【医師監修】若々しい肌をめざすリジュビネーションとは?おすすめ施術も解説

リジュビネーションという言葉をあまり聞き慣れない方もいるかもしれません。
「Rejuvenation(リジュビネーション)」とは「若返り」という意味で、美容医療の分野では加齢によって起こる肌質の劣化を食い止める技術や施術のことを指します。
この記事では、リジュビネーションの仕組みや加齢による肌の変化について詳しく解説します。さらに、肌の若々しさを取り戻したいときにおすすめの美容医療施術も紹介します。
年齢を重ねて肌の衰えが気になり始めた方、ハリ・ツヤのある健康的な肌質をめざしている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

若々しい肌はどうなっている?

若々しい肌とは、うるおい・ハリ・なめらかさがあり健康的に整っている状態のことです。肌は大きく表皮(浅い層)と真皮(深い層)に分かれていますが、それぞれが具体的にどういう状態だと「整っている」と言えるのか見ていきましょう。

表皮の状態

表皮は、肌の浅い層で目に見える部分です。この表皮の水分と油分がバランスよく整っていると、みずみずしく透明感のある肌になります。そのためには、紫外線や外的刺激から肌を守り、水分が出ていくのを防ぐ「バリア機能」が正常に働いていることが欠かせません。また、メラニンなどの不要な物質が自然と排出され肌の細胞が生まれ変わる「ターンオーバー」が正しい周期で行われることも大切な要素です。

真皮の状態

真皮は、コラーゲンなどの繊維状のタンパク質で構成され、その隙間にヒアルロン酸が水分を抱え込んでいます。真皮が良好な状態だとハリがありなめらかな、若々しい肌になります。この状態には、コラーゲンの生成を担う線維芽細胞の働きが欠かせません。線維芽細胞が刺激を受けコラーゲンの生成が促進されると真皮のボリュームが向上するだけでなく、表皮の細胞分裂や新陳代謝も活発化します。

加齢によって肌はどう変化するのか

年を取れば誰しも肌に様々な変化が現れます。その要因は単に加齢だけなく長年にわたり浴び続けた紫外線ダメージの影響、つまり光老化などの環境的要因も考えられます。
以下では、年齢とともに起こる主な肌の変化と、そのメカニズムを解説します。

しみ

しみは、メラノサイトがメラニン色素を生成し、それが肌に沈着することで起こります。主に紫外線や加齢、ホルモンバランスの変化が原因でメラノサイトが活性化されるとメラニンが過剰につくられます。本来、ターンオーバーでこのメラニンは自然に排出されますが、ターンオーバーが乱れると排出が不十分になり、溜まったメラニンがしみとなって定着します。

しわ

しわは、真皮(肌の深い層)のコラーゲンやエラスチンといった弾力のもととなる成分が減少し、皮膚の支えが弱くなることで起こります。さらに、表情筋の動きで皮膚が繰り返し伸縮することで、徐々に溝が深まります。加齢や外的要因で皮膚の新陳代謝が遅れると、肌が柔軟性を失い、しわが固定化されてしまいます。

たるみ

たるみは、真皮(肌の深い層)のコラーゲンやエラスチンが減少し、弾力とハリが失われることで起こります。また、皮下脂肪が重力に引っ張られ、支えきれなくなった皮膚が下垂します。さらに、加齢によって筋力が低下し、顔の土台である表情筋が弱まることで、肌が支えを失いたるみが進行します。ターンオーバーの遅れも影響し、肌が引き締まりにくくなり、たるみが定着する原因となります。

リジュビネーションができる施術

肌の若返りを目的とした施術は、主に皮膚科や美容皮膚科で受けることができます。
クリニックにより施術の内容が異なるのでホームページなどを参考にして調べてみましょう。インターネットで「リジュビネーション」と検索しても、たくさんの施術が見つかりますよ。

リジュビネーションができる施術は、年齢を重ねた方だけでなく、美肌を目的とした美容医療を試してみたい方や肌質の改善を求める方にもおすすめです。

フラクショナルCO₂レーザー

フラクショナルCO₂レーザーとは、レーザーを細かく分割してまばらに照射する方法です。まばらに照射することで周辺組織への熱影響を抑えられるので、痛みの少ない施術が可能となります。
レーザーの熱影響により一時的に組織が損傷をうけますがそれを修復しようとする力が肌の再生を促します。この創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)を利用し、コラーゲン産生を活性化してさまざまな肌悩みの改善を図ります。

  • レーザーを細かく分割して照射

  • 一時的に組織が破壊され肌再生を促進

  • 数日かけてかさぶたがはがれ健康的な肌へ

創傷治癒反応により、真皮(肌の深い層)を構成するコラーゲンやエラスチンが増生すると肌の弾力が増し、肌のキメが整い、小じわもふっくらと、目立ちにくくなる効果が期待できます。また施術の回数を重ねることで毛穴の開きやニキビ痕なども徐々になめらかに整っていくでしょう。

フラクショナルCO₂レーザーをまだら、または格子状に照射することで熱による肌への負担を抑え、比較的痛みの少ない施術が可能です。照射後の赤みは2~3日でひくことがほとんどですが、レーザーの出力が高いと赤みが続きやすいでしょう。照射後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。治療後はていねいに保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、10億分の1秒という非常に短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊する美容医療の施術です。レーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。
到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(肌の浅い層)から真皮(肌の深い層)まで各層に届きます。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

さらに、リジュビネーションを目的とした照射方法を搭載する機器もあり、真皮(皮膚の深い層)の熱影響による美肌効果も期待できます。熱でコラーゲンが刺激され、コラーゲンの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

Qスイッチレーザーは照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。照射する際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。
照射後はかさぶたができることがありますが、自然に剥がれ落ちるまではテープで保護することが一般的です。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という、極端に短い時間でレーザーを照射し、しみの濃淡に関わらず狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、色素沈着の改善を図る美容医療施術です。衝撃波は強力ですがピンポイントに照射できるので、肌への負担が少ないのが特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

さらに、真皮(皮膚の深い層)にレーザーが届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲン産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いので、痛みや炎症が生じにくいとされています。
ただし、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、特殊な光を照射することで、さまざまなお肌のトラブルの改善を期待できる美容医療の施術です。肌の色ムラの原因となるメラニン色素やヘモグロビン色素をIPLの熱で刺激することで、肌のトーンを均一にする効果が見込めます。照射を繰り返すことでくすんだ肌も徐々に明るくなっていくでしょう。

  • IPLの光がメラニン色素を熱で分解

  • メラニン色素はかさぶたのように浮上

  • メラニン色素を老廃物として体外に排出

また、熱エネルギーが線維芽細胞を刺激し、真皮を構成しているコラーゲンやエラスチンの生成を促進して肌のハリや弾力を向上させる効果も期待できます。その結果、キメの乱れや小じわがなど、加齢による肌の変化にも改善をもたらすことができるでしょう。

照射時の痛みには個人差がありますが、輪ゴムで軽く弾かれた程度の痛みで、我慢できないほどの痛みをともなうことは少ないです。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感などが生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、肌内部に強力な熱エネルギーを伝える美容医療施術です。

皮膚が傷つけられると、傷を治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。また、熱エネルギーで皮膚内のタンパク質を凝固させるため、肌の引き締めやリフトアップ効果も期待できます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みをともないますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみてください。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減するでしょう。

HIFU(ハイフ)

HIFU(ハイフ)は、「High Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波)」の略で、高密度の超音波によって真皮、皮下脂肪、SMAS筋膜などあらゆる皮膚層の狙った部分に熱エネルギーを届けて、たるみの引き締めや脂肪の溶解を図る美容施術です。
「高密度焦点式超音波」という名前の通り、熱を届けたい層に焦点をあてて照射することができるのが特徴です。

  • 皮膚のさまざまな層に超音波をピンポイントに照射

  • 焦点を当てた層に熱エネルギーを生じさせる

  • 照射した層により、コラーゲンやエラスチンの生成、脂肪溶解、筋膜の収縮を引き起こす

HIFU(ハイフ)の熱で変性した部分を修復するために皮膚の創傷治癒反応が働き、真皮層のコラーゲンやエラスチンの生成を促すため肌の弾力やしわ改善などが見込めます。また、照射を繰り返していくと徐々に真皮の密度が高まり、肌のリフトアップやタイトニングにも効果が期待できます。さらに、肌深部の血流が改善することで肌のトーンアップも感じられるでしょう。

皮下脂肪に照射することで、脂肪細胞を溶解します。溶解された脂肪細胞は、血管やリンパ腺を通じて排出され、ボリュームダウンが期待できます。二重あごの改善や、二の腕のタイトニングが可能です。

HIFU(ハイフ)施術は医療行為となっており、クリニックでのみ施術を受けることができます。

HIFU(ハイフ)は正しく照射すれば表皮にダメージを与えることはありませんが、皮膚の内部は高温となるため、痛みを感じる場合があります。感じ方には個人差があり、ピリピリした違和感から神経痛や筋肉痛のような痛みまでさまざまです。
施術後は、熱による影響で軽い赤みや腫れが出ることがまれにあります。ほとんどの場合は数日から数週間で引いていくでしょう。しばらくは肌が乾燥しやすく刺激に敏感なため、保湿ケアはいつもより念入りにして、紫外線対策もしっかりと行ないましょう。

まとめ

肌の老化は誰にでも訪れる自然な現象ですが、放っておくと進行していくだけです。
リジュビネーション施術は加齢によって衰えた肌の機能を高めて、しみ・くすみやハリ、毛穴の開きなど、さまざまな肌トラブルの改善に期待できます。美容医療によるリジュビネーションを上手に取り入れ、いつまでも若々しい肌を保って周りに差をつけましょう!

【医師監修】タトゥーはどうしたら消せる?美容医療による除去施術について詳しく解説

過去におしゃれで入れたタトゥーを「だんだんと後悔するようになってきた」という方が増えています。日本では、まだタトゥーに対する社会的なイメージが厳しく、タトゥーをしているだけでも「怖い」「不快」といった印象が根強いものです。そのため、就職や結婚などのライフステージの変化をきっかけに、これからの人間関係を考えてタトゥーを消したいと考える方も少なくありません。しかし、一度入れたタトゥーを完全に消すのは難しいとされています。
本記事では、身体に入れたタトゥーを消したい方のために、美容医療で行っているタトゥー除去施術について詳しく解説します。

目次

タトゥー・刺青・アートメイクの違いは?

身体にデザインした絵柄や文字を入れる方法は、タトゥーのほかにも刺青(いれずみ)やアートメイクがありますが、いずれも皮膚に針を使って色素を入れていくものです。

アートメイクはタトゥーや刺青とは目的が少し異なり、基本的には眉や唇などに色素を入れてメイクアップのひとつとしておこないます。また、一番大きな違いは色素を入れる深さです。アートメイクの場合は浅い皮膚層の表皮までしか針を刺しませんが、タトゥーや刺青はさらに深い皮膚層の真皮まで針を刺します。タトゥーや刺青のように針を刺す位置が深い施術は、痛みが強くリスクも大きいです。

タトゥーが消えない理由

一度入れると消せないのが、タトゥーを入れる最大のデメリットです。アートメイクは日が経つにつれて徐々に薄くなっていきますが、タトゥーの場合はほぼ永久に残ります。なぜなら、タトゥーの色素が入る真皮ではターンオーバーが起こらないからです。

入れた当時はずっと残しておきたいと思って入れたはずの文字やお気に入りの絵柄も、年数が経つにつれて考え方や生活が変わって「デザインを変えたい」「タトゥーそのものを消したい」と思うのは自然な成りゆきでしょう。しかし、真皮に入れた色素は自然に消えることはなく、自分で消すこともできません。

自力で消すのは危険!

身体からタトゥーを消すには、真皮に入れた色素を除去する必要がありますが、自力では不可能です。タトゥーの消し方をインターネットで検索すると、シールやスプレーなどで一時的に隠す商品は見つかりますが、タトゥーの色素を消すことはできません。
タトゥーを薄くすると謳っている海外製のクリームも見かけますが、市販の製品は真皮に働きかけることができないため当然ながら効果はないでしょう。

タトゥーを皮膚ごと削り取るという過激なやり方をする方もいますが、傷跡が残るため身体にも大きな負担がかかります。タトゥーを自力で消すのはとても危険なので絶対にやめましょう。

タトゥーは皮膚科で消える?

皮膚科や美容皮膚科では、タトゥー除去ができます。皮膚から完全に色素をなくすには、タトゥーの入った部分を切除する「切除術」や、切除したあとにほかの部位の皮膚を移植する「皮膚移植術」、色素のある皮膚を削り取る「剥削法(はくさくほう)」などの手術が必要です。しかし、手術は傷跡が残るリスクがあり、ダウンタイムなど身体への負担も大きく、さまざまなデメリットが生じます。

近年ではレーザーの性能が向上し、肌へのダメージを抑えながら特定の色素だけに作用して破壊できるようになりました。広範囲のタトゥーも比較的少ない回数で効率的に色素を除去することが可能です。また、皮膚の伸びが少ない部位や太い血管が近くにある部位など、手術には不向きな所に入れているタトゥーでもレーザーなら対応できるでしょう。

レーザーによるタトゥー・刺青除去施術

タトゥーには赤や青、オレンジ、緑などさまざまなカラーバリエーションがありますが、反応しやすい色調はレーザーによって異なります。自分が入れているタトゥーのカラーとレーザーの相性を確認しておくことで、より少ない施術回数でタトゥーを目立ちにくくできるでしょう。
レーザーではタトゥーの色素を完全に取りきることはできませんが、繰り返し照射することでほぼわからないレベルまで薄くすることはできます。ただし、インクにプラスチック素材が使用されている場合にはレーザーが反応しないので注意が必要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙った色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出する美容医療施術です。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えないのが特徴です。

  • レーザーがインクに反応

  • 衝撃波で色素を細かく粉砕

  • 粉砕した色素を老廃物として体外に排出

通常、しみやあざの治療に用いられますが、タトゥー除去に効果が期待できます。ただし、レーザーが持つ波長の種類によって、除去できる色が異なります。目で見えないほど薄くするためには、定期的に数回の照射が必要なうえ、痛みをともないますが現時点ではほかのレーザーと比べても効率のよい治療が可能です。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いので、痛みや炎症が生じにくいとされています。ただし、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、10億分の1秒という非常に短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊する美容医療の施術です。

  • レーザーがインクに反応

  • 光破壊作用により、色素を破壊

  • 破壊した色素を老廃物として体外に排出

レーザーが持つ波長の種類によって、除去できる色が異なります。

Qスイッチレーザーを照射する際、待ち針で軽く突つくような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。照射後はかさぶたができますが、自然に剥がれ落ちるまでの10日~2週間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

まとめ

今まで、タトゥーを完全に除去するには手術が唯一の選択肢とされていました。しかし、近年のレーザー技術の向上により、その選択肢は大きく広がっています。従来のレーザーでは消しきれなかったカラータトゥーの除去も可能になり、より多くの方のお悩みに対応できるようになりました。

痛みや傷跡のリスクを抑えてタトゥーを消すなら、美容皮膚科医にレーザーによるタトゥー除去方法を相談してみましょう。タトゥーをしっかり薄くしたい場合には、あらかじめ必要な施術回数や経過などを聞いておくと、消すまでにかかる期間や費用の目安を知ることもできます。これから大切なイベントが控えているなら、スケジュールを逆算して早めに施術をスタートしましょう。

【医師監修】生まれつきのあざは消せる?原因や種類からおすすめの施術まで

顔など目につきやすい部位にあざがあって、つらい思いをしたことはありませんか?あざは濃いものや大きいものもあり、カバー力のあるファンデーションでもなかなか隠せないもの。
本記事ではあざへの理解を深めてもらうために、原因や種類を解説します。あざにおすすめの施術も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

あざは病気?

結論から言うと、あざは病気ではありません。生まれつきのものや、生後まもなくから色の変化が現れるもの、大人になってから現れるものなど、さまざまなタイプがあり、色や形も多様ですが、身体に害を及ぼすことはほとんどありません。ただし、目立つので見た目が気になり、コンプレックスに感じてしまう方も多いでしょう。

あざの正体

あざは肌の表面に現れる色素斑のひとつです。真皮のメラニンが局所的に増えている場合や、表皮の血管が増えて血液中のヘモグロビンが透けて見えている場合があります。
それぞれの特徴を以下にまとめます。

真皮のメラニン

メラニンを生成するメラノサイトは通常、肌の浅い層である表皮に存在しますが、あざの場合は、真皮(肌の深い層)にメラノサイトが含まれています。メラニンが過剰に生成されると、肌に茶色や青色、黒色の色素沈着が現れます。色味の違いは、メラニンが溜まっている深さによって異なり、深ければ深いほど青く見え、浅いところだと茶色く見えます。

血液中のヘモグロビン

血液の中には赤色のもととなるヘモグロビンが豊富に含まれています。通常なら血液の赤色は肌表面に見えることはありませんが、皮膚の浅いところで毛細血管が異常に増殖していると、血液の赤みが透けて見えるようになり、赤いあざになります。赤いあざは、医学的には「血管腫(けっかんしゅ)」と呼ばれています。

あざの種類

あざは色味によって4つの種類にわけることができます。
自分のあざと特徴が近いものがあるか、チェックしてみましょう。

青あざ

青あざは、真皮の深いところに溜まっているメラニンが青く見えている状態です。
生まれつきのものや思春期以降にできるものがあり、形状はさまざまです。
顔によく生じるのは点状ですが、手足やお腹など身体にできるものは大きさも形もバラバラです。
代表的な青あざは赤ちゃんの「蒙古斑(もうこはん)」で、生まれる前になくなるはずのメラノサイトが生後も残っていることが原因で、ほとんどが成長とともに消えていきます。
また、「太田母斑(おおたぼはん)」という青や茶の色むらがある点状の青あざもあります。生まれつきのものと思春期以降に顔の片側に現れるものがあり、自然に消えることはありません。
「後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)」も青あざのひとつです。思春期以降の女性に多く、左右対称に現れるのが特徴です。紫外線やホルモンの乱れが影響していると考えられていますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。

茶あざ

茶あざは、表皮(肌の浅い層)に過剰なメラニンが生成されている状態です。しみとよく似ていますが、医学的には別物とされています。多くは生まれつきのものですが、思春期になって発生する場合もあります。

代表的なのは「カフェオレ斑」という境界がはっきりとしていて、コーヒー牛乳のような色をしたあざです。遺伝疾患などの病気と無関係なものは「扁平母斑(へんぺいぼはん)」と呼ばれます。

「ベッカー母斑」という表面が少しざらざらしていて、境界はギザギザしている特徴的な形状のあざもあります。「遅発性扁平母斑(ちはつせいへんぺいぼはん)」とも呼ばれ、思春期にできるのが特徴です。

黒あざ

黒あざは、小さいものがいわゆるほくろで、大きいものは黒あざに分類されます。母斑細胞が肌の表面近くに集まって色素をつくるので黒っぽくなります。多くは生まれつきのものですが、3〜4歳頃からできる後天性のものもあります。

赤あざ

赤あざは、顔や頸部に多く見られますが、お腹や腕、足など身体にも現れます。はっきりとした原因はわかっていませんが、血管が異常に拡張したり増殖することで生じます。赤あざは種類によって形状が異なります。
代表的なものは、「単純性血管腫」と呼ばれる生まれつきの平らな赤あざです。「老人性血管腫」は、鮮やかな赤いほくろです。加齢とともに現れることが多いのですが、若い方にも見られます。また、「いちご状血管腫」は、肌表面で血管が増殖してできたあざで、いちごのようにブツブツした盛り上がりが特徴です。

あざを消したい方におすすめの施術

生まれつきのあざも思春期以降にできたあざも、美容皮膚科や皮膚科、形成外科で治療ができます。どんな治療が適しているかは症状によって異なりますので、まずは医師の診察を受けましょう。
皮膚科では保険適用となる範囲でしか治療できませんが、美容皮膚科は自由診療が多く、見た目を変える、より幅広い治療が可能です。
以下に皮膚科や美容皮膚科で受けられる施術をご紹介しますので参考にしてみてください。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、10億分の1秒という非常に短い時間でレーザーを照射し、あざやしみの原因であるメラニンを破壊して改善を図る美容医療の施術です。レーザーがメラニンに吸収されると、その組織を破壊し、数日をかけて廃物として代謝され、体外へ排出されます。
照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を最小限に抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

Qスイッチレーザーには、到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(肌の浅い層)から真皮(肌の深い層)まで各層に届きます。あざは真皮に存在するため、長い波長を使うことで青あざ(太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシス[ADM]、蒙古斑)、黒あざなどの改善が期待できます。
レーザー照射時にゴムで弾かれたような痛みを感じることがありますが、痛みや赤みは数日で軽減します。また、照射後はかさぶたができることがありますが、自然に剥がれ落ちるまでの間はテープで保護することが一般的です。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という極端に短い時間でレーザーを照射することができる美容医療の施術です。狙ったメラニンを、衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、あざなどの色素斑の改善を図ることができます。衝撃波は強力ですがピンポイントに照射できるので、肌への負担が少ないのが特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは、色の濃いあざにも薄いあざにもダメージを与えることができます。真皮の青あざ(太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシス[ADM]、蒙古斑)、黒あざにも効果が見込めます。
照射はわずかな時間で終わるので痛みは少ないですが、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けましょう。

ロングパルスダイレーザー

ロングパルスダイレーザーは、「色素レーザー」とも呼ばれる美容医療の施術です。血液中のヘモグロビンに吸収されやすく、赤あざや酒さ、ニキビ痕など、さまざまな赤みに対応します。
レーザーがヘモグロビンに吸収されると、熱を発生し、その熱が血管を凝固、もしくは破壊します。繰り返し照射を行うことで、単純性血管腫や老人性血管腫のような赤あざだけでなく、毛細血管拡張によるいちご状血管腫の改善も期待できます。
照射による痛みは冷却機能や麻酔クリームによって抑えられますが、内出血が生じた場合には7〜14日間ほど続くことがあります。赤みや腫れは数日で軽減を見込めます。
照射した部位にかさぶたが生じた時にはテープ保護をする場合があります。数日間は過度な洗顔や患部への摩擦刺激を避け、日焼け止めなどで紫外線対策を続けましょう。

ロングパルスヤグレーザー

ロングパルスヤグレーザーは、波長が長いため、真皮(皮膚の深い層)まで達する高い深達性を持ち、広範囲に熱影響を及ぼす特徴があります。
赤いほくろのような老人性血管腫や血管拡張などに用いられるほか、ロングパルスダイレーザーなどでは難しい皮下静脈の治療も期待できる美容医療施術です。
血液中のヘモグロビンに吸収されやすい性質を持ち、赤みのあるあざ全般に効果が期待できます。
ピンポイントに高いエネルギーを照射することができるため、周囲の組織への熱影響を最小限に抑えた施術が可能です。照射時の痛みは多少ありますが、ヒリヒリ感が続くのは数時間でしょう。照射後は赤みが生じることがあり、反応が強いとかさぶたができる場合があります。

まとめ

目立つ場所にあざがあると、見た目に自信が持てなくなったりオシャレを楽しめなかったりと、コンプレックスにつながることがあります。子どもの頃に治療した方が治りやすいあざもありますが、大人になってから治療をはじめても遅くはありません。待っていても自然に消えることはほとんどないので、あきらめずに皮膚科や美容皮膚科の医師に相談してみましょう。

【医師監修】肝斑はどうしたら改善できる?原因を知って正しい対策をしよう

肝斑ができると全体的に肌がくすんで暗く見えます。悪化させないためにも、肝斑ができる原因や肝斑の特徴を知って対策をはじめましょう。本記事では、肝斑の特徴や原因を解説し、肝斑を改善したい方に向けて皮膚科や美容医療でできる施術を紹介します。

目次

肝斑の特徴

肝斑を改善したいなら、自分の顔にできているしみやそばかすが肝斑かどうかチェックしてみましょう。肝斑の持つ特徴を知り、しみやそばかすと見分けることで自分に合うケアが分かります。

左右対称に現れる

肝斑はしみと同じように薄い茶色で、左右対称的な形をしているのが特徴です。しかし、必ずしも左右対称ではなく、形が異なるものもあります。肝斑は顔の広い範囲に現れるため、肌の色がくすんで見えてしまい、不健康な印象を与えてしまいます。

頬骨のあたりにできる

肝斑の多くは頬骨の高い位置に現れますが、額や鼻、口元などにできることもあります。ただし、目の周りには肝斑はできないため、目の周りだけ白く抜けたようになります。同じく左右の頬に対称的に現れるしみに「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」があり、肝斑と見分けがつきづらいとされています。

30代~50代の女性

妊娠・出産する方の多い30代から更年期を迎える40代・50代の女性は肝斑ができやすい傾向にあります。また、10代・20代でもピルを服用しているとホルモンバランスの変化によって肝斑を発症することがあり、ほかにもストレスを放っておいたり、不規則な生活を続けたりしていると、肝斑を悪化させる可能性があります。
閉経後、肝斑は自然と薄くなるため、悩む方は少なくなるでしょう。

肝斑ができる原因

実は、肝斑の原因についてはまだはっきりとしたことは解明されていません。
しかし、メラニン色素が増えると肝斑につながるということは分かっています。以下に、メラニン色素が増えてしまう原因や、肝斑が現れるメカニズムについて解説します。

紫外線

紫外線は肌にとって刺激のひとつです。日光を浴びると、肌を守るため表皮(皮膚の浅い層)のメラノサイトが活性化されてメラニンが大量に生成されます。とくに頬は日焼けしやすい部分なので、過剰に増えたメラニンが代謝で排出しきれなくなると肌に蓄積されて濃くなり肝斑につながることがあります。肝斑は紫外線が強くなる春から夏にかけて濃くなり、逆に秋冬には徐々に薄くなる傾向にあります。

女性ホルモン 

女性ホルモンのバランスが乱れると、肝斑の発症や悪化につながることがあります。妊娠中から出産後、更年期を含む閉経時、さらにピルの影響などによりホルモンバランスが崩れると、メラノサイトが活発に働きメラニン色素が大量に生成されてしまいます。また、生活リズムの乱れやストレスの蓄積などでもホルモンバランスは乱れるため、普段の生活にも注意が必要です。

物理的な刺激

洗顔やクレンジング時のゴシゴシ洗いやマッサージの繰り返しで摩擦が生じると、慢性的な炎症を引き起こしてメラニン色素が増加し肝斑ができやすくなります。
毎日のスキンケアに使うのは、刺激が強い成分やスクラブ入りは避け、肌負担の少ないアイテムを選びましょう。毎日のスキンケア時の摩擦もダメージになって肝斑を悪化させてしまうことがあります。

肝斑はどうやったら改善するの?

肝斑を改善するには自宅でのスキンケアや生活習慣の改善だけでは薄くしたり消したりするのは難しいケースもあります。
すでに現れている肝斑を改善したいと思っているなら、医療機関で肝斑治療を受けるという選択もあります。肝斑には内服薬と外用薬の有効性が認められていて、いくつかある治療方法の中でも第一選択肢とされています。
また第二の選択肢として、美容医療も考えられます。肝斑はしみやそばかすと見分けがつきづらいため、必ず医師の診断を仰いだうえで肌の状態に合った施術を受けるようにしましょう。

肝斑の改善をめざす方におすすめの薬や施術

肝斑を改善するためにはさまざまな方法がありますが、皮膚科や美容皮膚科の内服薬や外用薬を用いた治療が第一選択肢であることを覚えておきましょう。それでも肝斑が気になるようであれば、美容医療施術を受けることを検討しましょう。
美容医療には、肝斑やしみを改善させるための施術がいくつもありますが、しみには適しているけれど、肝斑には適していない施術もあります。決して自己判断で選ぶのではなく、まずは医師に相談して診断を受けてからにしましょう。

内服薬

医療機関で肝斑の治療をする際には、まず「トラネキサム酸」が配合された内服薬が選択されますが、外用薬や、美容医療施術などと組み合わせると相乗効果も期待できます。
「トラネキサム酸」だけでも肝斑を薄くする効果が期待できますが、ほかの内服薬と併用する場合が多く、代表的なものに「L-システイン」「シナール」「ユベラ」があります。
「L-システイン」には肌に蓄積されたメラニンの色素を薄くする還元作用があります。メラニンを作るのを邪魔し、肌のターンオーバーを活発にしてメラニン色素の排出を促します。
「シナール」はビタミンCとパントテン酸カルシウムが主成分です。メラニンの生成を抑えながら肌に蓄積されたメラニン色素を薄くする働きがあり、抗酸化作用も認められています。
「ユベラ」は主成分であるビタミンEが肌の代謝を促し、メラニンの排出を助けて肌を白くする効果が期待できます。

外用薬

肝斑の治療に処方される外用薬は「ハイドロキノン」と「トレチノイン」です。どちらも市販されている化粧品よりも濃度が高く作用も強い傾向があり、使用には医師の処方が必要です。
「ハイドロキノン」はメラニン色素を作るメラノサイトを弱らせ、肝斑やしみの色素を薄くする効果が期待できます。ただし使用中は赤みやかゆみが出ることがあり、炎症を起こして肝斑やしみを悪化させないためにも紫外線対策は必須です。
「トレチノイン」はビタミンA誘導体です。肝斑やしみはもとより、ニキビの治療やしわ改善にも用いられる成分です。古い角質をはがして肌のターンオーバーを促し、蓄積しているメラニン色素を排出する作用があります。「ハイドロキノン」と併用することもありますが、肌への刺激が強く、赤みや皮むけなどの副作用にも注意が必要です。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒(1秒の10億分の1)という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、肝斑やしみ、あざなどの改善を図る美容医療施術です。
Qスイッチレーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

一般的に肝斑治療に推奨されるQスイッチヤグレーザー(Nd:YAGレーザー)は、到達深度の異なる長短2種類の波長を持ち、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。
長い波長は肝斑や深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。

照射の際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減するでしょう。照射後はかさぶたができる場合がありますが、自然に剥がれ落ちるまでの10~14日間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーはピコ秒(1秒の1兆分の1)という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、肝斑やしみなどの色素沈着の改善を図る美容医療施術です。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えません。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは濃いしみにも薄いしみにもダメージを与えることができるため、表皮(皮膚の浅い層)の肝斑やしみ、あざだけでなく、真皮(皮膚の深い層)のADM(後天性メラノサイトーシス)にも働きかけ改善を図ることができるでしょう。
さらに、メラニン色素の黒や茶色だけでなく青や緑など他の色素にも反応するため、タトゥーやアートメイクの除去治療にも利用されています。

また、真皮(皮膚の深い層)にレーザーが届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲン産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いため、痛みや炎症が生じにくい施術とされています。
ただし、照射後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、肌内部に強力な熱エネルギーを伝える美容医療施術です。

上記の記述でもある通り、肝斑の原因についてはまだはっきりとしたことは解明されていません。しかし、メラニン色素が増えると肝斑につながるということは分かっています。
肝斑は、表皮(皮膚の浅い層)メラニン生成が進んでいるだけでなく、真皮(皮膚の深い層)のメラノサイトも活性化している状態です。韓国やタイにてニードルRFが肝斑に対して有用であったとの報告がありますが、実際のところは機序などについてはわかっていない部分も多い治療方法です。

ニードルRFによる効果はそれだけではありません。
皮膚は傷つくと治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。

  • マイクロニードルで微細な穴を開ける

  • 真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射

  • コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ

ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられる場合があります。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減するでしょう。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を顔全体に塗ることで表面の古い角質を剥がしやすくして、肌のターンオーバーを促す美容医療施術です。

ターンオーバーを健康的な肌の周期に近づけると、肝斑やしみの原因であるメラニン色素の排出がスムーズになり、改善を促すことができるでしょう。
肝斑は外的な刺激によって悪化しやすいと言われており、刺激の少ないケミカルピーリングを内服薬や外用薬やほかの美容医療施術と組み合わせて受けることで、メラニン色素の排出を助けることが可能です。
ターンオーバーの正常化にともない、肌のキメが整ってバリア機能も高まるため肌荒れが起こりにくい肌質への変化も期待できます。

まとめ

肝斑を改善するには、皮膚科の外用薬・内服薬を用いた治療を受けながら、その時の肌の状態に応じた美容医療施術を受けるのがいいでしょう。まずは医師に相談し、スキンケアや生活習慣についてもアドバイスを受けながら自分に合った施術を選択しましょう。

【医師監修】肌の赤みを薄くしたい方におすすめの施術は?赤みの原因も解説

肌荒れではないのに肌の一部や顔全体が赤くなっているなら、赤ら顔や酒さかもしれません。肌の赤みが目立つとメイクでも隠すのが難しく、本来の肌の色を取り戻したいと考えるのは当然です。本記事では、肌の赤みの種類や原因、そして赤みを薄くする美容医療による施術を解説します。

目次

肌の赤みにも種類がある?

赤ら顔と酒さはどちらも鼻や頬、額などが赤くなる症状です。よく混同されることもありますが、正確には異なるものです。赤ら顔は慢性的な皮膚炎と間違われることもありますが、さまざまな要因が組み合わさってできていて、皮膚科医でも見分けるのが難しく診断に時間がかかることがあります。

赤ら顔

赤ら顔は顔全体に赤みが生じている状態で、肌トラブルがないのに赤みがあるタイプとニキビや皮膚炎などの肌トラブルで赤みができているタイプがあります。一般的に赤ら顔として知られているのは前者で、顔に広がっている毛細血管の拡張による赤みが肌表面から透けて赤く見えている状態です。

酒さ(しゅさ)

酒さは赤ら顔のひとつで、中高年に起こりやすいのが特徴です。酒さの肌は刺激にかなり敏感で、ちょっとしたことでもヒリヒリ感やかゆみを伴うことがあります。顔の中でも、とくに鼻や頬、口の周り、額に多くみられます。
肌の赤みやほてりがあるのに放置していると、毛細血管が広がって赤みが持続するようになり症状が進行していきます。さらに、皮膚炎や二キビではないのに毛穴が赤く盛り上がって膿をもったブツブツができることもあります。

肌の赤みを引き起こす原因

肌の赤みを引き起こす原因は、 おもに3つあります。

皮膚炎

ニキビや皮膚炎があると、炎症によって肌の赤みが起こります。肌には外部からの刺激を防ぐバリア機能がありますが、乾燥などによってうまく働かなくなると、わずかな刺激で炎症を起こしやすくなり赤みがでます。赤みが長く続いているなら慢性的な皮膚炎を起こしている可能性があり、かゆみやザラザラ感も生じているでしょう。

毛細血管の拡張

毛細血管拡張による赤みは、広がった血管に大量の血液が流れ込み、その赤さが皮膚の上から透けて見えている状態です。長期間血管が拡張したまま元に戻らず、 網目状に広がっていることもあります。ほてりを伴う場合には血管拡張の可能性が高く、急激な温度変化や飲酒、運動によって血流が増加すると頬や鼻のあたりが一気に赤くなります。

生まれつきの肌質

肌がもともと薄い方や色白の方は、通常は透けて見えるはずのない毛細血管や血流の赤みが見えやすくなっています。寒暖差や緊張などのちょっとした刺激でも顔が赤くなるという方は、生まれつきの肌質による可能性が高いでしょう。

肌の赤みを悪化させない対処方法

肌の赤みを簡単に改善することは難しいですが、悪化させないようにすることは可能です。日常生活の中でできる対処方法を紹介します。

肌トラブルの治療

皮膚炎やニキビなどが原因で生じている肌の赤みは、医療機関で必要な治療を受けましょう。推奨される治療を受けて赤みが落ちついたら、保湿ケアなどで肌を健康な状態に整えて、再発させないようにしましょう。

生活習慣の見直し

肌トラブルが原因ではない血管性の肌の赤みに対しては、日常生活の中で血管を拡張させる要因が少なくなれば、赤みが薄くなることがあります。
たとえば、アルコールや辛い食べ物を摂取すると血管の拡張や血流増加につながるので避けるのが無難です。また、 紫外線や乾燥、摩擦などの刺激から肌を保護する日焼け止めや保湿ケアアイテムは、なるべく低刺激性のものを選びましょう。

他にも、ストレスやホルモンバランスの乱れも、肌のバリア機能を低下させてニキビや肌荒れを招きかねません。きちんと休息を取りながら生活リズムを崩さないことが大切です。

肌の赤みを薄くするおすすめの美容施術

炎症によって肌に赤みが生じている場合には、皮膚科などで炎症に対する治療を行います。それでも肌の赤みが消えないときには、美容医療の施術を検討してみましょう。美容医療には毛細血管の拡張やニキビによる肌の赤みを抑える施術があります。以下を参考にしてみてください。

ロングパルスダイレーザー

ロングパルスダイレーザーは「色素レーザー」とも呼ばれ、血液中のヘモグロビンへの吸収率が高い施術です。血管腫や血管拡張、赤あざ、ニキビやニキビ痕の赤みなどさまざまな赤みに対して用いられます。
ロングパルスダイレーザーがヘモグロビンに吸収されると熱を発し、その熱で血管が凝固されます。繰り返し施術を受けることで、徐々に血管拡張による赤ら顔や、酒さの赤みが薄くなっていくでしょう。
照射による痛みは冷却機能や麻酔クリームによって抑えられますが、内出血が生じた場合には7〜14日間ほど続くことがあります。赤みや腫れは数日で軽減が見込めます。
照射した部位にかさぶたが生じた時にはテープ保護をする場合があります。数日間は過度な洗顔や患部への摩擦刺激を避け、日焼け止めなどで紫外線対策を続けましょう。

ロングパルスヤグレーザー

ロングパルスヤグレーザーは、波長が長いため、真皮(皮膚の深い層)まで達する高い深達性を持ち、広範囲に熱影響を及ぼす特徴があります。
赤いホクロのような老人性血管腫や血管拡張などに用い、ロングパルスダイレーザーなどでは難しい皮下静脈の治療も期待できる美容医療施術です。1回でも効果を感じやすいですが、複数回施術が必要になる場合もあります。
ピンポイントに高いエネルギーを照射することができるため、周囲の組織への熱影響を抑えた施術が可能です。照射時の痛みは多少ありますが、ヒリヒリ感が続くのは数時間でしょう。照射後は赤みが生じることがあり、反応が強いとかさぶたができる場合があります。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、 特殊な光を照射することで、さまざまなお肌のトラブルの改善を期待できる美容医療の施術です。
IPLの光はヘモグロビンに吸収されて、熱影響によって血管が凝固します。その働きが赤ら顔や酒さの改善につながり、さらに赤みのあるニキビ痕を落ち着かせる効果も期待できます。
照射時の痛みには個人差がありますが、肌を冷やしながら行うため我慢できないほどの痛みを伴うことは少ないでしょう。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感などが生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。
ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

ニードルRF

ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、真皮(皮膚の深い層)へダイレクトに熱エネルギーを届ける美容医療施術です。高周波の熱エネルギーによって炎症を抑えたり、新たな血管を作るのを抑えたりして、赤みを改善する効果が期待できると言われています。
ニードルRFは針を刺すため多少の痛みをともないますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみてください。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減するでしょう。

まとめ

肌の赤みはメイクで隠すことは難しく、悪化させないためにも外的刺激に気をつけながら日常生活を過ごしていくことが求められます。ただし、生活改善やスキンケアの見直しに励んでも赤ら顔や酒さの症状を改善することが難しいケースがあります。
本格的に肌の赤みを薄くしたいなら、しかるべき医療機関にかかり、医師の診断のもと美容医療などの施術を検討してみましょう。

【医師監修】ほくろを取りたい方へ!いぼとの違いやおすすめ施術を解説

顔の目立つほくろや、数多くのほくろに悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はほくろにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
本記事では、ほくろの種類やいぼとの違いを解説するほか、悪性のほくろとの見分け方もご紹介いたします。ほくろを取りたいとお考えの方におすすめの施術も紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね。

目次

ほくろって何?

ほくろは、医学的には母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)と呼ばれ、皮膚の表面に見られる良性の腫瘍です。メラニンを生成するメラノサイトが高密度に集まった状態で、表皮にできたものは「単純黒子(たんじゅんこくし)」で、真皮の近くにできると「色素性母斑(しきそせいぼはん)」と言います。

生まれつきの場合もありますが、通常は幼少期から20代半ば頃までに数が増えたり、濃くなったりします。女性の場合は、妊娠、出産などのホルモンバランスの変化によって色が濃くなることもあります。

ほくろの形状は平らなものから隆起したものまであり、徐々に盛り上がって肉厚になることもあります。色味も肌の色に近いものから褐色、青灰色、ほぼ黒色など多彩で、最初は赤だったのに黒っぽくなっていくものもあります。

ほくろができる原因

生まれつきのほくろは、胎児の時期にメラノサイトが異常に増殖することでできると考えられています。一方、生まれてからできるほくろは、紫外線の影響やホルモンバランスの変化によるターンオーバーの乱れが原因と考えられています。

ほくろといぼはどう違う?

よく見間違えられますが、ほくろはメラノサイトが密集して盛り上がったもの、そして、いぼは皮膚自体が盛り上がったもので異なります。
いぼにも種類があり、傷口などからウイルス感染を起こしてできる「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と、加齢によって生じる「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」、紫外線や摩擦が原因の「軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)」があります。

ほくろの種類

ほくろにはいくつか種類があります。
代表的なほくろを5つ紹介するので、自分のほくろがどの種類にあたるか見てみましょう。

ミーシャー母斑

ミーシャー母斑は首から上に現れることが多く、おもに顔面や髪の毛が生えている部分にできます。ドーム状に膨らんでいて皮膚の深いところで母斑細胞が増えたものです。色は青黒またはうすい茶で、年齢が上がるにつれて、薄くなっていく傾向にあります。

スピッツ母斑

スピッツ母斑は、若い時に現れることが多く顔にできやすいほくろです。表皮と真皮の境界部分から真皮の浅い部分にかけて母斑細胞が増えたものです。良性ですが短期間で急成長する場合には悪性のメラノーマと見分けるのが難しいでしょう。ある程度まで母斑が大きくなると自然になくなることがあります。

クラーク母斑

クラーク母斑は、体幹や手足に多く見られ、大きいものもあって形が楕円のようになっています。表皮と真皮の境界から真皮にかけて母斑細胞が増えたものです。色むらがあり輪郭がぼやけていて、悪性と見分けるのが難しいほくろです。

青色母斑(青いほくろ)

青色母斑は、幼い頃に現れてゆっくりと大きくなっていきますが、1cm以下にとどまることがほとんどです。通常のほくろより青っぽく見えます。悪性化することはほとんどありませんが、サイズが大きいとまれに悪性化する場合があります。

悪性のほくろ

悪性のほくろは皮膚がんのひとつです。とくに「悪性黒色腫(メラノーマ)」は、普通のほくろに見えるので診断が難しいのですが、黒色でいびつな形をしていることが多いです。

ほくろが悪性か良性かの見分け方

「ほくろはがんになる」という話を聞いたことのある方もいるでしょう。今まで小さかったほくろが次第に膨らんできたり、急に大きくなったりすると、悪性化しているのではと不安に感じることがあるかもしれません。
ここでは、悪性と良性のほくろの特徴的な違いをご紹介します。ただし、自己判断だけではなく必ず医師の診断を受けるようにしましょう。

境界があいまい

周りの皮膚と境界がはっきりしている良性のほくろに比べ、悪性のほくろは境界がぼやけていて輪郭がはっきりしません。

形がいびつ

良性のほくろは左右対称的で多くが円形ですが、悪性のほくろは形がいびつで表面にも凹凸があります。

色むらがある

良性のほくろであればたいてい均一な色をしていますが、悪性のほくろは色の濃淡が部分的にできていることが多いです。

大きさ

良性のほくろは6~7mmを超えて大きく育つことは少なく、それ以上に大きいと悪性の可能性があります。急にほくろが大きくなった場合には、医師に相談をしましょう。ほくろができた時期とサイズ・形の変化をチェックしておくと診断までスムーズです。

ほくろを取り除く施術

ほくろの治療は皮膚を切開する外科的な手術がありますが、傷跡が残るリスクがともないます。数が多いほくろや、顔や腕といった目立ちやすい場所のほくろを手術で除去するのはあまりおすすめしません。皮膚科や美容皮膚科では、より手軽で傷跡が残りにくいレーザー治療が行われています。

CO₂レーザー

CO₂レーザーは、レーザーで皮膚の切開や切除を行う施術です。
肌内部の水分と反応し、熱で蒸散する瞬間に組織を削るしくみを利用して、
ほくろやいぼ、厚みのあるしみを取り除くことができます。
照射直後は少しくぼんだ状態で赤みがありますが、創傷治癒反応が進むと傷跡は次第に目立たなくなるでしょう。

  • 患部にCO₂(炭酸ガス)レーザーを照射

  • ほくろなどの組織を蒸散させながら削り取る

  • 新陳代謝によって肌再生し傷跡が目立たなくなる

CO₂レーザーを照射後、赤みは2~3日でひくことがほとんどですが、レーザーの出力が高いと赤みが続きやすいでしょう。照射後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。治療後はていねいに保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。

まとめ

ほくろは、チャームポイントとして魅力を引き立てる一方で、気になる存在に思えてしまうこともあります。ほくろの大きさや数のせいで見た目が悪くなっていると感じている方のために、レーザー治療でほくろを除去するという選択肢があります。ほくろが悪性の可能性もゼロではないため、大きさや形が変化している場合は早めに医師に相談することが大切です。

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