連載 vol.3
毎日のケアはもちろん大切だけど、気になる肌悩みがあるのなら、美容医療に頼るのもひとつの手。そこで、肌悩み別に注目の治療をピックアップ。その特徴や効果についてドクターにたっぷり教えてもらいます。

お話を伺ったのは…
五本木クリニック
海 暁子 先生
日本形成外科学会専門医。形成外科専門医としての豊富な経験、確かな技術で、皮膚科処置から美容外科手術まで幅広く手掛ける。スタッフからの信頼も厚い人気医師。
Clinic Data
東京都目黒区中央町2丁目18-14
TEL 0120-70-5929 診察 10:00~18:30
休日 日・祝
https://gohongi-biyou-clinic.co.jp/
今月のテーマ
「たるみ」治療
フェイスラインのたるみは、
大顔や老け顔の要因に
年齢を重ねるにつれ、気になってくる悩みが顔のたるみ。読者アンケートの結果からも、フェイスラインや目もとのたるみに悩む人が多く、セルフケアだけでは、なかなか改善しないのも事実。顔がたるむ原因とは?
「たるみとは、皮膚の構造のゆるみによって重力で下垂した状態をいいます。食事や睡眠などの生活習慣も関係しますが、主な原因は真皮層のコラーゲンやエラスチンの減少、また、真皮層よりも深い部分にある皮下組織(脂肪)の変性や下垂、SMAS層の緩みや筋肉の低下などがあげられます。加齢とも関係するので、早めにケアしていくことが重要です。毎日のスキンケアは重要ですが、強くこすったり、引っ張ったりすると逆にたるみを加速させることもあるので要注意。ホームケアやエステでは強さや種類に限界がありますが、美容医療では、医師の判断のもと、個々に合わせた適切な治療を受けることができます。特にハイフ治療は、SMAS層にも直接アプローチすることができ、メスを入れずにリフトアップが叶うので、フェイスラインのたるみに悩む人にオススメです。比較的、手軽に受けることができる治療なので、最近は女性のみならず、男性でもハイフ治療を受ける人が増えていて、パートナーと来院されるケースも多数。ただし、手軽とはいえ、熱傷や神経損傷などのリスクもあるので、信頼できる医療機関での治療をオススメします」
(海先生)。
読者にリサーチ!
Q.たるみが気になる部位は?
A.

見た目印象にも大きく関わるたるみ悩み。マスク生活以降、顔のたるみに悩む人が増加していて、約半数近くの人がフェイスラインのたるみを気にしている結果に。リフトアップ系のアイテムでケアをしたり、セルフマッサージを行っていても、なかなか改善しない、という声も多数。
※2024年6月、宝島社の公式Instagramでのアンケートによる


たるみの主な要因
- 1
コラーゲンや
エラスチンの減少加齢や紫外線の影響でコラーゲンやエラスチンが減少すると、肌の弾力を支えられなくなり、ハリが低下する要因に。
- 2
皮下組織の
変性・下垂皮下組織(脂肪)が減少することで、より重力を受けやすくなったり、深部のボリューム低下につながる要因に。
- 3
SMAS層の衰え
加齢などの影響でSMAS層が衰えることで弾力性などが低下し、重力の影響を受けて、たるみが目立つように。
たるみ悩みの美容医療での解決策!
「ハイフ」
たるみの原因にピンポイントで
アプローチ!
「ハイフは超音波で皮下組織やSMAS層にピンポイントで熱損傷を与え、創傷治癒過程でコラーゲンなどが増生されることで、たるみを引き上げる効果に期待ができます。肌にメスを入れることなくリフトアップが叶ううえ、ダウンタイムも短いので、たるみ予防として受ける人も増えています」
たるみ悩みの注目施術「ハイフ」について深掘り!
ハイフとはどのような治療なのか、また、たるみ改善のメカニズムや、他の治療との違いなどについて、海先生に教えていただきます。

Q.そもそもハイフとは、どのような治療?
A.
ハイフとは、High Intensity Focused Ultrasoundの略称で、日本語では高密度焦点式超音波といいます。皮下組織やSMAS層に超音波のエネルギーを一点に集中させ、表面の皮膚を火傷させずに熱で引き締め、コラーゲンの増生を促すことで、メスを使うことなく、肌のたるみを根本的に改善する治療法です。ドット式とリニア式があり、ドット式は一点に焦点を合わせるので引き締め効果が高く、リニア式は線状に焦点を合わせることで、広い範囲で脂肪を燃焼させる作用に期待ができます


Q.フェイスラインのたるみに対し、ハイフはどのように作用するの?
A.
SMAS層が衰えることで、その上にある皮膚や皮下脂肪を支えきれなくなり、フェイスラインのたるみが生じます。ハイフはこのSMAS層に超音波エネルギーをピンポイントで照射することで、熱で肌を引き締めつつコラーゲンやエラスチンの増生を促進し、リフトアップを叶えます。当院では最新のハイフマシンを導入しており、0.5mm間隔で照射する深さを調整することが可能です。また、ハイフの施術前にエコー検査も行っており、顔の筋肉やSMAS層の状態を把握し、照射する深さを個々のたるみの状態・部位ごとに適切に合わせることで、効果はもちろん、痛みや施術時間の軽減、安全性にも万全を期しています
-
超音波エネルギーを照射
表皮や周りの組織にダメージを与えずに、皮下やSMAS層に狙いを定めて超音波エネルギーを与える。 -
熱損傷を与える
タンパク質が凝固し、緩んだ組織がリフトアップ。また、熱損傷を与えることで創傷治癒力を促進。 -
コラーゲンやエラスチンを
増生
創傷治癒力によってコラーゲンとエラスチンの増生を促進し、肌の引き締め&リフトアップをサポート。

針やメスを使わずにリフトアップが叶うのは嬉しいですね!
Q.ハイフを受けたあと、
フェイスラインのたるみは
どのように変化する?
A.
個人差はあるものの、施術直後でもハリやツヤがアップし、肌の引き締まりを実感できると思います。熱エネルギーにより、コラーゲンやエラスチンの増生を促すので、施術1カ月後くらいから、さらに高いリフトアップ効果に期待ができます。また、乾燥肌の改善にも期待ができます

治療直後はもちろん、その後の肌の変化も楽しみ
Q.他のたるみ治療との違いは?
A.
従来の温熱治療や光治療では難しい、肌の深部にあるSMAS層にピンポイントでアプローチできるのがハイフの特長です。肌の引き締めやハリの改善であれば他の治療でも叶いますが、ハイフは、たるみの根本改善に期待ができる治療です
Q.痛みやダウンタイムはどのくらい?
A.
個人差はありますが、筋肉痛や打撲痛のような軽度の痛みを感じる場合も。基本的にダウンタイムはないので、治療直後からメイクも可能です。ただし、皮膚の浅い層への照射で、一時的に赤みや熱感、腫れなどが出る可能性もありますが、数日で落ち着くと思います。また、熱傷などのリスクもあるので、信頼できるクリニック選びも重要です。治療後は、保湿ケアを徹底し、肌をこすらないよう注意してください。また、治療後の肌は紫外線の影響を受けやすいので、日焼け止めを必ず使用しましょう
Q.治療の流れを教えて!
A.
当院の場合は、看護師のカウンセリング後、医師が診察をし、洗顔、エコー検査でSMAS 層の深さを確認し、施術に入ります。治療範囲にもよりますが、施術は約20分程度で終了し、施術後からメイクをすることも可能です
今月のまとめ
メスを使うことなく、SMAS層へピンポイントでアプローチできるので、ダウンタイムもほぼなく、土台から、たるみ改善に期待ができるのは嬉しいポイント! ハイフと一口に言っても、クリニックによって導入しているマシンが異なるうえ、当然リスクもあると思うので、メジャーになっている治療だからこそ、信頼できるクリニックを探すことも重要だと、改めて実感!

●費用:全顔¥88,000(初回)、2回目以降¥77,000 ●施術にかかる時間:1回約60分 ●痛みの程度:軽度の筋肉痛や打撲痛などを感じる場合があります。(個人差があります)●ダウンタイム期間&リスク:ダウンタイムは基本的にありません。皮膚の浅い層への照射で、赤み、熱感、腫れなどが出る可能性もありますが、通常は数日間で回復します。また、感染、熱傷、神経麻痺、色素沈着、毛包炎症、紅斑などの可能性も。(個人差があります)●治療期間・回数:3~6カ月に1回のペースで3~6回※全て施術内容により異なります。
〈施術に関するお問い合わせ先〉
五本木クリニック
東京都目黒区中央町2丁目18-14
☎0120-70-5929
※画像・文章の転載はご遠慮ください
(©宝島社 &ROSY 2024年10月号掲載)