【医師監修】くすみの種類や原因は?くすみを取りたい方におすすめの施術を解説

「洗顔をちゃんとしているのに顔が汚く見える」
「朝はツヤツヤなのに、夕方になるとどんより…」
こんなくすみ肌にお悩みではないですか?
くすみとは、顔全体が本来の明るさよりも暗く見える状態です。
透明感やツヤが失われ、不健康で暗い印象を与えてしまいます。

原因は、さまざまですが、自分のくすみの状態を把握し、それに合った対策を行うことが重要です。
この記事では、くすみの種類や原因、美容医療によるおすすめの施術について解説します。

目次

くすみの種類と原因

くすみの種類はおもに以下の5つです。原因は生活習慣や外的要因など、さまざまなものがあります。

メラニンによるくすみ

紫外線の影響で肌がダメージを受けるとメラニンが過剰に生成され、その蓄積がくすみの原因となります。
また、洗顔やスキンケアで起こる摩擦もメラニン生成を招きやすく、結果として肌全体が茶褐色にくすんだ状態をつくりだす場合があります。

乾燥によるくすみ

肌の乾きがひどいとバリア機能が低下し、それを補うために角質が厚くなります。角質そのものは黒ずんでいるため、くすんで見えるおそれがあります。また、水分不足で毛穴がぽっかり開くと、そこが影になり顔色が悪く見えます。

血行不良によるくすみ

睡眠不足やストレス、運動不足などの影響で血流が滞り血行不良になると、毛細血管が目立つ青みがかったくすみにつながります。冷え性の方も血行が悪くなりやすいため、生活環境の改善も含めて対策を考えましょう。

糖化によるくすみ

食事などで糖分をたくさん摂ると、余分な糖がたんぱく質と結合しAGEs(終末糖化産物)を生成します。このAGEs(終末糖化産物)がコラーゲンを破壊し皮膚の細胞に沈着するため、肌が黄色くくすんだ状態をつくりだします。

角質によるくすみ

加齢やストレスなどでターンオーバーが乱れると、古い角質が肌の表面にとどまるだけでなく、角質はどんどん厚くなります。放っておくと肌はゴワつき透明感が失われ、肌がグレーががった状態になります。

くすみを取りたい方におすすめの施術

くすみは、生活習慣の改善や、スキンケアの見直しによって抑えることが可能ですが、美容医療による施術も有効です。くすみの気になる方は、以下の施術を検討してみてください。

IPL

IPL(Intense Pulsed Light)は、 特殊な光を照射することで、さまざまな(お肌のトラブル)の改善を期待できる美容医療の施術です。
単一波長で高エネルギーを用いて一点突破を狙うレーザー照射に比べると、広域波長のマイルドな光を顔全体に当てられるので、広範囲にわたる効果を期待できます。

IPLにはいくつかの働きがあり、幅広い肌悩みに対応します。

まず代表的なのは、過剰に生成されたメラニン色素への働きです。
IPLの光は、しみやそばかすの原因であるメラニン色素に熱影響を与え分解します。分解されたメラニン色素はターンオーバーとともに、数日かけて皮膚の外へ排出されます。このサイクルを繰り返すことで、しみやそばかす、毛穴の黒ずみを徐々に薄くする効果が期待できます。

  • IPLの光がメラニン色素を熱で分解

  • メラニン色素はかさぶたのように浮上

  • メラニン色素を老廃物として体外に排出

さらにIPLは、肌の赤みのもとである毛細血管のヘモグロビンへも働きます。
IPLの光がヘモグロビンに吸収されると、熱影響によって微小血管が凝固されるので、赤ら顔や酒さの改善につながるとともに、赤みのあるニキビを落ち着かせる消炎効果も期待できます。

ニキビそのものにも、IPLは有効なケースがあります。IPLによりアクネ菌が熱せられ、アクネ菌を抑えることで、赤みや炎症を抑える効果を期待できます。また、皮脂腺に熱影響を与えることで皮脂分泌が抑制されるので、ニキビ自体ができにくくなるでしょう。
熱でコラーゲンが刺激され線維芽細胞が刺激されると、真皮の構成要素であるコラーゲンなどの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

IPL照射時の痛みには個人差がありますが、肌を冷やしながら行うため我慢できないほどの痛みをともなうことはほとんどないでしょう。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感など生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。
ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。

Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、ナノ秒という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、しみやあざなどの改善を図る美容医療施術です。

レーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 熱エネルギーがメラニン色素を破壊

  • 破壊したメラニン色素を老廃物として体外に排出

Qスイッチレーザーは、到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。

短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。
同様に、毛穴の黒ずみにも効果を発揮するでしょう。

長い波長は深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。数回の照射が必要ですが、タトゥー、アートメイクや刺青などの顔料にも反応するので、皮膚を切開することなく、色素を薄くすることができます。

さらに、真皮(皮膚の深い層)の熱影響による美肌効果も期待できます。熱でコラーゲンが刺激され、コラーゲンの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。

Qスイッチレーザーを照射する際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。照射後はかさぶたができますが、自然に剥がれ落ちるまでの10日~2週間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。

ピコ秒レーザー

ピコ秒レーザーは1兆分の1秒という、極端に短い時間でレーザーを照射し、狙ったメラニン色素を音響衝撃波で細かく破壊して体外に排出することで、しみやあざなどの色素沈着の改善を図る美容医療施術です。ピコ秒レーザーが起こす音響衝撃波は非常に強力ですが、狙った範囲以外にはほとんど影響を与えません。

  • レーザーがメラニン色素に反応

  • 衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕

  • 粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出

ピコ秒レーザーは、濃いしみにも薄いしみにもダメージを与えることができます。そのため、表皮(皮膚の浅い部分)のしみやあざはもちろん、真皮(皮膚の深い部分)のADM(後天性メラノサイトーシス)も働きかけ改善を図ることができるでしょう。

また大きな特徴として、メラニン色素の黒や茶色だけでなく青や緑など他の色素にも反応することが挙げられます。その特性は特にタトゥー除去に効果的とされ、アートメイクを薄くする治療にも利用されています。タトゥーやアートメイクの除去には定期的に数回の照射が必要なうえ、痛みをともないますが現時点ではほかのレーザーと比べても効率のよい治療が可能です。

さらに、ピコ秒レーザーが真皮(皮膚の深い層)に届くと、音響衝撃波の影響でコラーゲンが刺激され、コラーゲンなどの産生が促進されるので、皮膚の弾力向上や肌質の改善が期待できるでしょう。

ピコ秒レーザーは照射時間が短いので、痛みや炎症が生じにくいとされています。
ただし、施術後の肌はダメージを受けやすくなっているので、ていねいな保湿と紫外線対策を心がけ、患部をこすったり刺激を与えたりすることは避けて過ごしましょう。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、肌に塗布した薬剤によって皮膚表面の硬い角質の一部を溶かす美容医療施術です。薬剤が皮膚に浸透することで、肌のターンオーバーを整え、新しい皮膚の再生を促進し、ニキビやニキビ痕、毛穴の開きや黒ずみなどを改善する効果が期待できます。
施術後は、肌の赤みやかゆみ、ピリピリした痛みなどが2〜3日程度続く場合があるでしょう。リスク・副作用としては、上記に加え、皮むけや乾燥などが生じるおそれがあります。

エレクトロポレーション

機器が発する電気を利用して皮膚に一時的な小さな穴を開け、有効成分を浸透させる施術です。
イオン化されない物質も導入できるため、有効成分の選択の幅が広いことが特徴です。
例えば、トラネキサム酸やビタミンCを導入させることで、メラニンの影響によるくすみやしみ、肝斑などの改善に効果が期待できます。
針などで皮膚を傷つける施術と比べて、痛みやダウンタイムが少ないのがメリットですが、まれに施術後、ピリピリ感や赤み、かゆみが数日間続く場合があります。

まとめ

くすみは、紫外線や乾燥、血行不良や過剰な糖質摂取などによって起こる場合があります。しかし、スキンケアを徹底したり、生活習慣の改善を試みたりしても解決に至るのが難しいケースがあります。

そんなときは、美容医療による施術を検討してみてはいかがでしょうか。
くすみの改善が期待できる施術を受け、理想の肌を取り戻しましょう。

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト! vol.2

ドクターが解説 いま注目の美容医療のコト!

連載 vol.2

毎日のケアはもちろん大切だけど、気になる肌悩みがあるのなら、美容医療に頼るのもひとつの手。そこで、肌悩み別に注目の施術をピックアップ。その特長や効果についてドクターにたっぷり教えてもらいます。

お話を伺ったのは…

鼻岡けいこ皮フ科クリニック
鼻岡佳子 院長

医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・指導医。日本皮膚科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医。コミュニケーションを重視した丁寧な診察・治療に定評あり。

Clinic Data

広島県広島市中区三川町7-1 香月メディカルビル2F
TEL 082-533-6333
診察 9:30~13:00、15:00~18:00
休日 第4水曜・日・祝日(水・土は午後休診)

今月のテーマ

「ニキビ」治療

誤ったセルフケアは、
ニキビを悪化させる要因に

気温の上昇と共に、汗や皮脂の分泌量も増えてくるこの時期は、ニキビに悩む人も急増中。読者アンケートの結果からも、同じ場所に繰り返しできる、一度できると治りにくい、という声も相次ぎ、ニキビ対策に困っている人も多い様子。ニキビの改善策とは?
「大人ニキビの場合、ホルモンバランスの乱れやストレス、メイクによる悪化なども関係しますが、ニキビの主な原因としては、皮脂分泌の増加、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖です。ニキビを改善するための近道は、この3つの原因に対し、適切な治療を行うことです。誤った自己治療は、ニキビの悪化やニキビ痕の要因になることも。ニキビ痕がクレーターのようになってしまうと、平らに戻すのに時間がかかってしまいます。美容医療では、保険診療ではよくならないニキビの改善や、数多くあるニキビをより早く治療し、跡にならないように導くことができます。特にニードルRFは、皮膚の下にある皮脂腺をRFによって凝固させることができるので、新しいニキビや、繰り返すニキビ、また、ニキビ痕の治療にも有効です。ニキビ痕を残さずキレイに治すためにも、ニキビができたら早めに皮膚科を受診することをオススメします」
(鼻岡院長)。

読者にリサーチ!

Q.ニキビで気になることは?

A.

スキンケアを丁寧に行っていても、同じ部分に繰り返しニキビができる、という声が多数。特に、アゴまわりのニキビに悩む人が多い模様。また、年齢と共にニキビが治りにくくなった、という声も。マスク生活の影響もあってか、ここ数年で急にニキビができやすくなった、という人も。

※2024年5月、宝島社の公式Instagramでのアンケートによる

ニキビの主な要因

  • 1

    皮脂分泌の増加

    皮脂が過剰に分泌されるとスムーズに排出できなくなり、毛穴詰まりの要因に。ストレスにより皮脂が増えることも。

  • 2

    毛穴の詰まり

    皮脂や古い角質が毛穴に詰まることで、白ニキビに。また、皮膚の内側では、アクネ菌が増殖し始めている状態に。

  • 3

    アクネ菌の増殖

    肌の常在菌のひとつであるアクネ菌は、皮脂をエサに増殖し、炎症を引き起こすことで、赤ニキビや黄ニキビに進行。

ニキビ悩みの美容医療での解決策!

「ニードルRF」

ニキビの3大原因にアプローチ!

「ニードルRFは、ニキビに極細の針を刺し、皮膚の下にある皮脂腺をRFで凝固させ、その後、皮膚の下を再生させる治療です。皮脂腺自体を凝固させるので、過剰な皮脂分泌をおさえることができ、毛穴の詰まりや、アクネ菌の増殖も防ぐことができます」

ニキビ悩みの注目施術「ニードルRF」について深掘り!

ニードルRFとはどのような治療なのか、また、ニキビ改善のメカニズムや、他の治療との違いなどについて、鼻岡先生に教えていただきます。

Q.そもそもニードルRFとは、
どのような治療?

A.
マイクロニードルと呼ばれる微細な針(1本または複数本)で肌表面に小さな穴をあけ、真皮層に到達した針先からRFを照射することで、表皮に過度な熱損傷を与えることなく、真皮層に直接熱エネルギーを加えることができる治療です。肌の創傷治癒機能を刺激して、線維芽細胞の活性を促す作用が。また、皮脂腺の焼灼作用などもあるので、ニキビやニキビ痕、毛穴や小ジワなど、様々な肌悩みの改善に期待ができる治療です

  • 〈 ニードル効果 〉
    マイクロニードルで肌に微細な穴をあける。

  • 〈 RF効果 〉
    針先からRF(高周波)を照射。

ニードルRFは、幅広い肌悩みに対応した治療なのですね

Q.ニキビに対し、ニードルRF
どのように作用するの?

A.
ニキビの始まりは、毛穴の詰まりです。毛穴の詰まりを改善しない限り、ニキビは繰り返しできてしまいます。ニードルRFは、微細な針をニキビひとつひとつに刺し、真皮層にある皮脂腺にピンポイントでRFを照射します。皮脂腺をRFの熱で凝固させると、皮脂腺自体が縮小し、皮脂の分泌量が減少。結果、毛穴が詰まりにくくなります。また、それに伴いアクネ菌も増殖しにくくなるため、いまあるニキビの改善だけではなく、ニキビができにくい肌へ導くことができます

  • 皮脂腺を熱で凝固

Q.ニードルRFを受けたあと、
ニキビはどのように変化する?
また、どのくらいのペースで受けるのがオススメ?

A.
小さなニキビであれば、1回でもなくなると思います。大きいものであればサイズが小さくなります。受けるペースは、ニキビの種類や数にもよりますが、1カ月に1回、3~6回程度受けていただくのがオススメです

1回でも、目に見える効果を実感できるのは嬉しいですね!

Q.他のニキビ治療との違いは?

A.
表皮に過度なダメージを与えることなく、真皮にある皮脂腺にピンポイントでアプローチできる点が、他の治療との違いです。ニキビの縮小だけではなく、皮脂腺の縮小も期待できます

Q.治療の流れを教えて!

A.
洗顔、写真撮影、医師の診察のあと、1ニードルであれば麻酔クリームなしで施術に入ります。ニキビが広範囲にできていたり、数が多い場合は、複数のニードルがついたチップを使用するので、麻酔クリームを塗って30分ほど置いてから施術に入ります。施術にかかる時間は20分ほどで、最後に肌をクーリングして終了です

Q.痛みやダウンタイムはどのくらい?

A.
極細の針を使用するので、針を刺す痛みはほぼ感じないと思います。RFを照射した際に、やや熱さを感じる程度だと思います。施術後、赤みが出る場合もありますが、大抵1週間程度で落ち着くと思います。施術当日は、ニキビの外用薬はお休みしていただいていますが、翌日からメイクも可能です

ダウンタイムが比較的短く、翌日からメイクができるのは、嬉しいですね!

今月のまとめ

ニードルとRFで皮脂腺に直接アプローチできるので、いまあるニキビの改善はもちろん、ニキビができにくい肌に導いてくれるのが嬉しいポイント! 年齢を重ねるにつれ、ニキビが治りにくくなっている気がするので、悪化させないためにも、ニキビができたら、クリニックで相談してみるのがよさそうですね!

●費用:¥33,000~93,500(チップにより変動) ●施術にかかる時間:1回約60分~90分 ●痛みの程度:RF照射の際、熱による痛みを感じる場合があります。(個人差があります) ●ダウンタイム期間&リスク:一時的に赤みや腫れ、むくみ、内出血等が起こることがありますが、通常は数日から数週間で回復します。(個人差があります)●治療期間・回数:1カ月に1回のペースで3~6回 ※全て施術内容により異なります。
〈施術に関するお問い合わせ先〉
鼻岡けいこ皮フ科クリニック
広島県広島市中区三川町7-1 香月メディカルビル2F ☎082-533-6333

illust:NOZOMI YUASA text:AYA MATSUBARA
※画像・文章の転載はご遠慮ください
(©宝島社 otonaMUSE 2024年8月号掲載)

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