スキンケア

2023.09.19

日焼けは老化の原因?紫外線が肌に与える影響と予防・ケア方法

シミ・たるみ・しわは、加齢によって増える肌の悩みと思われがちです。しかし、シミ・たるみ・しわといった肌の衰えは、年齢による自然老化だけでなく光老化による影響も大きいと言われています。光老化は、日に焼けて肌がダメージを受けることで起こる老化です。

この記事では、光老化と普通の老化との違いや、光老化を防ぐ日焼け対策のポイントなどを解説します。日焼けのダメージは、繰り返すごとに蓄積されていくものです。正しい知識をもとに、毎日のUV対策を行ってください。

目次

1.日焼けによる老化「光老化」って?

光老化とは、肌が太陽光線を浴びることでダメージを受け、シミ・たるみ・しわなどが増える老化現象です。長時間・長期間浴び続けることによって、皮膚がんが生じる恐れがあるとも言われています。

太陽光線に含まれる紫外線は、皮膚の組織を破壊する力を持つ目に見えない光線です。肌のハリや弾力を保つために必要なコラーゲンやエラスチンなどの成分が減少すると、しわやたるみなどが生じやすくなります。そのため、同じ年齢でも日光に当たる時間が多い人のほうが、肌の老化が進みやすい傾向です。

1-1.普通の老化との違い

光老化と普通の老化、どちらも「老化」ではあるものの、皮膚に現れる変化は大きく異なります。光老化は、紫外線障害による慢性的な皮膚の変化です。一方普通の老化は、身体の生理的機能低下によって起こる皮膚の変化を指します。

下記は、光老化と普通の老化でそれぞれ見られる変化の特徴です。

◯見た目

光老化 普通の老化
●深いしわが見られる
●濃いシミが生じる
●肌がごわつく
●浅いしわが見られる
●ハリ・弾力が低下する

◯肌のキメ

光老化普通の老化
著しく変形するほぼ正常な形を保つ

◯表皮

光老化 普通の老化
角質層●厚さが不均一になる
●厚く硬くなる
●正常な厚さを保つ
●薄くなる傾向が見られる
メラノサイト●増加する
●メラニンの生成力が亢進される
●形態が不均一になる
●減少する
●メラニンの生成力が低下する
●形態はほぼ均一を保つ

◯真皮

光老化普通の老化
コラーゲン弾性線維の破壊により光線性弾性線維症が起こる繊維束の太さや配向性がわずかに変化する

光老化の影響は、浴びた紫外線の強さと時間に比例すると言われており、普通の老化に上乗せする形で変化が現れます。例えば、日に当たる機会が多い手の甲と、ほとんど日光に当たらない内ももやおしりの肌を見比べてみるとその差がよく分かるでしょう。光老化を起こしやすい手の甲に比べて、内ももやおしりの肌のほうが滑らかさや柔らかさを保ちやすい傾向にあります。
出典:皮膚科Q&A「Q5光老化は普通の老化とどう違うのですか?」

1-2.UVAとUVB

光老化は、太陽光に含まれる紫外線が大きな原因です。人体に影響を与える紫外線にはUVAとUVBの2種類があり、それぞれ下記のような特徴を持っています。

UVA●波長:320~400nm
●真皮層や皮下組織に到達し、ダメージを与える
●体内の分子に吸収されて活性酸素を発生させる
●細胞の膜脂質・たんぱく質・DNAなどに酸化的損傷を与える
●シワ・たるみなどの原因となる
UVB●波長:280~320nm
●主に表皮へ大きなダメージを与える
●日焼けを起こす力はUVAよりも強い
●細胞の核にあるDNAに直接吸収され、損傷や自壊をもたらす
●シミ・しわ・皮膚がんなど慢性皮膚障害の原因となる
●活性酸素を介した細胞障害性を引き起こす

出典:皮膚科Q&A「Q3UVBとUVAはどう違いますか?」」

1-3.光老化を防ぐには?

光老化を防ぐには、肌に紫外線が当たらないようにすることや、当たっても皮膚の奥まで浸透しない対策を行うことが大切です。紫外線対策の基本は日焼け止めですが、それに加えてさまざまな紫外線対策グッズを活用しましょう。

また、紫外線は直接太陽から降り注ぐ「直達光」以外に、地面や壁に反射した「反射光」や大気中で散乱した「散乱光」にも多く含まれています。紫外線対策を行う際は、全方位からの光を防げるように複数の対策を組み合わせることが効果的です。日傘・帽子・サングラスなどは、手軽に用意できてすぐに取り入れられるアイテムです。

2.老化を防ぐ日焼け対策のポイント

老化は年齢を重ねることで進行しますが、加齢による衰えだけでなく、光老化が原因の症状も少なくありません。光老化のリスクを抑えるためには、常日頃から日焼け予防対策を欠かさないことが重要です。
ここでは、光老化の影響を抑えるために押さえておきたい日焼け対策のポイントを解説します。

2-1.年中対策を行う

季節や天候によって降り注ぐ紫外線の強さや量は変化します。例えば、冬になればUVBは夏の5分の1程度、UVAは2分の1程度といった具合です。しかし、日光が出ている限り紫外線がなくなることはありません。紫外線による肌のダメージは蓄積しやすいため、光老化を抑えるには、1年中対策を欠かさないことが大切です。

紫外線が増える春~夏にかけてはもちろん、日差しが和らぐことで油断しがちになる秋や冬は、意識的な紫外線対策が重要となります。秋や冬は夏のダメージが残っているケースが多いため、紫外線対策を行いつつ保湿を欠かさないようにしましょう。また、雪国に住んでいる人や冬のレジャーが好きな人は、雪面に反射する紫外線にも注意が必要です。

2-2.外出しない日や曇りの日も対策する

紫外線量自体は少なくても、長期間浴び続ければ次第に肌へのダメージは蓄積されます。外出しない日や曇りの日でも、しっかりと紫外線対策を継続することが大切です。

室内で浴びる紫外線には、主に反射光や散乱光などが挙げられます。これらを防ぐためには、UVカット効果のあるレースカーテンやフィルムなどが有効です。窓ガラス自体をUVカットガラスに変えてもよいでしょう。

また、紫外線に加えてパソコンやスマホなどから発せられるブルーライトも、光老化の原因になると言われています。こちらの対策としては、電子機器のカット機能に加えてメガネやフィルム、日焼け止めなどと併用するとよいでしょう。

2-3.適切な種類の日焼け止めを適量塗る

日焼け止めは、利用シーンに合わせて使い分けることが重要です。日焼け止めに記載されているSPF値はUVB、PA値はUVAへの効果を示しており、数値が大きく+の数が多いほど効果が高くなります。だし、効果が高いほど肌への負担も大きくなる傾向です。

下記の例を目安に、適切な値の日焼け止めを選ぶとよいでしょう。

SPF10~20
PA+~++
散歩や買い物などの日常生活
SPF10~30
PA++~+++
屋外での軽いスポーツやレジャー
SPF30~50
PA++~++++
炎天下でのレジャーやリゾート地でのマリンスポーツ

クリームタイプやジェルタイプなど、テクスチャーは自分の好みで選べば問題ありませんが、商品によって適量は異なるため必ず説明書を確認することが大切です。

3.日焼け後のケアも重要

日焼け対策を意識していても、紫外線を完全に防ぎ切れるとは限りません。長時間日の当たる場所で活動した・日焼けしてしまったという場合には、適切なケアが必要です。

冷やす

日に焼けて赤くなったりほてったりしている肌は、炎症を起こした状態にあります。流水や冷たいタオルなどで冷やし、炎症の進行を抑えましょう。氷や保冷剤を使用する際はガーゼやハンカチで包み、直接肌に当てないことが大切です。ただし、冷やしすぎると血流が悪くなるケースや凍傷を起こすケースもあるため、ある程度ほてりが治まった時点で、冷やすのをやめましょう。

保湿する

日に焼けた肌は、皮膚の水分が失われて乾燥した状態です。脱水状態の肌はバリア機能が低下し肌トラブルを起こしやすいため、保湿力の高い化粧水や乳液でしっかりと水分を補いましょう。

まとめ

光老化は、太陽光に含まれる紫外線を浴び続け、肌ダメージが蓄積されることによって引き起こされる老化現象です。日頃から紫外線対策を習慣づけ、日に焼けてしまったときは入念なスキンケアでダメージを軽減することで、老化の進行を抑えられる可能性が高まります。

紫外線による肌の老化は、シミだけでなくたるみやしわができる原因の1つです。

この記事を監修したドクター
STスキンクリニック青山

院長 田澤しおり 先生

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