
「毛穴の黒ずみが気になるけど、原因がわからない」このように悩んでいる方がいるのではないでしょうか。
毛穴の黒ずみを放置すると、ニキビや肌荒れの原因になります。また、毛穴が徐々に広がり、黒ずみが余計に目立ちやすくなることもあるでしょう。
本記事では、毛穴の黒ずみを改善できるおすすめの美容医療による施術を解説します。自分に合った施術を選択し、綺麗な肌を取り戻しましょう。
目次
1.毛穴の黒ずみの原因
毛穴の黒ずみの原因はおもに以下の4つです。それぞれ詳しく解説します。
メラニン色素の沈着
メラニンが過剰に生成されると、肌の毛穴部分がしみのように黒く見えるようになるため、黒ずみの原因になります。
紫外線によるダメージ・皮膚の酸化・スキンケアで肌を強く刺激することにより、毛穴周りの皮膚に炎症が生じ、メラニンが過剰に生成されます。
産毛
頬や小鼻の周りに産毛が生えていると、毛の断面によって毛穴が黒ずんで見えるようになります。特に毛が濃い方の場合、よく見られる原因です。
寿命がきた産毛は、角栓がなければ抜け落ちて毛穴の外へ出ていきます。一方で、角栓が毛穴をふさいでいると、産毛が中に詰まって黒く見えます。
影
毛穴が開いている状態で光が当たると、影が生じて黒ずんで見えることがあります。おもに頬で生じることがあり、実際には毛穴の中に汚れが溜まっていない場合がほとんどです。
皮脂が多い脂性肌(水分・油分ともに多い肌質)や、保湿がうまくいっていない乾燥肌にも見られることがあります。
角栓の酸化
皮脂が毛穴に溜まることで生じる角栓が徐々に酸化していくと、黒ずみの原因になります。摩擦やターンオーバーの乱れなどにより、毛穴周りの角質が厚くなると、角栓が溜まりやすくなるでしょう。
2.毛穴の黒ずみを改善させる施術
フラクショナルCO₂レーザー
フラクショナルCO₂レーザーとは、レーザーを細かく分割してまばらに照射する方法です。まばらに照射することで周辺組織への熱影響を抑えられるので、痛みの少ない施術が可能となります。
レーザーの熱影響により一時的に組織が損傷をうけますがそれを修復しようとする力が肌の再生を促します。この創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)を利用し、コラーゲン産生を活性化してさまざまな肌悩みの改善を図ります。
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レーザーを細かく分割して照射
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一時的に組織が破壊され肌再生を促進
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数日かけてかさぶたがはがれ健康的な肌へ
コラーゲンは皮膚の真皮(肌の深い層)を構成しています。コラーゲンが増生されると肌の弾力性が増し、肌のキメが整い、毛穴の開きや黒ずみ、小じわが目立ちにくくなる効果が期待できます。さらに、くすみを取り除き、肌のトーンアップも見込めます。そして、施術を重ねることで皮膚の深い部分にもアプローチできるため、クレーター状の深いニキビ痕や肌の凹凸なども徐々になめらかに整っていくでしょう。
フラクショナルCO₂レーザーを照射後、赤みは2~3日でひくことがほとんどですが、レーザーの出力が高いと赤みが続きやすいでしょう。照射後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。治療後はていねいに保湿ケアや紫外線対策を行いましょう。
IPL
IPL(Intense Pulsed Light)は、 特殊な光を照射することで、さまざまな(お肌のトラブル)の改善を期待できる美容医療の施術です。
単一波長、高エネルギーを用いて一点突破を狙うレーザー照射に比べると、広域波長のマイルドな光を顔全体に当てられるので、広範囲にわたる効果を期待できます。
IPLにはいくつかの働きがあり、幅広い肌悩みに対応します。
まず代表的なのは、過剰に生成されたメラニン色素への働きです。
IPLの光は、しみやそばかすの原因であるメラニン色素に熱影響を与え分解します。分解されたメラニン色素はターンオーバーとともに、数日かけて皮膚の外へ排出されます。このサイクルを繰り返すことで、しみやそばかす、毛穴の黒ずみを徐々に薄くする効果が期待できます。
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IPLの光がメラニン色素を熱で分解
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メラニン色素はかさぶたのように浮上
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メラニン色素を老廃物として体外に排出
さらにIPLは、肌の赤みのもとである毛細血管のヘモグロビンにも働きます。
IPLの光がヘモグロビンに吸収されると、熱影響によって微小血管が凝固されるので、赤ら顔や酒さの改善につながるとともに、赤みのあるニキビを落ち着かせる消炎効果も期待できます。
ニキビそのものにも、IPLは有効なケースがあります。IPLによりアクネ菌が熱せられ、アクネ菌を抑えることで、赤みや炎症を抑える効果を期待できます。また、皮脂腺に熱影響を与えることで皮脂分泌が抑制されるので、ニキビ自体ができにくくなるでしょう。
熱でコラーゲンが刺激され線維芽細胞が刺激されると、真皮の構成要素であるコラーゲンなどの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。
IPL照射時の痛みには個人差がありますが、肌を冷やしながら行うため我慢できないほどの痛みをともなうことはほとんどないでしょう。施術後には赤みやほてり、ヒリヒリ感などが生じることがありますが、翌日には緩和する傾向にあります。
ただし、IPLを照射した後の肌は乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすくなっています。保湿ケアを徹底し、日焼け止めや日傘、帽子などで念入りに紫外線ケアを行いましょう。
ニードルRF
ニードルRFは、マイクロニードル(極細の針)で皮膚に穴を開け、ニードルの先端からRF(高周波)を流し、真皮(皮膚の深い層)へダイレクトに熱エネルギーを届ける美容医療施術です。
皮膚が傷つけられると、傷を治そうとする力が働きます。これを「創傷治癒反応」と言いますが、回復の過程でコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つタンパク質が産生されます。ニードルRFは、この性質を利用し、穿孔と熱エネルギーで真皮内に刺激を与え、創傷治癒反応を促進させます。これにより、皮膚の弾力が向上し、健康な肌へと導きます。また、熱エネルギーで皮膚内のタンパク質を凝固させるため、肌の引き締めやリフトアップ効果も期待できます。
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マイクロニードルで微細な穴を開ける
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真皮にダイレクトにRF(高周波)を照射
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コラーゲン産生の活性化で健康的な肌へ
ここで、ニードルRFの効果をまとめておきます。まず、コラーゲンやエラスチンが増え、肌が厚みを増すため、キメが整い開いた毛穴や小じわの改善が期待できます。施術を定期的に繰り返すことで、クレーター状のニキビ痕にも対応できるでしょう。
ニキビに対しては、RF(高周波)の熱エネルギーで皮脂腺を焼き、皮脂の分泌が減少することで、新たなニキビの発生を抑制できるでしょう。
そして、穿孔とRF(高周波)の照射に加え、ニードルを通して肌の奥に均等に薬剤を届けるドラッグデリバリーシステムが搭載されているものもあります。肌悩みに合わせた薬剤を選べば、さらに効果を実感しやすくなります。
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マイクロニードルで微細な穴を開ける
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マイクロニードルの先からRF(高周波)を照射
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マイクロニードルの穴から薬剤をデリバリー
ニードルRFは針を刺すため多少の痛みを伴いますが、RF(高周波)の止血効果により出血は最小限に抑えられます。痛みに弱い方は麻酔を使って痛みを抑えることもできますので、医師に相談してみましょう。施術後の赤みが残る場合も、たいてい1~2日で軽減します。
Q スイッチレーザー
Qスイッチレーザーは、ナノ秒という極めて短い時間でレーザーを照射し、メラニンを破壊し、しみやあざなどの改善を図る美容医療施術です。
レーザーは対象の色素に吸収されると、メラニン組織を破壊します。破壊されたメラニン色素は数日かけて老廃物として代謝され、体外に排出されます。照射時間が一瞬なので周囲組織への熱影響を抑え、肌への負担が少ないことも特徴です。
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レーザーがメラニン色素に反応
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衝撃波でメラニン色素を細かく粉砕
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粉砕したメラニン色素を老廃物として体外に排出
Qスイッチレーザーは、到達深度の異なるさまざまな波長があり、表皮(皮膚の浅い層)と真皮(皮膚の深い層)どちらのメラニン色素にも有効です。
短い波長は表在性のメラニン色素であるしみ、そばかす、あざなどに効果的です。同様に、毛穴の黒ずみにも効果を発揮するでしょう。
長い波長は深在性のメラニン色素であるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑(青あざ)の改善が期待できます。数回の照射が必要ですが、タトゥーやアートメイクなどの刺青粒子にも反応するので、皮膚を切開することなく薄くすることができます。
さらに、真皮(皮膚の深い層)の熱影響による美肌効果も期待できます。熱でコラーゲンが刺激され、コラーゲンの増生がおこります。その結果、肌の弾力が増し、キメが整い、小じわの改善など年齢肌の悩みに効果が期待できます。
Qスイッチレーザーを照射する際、ゴムではじかれるような痛みが生じますが、痛みや赤みは数日で軽減します。照射後はかさぶたができますが、自然に剥がれ落ちるまでの10日~2週間程度はテープで保護することが多いです。レーザーを照射した後の肌はとてもデリケートなため、乾燥や紫外線から守るスキンケアが非常に重要です。
マイクロニードリング
マイクロニードリングは、皮膚に針(ニードル)を刺し、真皮(皮膚の深い層)のコラーゲン産生を促進する美容医療施術です。
皮膚の創傷治癒反応(傷を治そうとする反応)が促進されることで、毛穴の黒ずみの改善や色素沈着の軽減をはじめ、ニキビ痕の改善も期待できます。さらに、肌の弾力やハリ、毛穴の引き締め効果を引き出し、年齢肌の悩み全般に効果が期待できます。
施術直後から数日間は、赤みや腫れ、わずかな出血が発生することがあります。
リスク・副作用としては、上記に加え、感染症やアレルギー反応などが生じる可能性があります。
マッサージピール
マッサージピールはTCA(トリクロロ酢酸)を使用したピーリングです。手で優しく肌をマッサージしながら深部に浸透させることで、肌の奥からハリと質感を高める美容医療施術です。
従来のピーリング剤と違って肌の剥離を起こしにくい薬剤を使用するため、肌への負担を抑えることができます。
肌のターンオーバーが正常化され、キメが整うので毛穴が目立ちにくくなり、黒ずみにも効果が期待できます。また、肌のハリ感がアップし、たるみの改善も図れるでしょう。TCA(トリクロロ酢酸)を使用したピーリングはほかにも、ミラノリピール、ペパーミントピールなどがあります。
施術後は、翌日から数日間は薄い皮むけが起こる場合があります。また、肌の状態によっては、赤みが少し続くおそれがあります。リスク・副作用としては、上記に加え、熱感やかゆみ、色素沈着やひりつきなどが生じる可能性があります。
ウォーターピーリング
ウォーターピーリングは、水の力で毛穴の汚れを吸引、洗い流し、まっさらな肌に整えた後、美容有効成分を導入する美容医療施術です。
強力な水流により、洗顔だけでは落とせない毛穴の汚れや角質を取り除き、毛穴の黒ずみを目立ちにくくする効果が期待できます。リスク・副作用としては、赤み・痛み・乾燥などが生じるおそれがあります。
3.毛穴の黒ずみにつながる悪習慣
何気ない生活習慣によって、知らず知らずのうちに毛穴の黒ずみにつながっているおそれがあります。
以下の悪習慣に該当する方は、毛穴の黒ずみの原因を作っている可能性があるため、注意が必要です。
強い力でクレンジング・洗顔する
クレンジングの際に強い力でゴシゴシと肌を擦ったり洗顔したりすると、刺激が加わり、色素沈着の原因になります。
メイク汚れを丁寧に落とすことは大事ですが、あまり力を入れすぎないことが大切です。
ファンデーションを厚塗りする
毛穴の黒ずみが気になる箇所にファンデーションで厚塗りすると、かえってファンデーションが入り込み、黒ずみが悪化するおそれがあります。
また、クレンジングの手間が増えてメイクが落としきれなくなり、毛穴に汚れが残る原因にもなります。
ファンデーションは何度も塗り重ねるのではなく、毛穴を補正する下地なども利用して薄めに塗るのがおすすめです。
強い力で角栓を押し出す
角栓を圧出する道具を使用したり爪を立てたりして角栓を押し出すと、肌が傷つき、黒ずみの原因になります。
また、毛穴に雑菌が入り、炎症が起こる可能性があります。
角栓は無理に押し出すのではなく美容皮膚科などで負担をかけずに除去してもらいましょう。
吸着力の強いパックを頻回に使用する
角栓を剥がして取り除くタイプのパックを頻繁に使用すると、角栓だけでなく角質まで剥がれてしまうおそれがあります。
場合によっては毛穴が傷つき、黒ずみの原因になります。
まとめ
毛穴の黒ずみは、紫外線によるメラニン色素の沈着や角栓の蓄積・酸化などによって起こります。