因である脂肪とたるみの両方にアプローチできるのは心強い! ダウンタイムがほぼなく、効果実感も高いことから人気のハイフ治療。とはいえ、リスクはゼロではないので、しっかりリサーチして、信頼できるクリニックで受けたいですね!

●費用:全顔 ¥220,000(院長が施術する場合、別途¥11,000) ●施術にかかる時間:1回約30~60分 ●痛みの程度:熱感が生じる場合があります。(個人差があります)
●ダウンタイム期間&リスク:ダウンタイムは基本的にありません。まれに、施術後に肌に赤みなどが出る可能性もありますが、通常は数日間で回復します。また、感染、熱痛、神経麻痺、色素沈着、毛包炎、紅斑などの可能性もあります。(個人差があります)
●治療期間・回数:3~6カ月に1回のペースで3~6回 ※全て施術内容により異なります。
〈施術に関するお問い合わせ先〉
CLINICA BellaForma
東京都港区赤坂2-3-5 赤坂スターゲートプラザ16F ☎0120-140-220

illust:NOZOMI YUASA text:AYA MATSUBARA
※画像・文章の転載はご遠慮ください
(©宝島社 &ROSY 2025年2月号掲載)

シワがない人の3つの特徴|シワ予防・改善のために心がけたい習慣も!

老けた印象を与える顔のシワをなくしたい・防ぎたいと考える方は多いでしょう。一方で、同じ年代でも、シワがあまりなく、若々しい印象を保っている方を見かけた際に、どのような習慣や共通点があるか気になるのではないでしょうか。

この記事では、シワができにくい人の3つの特徴から、シワができやすい人の5つの特徴、シワ防止・改善のためのアプローチ4選までを紹介します。シワを防ぎ、いきいきとした素肌を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.シワができにくい人の3つの特徴

シワのできやすさには生活習慣や肌質が大きく関係しています。シワができやすい人とできにくい人の違いはどこにあるのでしょう。シワが少なく見た目年齢が若く見える人には、以下の3つの特徴があります。

・肌にハリがある
・健康的な体型をしている
・姿勢がよい

ここからは、シワが少ない人の特徴とシワが少ない理由について詳しく説明します。

1-1.肌にハリがある

シワが少ない人の肌にはハリがあります。ハリのある肌とは、赤ちゃんの肌のような、みずみずしく滑らかな肌のことを指します。乾燥肌になりバリア機能が弱まると、毛穴の開きや赤みなどの肌トラブルを起こす原因になり、肌ツヤが失われます。肌のツヤやハリを保つためには、乾燥対策をしっかり行いバリア機能低下を防ぐことが大切です。乾燥やシミの原因になる紫外線ケアも心がけましょう。

1-2.身体が引き締まっている

痩せすぎず、太りすぎず、健康的な体型をしていることもシワが少ない人の特徴です。顔がふっくらしているとシワは目立ちにくいですが、加齢によってたるんでくることもあります。一方、痩せすぎていると、不健康で老けている印象を与えやすくなります。

また、体重の大幅な増減を経験すると皮膚が伸びて元に戻らず、シワやほうれい線の原因になることもあります。適度な運動と正しい食習慣を心がけ、自分の体に合った体重をキープすることが大切です。

1-3.姿勢がよい

シワが少なく若々しい印象の人は、姿勢がよいことが多い傾向があります。姿勢が悪いと、見た目の印象が老けて見えるだけでなく、顔まわりの血行が悪くなりシワの原因になります。特に、スマホやパソコンを長時間しているとなりやすい「巻き肩」の姿勢は注意が必要です。首が前に出る巻き肩の状態では、耳下から首に向かう胸鎖乳突筋が緊張して硬くなり、血流やリンパ液の流れが悪くなります。

また、スマホを見ていると伏し目がちになることが多いので、目を開けるときに使う眼瞼挙筋が弱くなります。その結果、額をあげてまぶたを開けるようになり、額にシワができやすくなります。

2.シワができやすい人の5つの特徴

シワができにくい人がいる一方で、シワができやすい人もいます。シワができやすくなるNG習慣は主に以下の5つです。

・肌が乾燥している
・喫煙している
・暴飲暴食をすることがある
・不規則な生活をしている
・表情に癖がある

肌質や体質による個人差もありますが、適切なスキンケアやエクササイズ、生活習慣の見直しによって改善できる可能性があります。ここからは、シワができやすくなる原因について説明します。

2-1.肌が乾燥している

皮膚の一番上にある角質層には、肌に水分を蓄える保湿機能と肌を保護するバリア機能が備わっています。乾燥により、角質層の保湿機能が低下すると肌の水分が蒸発し水分不足になります。乾いた土がひび割れるのと同じように、肌も水分不足になるとハリが失われシワができてしまいます。乾燥が進行しシワが角質層よりも奥の真皮層に到達してしまうと、シワが肌に深く刻まれるため対処が難しくなります。

2-2.喫煙習慣がある

喫煙は健康だけでなく美容にも悪影響があることは医学的に証明されています。タバコが美容に与える影響には以下のようなものがあります。

・血管が収縮し血行の悪い顔になる
・老化の原因になる活性酸素が発生する
・コラーゲンやエラスチンの生産量が減る
・ビタミンCが不足し、シミやシワが増加する
・タールの影響で肌が黒ずむ、歯が黄ばむ

喫煙者の肌トラブルには、シワやシミ、くすみの他にニキビが治りにくいなども挙げられています。

2-3.暴飲暴食をすることがある

暴飲暴食は胃腸へ負担がかかるうえに、肌トラブルの原因になります。脂肪や糖質を多く摂りすぎると皮脂の分泌が活発になり、ニキビや肌荒れなどの肌トラブルを引き起こします。また、アルコールを分解するためには水分が必要であるため、お酒の飲みすぎは乾燥の原因にもなると言われています。

2-4.不規則な生活を送っている

不規則な生活で睡眠不足やストレスが多くなると、肌状態に悪影響を及ぼします。睡眠不足は目の下のクマなど見た目の変化だけではなく、新陳代謝(ターンオーバー)を妨げます。ストレスも同様に、肌の新陳代謝を乱す要因です。新陳代謝が乱れると、肌のバリア機能が低下し、肌荒れやシワができやすくなります。

2-5.表情に癖がある

無意識にしてしまう表情の癖も、シワができやすくなる要因になるので注意が必要です。表情ジワができやすい部位は以下の通りです。

・目を見開くとできる、額の横ジワ
・笑ったときにできる、目尻の笑いジワ
・目を細めるとできる、眉間の縦ジワ
・笑うと顎にできる、梅干しのようなシワ

また、スマホを見る時間が長くうつむき姿勢が多い、同じ方向ばかり向いて寝ている場合も重力によって頬がたるみ、ほうれい線が目立つ傾向にあります。

3.シワを防ぐ・改善にアプローチするための4つの習慣

シワを防ぎ改善するためには、シワの少ない人の習慣を見習い取り入れることが大切です。肌質やライフスタイルには個人差があり、取り入れるのが難しい場合もあるものの、日々の習慣を見直すことで健康的でシワのできにくい体質に近づくことができます。シワ改善にアプローチするために見直すべき習慣は以下の4つです。

・保湿ケア
・紫外線対策
・規則正しい生活/食事
・エクササイズ

ここからは、シワ改善に効果的な習慣について詳しく説明します。

3-1.保湿ケア

乾燥によってできる乾燥ジワは、皮膚の表面に細かいちりめん状となって出てきますが、しっかり保湿することで、改善が期待できます。乾燥予防には、セラミドやヒアルロン酸など保湿効果が高いと言われている成分を含む化粧水などの使用がおすすめです。また、年齢を感じさせやすい目もとや口もとは、専用のスキンケア用品を使用した手入れが大切です。

3-2.紫外線対策

紫外線のUVA波は、肌の奥の真皮層にまで到達し、ハリや潤いを保っているコラーゲンやエラスチンなどの組織を破壊します。真皮層に届いた紫外線ダメージは、シワを深く刻むため、自力での改善が難しくなります。

季節を問わず日焼け止めを塗り、肌のバリア機能を保つために保湿ケアも怠らないようにしましょう。また、効果が高い日焼け止めは肌への負担も大きいため、状況に合わせて使い分けることも大切です。

3-3.規則正しい生活

栄養バランスのよい食事は、シワの予防対策には欠かせません。以下の成分を多く含む食材を積極的に摂りましょう。

・牛すじなどコラーゲンを多く含む食品
・ひじきやレバーなど鉄分を含む食品
・ビタミンCが豊富な果物や野菜
・魚に含まれるオメガ3脂肪酸
・大豆製品に多いイソフラボン

便秘は肌荒れの原因になるため、発酵食品を食べて腸内環境を整えることが大切です。また、肌の再生は寝ている間に行われるため、質のよい睡眠を心がけましょう。

3-4.エクササイズ

表情筋の衰えは、たるみやほうれい線の原因になります。顔のエクササイズは手軽にできるものが多いため、日々の習慣に取り入れることがおすすめです。

例えば、口を大きく開けて、「あ・い・う・え・お」と発声する、固いものやガムをよく噛むだけでも表情筋を鍛えられます。また、表情筋は首や背中の筋肉ともつながっているため、僧帽筋のマッサージやストレッチもたるみやほうれい線予防に効果的です。

まとめ

シワが目立たない人は肌にハリがあり、健康的な体型で良い姿勢であることが多い傾向です。一方で、しわができやすい人の多くには、肌の乾燥・喫煙・不規則な生活・表情の癖などの特徴や習慣が見られます。シワの防止や改善を目指したい方は、保湿ケア・紫外線対策・規則正しい生活に加え、表情筋を鍛えるエクササイズなども行いましょう。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

真皮シワとは?シワができる原因やシワ予防につながる習慣も紹介!

年齢を重ねると目立ち始める深いシワに悩む方は少なくありません。真皮シワは加齢により減少する成分以外に、表情のクセでも発生します。真皮シワの発生や悪化を防ぐためには、原因と原因に応じた対処法を知ることが大切です。

当記事では、真皮シワの原因やその他シワの種類について紹介します。真皮シワの予防につながる習慣や、すでにできた真皮シワを目立たなくする効果が期待できる成分についてもまとめているので、深いシワの原因や予防法を知りたい方はぜひご一読ください。

目次

1.真皮シワとは?

真皮シワとは、真皮まで達した深いシワのことです。ほうれい線やまぶたの下・額のシワなど、広い場所にできやすく、シワと同時にたるみが生じることもあります。真皮シワはくっきりとした深いシワのため、一度できたシワを元に戻すことは困難です。

真皮シワが生じる大きな原因は、加齢に伴う真皮内部のコラーゲンやエラスチンなどの減少です。そのため、20代の若いうちはあまり見られません。真皮シワは、40代、50代の方に多い悩みと言えます。

1-1.真皮シワの原因

肌組織は、表皮・真皮・皮下組織に分かれています。肌の表層にある表皮の役割は、異物の侵入や内部にある水分の蒸散を防ぎ、肌を保護することです。肌組織の大部分を占める真皮は、肌を支える役割があります。

真皮はコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などから成ります。エラスチンによって結びつけられたコラーゲンが網目状に張り巡らされ、網目の隙間には水分をたっぷり含んだヒアルロン酸が存在する状態です。

コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸は年齢を重ねるうちに次第に減少・変性します。皮膚の大部分を占める真皮が衰えると、肌はハリを保てません。ハリが失われた肌は、浅いシワがついても元の状態に戻らなくなり、やがて深くくぼんで固定化し真皮シワとなります。

1-2.真皮シワ以外のシワの種類

顔にできるシワには、真皮シワ以外にも以下のような種類があります。

乾燥シワ肌の水分が失われたときに肌表面にできる薄い線状のシワで、目元や口元などに現れやすいです。シワが細かいため「ちりめんじわ」「小じわ」などと呼ばれることもあります。乾燥によってできた浅いシワのため、丁寧な保湿ケアを続ければ目立たなくすることは可能です。乾燥シワを放置しているとシワが固定し、深いシワにつながるため注意が必要です。
表情ジワ表情のクセにより、皮膚が強く折りたたまれてできるシワで、笑ったときに目尻に現れるシワや眉をひそめたときにできる眉間のシワが代表例です。表情を浮かべたときにできる一時的なシワですが、加齢により肌から柔軟性が失われると元に戻りにくくなり、定着する恐れがあるため、早い段階での対処が必要となります。
ほうれい線・目の下のたるみジワ皮膚がたるんだことで起こる深いシワです。たるみは加齢や紫外線ダメージにより、顔の筋力が衰えたりコラーゲンやエラスチンが減少・劣化することで起こります。代表例は、ほうれい線や目の下のたるみジワが挙げられます。

シワの種類と特徴を見極め、それぞれのタイプに合わせたお手入れをすることが重要です。

2.真皮シワの予防につながる習慣

真皮シワは、表皮を越えて真皮層まで達した深いシワです。コラーゲンやエラスチンなど肌内部の成分の減少や劣化が関係しているため、一度できてしまうと元に戻すことは容易ではありません。そのため、日頃から予防を意識したケアをすることが大切です。

ここでは、真皮シワの予防につながる習慣を紹介します。

2-1.保湿をする

まずは、スキンケアの基本である保湿ケアを徹底しましょう。朝の洗顔後やお風呂上りは、特に肌が乾燥しやすい状態です。化粧水や乳液、美容液、フェイスクリームなどの基礎化粧品で肌に十分な潤いを与えましょう。

真皮シワの予防を意識するなら、ケアアイテムに含まれる成分にも注目してください。保湿効果が高い成分やエイジングケア成分、線維芽細胞を活性化する成分を含む商品を選ぶとよいでしょう。線維芽細胞とは、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった真皮の成分を生成する細胞です。

2-2.UVケアを行う

真皮シワができる原因は加齢だけではありません。紫外線も大きく影響しています。紫外線を浴びると波長の長いUV-Aが肌の奥まで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊します。

真皮シワの予防には、紫外線対策が欠かせません。季節を問わず日焼け止めを塗り、外出時には帽子や日傘を使用して紫外線による肌ダメージを防ぎましょう。UV-Aは窓ガラスを通過するため、室内にいても日焼け止めを塗ることがポイントです。

2-3.摩擦を避ける

洗顔後にごしごしと顔を拭いたり強い力でマッサージしたりなど、肌に摩擦を起こすことは肌トラブルの原因です。

真皮で肌を支えるコラーゲン繊維は、年を重ねるごとに柔軟性を失っていきます。強いマッサージなどで肌に大きな負担を与えると、コラーゲン繊維が損傷しかねません。コラーゲン繊維の損傷はたるみを招き真皮シワの原因につながるため、洗顔やケアの際は摩擦を避け、優しく触れましょう。

2-4.食生活に注意する

肌や身体は食べた物に含まれる成分から作られます。毎日の食事には、良質な動物性たんぱく質を豊富に含む肉・魚・卵、栄養豊かな大豆製品、ビタミンやミネラルを多く含む野菜・きのこをバランスよく取り入れましょう。

たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、肌や髪、筋肉を作る材料になります。コラーゲン繊維を生成する際にも欠かせません。大豆には、植物性たんぱく質の他、女性ホルモンと類似の働きをすると言われているイソフラボンも含まれています。

ビタミンやミネラルは、肌の調子を整えたりコラーゲンの合成をサポートしたりする働きがあります。体内ではほとんど生成できないため、食事から摂ることが不可欠です。

3.真皮シワを目立たなくする効果が期待できる成分

化粧品に含まれる成分が浸透するのは表皮の角層までのため、真皮への影響はほとんど期待できません。一方で、医薬部外品(薬用化粧品)の中には、真皮シワを目立たなくする作用が認められた成分が配合されているものがあります。日々の保湿ケアに加えることで、真皮シワの緩和が期待できるでしょう。

厚生労働省より認可を受けている3つの有効成分として、以下の3つがあります。

ナイアシンアミド肌の表層にある角層の状態を整え、コラーゲンやセラミドの産生を促します。コラーゲンやセラミドで肌のハリにアプローチすることで、シワを目立ちにくくすることが可能です。気になる部分を中心に丁寧になじませ、良好な角層を目指します。顔全体のケアに使える点が特徴です。
純粋レチノール肌のターンオーバーを促し、真皮の再構築をサポートする働きがあります。ヒアルロン酸の産生を促すことで、肌が保持する水分量を増やす働きも期待されます。純粋レチノールは、気になる部分への集中ケアに適しています。
ニールワン真皮成分を分解してダメージを与え、シワを作る酵素・好中球エラスターゼを発見し働きを抑制する成分として生み出された成分です。真皮成分の分解を抑え、シワが生成されるのを防ぐ効果が期待できます。純粋レチノールと同様に、気になる部分へ集中的に使いたい場合に適しています。

3-1.美容医療でシワを目立たなくできる場合も

有効成分が配合された美容液を使ったケアを行うことで、シワを目立たなくする効果を期待することはできます。しかし、自分で行うケアには限界があり、真皮にいたる深いシワを和らげることは難しいケースがほとんどです。

たとえば高密度焦点式超音波(ハイフ)は、皮膚表面より深い皮下組織にアプローチするもので、たるみに用いられることもあります。

まとめ

真皮シワは深いシワのため、一度できると元に戻すことができません。真皮シワは乾燥や表情のクセの悪化が主な原因です。自身のシワの原因を知り適切なケアを実施することで、真皮シワの悪化を防ぐことは可能です。保湿ケアやUVケア、食生活の見直しなどで、真皮シワを目立ちにくくする効果を期待できます。

できてしまったシワには、高密度焦点式超音波(ハイフ)が有効です。高密度焦点式超音波は皮下組織にアプローチすることでシワやたるみの緩和を目指す方法です。

この記事を監修したドクター
CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

40代でシワがない人の特徴は?老けて見られる原因も紹介!

40代は更年期を意識する時期でもあるため、さまざまな体調の変化により「肌の悩みが増えた」と感じる人も多いのではないでしょうか。シワやシミといった悩みは加齢とともに誰にでも起こる現象です。年齢を理由に諦めてしまわず、体調の変化に合った生活習慣の見直しや、自分の肌に合ったスキンケアを行うことで、シワやシミなどの予防につながります。

当記事では、40代で若く見える人の特徴をはじめ、老けて見える原因も6つ解説します。生活習慣を見直し、セルフケアだけでなく美容医療についても知りたいという人はぜひご覧ください。

目次

1.若見えする!40代でシワがない人の特徴は?

老けて見える原因として、顔の目立つ位置にシワができ、メイクでも隠しきれない悩みをもつ人も多いでしょう。一方で、40代でもシワが少なく、いつまでも若々しい印象の人もいます。実は、年齢より若く見える人には、いくつかの特徴があります。

若く見せるためには意識したいポイントをおさえましょう。ここでは、40代でシワがない人の特徴を3つ紹介します。

1-1.自分に合ったスキンケア・UVケアをしている

老けて見えるのを、年齢のせいにして諦めると、シワはひどくなります。シワなどの老化現象は、誰にでも起こることです。しかし、若々しく見える人は、こまめに自分のケアを欠かしません。自分に合ったスキンケアや、UVケアをしています。

スキンケアやUVケアを怠ると、老化が進んだり、肌のダメージにつながったりします。若々しく見える人は、シワを防ぐための努力をしている人です。例えば、以下のようなスキンケア・UVケアが基本となります。

・保湿効果の高い化粧品を使う
・日焼け止めや日傘などで、紫外線対策をする

保湿や日焼け止めは肌質に合うものを選ぶことが大切です。ライフスタイルに合わせた保湿パックやUV帽子を選び、UVケア商品では、SPFの数値も意識して使用しましょう。

1-2.生活習慣に気を付けている

老けた印象の顔と若々しい印象の顔では、生活習慣が大きく違います。老け顔にならないためには、肌に優しい生活習慣が大切です。具体的には、以下の通りです。

・週に1回運動をする
・肌に刺激を与えない
・ハリやツヤを補うスキンケアをする

運動することで、肌のターンオーバーを促進し、美肌に導きます。運動は、肌の毛細血管の血液を隅々まで循環させ、血のめぐりをよくします。

また、肌への刺激は、肌の老化の原因です。洗顔やクレンジングの際には、強くこすらないように心掛けましょう。そして、ハリやツヤを補うスキンケアも大切です。年齢とともに失われがちなハリとツヤは、コラーゲンなどで肌の外から補います。

他の生活習慣では、食事、睡眠もとても大切な習慣です。また、40代は更年期も意識する時期でもあります。栄養バランスをとり、睡眠不足にならないように規則的な習慣を維持しましょう。

1-3.表情が明るい

表情が明るいのも大事な要素です。顔のシワ対策には、人生を前向きに楽しむ姿勢が肝になるでしょう。40代になると、顔のシワなどが目立ちはじめる原因として「無表情」があります。年齢とともに表情が乏しくなるため、顔の筋肉が劣化し、代謝が悪くなる傾向があります。
若々しく見える人の行動には以下のような特徴があります。

・明るく笑顔が多い
・自分磨きをしている
・自分に合った洋服やメイクをしている

明るく笑顔が多い人は、内面から出てくる感情が目に表れます。また、口元は、年齢とともに緩みやすいパーツです。そのため、口角を上げることで表情筋が鍛えられ、生き生きとした印象になります。また、顔のマッサージも効果的でしょう。そして自分磨きは、気持ちをポジティブにします。さらに、自分に合った洋服やメイクは、美しく見せてくれるでしょう。

2.【40代】老けて見える6つの原因

40代になると、肌の変化が気になりはじめる人も多くいます。40代の肌は「2度目の曲がり角」と言われ、複合的な肌の悩みが出る時期です。理由には、以下のような原因が考えられます。

・女性ホルモンの減少
・加齢による保湿三大因子の減少
・線維芽細胞の働きの衰え

まず、女性ホルモンの減少によって、コラーゲンを生成する力が弱くなるのが原因の1つです。また、肌の潤いを保つ保湿三大因子が減少したり、線維芽細胞の働きが衰えたりすることで、肌の老化が進む可能性があります。

若々しく見られるには、老けて見える理由を把握することが大切です。ここでは、老けて見える6つの原因を紹介します。

2-1.シワ

シワは、おでこ、目頭、口元、目元など、顔のさまざまな部分に見られます。その原因は、体力や代謝の低下です。「疲れやすくなった」と感じるような体力や代謝の低下によって、肌の代謝も下がり、ハリや潤いなどが少しずつ失われます。そのため、シワが現れやすくなります。

2-2.シミ・くすみ

シミ・くすみは、老けて見える大きな原因の1つです。シミは、長年紫外線を浴びることで肌の老化現象につながります。多くのシミは、紫外線による「光老化」によって現れます。光老化とは、長い時間をかけて貯蓄されて起こる肌の変化です。

また、くすみでは、40代の肌のターンオーバーが遅くなるため、古い角質が代謝され定着して起こります。そのため、肌色が変化し、くすんで見えるようになります。

2-3.たるみ

たるみの原因には「皮膚内部の老化」と「骨格老化」という2つの老化があります。皮膚内部の老化は、肌の真皮層にあるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が衰えることで起こります。ハリと弾力を支えるコラーゲンやエラスチンと、水分を抱えるゼリー状の物質のヒアルロン酸は、健やかな肌に必要な成分です。

骨格老化は、老化によって顔の骨の骨量が減って、顔面骨が萎縮するため骨格が変化します。そのため、皮膚が影響を受けてたるみやくぼみができます。老化による変化は、皮膚の変化だけではありません。

2-4.クマ

目の下のクマの原因は、表皮をバリアする機能が低下するため起こります。そのため、乾燥が進行したり、メイクの刺激を受けやすくなったりします。また、真皮層にあるコラーゲンなどの生成が減るため、肌のハリが弱くなるのも要因の1つです。骨や筋肉の衰えによって、支えられなくなった脂肪が出るため、目の下のくぼみや影も目立つようになります。

2-5.白髪・髪のパサつき

髪の毛は面積が広く、第一印象に残りやすい部分です。髪の毛は、年齢とともにツヤが失われます。ツヤのないパサついた髪は、老けたイメージを与えるでしょう。また、加齢によって、白髪も増えていく傾向にあります。

40代になったら、年齢に合ったへアスタイルにするなどの対策が必要です。さらに、時代の変化に合わせたヘアスタイルにすると、若々しい印象になります。

2-6.体型・姿勢

若々しい人と老けて見える人の違いには、体型や姿勢にも現れます。姿勢によっては、痛みや病気につながる可能性もあるため、習慣としてついたクセを見直すことは大切です。ここでは、老けて見える姿勢を3つ紹介します。

猫背猫背は、肩から腰が丸くなった姿勢です。そのため、体のバランスをとろうとして、お腹が出てきます。猫背は、便秘や逆流性食道炎になるリスクがあります。
巻き肩また巻き肩は、肩が前に出ている姿勢です。長時間、前かがみの姿勢の人に多い傾向があり、胸郭が狭くなるため、肩こりや呼吸器障害を引き起こしやすいでしょう。
カメ首さらにカメ首は、いわゆるストレートネックとも言われます。首が前に傾き、頸椎のカーブがない状態です。カメ首は、二重あごの原因になったり、猫背や巻き肩との併発につながったりします。

3.【40代】セルフケアに加えて美容医療という選択肢も!

40代になると、さまざまな原因によって肌の悩みが一気に増えます。しかし、日頃のスキンケアや食事や睡眠といった生活習慣を見直すことで、シワやシミの予防が期待できます。定期的に、スキンケアの美容成分をチェックすることも大切です。しかし、セルフケアには限界があり、仕事が忙しかったり子育て中で時間が限られたりと、思うようにケアが行き届かない場合もあるでしょう。

もし、シワやエイジングケアで悩んでいる場合は、美容医療に相談する方法もあります。現在の美容医療には、シミやくすみを治療する「レーザー治療」や、シワやたるみを軽減する「医療ハイフ」という施術もあります。「医療ハイフ」では、シワ、たるみ、シミ、くすみの改善が期待できるため、肌にハリを出し若々しい印象を与えられるでしょう。

まとめ

40代でシワがない人には「自分に合ったスキンケア・UVケアをしている」「生活習慣に気をつけている」「表情が明るい」といった特徴があります。老けて見える原因にはたるみや目の下のクマ、体型や姿勢などがあります。40代は更年期を意識しはじめる時期でもあるため、体調の変化に合わせた生活習慣の見直しや、自分の肌に合ったスキンケアをすることで、シミやシワの予防につながるでしょう。

すでにできてしまったシワには、シワやたるみの軽減が期待できる施術「医療ハイフ」も1つの方法です。

※ハイフ治療の副作用・リスク:感染、熱傷、神経麻痺、色素沈着、毛包炎、紅斑
※治療の効果や痛みの感じ方には個人差があります。

この記事を監修したドクター
CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

シワの種類を4タイプに分けて解説!注意すべきシワの原因も

代表的なシワの種類は、乾燥ジワ・表情ジワ・真皮ジワ・たるみジワの4つです。それぞれの特徴やできやすい場所などを把握し、適切なケアを行いましょう。また、シワのケアを行うにあたって、シワの原因を考えることも重要です。

この記事では、シワの種類の詳細から、シワが深くなる5つの原因と対策までを解説します。シワが気になるものの、どのような方法で予防や改善ができるか分からずお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.主なシワは4種類

人間の肌は、「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの皮膚層で構成されています。

名称構造役割
表皮(約0.3mm)角質層、顆粒層、有棘層、基底層水分保持、外部の刺激からのバリア機能
真皮(約1.5mm)コラーゲン、線維芽細胞、血管、皮脂腺、汗腺表皮を支え、肌の潤いや柔軟性を維持
皮下組織筋肉、脂肪、動脈、静脈、リンパ管体温の維持、刺激を和らげる

「シワ」とは、肌の表皮や真皮に現れる線・ヒダ・隆起のことを意味し、老化過程の変化として発生します。一言でシワと言っても、「発生の原因」や「肌のどの部分まで及んでいるのか」によって下記のような種類に分けることができます。

乾燥ジワ皮膚の水分や柔軟性が失われることでできるシワ
表情ジワ同じ表情を繰り返すことで起こる線状のシワ
真皮シワ肌老化や紫外線ダメージにより発生する深いシワ
たるみジワさまざまな要因により皮膚が垂れ下がることで起こる深いシワ

正しく予防やケアをするためにもシワの種類について理解を深めましょう。

1-1.乾燥ジワ

乾燥ジワとは、乾燥小ジワやちりめんジワとも呼ばれる表皮に現れる比較的浅いシワです。皮膚の水分量が不足し乾燥状態になることで「角質層が厚くなる」「ターンオーバーが早まる」「しなやかさが失われる」といったさまざまな変化が起こります。このような乱れた肌コンディションの状態で皮膚を動かすことで、表皮が落ちくぼみ溝(シワ)が発生します。

瞬きや咀嚼などで動きのある目尻や口元に発生する傾向にあり、人によっては30代頃から目立ち始めるでしょう。他のシワと比べて対処しやすいのが特徴で、水分や油分を補うことで症状を和らげることができます。

1-2.表情ジワ

ハリと弾力性のある肌ではすぐに消えてしまう表情癖による線も、柔軟性が失われた肌ではクッキリとシワとして刻み込まれ「表情ジワ」として定着してしまいます。目を細める、眉を動かす、眉間に力が入るなど、表情が豊かな人や顔の動きに癖を持っている人に起こりやすいシワです。早い人では30代頃から「ついたシワが消えにくくなった」と感じる人が増え始め、40代以降では表情を変えていない時にもシワが目立つようになってきます。

シワができている部分から、自分がどのような表情の癖を持っているのか考え対策をしましょう。併せて保湿ケアも行い、肌の柔軟性を保つことも大切です。

1-3.真皮ジワ

真皮の保湿力や弾力性が失われ、表情ジワや乾燥ジワがより深く真皮部分にまで刻み込まれることで発生するのが「真皮シワ」です。40代後半~50代のターンオーバーが遅くなるタイミングで一気に目立つようになり、年齢とともにその数が増します。

紫外線ダメージによる真皮の変性や加齢によって線維芽細胞機能が低下した状態の肌に起こりやすく、保湿ケアだけでの改善は難しいでしょう。コラーゲンやエラスチンといった肌内部のたんぱく質への働きかけを行い、真皮が持つ本来の働きを取り戻すことで進行を和らげる効果が期待できます。

1-4.たるみジワ

筋肉の衰え・紫外線ダメージ・皮下脂肪の増加・姿勢・喫煙・生活習慣などにより、皮膚が脂肪や皮膚組織を支えられず垂れ下がった状態になることで、たるみが発生します。たるんできた部分が折れて線のようになることから始まり、次第に深くシワとして定着したものが「たるみジワ」です。

現れる部分によって「ほうれい線」とも呼ばれるこのシワは、目の下のくぼみや首の下などにも起こりやすく、老化による衰えとして多くの人が悩まされる深いシワです。特に、若い頃からスポーツを楽しんでいた方など紫外線の影響を強く受けていた人は要注意です。

肌を内側からケアすることに加え、代謝の改善やハイフ(高密度焦点式超音波)といったたるみ治療も併せて行うとよいでしょう。

2.要注意!シワが深くなる5つの原因

シワは、表皮に現れた浅い時点で対策することで進行を防げる可能性があります。特に、深く刻まれた真皮ジワをすぐに目立たなくすることは難しいため、日頃からのケアを心がけてください。

シワが深くなる5つの原因と今日から実践できる方法を確認し、健やかな肌を目指しましょう。

2-1.紫外線

「紫外線」とは太陽光から発せられる目に見えない光線のことで、「UVA」と「UVB」という2つの波から構成されています。

波の種類特徴
UVA(紫外線A波)●真皮層にまで影響を与える
●コラーゲンやエラスチン組織の破壊、変性
●通年降り注ぐ
●雲やガラスも通過する
●蓄積され、後から影響が出る
UVB(紫外線B波)●強いエネルギーだが、表皮への影響にとどまる
●シミや日焼けの原因
●日本では6月~9月に多い
●雲や木陰などで遮ることができる
●すぐに影響が出る

「UVA」が真皮内の組織を破壊・変性させることで、肌は弾力を失い組織のバランスが崩れ、真皮シワやたるみジワが起こりやすい状態となります。帽子や日焼け止めクリームなど基本的なUVケアを徹底し、肌ダメージの蓄積を減らすよう心がけましょう。

2-2.加齢

人間は20~30代をピークにさまざまな身体機能が衰えを見せはじめ、肌にも次のような大きな影響を及ぼします。

線維芽細胞の機能低下肌の弾力・保湿を司るコラーゲンやエラスチンといったたんぱく質を生成する「線維芽細胞」の機能が低下。これにより、乾燥・張りの低下・肌バランスの乱れが起き、シワができやすくなる。
筋力の低下表情筋の力が低下することで、顔の皮膚組織を支えきれなくなりたるみが発生。たるみが定着することで深いたるみジワとなる。
基礎代謝の低下代謝が悪くなることで、肌のターンオーバーが遅くなり角質が重層化して乾燥の原因となる。また皮下脂肪が増加することにもつながり、たるみを引き起こす。
女性ホルモン量の低下女性ホルモン量が低下することで、エストロゲンの分泌元である卵巣の機能が低下。エストロゲンが減少することで、肌の弾力や水分量の維持が難しくなる。

乾燥には保湿・代謝低下には適度な運動など、機能低下で失われた部分を日々のケアで補うことを意識しましょう。

2-3.乾燥

水分不足となった肌は、細胞が乾いて縮んだような状態になります。シワの始まりはこの乾燥肌が原因となっていることが多く、乾燥ジワの発生だけでなく他の種類のシワにも悪影響を及ぼすため注意が必要です。

表皮性のしわ予防において「保湿」は非常に重要です。スキンケア法を見直し、化粧水や美容液を活用した肌表面からのケアを徹底しましょう。また、こまめに水分補給を行い、体内の水分量もしっかりと維持することも大切です。

2-4.ストレス

心身に「ストレス」という名の負荷がかかると、肌にも次のような影響が及びます。

ストレスによる肌への影響
●表情筋がこわばり、表情ジワができやすくなる
●ホルモンバランスが乱れ、ターンオーバーが乱れる
●活性酸素が多く生成され、細胞の酸化(老化)が起こる

ストレスを溜めないためには、生活習慣を整え適度に身体を動かすことがおすすめです。就寝前のストレッチや半身浴など、心と身体を労わり上手にストレスを発散させましょう。

2-5.生活習慣

次のような生活習慣の乱れは、老化現象を早めることにつながりシワを深くする原因となります。

食生活の乱れ糖質過多(糖化)による新陳代謝の低下や油分の摂りすぎによる抗酸化物質の消費は、皮膚の健康を乱す原因となる。また、たんぱく質やビタミンの不足により肌の状態が悪くなる。
睡眠不足睡眠不足は、肌の新陳代謝に関係する成長ホルモンの分泌量低下を引き起こす。ハリが失われ、シワやくすみの原因となる。
喫煙煙草に含まれる有害物質の影響により、コラーゲンの生成が抑制される他、血行が悪くなり肌の老化現象が早まる。

キメの整った肌を維持するためにも、乱れた生活習慣を見直し心身ともに健康的に過ごしましょう。

まとめ

人間の肌は、表皮・真皮・皮下組織の3つで構成されており、真皮まで達する深いシワは、セルフケアでの改善が難しいと言われています。また、シワの原因は、紫外線・加齢・乾燥・ストレスなどと言われており、それぞれしっかりと対策を行いましょう。特に、紫外線対策は室内や冬場も気を抜かず行うことが大切です。

シワに効果的なハイフをはじめ、さまざまな手法があるため、検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を監修したドクター
CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

30代のシワ対策!パーツごとのケア方法やNG習慣を紹介

ターンオーバーの力が弱まり始める30代は、シワができやすくなるため早めのケアが重要です。シワの原因は、加齢以外にも乾燥や紫外線によるダメージなどが上げられ、日頃から対策をしておく必要があるでしょう。

この記事では、30代のシワケアが大切である理由やシワの原因などの基本情報を踏まえ、パーツ別のシワ対策について詳しく解説します。30代が気を付けたいシワを悪化させるNG習慣にも触れるため、シワを防ぎ若々しい印象を保ちたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1.30代もシワのケアが重要!

シワやシミなどの肌トラブルを引き起こす原因として、ターンオーバーのサイクルの乱れやターンオーバーの力が弱まることが挙げられます。ターンオーバーとは、肌の内側で新しい細胞を作り、内側の細胞が外側にある表皮を押し出してアカとしてはがれ落とすことを言います。つまり、ターンオーバーは肌の再生を繰り返すシステムです。

肌トラブルを防ぐために、ターンオーバーが理想的な周期で行われることが大切です。しかし、年齢を重ねるにつれて体内の血液循環が滞り、代謝が下がることで新たな細胞を作る力が弱まってしまいます。30代から少しずつターンオーバーの力が弱まると言われているため、日ごろからケアをすることが大切です。

1-1.そもそもシワの原因は?

シワができる主な原因は、肌の乾燥と紫外線によるダメージです。
肌が乾燥すると角質層に隙間ができ、小ジワの原因となります。エアコンによって空気が乾燥したり、睡眠不足が続いてしまったりすることで肌は乾燥しやすくなります。最近は小ジワに悩む20代も少なくありません。また、紫外線を浴びると「光老化」という現象が起き、シワができやすくなります。

さらに、30代になると、肌の乾燥によるシワや表情によって作られるシワが深く刻まれるようになります。乾燥によるシワを長期間放置しておくと深いシワになってしまうため、早めにケアをするようにしましょう。

2.【パーツ別】30代のシワ対策

気づかないうちにシワが増えていたという方も少なくありません。大切なことは、気づいたら早めに適切なケアを取り入れることです。加齢とともにターンオーバーの力が弱まるため、シワを放置しておくと気づかないうちに深いシワが刻まれてしまいます。

シワを防ぐために顔のパーツに合った適切なケアをしましょう。以下では、シワ対策の詳細を紹介します。

2-1.口元

口元のシワの主な原因は、乾燥の他、コラーゲンの減少と表情の癖です。紫外線の影響や加齢によりコラーゲンが減ることで、肌の表面を支えきれなくなってシワができます。また、笑ったり怒ったりなど表情の癖によってシワが作られて目立ちやすくなります。

以下では、口元のシワを防ぐための効果的な保湿方法を紹介します。

・ほうれい線

ほうれい線に沿って、口角から小鼻に向かって保湿

・口角~あごのライン

乾燥すると口元がたるんで見えてしまうため、あごから口角に向かって保湿

・あごの下~耳のライン

衣類がこすれることもあるため、下から上になでながらしっかり保湿。
口元のケアをするときは、下から上に向かって保湿することが基本です。

2-2.目元

目元のシワは、乾燥や紫外線、加齢などが原因として挙げられます。また、マスクの着用により、目の下の肌をマスクのワイヤーが押上げて目元を押上げ、シワの原因となることもあります。

目元のシワ対策の方法は以下の通りです。

・出かけるときは日焼け止めや帽子などで紫外線対策する
・ポイントリムーバーを使って摩擦を減らす
・コットンに化粧水を染み込ませたものを、3~5分ほど目の下に置く

2-3.おでこ

おでこのシワは、基本的なシワの原因に加えて頭皮や背中のコリ、目の疲れなどが影響しています。頭皮や背中のコリは、加齢に加えてストレスによっても起こります。

以下では、おでこのシワ対策について紹介します。

・頭皮マッサージ

こめかみから頭頂部にかけて円を描くようにほぐした後、前頭筋から頭頂部をつかんでほぐす。最後に、首の付け根から上に向かって後頭部を引き上げるようにほぐす。

・ながらストレッチ・表情の意識

耳上をつかむように5本指を置いて、外側を意識する。おでこを手のひらで押さえて、おでこが動かないように口を開くトレーニングをする。

・おでこを上げて血流アップ

仰向けになり、眉山を両手のひらで押さえながら持ち上げる。

2-4.

首のシワには縦ジワと横ジワがあります。縦ジワは加齢や筋力の低下などで起こり、横ジワは生活習慣が原因で起こります。

以下では、首のシワ対策について紹介します。

【縦ジワ対策】

・首の保湿
・マッサージ
2~3本の指を使ってあご下のくぼみ~耳の下にかけて指圧し、耳の下から鎖骨に向かって指で押し流す。鎖骨の中央に向かった後、鎖骨の下を通って肩にかけてマッサージする。

【横ジワ対策】

・前かがみにならないよう、姿勢を整える
・枕の高さを調整する

3.30代は要注意!シワ・老けを悪化させるNG習慣

シワが気になる人は、自分でも気づかない間にシワを作る習慣があるかもしれません。気になったときに対策すれば、早期改善が見込めるため、日ごろの生活を見直してみましょう。
以下では、シワ・老け顔を作ってしまうNG習慣について紹介します。

3-1.誤ったスキンケア

20代のスキンケアをどのように行ってきたかが30代の肌に現れます。30代になってシワが気になりだしたと思う方は、スキンケアを見直してみましょう。特に、洗顔時に洗いすぎたり、スキンケアの際にこすり過ぎたりしている場合は注意が必要です。

以下では、取り入れたいスキンケア化粧品と使い方の例を紹介します。

・肌の乾燥を防ぐために、洗浄力が強すぎない洗顔料を選ぶ
・ピーリングを使って、ターンオーバーを促す
・保湿効果の高い美容液や美容クリーム、アイクリームなどを使って保湿力を高める

なお、ピーリングは使いすぎると肌が刺激を受けてしまうため、使用頻度を守りましょう。

3-2.紫外線対策不足

紫外線は肌の奥深くにまで浸透し、コラーゲンを破壊してシワの原因になると言われています。室内にいれば紫外線の影響は受けないと思われがちですが、紫外線はくもりの日であっても窓ガラスを通り抜けるため、対策はかかせません。

以下では、効果的な紫外線対策について紹介します。

日焼け止めを塗る
・日傘を差す
・つばの広い帽子をかぶる
・UVカットの上着を羽織る

SPFとPAの+表示が多いものほど紫外線から守る効果が高いものの、どちらの成分も多く配合されている商品を使用すると、肌の負担になることがあります。長時間外に出かけるのか、近所で買い物をするだけなのかで日焼け止めを使い分けるとよいでしょう。

気づかないうちにダメージが肌の奥で蓄積し、シワの原因となるためケアを怠らないようにしましょう。

3-3.表情のクセ

シワを予防するためには、表情筋を鍛えましょう。無表情でいることが多いと表情筋をあまり使うことがないため、肌がたるんでシワができてしまいます。よく笑うなど日常的に表情筋を使っていると、肌の血行が促され、たるみを防げると言われています。

日ごろからよく笑う、表情筋を鍛えるエクササイズを取り入れることもおすすめです。

3-4.不規則な生活

シワ対策の効果を実感するために重要なのが規則正しい生活です。以下では、規則正しい生活がなぜ大切なのかを説明します。

・食事

タンパク質やビタミン、食物繊維、脂質などをバランスよく取り入れることで、うるおいやハリのある肌を作り、新陳代謝の促進につながる。

・睡眠

睡眠は成長ホルモンを分泌すると言われている。成長ホルモンは、代謝向上や肌の再生を促す効果があるとされている。

・運動

運動をすると筋肉量が増えると血行が良くなり、ターンオーバーの促進が期待できる。

・入浴

汗を流すと余分な皮脂や老廃物が排出されるため、美肌効果が期待できる。入浴のポイントとして、38℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かる。
基本的な生活を整えると、シワ対策だけでなく、健康的に過ごすことにもつながります。

まとめ

30代のシワは早めのケアが大切です。特にシワができやすい口元・目元・おでこ・首は、それぞれにシワができる原因や対策を把握し、念入りに手入れをしましょう。また、スキンケア方法の間違いや、紫外線対策不足・不規則な生活により、シワは悪化すると言われています。日頃の習慣を見直し、シワの悪化を促す行動は改めましょう。

この記事を監修したドクター
CLINICA BellaForma

院長 佐藤 英明 先生

美容医療クリニック紹介

自分に合った美容の「かかりつけ医」を探そう!
こちらからお近くの美容医療クリニックを検索できます。

クリニックを検索

LINE公式アカウント
友だち登録

LINE公式アカウントを友だちに追加しませんか?

最新のコラム記事
旬の美容医療
オトクなキャンペーン

ひとつ上のキレイをめざすなら
キャッチしておきたい情報配信中!

友だち登録する

For CLINIC

美容医療クリニックの関係者の方はこちらから
ご登録をお願いいたします。
動画素材をご希望の方はご登録後に
ダウンロードができるようになります。

クリニック登録のお申し込み 動画素材ダウンロードのお申し込み
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。