
顔の目立つほくろや、数多くのほくろに悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はほくろにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
本記事では、ほくろの種類やいぼとの違いを解説するほか、悪性のほくろとの見分け方もご紹介いたします。ほくろを取りたいとお考えの方におすすめの施術も紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね。
目次
ほくろって何?
ほくろは、医学的には母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)と呼ばれ、皮膚の表面に見られる良性の腫瘍です。メラニンを生成するメラノサイトが高密度に集まった状態で、表皮にできたものは「単純黒子(たんじゅんこくし)」で、真皮の近くにできると「色素性母斑(しきそせいぼはん)」と言います。
生まれつきの場合もありますが、通常は幼少期から20代半ば頃までに数が増えたり、濃くなったりします。女性の場合は、妊娠、出産などのホルモンバランスの変化によって色が濃くなることもあります。
ほくろの形状は平らなものから隆起したものまであり、徐々に盛り上がって肉厚になることもあります。色味も肌の色に近いものから褐色、青灰色、ほぼ黒色など多彩で、最初は赤だったのに黒っぽくなっていくものもあります。
ほくろができる原因
生まれつきのほくろは、胎児の時期にメラノサイトが異常に増殖することでできると考えられています。一方、生まれてからできるほくろは、紫外線の影響やホルモンバランスの変化によるターンオーバーの乱れが原因と考えられています。
ほくろといぼはどう違う?
よく見間違えられますが、ほくろはメラノサイトが密集して盛り上がったもの、そして、いぼは皮膚自体が盛り上がったもので異なります。
いぼにも種類があり、傷口などからウイルス感染を起こしてできる「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と、加齢によって生じる「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」、紫外線や摩擦が原因の「軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)」があります。
ほくろの種類
ほくろにはいくつか種類があります。
代表的なほくろを5つ紹介するので、自分のほくろがどの種類にあたるか見てみましょう。
ミーシャー母斑
ミーシャー母斑は首から上に現れることが多く、おもに顔面や髪の毛が生えている部分にできます。ドーム状に膨らんでいて皮膚の深いところで母斑細胞が増えたものです。色は青黒またはうすい茶で、年齢が上がるにつれて、薄くなっていく傾向にあります。
スピッツ母斑
スピッツ母斑は、若い時に現れることが多く顔にできやすいほくろです。表皮と真皮の境界部分から真皮の浅い部分にかけて母斑細胞が増えたものです。良性ですが短期間で急成長する場合には悪性のメラノーマと見分けるのが難しいでしょう。ある程度まで母斑が大きくなると自然になくなることがあります。
クラーク母斑
クラーク母斑は、体幹や手足に多く見られ、大きいものもあって形が楕円のようになっています。表皮と真皮の境界から真皮にかけて母斑細胞が増えたものです。色むらがあり輪郭がぼやけていて、悪性と見分けるのが難しいほくろです。
青色母斑(青いほくろ)
青色母斑は、幼い頃に現れてゆっくりと大きくなっていきますが、1cm以下にとどまることがほとんどです。通常のほくろより青っぽく見えます。悪性化することはほとんどありませんが、サイズが大きいとまれに悪性化する場合があります。
悪性のほくろ
悪性のほくろは皮膚がんのひとつです。とくに「悪性黒色腫(メラノーマ)」は、普通のほくろに見えるので診断が難しいのですが、黒色でいびつな形をしていることが多いです。
ほくろが悪性か良性かの見分け方

「ほくろはがんになる」という話を聞いたことのある方もいるでしょう。今まで小さかったほくろが次第に膨らんできたり、急に大きくなったりすると、悪性化しているのではと不安に感じることがあるかもしれません。
ここでは、悪性と良性のほくろの特徴的な違いをご紹介します。ただし、自己判断だけではなく必ず医師の診断を受けるようにしましょう。
境界があいまい
周りの皮膚と境界がはっきりしている良性のほくろに比べ、悪性のほくろは境界がぼやけていて輪郭がはっきりしません。
形がいびつ
良性のほくろは左右対称的で多くが円形ですが、悪性のほくろは形がいびつで表面にも凹凸があります。
色むらがある
良性のほくろであればたいてい均一な色をしていますが、悪性のほくろは色の濃淡が部分的にできていることが多いです。
大きさ
良性のほくろは6~7mmを超えて大きく育つことは少なく、それ以上に大きいと悪性の可能性があります。急にほくろが大きくなった場合には、医師に相談をしましょう。ほくろができた時期とサイズ・形の変化をチェックしておくと診断までスムーズです。
ほくろを取り除く施術
CO₂レーザー
CO₂レーザーは、レーザーで皮膚の切開や切除を行う施術です。
肌内部の水分と反応し、熱で蒸散する瞬間に組織を削るしくみを利用して、
ほくろやいぼ、厚みのあるしみを取り除くことができます。
照射直後は少しくぼんだ状態で赤みがありますが、創傷治癒反応が進むと傷跡は次第に目立たなくなるでしょう。
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患部にCO₂(炭酸ガス)レーザーを照射
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ほくろなどの組織を蒸散させながら削り取る
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新陳代謝によって肌再生し傷跡が目立たなくなる
CO₂レーザーを照射後、赤みは2~3日でひくことがほとんどですが、レーザーの出力が高いと赤みが続きやすいでしょう。照射後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。治療後はていねいに保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。
まとめ
