
肌荒れではないのに肌の一部や顔全体が赤くなっているなら、赤ら顔や酒さかもしれません。肌の赤みが目立つとメイクでも隠すのが難しく、本来の肌の色を取り戻したいと考えるのは当然です。本記事では、肌の赤みの種類や原因、そして赤みを薄くする美容医療による施術を解説します。
目次
肌の赤みにも種類がある?
赤ら顔と酒さはどちらも鼻や頬、額などが赤くなる症状です。よく混同されることもありますが、正確には異なるものです。赤ら顔は慢性的な皮膚炎と間違われることもありますが、さまざまな要因が組み合わさってできていて、皮膚科医でも見分けるのが難しく診断に時間がかかることがあります。
赤ら顔
赤ら顔は顔全体に赤みが生じている状態で、肌トラブルがないのに赤みがあるタイプとニキビや皮膚炎などの肌トラブルで赤みができているタイプがあります。一般的に赤ら顔として知られているのは前者で、顔に広がっている毛細血管の拡張による赤みが肌表面から透けて赤く見えている状態です。
酒さ(しゅさ)
酒さは赤ら顔のひとつで、中高年に起こりやすいのが特徴です。酒さの肌は刺激にかなり敏感で、ちょっとしたことでもヒリヒリ感やかゆみを伴うことがあります。顔の中でも、とくに鼻や頬、口の周り、額に多くみられます。
肌の赤みやほてりがあるのに放置していると、毛細血管が広がって赤みが持続するようになり症状が進行していきます。さらに、皮膚炎や二キビではないのに毛穴が赤く盛り上がって膿をもったブツブツができることもあります。
肌の赤みを引き起こす原因
肌の赤みを引き起こす原因は、 おもに3つあります。
皮膚炎
ニキビや皮膚炎があると、炎症によって肌の赤みが起こります。肌には外部からの刺激を防ぐバリア機能がありますが、乾燥などによってうまく働かなくなると、わずかな刺激で炎症を起こしやすくなり赤みがでます。赤みが長く続いているなら慢性的な皮膚炎を起こしている可能性があり、かゆみやザラザラ感も生じているでしょう。
毛細血管の拡張
毛細血管拡張による赤みは、広がった血管に大量の血液が流れ込み、その赤さが皮膚の上から透けて見えている状態です。長期間血管が拡張したまま元に戻らず、 網目状に広がっていることもあります。ほてりを伴う場合には血管拡張の可能性が高く、急激な温度変化や飲酒、運動によって血流が増加すると頬や鼻のあたりが一気に赤くなります。
生まれつきの肌質
肌がもともと薄い方や色白の方は、通常は透けて見えるはずのない毛細血管や血流の赤みが見えやすくなっています。寒暖差や緊張などのちょっとした刺激でも顔が赤くなるという方は、生まれつきの肌質による可能性が高いでしょう。
肌の赤みを悪化させない対処方法
肌トラブルの治療
皮膚炎やニキビなどが原因で生じている肌の赤みは、医療機関で必要な治療を受けましょう。推奨される治療を受けて赤みが落ちついたら、保湿ケアなどで肌を健康な状態に整えて、再発させないようにしましょう。
生活習慣の見直し
肌トラブルが原因ではない血管性の肌の赤みに対しては、日常生活の中で血管を拡張させる要因が少なくなれば、赤みが薄くなることがあります。
たとえば、アルコールや辛い食べ物を摂取すると血管の拡張や血流増加につながるので避けるのが無難です。また、 紫外線や乾燥、摩擦などの刺激から肌を保護する日焼け止めや保湿ケアアイテムは、なるべく低刺激性のものを選びましょう。
他にも、ストレスやホルモンバランスの乱れも、肌のバリア機能を低下させてニキビや肌荒れを招きかねません。きちんと休息を取りながら生活リズムを崩さないことが大切です。
肌の赤みを薄くするおすすめの美容施術
炎症によって肌に赤みが生じている場合には、皮膚科などで炎症に対する治療を行います。それでも肌の赤みが消えないときには、美容医療の施術を検討してみましょう。美容医療には毛細血管の拡張やニキビによる肌の赤みを抑える施術があります。以下を参考にしてみてください。
ロングパルスダイレーザー
ロングパルスダイレーザーは「色素レーザー」とも呼ばれ、血液中のヘモグロビンへの吸収率が高い施術です。血管腫や血管拡張、赤あざ、ニキビやニキビ痕の赤みなどさまざまな赤みに対して用いられます。
ロングパルスダイレーザーがヘモグロビンに吸収されると熱を発し、その熱で血管が凝固されます。繰り返し施術を受けることで、徐々に血管拡張による赤ら顔や、酒さの赤みが薄くなっていくでしょう。
照射による痛みは冷却機能や麻酔クリームによって抑えられますが、内出血が生じた場合には7〜14日間ほど続くことがあります。赤みや腫れは数日で軽減が見込めます。
照射した部位にかさぶたが生じた時にはテープ保護をする場合があります。数日間は過度な洗顔や患部への摩擦刺激を避け、日焼け止めなどで紫外線対策を続けましょう。
ロングパルスヤグレーザー
ロングパルスヤグレーザーは、波長が長いため、真皮(皮膚の深い層)まで達する高い深達性を持ち、広範囲に熱影響を及ぼす特徴があります。
赤いホクロのような老人性血管腫や血管拡張などに用い、ロングパルスダイレーザーなどでは難しい皮下静脈の治療も期待できる美容医療施術です。1回でも効果を感じやすいですが、複数回施術が必要になる場合もあります。
ピンポイントに高いエネルギーを照射することができるため、周囲の組織への熱影響を抑えた施術が可能です。照射時の痛みは多少ありますが、ヒリヒリ感が続くのは数時間でしょう。照射後は赤みが生じることがあり、反応が強いとかさぶたができる場合があります。
IPL
IPL(Intense Pulsed Light)は、 特殊な光を照射することで、さまざまなお肌のトラブルの改善を期待できる美容医療の施術です。
IPLの光はヘモグロビンに吸収されて、熱影響によって血管が凝固します。その働きが赤ら顔や酒さの改善につながり、さらに赤みのあるニキビ痕を落ち着かせる効果も期待できます。
照射時の痛みには個人差がありますが、肌を冷やしながら行うため我慢できないほどの痛みを伴うことは少ないでしょう。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感などが生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。
ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。
ニードルRF
ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、真皮(皮膚の深い層)へダイレクトに熱エネルギーを届ける美容医療施術です。高周波の熱エネルギーによって炎症を抑えたり、新たな血管を作るのを抑えたりして、赤みを改善する効果が期待できると言われています。
ニードルRFは針を刺すため多少の痛みをともないますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみてください。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減するでしょう。
まとめ
