
すっぴんでも、きちんと感を演出できるアートメイクは、日々のメイク時間を短縮し、生活を快適にしてくれます。しかし、仕上がりがイメージと違ったり、流行に左右されてデザインが似合わなくなったりすると、「消したい」と感じることもあります。
アートメイクはタトゥーと比較すると、皮膚の浅い層に色素を入れるため、数年で目立たなくなるケースもありますが、必ずしも完全に消えるとは限りません。そのような場合、美容医療による除去を検討することで、修正が可能です。
本記事では、アートメイクを消したい方へ美容医療施術の選び方や注意点について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
アートメイクとは?
アートメイクは、眉・アイライン・リップなどに専用の色素を注入し、半永久的なメイク効果をもたせる施術です。表皮(皮膚の浅い層)に色素を入れるため、通常のメイクのように汗や水で落ちてしまうことなく、毎日のメイク時間短縮に役立ちます。近年は技術や色素が進化し、さらに自然でリアルな仕上がりが可能になったことで、性別問わず人気が広がっています。
アートメイクとタトゥーの違い
針を使って色素を入れる方法は同じですが、アートメイクはタトゥーよりも浅い部分に色素を入れるため、時間とともに色素が薄くなりやすい点が特徴です。ターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)に伴い、色素は徐々に退色し、数年経つとかなり目立たなくなることもあります。しかし、完全に消えずにわずかに残る場合もあり、個人差があります。一方、タトゥーはより深い真皮層に色素を入れるため、基本的には自然には消えず、長期間残存します。
アートメイクを消したくなる理由

せっかく入れたアートメイクも、色々な理由で消したいと思うことがあります。ここでは、アートメイクのデメリットを見ていきましょう。
肌質に合わなかった
汗や皮脂の分泌が多い方は色素が定着しづらく、にじみが出たり、薄くなりやすいこともあります。また、アレルギー反応や炎症が起きて継続を断念する場合も。まれですが、針の刺激や色素へのアレルギー反応などで、施術した部分に赤みや腫れ、かゆみなど肌トラブルを起こしてしまうこともあるので、注意が必要です。
不自然な仕上がり
施術者の技術不足で左右非対称になったり、色が濃すぎて浮いて見えたりと、納得のいかない結果になることがあります。アートメイクは目元、口元など視線が集まりやすい場所に施すため、仕上がりが悪いとなんとか修正したくなってしまいます。
デザインが似合わなくなった
はじめは気に入っていたデザインでも、流行やライフスタイルの変化によって、数年後にはデザインが合わなくなり、「消して新たにやり直したい」と感じる場合もあります。
アートメイクを消したいときに頼れる施術
ピコ秒レーザー
ピコ秒レーザーはピコ秒(1秒の1兆分の1)という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙った色素を音響衝撃波で細かく破壊する美容医療レーザーです。おもにしみ治療に用いられますが、アートメイクの除去にも利用されています。レーザーに破壊された色素は、徐々に体外に排出されるため色が薄くなっていきます。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えず、肌への負担が最小限に抑えられることも特徴です。
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レーザーがインクに反応
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衝撃波で色素を細かく粉砕
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粉砕した色素を老廃物として体外に排出
ピコ秒レーザーは表皮(皮膚の浅い層)にも、真皮(皮膚の深い層)にも届きます。そのため、アートメイクだけでなく、タトゥーの除去にも効果が見込めます。黒や茶色だけでなく、赤や橙、青や緑といった多様な色素にも反応するため幅広く活用されています。
ピコ秒レーザーは照射時間が短いため、痛みや炎症が生じにくい施術とされています。
ただし、照射後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。
Qスイッチレーザー
Qスイッチレーザーは、ナノ秒(1秒の10億分の1)という極めて短い時間でレーザーを照射し、色素を破壊する美容医療レーザーで、しみ治療にも用いられます。
Qスイッチレーザーは、色素に吸収され、ターゲットを破壊します。その後、破壊された色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。レーザーの照射時間はナノ秒と一瞬なので、皮膚の周囲組織への熱影響が抑えられ肌への負担が少ないことも特徴です。
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レーザーがインクに反応
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光破壊作用により、色素を破壊
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破壊した色素を老廃物として体外に排出
Qスイッチヤグレーザー(Nd:YAGレーザー)は、到達深度の異なる長短2種類の波長を持ち、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらの色素にも届きます。つまり、アートメイクとタトゥーどちらにも効果が見込めるということです。
また、短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的で、長い波長は肝斑や深在性のメラニン色素であるADMや太田母斑(青あざ)の改善が期待できるでしょう。
照射の際、待ち針で軽く突つくような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減するでしょう。照射後はかさぶたができる場合がありますが、自然に剥がれ落ちるまでの10~14日間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。
まとめ
