
顔など目につきやすい部位にあざがあって、つらい思いをしたことはありませんか?あざは濃いものや大きいものもあり、カバー力のあるファンデーションでもなかなか隠せないもの。
本記事ではあざへの理解を深めてもらうために、原因や種類を解説します。あざにおすすめの施術も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
あざは病気?
結論から言うと、あざは病気ではありません。生まれつきのものや、生後まもなくから色の変化が現れるもの、大人になってから現れるものなど、さまざまなタイプがあり、色や形も多様ですが、身体に害を及ぼすことはほとんどありません。ただし、目立つので見た目が気になり、コンプレックスに感じてしまう方も多いでしょう。
あざの正体
あざは肌の表面に現れる色素斑のひとつです。真皮のメラニンが局所的に増えている場合や、表皮の血管が増えて血液中のヘモグロビンが透けて見えている場合があります。
それぞれの特徴を以下にまとめます。
真皮のメラニン
メラニンを生成するメラノサイトは通常、肌の浅い層である表皮に存在しますが、あざの場合は、真皮(肌の深い層)にメラノサイトが含まれています。メラニンが過剰に生成されると、肌に茶色や青色、黒色の色素沈着が現れます。色味の違いは、メラニンが溜まっている深さによって異なり、深ければ深いほど青く見え、浅いところだと茶色く見えます。
血液中のヘモグロビン
血液の中には赤色のもととなるヘモグロビンが豊富に含まれています。通常なら血液の赤色は肌表面に見えることはありませんが、皮膚の浅いところで毛細血管が異常に増殖していると、血液の赤みが透けて見えるようになり、赤いあざになります。赤いあざは、医学的には「血管腫(けっかんしゅ)」と呼ばれています。
あざの種類
あざは色味によって4つの種類にわけることができます。
自分のあざと特徴が近いものがあるか、チェックしてみましょう。
青あざ
青あざは、真皮の深いところに溜まっているメラニンが青く見えている状態です。
生まれつきのものや思春期以降にできるものがあり、形状はさまざまです。
顔によく生じるのは点状ですが、手足やお腹など身体にできるものは大きさも形もバラバラです。
代表的な青あざは赤ちゃんの「蒙古斑(もうこはん)」で、生まれる前になくなるはずのメラノサイトが生後も残っていることが原因で、ほとんどが成長とともに消えていきます。
また、「太田母斑(おおたぼはん)」という青や茶の色むらがある点状の青あざもあります。生まれつきのものと思春期以降に顔の片側に現れるものがあり、自然に消えることはありません。
「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)」も青あざのひとつです。思春期以降の女性に多く、左右対称に現れるのが特徴です。紫外線やホルモンの乱れが影響していると考えられていますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。
茶あざ
茶あざは、表皮(肌の浅い層)に過剰なメラニンが生成されている状態です。しみとよく似ていますが、医学的には別物とされています。多くは生まれつきのものですが、思春期になって発生する場合もあります。
代表的なのは「カフェオレ斑」という境界がはっきりとしていて、コーヒー牛乳のような色をしたあざです。遺伝疾患などの病気と無関係なものは「扁平母斑(へんぺいぼはん)」と呼ばれます。
「ベッカー母斑」という表面が少しざらざらしていて、境界はギザギザしている特徴的な形状のあざもあります。「遅発性扁平母斑(ちはつせいへんぺいぼはん)」とも呼ばれ、思春期にできるのが特徴です。
黒あざ
黒あざは、小さいものがいわゆるほくろで、大きいものは黒あざに分類されます。母斑細胞が肌の表面近くに集まって色素をつくるので黒っぽくなります。多くは生まれつきのものですが、3〜4歳頃からできる後天性のものもあります。
赤あざ
赤あざは、顔や頸部に多く見られますが、お腹や腕、足など身体にも現れます。はっきりとした原因はわかっていませんが、血管が異常に拡張したり増殖することで生じます。赤あざは種類によって形状が異なります。
代表的なものは、「単純性血管腫」と呼ばれる生まれつきの平らな赤あざです。「老人性血管腫」は、鮮やかな赤いほくろです。加齢とともに現れることが多いのですが、若い方にも見られます。また、「いちご状血管腫」は、肌表面で血管が増殖してできたあざで、いちごのようにブツブツした盛り上がりが特徴です。
あざを消したい方におすすめの施術
Qスイッチレーザー
Qスイッチレーザーは、10億分の1秒という非常に短い時間でレーザーを照射し、あざやしみの原因であるメラニンを破壊して改善を図る美容医療の施術です。レーザーがメラニンに吸収されると、その組織を破壊し、数日をかけて廃物として代謝され、体外へ排出されます。
照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を最小限に抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。
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レーザーがメラニン色素に反応
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熱エネルギーがメラニン色素を破壊
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破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出
Qスイッチレーザーには、到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(肌の浅い層)から真皮(肌の深い層)まで各層に届きます。あざは真皮に存在するため、長い波長を使うことで青あざ(太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシス[ADM]、蒙古斑)、黒あざなどの改善が期待できます。
レーザー照射時にゴムで弾かれたような痛みを感じることがありますが、痛みや赤みは数日で軽減します。また、照射後はかさぶたができることがありますが、自然に剥がれ落ちるまでの間はテープで保護することが一般的です。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。
ピコ秒レーザー
ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という極端に短い時間でレーザーを照射することができる美容医療の施術です。狙ったメラニンを、衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、あざなどの色素斑の改善を図ることができます。衝撃波は強力ですがピンポイントに照射できるので、肌への負担が少ないのが特徴です。
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レーザーがメラニン色素に反応
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衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕
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粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出
ピコ秒レーザーは、色の濃いあざにも薄いあざにもダメージを与えることができます。真皮の青あざ(太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシス[ADM]、蒙古斑)、黒あざにも効果が見込めます。
照射はわずかな時間で終わるので痛みは少ないですが、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けましょう。
ロングパルスダイレーザー
ロングパルスダイレーザーは、「色素レーザー」とも呼ばれる美容医療の施術です。血液中のヘモグロビンに吸収されやすく、赤あざや酒さ、ニキビ痕など、さまざまな赤みに対応します。
レーザーがヘモグロビンに吸収されると、熱を発生し、その熱が血管を凝固、もしくは破壊します。繰り返し照射を行うことで、単純性血管腫や老人性血管腫のような赤あざだけでなく、毛細血管拡張によるいちご状血管腫の改善も期待できます。
照射による痛みは冷却機能や麻酔クリームによって抑えられますが、内出血が生じた場合には7〜14日間ほど続くことがあります。赤みや腫れは数日で軽減を見込めます。
照射した部位にかさぶたが生じた時にはテープ保護をする場合があります。数日間は過度な洗顔や患部への摩擦刺激を避け、日焼け止めなどで紫外線対策を続けましょう。
ロングパルスヤグレーザー
ロングパルスヤグレーザーは、波長が長いため、真皮(皮膚の深い層)まで達する高い深達性を持ち、広範囲に熱影響を及ぼす特徴があります。
赤いほくろのような老人性血管腫や血管拡張などに用いられるほか、ロングパルスダイレーザーなどでは難しい皮下静脈の治療も期待できる美容医療施術です。
血液中のヘモグロビンに吸収されやすい性質を持ち、赤みのあるあざ全般に効果が期待できます。
ピンポイントに高いエネルギーを照射することができるため、周囲の組織への熱影響を最小限に抑えた施術が可能です。照射時の痛みは多少ありますが、ヒリヒリ感が続くのは数時間でしょう。照射後は赤みが生じることがあり、反応が強いとかさぶたができる場合があります。
まとめ
